大魔法使いに生まれ変わったので森に引きこもります

かとらり。

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二十四話 おかえり


「ねぇ、ユリ」
「うん」
「森に、誰か入ってきたよね」

 胸がドキドキするのを感じる。

 落ち着け自分。
 あの子だと決まったわけじゃないんだから。
 もしかしたら危険な侵入者かもしれないし。

 がさごそと森の茂みが揺れた。

「誰だ!!」

 ユリが叫ぶ。

 茂みから出てきたのは…

「えっと、その…お久しぶりです」

 金髪碧眼の王子様みたいな青年…

 紛れもなく、カイトくんだった。

「っ…カイトくん…カイトくんっ!!」
「うわっ!ちょっと」

 僕は鴨をぽいっと投げ捨ててカイトくんに向かって走った。

「ノアさん!」

 カイトくんは僕を受け止めようと手を広げてくれていて、僕は躊躇いなくそこへ飛び込んだ。

「っ…なんで、なんで戻ってきちゃったの…?」

 こんな森の中退屈なのに…

 ぎゅうぎゅうにカイトくんを抱きしめながら僕は言った。

「あなたがいる場所が、僕の居場所なんです……国中どこへ行ってもあなたのことばかり考えてました」

 カイトくんは僕を優しく抱き返しながら囁いた。

「ノアさん…八年前、あなたにしてしまったことを許してもらえますか?もう一度やり直すことを、許してもらえますか?」

 こくこくと僕は馬鹿みたいに頷いた。

「うん、いいよ。いいよ…親っていうのは子供のしたことはなんでも許しちゃうんだから」
「親…」
「ちょっと、お二人さーん」

 声の下方を見るとジトーッとした目つきのユリがいた。

「感動の再会中ごめんだけど、俺仲間外れにされて寂しい」
「っごめんねぇ!!」
「すみません!」

 こうして僕たちは三人は抱き合って、また笑い合った。

 鴨は逃げちゃったけど…その日の夕方はお祝いのチェリーパイを食べた。
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