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十五話 ちゃんと子育てします2
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ある時僕は思い立った。
カイトくんを一人で寝かせているのは、もしかして良くないかもしれない、と…
僕は十代の感性で自分の部屋があった方がいいと思って、カイトくんには一つ部屋をあげて一人で寝かせていた。
でも、カイトくんはまだ小学生の年齢…甘えたいざかり。
しかも両親を失って一人ぼっちでここまで来たのだ。
いくら賢くて大人びた子とは寂しいに決まっている。
でもカイトくんはそういうところはあんまり見せてくれない。
もしかしたら夜に一人のベットで寂しさで泣いてるかもしれない。
そう思ったら僕はいてもたってもいられなくなってしまった。
その日の夜、僕はこっそりとカイトくんの部屋に入った。
起こさないようにそっとベッドに近づく。
カイトくんは安らかに眠っているようで、ひとまず安心した。
「…ほんと、かわいいなぁ」
子供がこんなに可愛い存在とは知らなかった。
僕はカイトくんの頭を撫でる。
「…はは、うえ」
カイトくんが寝言で呟いた言葉に、僕は息を呑んだ。
「……あいた、かった…」
(やっぱり、親御さんが恋しいんだ…)
僕もこの世界に来たばかりの時はときどき両親が恋しくなったから。
カイトくんの小さな体がベッドの上でぽつんと横たわっているのがかわいそうで、僕はカイトくんの側に横たわった。
「お母さんやお父さんの代わりにはなれなくても、僕がいるからね…」
カイトくんを起こさないようにそっと抱きしめて、僕は眠りについた。
翌朝目を覚ましたカイトくんは悲鳴を上げて、もうこんなことしないで下さいと言ったけど、僕はそれからもカイトくんの添い寝をやめなかった。
カイトくんを一人で寝かせているのは、もしかして良くないかもしれない、と…
僕は十代の感性で自分の部屋があった方がいいと思って、カイトくんには一つ部屋をあげて一人で寝かせていた。
でも、カイトくんはまだ小学生の年齢…甘えたいざかり。
しかも両親を失って一人ぼっちでここまで来たのだ。
いくら賢くて大人びた子とは寂しいに決まっている。
でもカイトくんはそういうところはあんまり見せてくれない。
もしかしたら夜に一人のベットで寂しさで泣いてるかもしれない。
そう思ったら僕はいてもたってもいられなくなってしまった。
その日の夜、僕はこっそりとカイトくんの部屋に入った。
起こさないようにそっとベッドに近づく。
カイトくんは安らかに眠っているようで、ひとまず安心した。
「…ほんと、かわいいなぁ」
子供がこんなに可愛い存在とは知らなかった。
僕はカイトくんの頭を撫でる。
「…はは、うえ」
カイトくんが寝言で呟いた言葉に、僕は息を呑んだ。
「……あいた、かった…」
(やっぱり、親御さんが恋しいんだ…)
僕もこの世界に来たばかりの時はときどき両親が恋しくなったから。
カイトくんの小さな体がベッドの上でぽつんと横たわっているのがかわいそうで、僕はカイトくんの側に横たわった。
「お母さんやお父さんの代わりにはなれなくても、僕がいるからね…」
カイトくんを起こさないようにそっと抱きしめて、僕は眠りについた。
翌朝目を覚ましたカイトくんは悲鳴を上げて、もうこんなことしないで下さいと言ったけど、僕はそれからもカイトくんの添い寝をやめなかった。
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