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十話
しおりを挟む「ありがとうございました、兄上。あやうくミカエルが攫われるところでした…」
「ペットの管理はちゃんとしろよ」
「ペットじゃありません!妻です!!!」
「あーはいはい」
ベットには先ほどまで犯されていた二人がすやすやと眠っている。
「…兄上はラナさんをどうするつもりですか?」
「どうするって?」
「兄上がいらないなら僕がもらいたいんですけど」
「一夫多妻制か?」
「ちがいます!!ミカエルとラナさんは仲がいいみたいですし、話し相手にいいかなと」
「仲がいい、ねぇ…」
ラナの記憶を情事の最中に覗いたが、あれは友情というには些か愛が大きすぎる気がする。
「あいつは俺がもらう。お前はそいつを可愛がってやんな」
「言われなくても可愛がってます」
ルシアは眠っているラナを抱き上げた。
「じゃ、俺はあっちの部屋で三回戦目してくるわ」
「…睡姦はよくないですよ」
「悪魔がなにいい子ちゃんぶってんだよ」
悪魔は欲望に忠実じゃなくっちゃな。
そう言ってルシアは部屋から出て行った。
残されたシンは安らかに眠るミカエルを見つめる。
(やっと俺のものになった…)
息を吸うたび上下する腹を撫でる。
子供はできただろうか。
今回できなくても、何度も種付けすれば孕むだろう。
そうしたらこの天使は本当に俺のものだ。
シンは仄暗い笑みを浮かべた。
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