親友をセフレにする方法

藍栖 萌菜香

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13-互いに気持ちよくなることが大切です。

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「ああっ!」
 最初の刺激は鋭かった。
 撫でられた瞬間に、乳首の先からぺニスの付け根に向かって、ピリリッと細かい電流が弾け跳んだ。ひと撫でされただけなのに、いまだ乳首がジンジンと痺れてる。

 どうしちゃったんだ、俺。乳首がいつもより……。
 俺の戸惑いをよそに、尾を引くその快感が背中をひとりでに浮きあがらせ、大悟の指先に乳首を勝手に押しつけた。たちまち、さっきよりは少し弱めの、それでもハッと息を呑むような愉悦が走る。

 快感に波打つ身体がやっと治まったかと思ったら、大悟の指先がすかさず動き出した。
「あぁ、ぅんんっ、ぁ、」
 ツンと尖った乳首の上を、やさしい指にそろりそろりと往復される。

 最初に撫でられたときに思わず叫んでしまったのがいけなかったのか、大悟の指は、触れるか触れないかの、焦れったい愛撫しかくれない。それがもう、本当に焦れったくて、今度は自分から乳首を押しつけたくなってくる。
 それを堪えて、弱すぎる信号を目を閉じて追いかければ、ふわふわした小さな快感が乳輪の下に沈殿していった。


 鳩尾には、まだ大きな手のひらが半分残っている。手のひらで心音を確認しながら、伸ばした指先で乳首をだなんて。
 そんな愛撫は、手の大きな大悟だからこそできるんだと気づいてしまえば、その手の大きさに憧れていた自分が、とんでもなくやらしい人間のように思えて、ことさらに頬が熱くなった。

 確かに、大きな手をして便利だなとは言ったよ。でもあれは、片手でボールをやすやすと掴めるからであって、こんな、こんなこと……。


「ふ、ぅん。は、ぁあ、」
 少し硬めのざらついた指先が、ときおり乳首に引っかかる。それが思いのほか気持ちよくて、大悟にバレないよう鼓動を宥めるどころか、声も抑えられない。

 乳輪の下に溜まり続ける快感に、乳首だけじゃなく乳輪までもがふくりと膨らんでいるのが自分でもわかった。きっと視覚的に、かなり卑猥なことになってるに違いない。
 もどかしい愛撫に堪えきれず、また少しずつ競りあがっていく背中が抑えられない。腫れて淫らな乳首を差し出してるのかと思えば、よけいに恥ずかしくなった。

 服、脱がなくてよかった。
 俺が焦れる感覚を持て余しながら本気でそんなことを考えていたら、その淫らな乳首をシャツの下でそっと潰された。
「ああんっ、あ、ああっ」
 その刺激のせいで、乳輪下の快感溜まりが一瞬でアナルへと回路を繋げ、腰の奥まで一気にぶわりと快感が押し寄せた。

 前立腺が、熟れて疼いて、揉まれたがってる。
 ああ、突かれたい。大悟の、あの太くて硬いぺニスで、前立腺を押しあげるほど奥までみっしりと塞がれて突かれたい。
 突かれながら、大悟の指先でやさしく乳首を弄られたなら……きっと、とびきり気持ちよく射精できるだろう。
 でも、射精してしまったら、ドライにはもう。


「ゆきなり?」
 すぐ上から、低く艶のある声がした。『どうしたらいい?』と、うかがうような呼名だった。
 やっぱり大悟には、何もかもわかっちゃうんだ。俺がドライを待ち望んでいることも、乳首がどうしようもなく好きだってことも、この先の快感を選びかねているってことも全部。

 大悟に、全部見透かされてる。
 そう悟った次の瞬間、アナルがかあっと熱くなり、ぐぐっと内圧をあげた。

「ああっ!」
 浅い位置に居座っていた大悟のペニスの存在を、熟れた肉の内側でまざまざと感じる。揉まれたがってた前立腺もゆるく刺激されて、思わずぎゅっとアナルを絞りペニスを抱き締めてしまった。
 ドライ寸前の身体にこの刺激は……キツくて、むごくて、気持ちいい。

 快感を逃したくなくて、反らしていた背を今度は丸める。射精を堪えに堪えるツラさまでもが、快感信号として認識された。
 ドライを迎えるための腰の揺れはもうない。直接的な快感を追いたがる焦れた腰つきへとすり替わってしまった。ドライに至れず残念に思う気持ちも確かにある。でも、いまはそれよりももっと。

「だいごぉ、」
 何かに急かされて、痺れた舌で舌足らずなまま覆い被さる男を呼ぶと、さっきよりも近い距離で視線が噛み合った。真摯で熱誠で揺らがない、俺だけを映す瞳に晒される。

 思えば、大悟はいつもこんな瞳をして俺を見てた。
 部活でストレッチに誘ったときも。父親の話を聞き出したときも。早朝ジョグを待ち伏せたときも。
 もちろん、こんなに近くで見つめ返したことなんてない。だって、大悟とはずっと親友だったから、こんな……。


 え、ちょっと待て。親友『』?

 気づいた瞬間、ひやりと冷たい手で内臓を撫でられたような感覚に襲われた。煮えていた頭が一気に醒める。
 いやだ。嫌だ。
 なんで過去形?
 俺たちは、もう親友じゃないってことか?
 そんな。

 胸の奥のざわつきが治まらない。喉元に込みあげてきた何かが、ぐぅと息を塞ぐ。あまりの苦しさに涙腺まで緩んできた。揺れる被膜越しの大悟が、やけに遠く見える。
 いやだ。そばにいてよ、大悟。くるしいよ。

「だい、ごぉ、」
 喉の隙間から絞り出した声は、掠れてへしゃげて変な音になった。
「ゆきなり、」
 そんな状態の俺に目を見開いた大悟が、すかさず名前を呼んでくれた。それだけで少しホッとする。

 鳩尾から大きな手が外れ、身体に長い両腕を回された。そのまま強く強く抱き込まれる。
 さらに息がしづらくなって苦しいはずなのに、抱き込まれたときに絞り出された呼気が喉の痞えを拭ったのか、不思議と苦しさは消えてなくなった。大悟の体温と重みを全身で感じて、知らず入っていた力も抜ける。強張っていた身体がゆるくなる。


 大丈夫、大悟はちゃんとここにいる。
 身体の真ん中にひやりとした名残はまだあったけど、いまこうして俺を抱き締めてくれる大悟を信じよう。たとえ親友とは形を変えてしまっても、きっと俺たちは大丈夫だ。

 腕ごと拘束されていて思うように動かせなかったけど、もう大丈夫だと伝えたくて、大悟の背中に手を添えた。
 その大悟の背中が、汗で滑ってる。

 結局、ドライには到達できなかったけど、俺の欲に大悟を付き合わせた自覚はあった。
 俺の性欲のためとか、大悟を籠絡するためとか、そんなのじゃなくて、今度は大悟自身にちゃんと気持ちよくなってもらいたい。
 頭が冷えたおかげで、心からそう思えた。
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