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46-騎乗位で楽しむのもいいでしょう。
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「んっ、ああああッ」
太くて確かなものに、望みのとおり串刺しにされる。
これだ。これが欲しかった。快感にふやけた身体を、しっかりと繋ぎとめてくれる確かなものが。
疼く肉を割る鋭い快感。奥の空隙を塞がれる充溢感。みちりと縋りつく内壁が、実際の体感を何倍にもして連れてくる。
へそ下の奥に感じる鈍痛は、まだひらききってなかった奥を強引にひらいたせいだ。
ここに大悟がいる。
手のひらを当ててそう思えば、この痛みが愛おしくてたまらなくなった。でも同時に、痛みなんか早く消えればいいとも思う。一秒でも早く内側から大悟のかたちに変えられたい。
大悟を見遣ると、突然の衝撃に耐えているのか、きつく目を閉じていた。グッと寄せられた眉間のしわが色っぽい。
そのしわに触れたい。目を瞑ってないで、瞳を見せてほしい。ペニスだけじゃなくて、大悟のあの真っ直ぐで強い視線に全身を貫かれたい。
やっと奥まで繋がれた。叶えたかったのは、ただひとつ、それだけだと思ってた。だけど、叶った端から次々と欲が溢れ出る。
俺、こんなに欲張りだったっけ……。
ふと浮かんだ疑問に、いや、結構な欲張りじゃないかと思い直す。
恋してる自覚もないうちから、この男がどうしても欲しかった。親友としての居場所は失えず、セフレだけじゃ物足りなくて、ついには恋人にしてほしいと願ったんだ。
そして、それら全部を叶えたのに、もっともっとと望んでる。もっと触れ合って、もっと混ざり合って、もっと大悟と感じ合いたい。
「だいごぉ……」
視線を合わせたくて呼んだ声が、もうすでに蕩けていた。
無理もない。さっきから甘くて小さな電流が、腰の奥で生まれては背筋をぞくぞくと駆けのぼってくる。脳の奥まで痺れさせるようなそれが、溶けて膨張したマシュマロみたいに全身をふにゃりとさせていた。
これって、どうなんだ。まだハメたばっかなのに。
確かに弄られてた時間は長かった。その前には、中途半端だったけどかなり濃厚なセックスもした。おかげで身体はすっかり出来あがっている。さらには気持ちまでが大悟を求めてやまないんだから、最初の一刺しでイッてしまわなかったのが不思議なくらいだ。
どうせイクなら一緒がいい。俺ばっかりが気持ちよくなるのはもう嫌だ。
だけど、そんな意に反して、気持ちも身体も続きを寄越せと急くばかりだ。
縋るような思いで大悟を見つめても、そこにはまだ望む視線はない。助けて大悟、早く目を開けてと、広い胸に手をつき、その顔へと手を伸ばす。
その小さな身動きが、アナルにわずかな摩擦を生んだ。
「っ、はッ、……」
腰が震えて息がとまる。ダメだと思っても、下腹からぶわりと湧きあがる甘い痺れをとめられない。たちまち快い震えが全身を駆け抜けた。
仰け反りたがる背を無理やり丸めて、なんとか快感をやり過ごす。長い息を細く吐きながら、昂ぶる身体と心に落ち着け落ち着けと言い聞かせた。
それでも、大悟のペニスをキツく抱き締めようとするアナルだけはどうにもできなくて、ふわりと緩んではきゅきゅっと絞る、やらしい動きを許してしまう。
「っ、ゆきなり、大丈夫か? なかがうねって……すごいことに、っ」
大悟の声に顔をあげると、欲しかった視線がそこにあった。それだけのことが、ホッとするほどうれしくて、強張った身体からもゆるりと力が抜けていく。
対して、大悟はまだかなりキツそうだった。熱い肉壁にペニスをやわやわと揉まれてるんじゃ当然だ。
でもそれは同時に、肉壁である俺にも言えることで、
「大丈夫じゃ、ない。も、イキそ、」
アナルの収縮に合わせて何度も快美感を浴びせられる。そのたびに上体を支える腕も背も震えて、呼吸を整える暇もない。
「イケばいいのに」
大悟がアナルを解してたときと同じことを言う。きっと何度でもイカせてくれるつもりなんだろう。
「やだ。大悟といっしょがいい」
素直な気持ちを口にしたら、妙に拗ねた口調になった。さっきみたいに、大悟が目の前にいるのに俺ひとりだけ気持ちがいいなんて、もう嫌だ。
「大丈夫だ。俺もそんなにもたないから」
「ほんとに?」
「ああ。ゆきなりのなか、すごくきもちいい」
ゆるんだ顔で、ふわりとそんなことを言われて、堪らなくうれしくなった。
「よかった……」
熱の籠った溜め息にのせてそうこぼしたら、
「ゆきなりが気持ちいいと、俺も気持ちいい。さっきだってそうだ。ゆきなりが自分で弄ってるの見てるだけで暴発するかと思った」
なんて言う。大悟はやっぱり、俺が引っかかってたことまで読み取れてしまうらしい。
「じゃ……も、動いて、い?」
イキたくて堪らない。やっと奥にもらえた大悟をできるだけ長く味わいたくて、会話に気を紛らわそうとしてみたけど、アナルから絶えず湧きあがる快感を散らすことはできなかった。大悟のペニスを咥えているかぎり、そんなのは無駄な抵抗みたいだ。玄関で迫られたときから募りに募ったせつなさに、もうじっとしているのもつらい。
「もち、ろ……んっ、」
「ぁん、あっ」
大悟の返事を待ちきれずに腰を浮かせた。アナルの内壁がずるりと引き摺られる感覚に、すぐにへたり込みそうになりなる。カリ首にまでぴちりと纏わりついた内壁が、カリで刮がれていくのが気持ちいい。
大悟の胸に手を置いて上体を支えながら、ペニスが抜けそうになるギリギリまで身体をずらしていった。そのまま息を整えていると、アナルの奥が大悟を欲しがってきゅうきゅうとせつない悲鳴をあげる。すかさず一気に腰を落とした。
「はあああっ」
硬い亀頭が身体の真ん中を割り進む。その途中で前立腺を撫であげられて、危うくイキそうなほどの鋭い快感が脳天まで突き抜けた。
片手を下腹に当ててみても、あの鈍痛はもうどこにもない。自分の内側が大悟のかたちになったんだと思えばうれしくて、手のひらの下から湧きあがる快感に身体がさらに蕩けていった。
『ゆきなりが気持ちいいと、俺も気持ちいい』
耳に残っていた大悟の言葉が、頭のなかで木霊する。
気持ちよくなってもいいんだ。
その免罪符が俺を突き動かした。
上体を後ろへと傾ける。大悟の胸に残してた手をうしろにまわし、逞しい大腿へと置いて身体を支えた。
そのまま内腿に力を入れて、ゆっくりと腰をあげていく。アナルの腹側を硬い亀頭が奥から浅いところへと撫でおろしていくのが、下腹に当てていた手のひらの下にも感じられた。
「あ、あ、あ」
もうすぐだ。あと少しであそこに……。集中するべく目を閉じる。
「はッ、ああぁんッ!」
大悟のペニスの切っ先がついに前立腺へと辿り着いた。ぞろりとひと撫でしただけなのに、あまりの快感に腰が引けそうになる。それを無理やり引き止めて、震える脚を叱咤しながら腰を上下にそっと揺すった。
「あっ、あぁんっ、いいっ、きもちいッ」
言葉にすればもっと気持ちよくなると俺に教えたのは大悟だ。いまだ片隅に引っかかっていた小さな羞恥の欠片が、『きもちいい』と叫ぶ自分の声に霧散していく。
下腹の手のひらに大悟の亀頭を押しつけるようにして、何度も身体を揺すった。硬い切っ先に前立腺の上をぐりぐりと行き来されるたびに、一度ずつ体温があがっていくみたいだ。
思考が霞む。汗が噴き出る。心臓が甘い悲鳴をあげている。
そのうちペニスの根元がずんと重たくなってきて、危機感を覚えた。
まだイキたくない。もっとずっとこのまま繋がっていたいのに。
目蓋をそっと持ちあげてみると、大量の先走りを滴らせた俺のペニス越しに、俺を見つめている大悟と目が合った。
太くて確かなものに、望みのとおり串刺しにされる。
これだ。これが欲しかった。快感にふやけた身体を、しっかりと繋ぎとめてくれる確かなものが。
疼く肉を割る鋭い快感。奥の空隙を塞がれる充溢感。みちりと縋りつく内壁が、実際の体感を何倍にもして連れてくる。
へそ下の奥に感じる鈍痛は、まだひらききってなかった奥を強引にひらいたせいだ。
ここに大悟がいる。
手のひらを当ててそう思えば、この痛みが愛おしくてたまらなくなった。でも同時に、痛みなんか早く消えればいいとも思う。一秒でも早く内側から大悟のかたちに変えられたい。
大悟を見遣ると、突然の衝撃に耐えているのか、きつく目を閉じていた。グッと寄せられた眉間のしわが色っぽい。
そのしわに触れたい。目を瞑ってないで、瞳を見せてほしい。ペニスだけじゃなくて、大悟のあの真っ直ぐで強い視線に全身を貫かれたい。
やっと奥まで繋がれた。叶えたかったのは、ただひとつ、それだけだと思ってた。だけど、叶った端から次々と欲が溢れ出る。
俺、こんなに欲張りだったっけ……。
ふと浮かんだ疑問に、いや、結構な欲張りじゃないかと思い直す。
恋してる自覚もないうちから、この男がどうしても欲しかった。親友としての居場所は失えず、セフレだけじゃ物足りなくて、ついには恋人にしてほしいと願ったんだ。
そして、それら全部を叶えたのに、もっともっとと望んでる。もっと触れ合って、もっと混ざり合って、もっと大悟と感じ合いたい。
「だいごぉ……」
視線を合わせたくて呼んだ声が、もうすでに蕩けていた。
無理もない。さっきから甘くて小さな電流が、腰の奥で生まれては背筋をぞくぞくと駆けのぼってくる。脳の奥まで痺れさせるようなそれが、溶けて膨張したマシュマロみたいに全身をふにゃりとさせていた。
これって、どうなんだ。まだハメたばっかなのに。
確かに弄られてた時間は長かった。その前には、中途半端だったけどかなり濃厚なセックスもした。おかげで身体はすっかり出来あがっている。さらには気持ちまでが大悟を求めてやまないんだから、最初の一刺しでイッてしまわなかったのが不思議なくらいだ。
どうせイクなら一緒がいい。俺ばっかりが気持ちよくなるのはもう嫌だ。
だけど、そんな意に反して、気持ちも身体も続きを寄越せと急くばかりだ。
縋るような思いで大悟を見つめても、そこにはまだ望む視線はない。助けて大悟、早く目を開けてと、広い胸に手をつき、その顔へと手を伸ばす。
その小さな身動きが、アナルにわずかな摩擦を生んだ。
「っ、はッ、……」
腰が震えて息がとまる。ダメだと思っても、下腹からぶわりと湧きあがる甘い痺れをとめられない。たちまち快い震えが全身を駆け抜けた。
仰け反りたがる背を無理やり丸めて、なんとか快感をやり過ごす。長い息を細く吐きながら、昂ぶる身体と心に落ち着け落ち着けと言い聞かせた。
それでも、大悟のペニスをキツく抱き締めようとするアナルだけはどうにもできなくて、ふわりと緩んではきゅきゅっと絞る、やらしい動きを許してしまう。
「っ、ゆきなり、大丈夫か? なかがうねって……すごいことに、っ」
大悟の声に顔をあげると、欲しかった視線がそこにあった。それだけのことが、ホッとするほどうれしくて、強張った身体からもゆるりと力が抜けていく。
対して、大悟はまだかなりキツそうだった。熱い肉壁にペニスをやわやわと揉まれてるんじゃ当然だ。
でもそれは同時に、肉壁である俺にも言えることで、
「大丈夫じゃ、ない。も、イキそ、」
アナルの収縮に合わせて何度も快美感を浴びせられる。そのたびに上体を支える腕も背も震えて、呼吸を整える暇もない。
「イケばいいのに」
大悟がアナルを解してたときと同じことを言う。きっと何度でもイカせてくれるつもりなんだろう。
「やだ。大悟といっしょがいい」
素直な気持ちを口にしたら、妙に拗ねた口調になった。さっきみたいに、大悟が目の前にいるのに俺ひとりだけ気持ちがいいなんて、もう嫌だ。
「大丈夫だ。俺もそんなにもたないから」
「ほんとに?」
「ああ。ゆきなりのなか、すごくきもちいい」
ゆるんだ顔で、ふわりとそんなことを言われて、堪らなくうれしくなった。
「よかった……」
熱の籠った溜め息にのせてそうこぼしたら、
「ゆきなりが気持ちいいと、俺も気持ちいい。さっきだってそうだ。ゆきなりが自分で弄ってるの見てるだけで暴発するかと思った」
なんて言う。大悟はやっぱり、俺が引っかかってたことまで読み取れてしまうらしい。
「じゃ……も、動いて、い?」
イキたくて堪らない。やっと奥にもらえた大悟をできるだけ長く味わいたくて、会話に気を紛らわそうとしてみたけど、アナルから絶えず湧きあがる快感を散らすことはできなかった。大悟のペニスを咥えているかぎり、そんなのは無駄な抵抗みたいだ。玄関で迫られたときから募りに募ったせつなさに、もうじっとしているのもつらい。
「もち、ろ……んっ、」
「ぁん、あっ」
大悟の返事を待ちきれずに腰を浮かせた。アナルの内壁がずるりと引き摺られる感覚に、すぐにへたり込みそうになりなる。カリ首にまでぴちりと纏わりついた内壁が、カリで刮がれていくのが気持ちいい。
大悟の胸に手を置いて上体を支えながら、ペニスが抜けそうになるギリギリまで身体をずらしていった。そのまま息を整えていると、アナルの奥が大悟を欲しがってきゅうきゅうとせつない悲鳴をあげる。すかさず一気に腰を落とした。
「はあああっ」
硬い亀頭が身体の真ん中を割り進む。その途中で前立腺を撫であげられて、危うくイキそうなほどの鋭い快感が脳天まで突き抜けた。
片手を下腹に当ててみても、あの鈍痛はもうどこにもない。自分の内側が大悟のかたちになったんだと思えばうれしくて、手のひらの下から湧きあがる快感に身体がさらに蕩けていった。
『ゆきなりが気持ちいいと、俺も気持ちいい』
耳に残っていた大悟の言葉が、頭のなかで木霊する。
気持ちよくなってもいいんだ。
その免罪符が俺を突き動かした。
上体を後ろへと傾ける。大悟の胸に残してた手をうしろにまわし、逞しい大腿へと置いて身体を支えた。
そのまま内腿に力を入れて、ゆっくりと腰をあげていく。アナルの腹側を硬い亀頭が奥から浅いところへと撫でおろしていくのが、下腹に当てていた手のひらの下にも感じられた。
「あ、あ、あ」
もうすぐだ。あと少しであそこに……。集中するべく目を閉じる。
「はッ、ああぁんッ!」
大悟のペニスの切っ先がついに前立腺へと辿り着いた。ぞろりとひと撫でしただけなのに、あまりの快感に腰が引けそうになる。それを無理やり引き止めて、震える脚を叱咤しながら腰を上下にそっと揺すった。
「あっ、あぁんっ、いいっ、きもちいッ」
言葉にすればもっと気持ちよくなると俺に教えたのは大悟だ。いまだ片隅に引っかかっていた小さな羞恥の欠片が、『きもちいい』と叫ぶ自分の声に霧散していく。
下腹の手のひらに大悟の亀頭を押しつけるようにして、何度も身体を揺すった。硬い切っ先に前立腺の上をぐりぐりと行き来されるたびに、一度ずつ体温があがっていくみたいだ。
思考が霞む。汗が噴き出る。心臓が甘い悲鳴をあげている。
そのうちペニスの根元がずんと重たくなってきて、危機感を覚えた。
まだイキたくない。もっとずっとこのまま繋がっていたいのに。
目蓋をそっと持ちあげてみると、大量の先走りを滴らせた俺のペニス越しに、俺を見つめている大悟と目が合った。
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