11 / 19
11 【ダメ見本】無理強いはいけません。
しおりを挟む
アナルに埋めたままだった三本の指を奥へと押し込むと、飛び出した拒絶の言葉とは裏腹に、その喉奥からは甘く蕩けた嬌声があがった。と同時に、幸成のペニスが口のなかでググッと硬く滾る。
幸成にフェラの交渉をしているあいだも、日向にフェラの講義をしているあいだも、俺の指は幸成のアナルのなかにあった。熱く濡れたやわい感触に手を引くのが惜しくて、幸成が抜いてと言わないのをいいことに、柔肉に包まれる快感をひっそりと指先で堪能していたんだ。
おそらく幸成も、俺の指を抜いてしまうのが惜しかったんだろう。姿勢が変わるびにその存在を意識させられていたはずなのに、拒む素振りもなく熱い溜め息を小さくこぼすだけだった。たぶん動かない指に焦れながら、その焦れったさを楽しんでいたんじゃないだろうか。
それにしても、幸成が素知らぬ顔をしながら、ときおりひくりひくりと指を食んでくるのには悩まされた。触って弄ってと誘われて、指が疼かないわけがない。すぐさま熱い肉を捏ねたくなって堪らなくなったが、もしあのとき、まんまと流されてアナルを愛撫してしまったら、きっとフェラには辿り着けなかっただろう。
だが、その指もやっと解禁だ。存分に幸成のなかを探索し、柔肉を味わってやる。
腹側を向けていた手のひらを返し、指先でアナルの壁越しに背骨をなぞりながら引き返す。幸成の一番好きな場所は前立腺だが、この背面の内壁もかなりいい反応を返してくれる場所だった。いつもはぺニスでごりごりと押し込むそこを、指の腹で細かな段差も確認するようにゆうるりと撫でていく。
「ぅあ、あぁぅうぅーっ」
震えながら尾を引いたその喘ぎには、いまにも泣き出しそうな響きが含まれていた。
ペニスを咥えたまま幸成の脚のあいだで身を伏せ、顔だけあげて様子をうかがうと、見開いた瞳いっぱいに涙を溜めて、喘ぎの残る唇を戦慄かせながら、幸成がこちらを見つめている。俺の口元へとあてられていた視線がふいとずれて、俺の視線とかち合ったかと思えば、口をきゅっと引き結んでフルフルと首を振った。
「や、いっしょはや、」
口ではそう言っているが、アナルをぎゅっと引き絞って、浅いところまで戻ってきた俺の指を離さないでいるのは幸成のほうだ。
やめて、と視線でも訴えてくる幸成と見つめ合ったまま、ゆっくり頭をあげていく。深く咥えられてた幸成のペニスが、俺の窄めた唇に扱かれながら徐々に姿を現した。
ついで、口のなかに溜まった唾液を掻き混ぜるようにして丸い亀頭を嘗め回すと、幸成が結んでいた唇をふわりと解いて、
「あ、あ、あ、あ、」
と、緊張を孕んだ短い喘ぎ声をあげる。その喘ぎが甘く掠れるに従って、指を食い締めていたアナルもゆるゆると解けていった。
カリの括れと裏筋とを舌の腹で大きくぞろりと撫でてやると、「ふぁあっ」と、すっかり力の抜けたような声があがる。アナルに埋めた指もやっと動かせるようになった。
すかさずペニスを深く咥え直し、同時にぐるりと回した指を前立腺に押しあてた。
「ひ、ああああっ!」
甲高い艶声が鳴るとともに、肩に強く食い込む指先を感じた。横目で見れば、M字が崩れたほうの幸成の手が、俺の肩先に縋りつている。もう一方の手は、抱えていた自分の脚を抱きしめていた。強く顎を引き、引き寄せた膝頭に頬を押しつけ、込み上げてくる快感を必死に堪えているようだ。
「やっ、だめっ、やっぱりやっ」
ダメなわけがない。幸成の一番好きな場所だ。さっきもここを弄られたくて、焦れて蕩けてぽやっとなっていたじゃないか。
もともと溜まっていた唾液に、前立腺を撫でるたびに溢れてくる先走りが加わって、たちまち口のなかがいっぱいになった。幸成のものが少しでも混ざっていると思えば、零してしまうのが惜しくなり、迷わず啜って飲み込んだ。
「いやっしまるっ、ごくんて、やめてっ」
飲み込んだときに、喉奥で幸成のぺニスを搾ってしまったらしい。放して、飲まないでと、肩から離れた幸成の手が俺の前髪を掴んで引っ張った。
やめてと言われると、どうしてもしたくなってしまう。あれこれ悩んだが、これはもう、意地悪だとかなんだとかじゃなくて、幸成が可愛いのがいけないと思う。いやだと拒む様も、やめてと縋る様も、もっと見ていたくなるほど可愛くて堪らない。
当然のように、可愛い姿をもっと見たい欲が勝ち、髪を引かれ痛むのも構わずに、嚥下を繰り返しながら前立腺を撫で続けた。すると、とうとう残っていたM字の片側も崩れてしまい、シーツへと着いた幸成の足がググッと踏ん張った。
「あッ、ああぁぁあっ」
ひと際高い嬌声に続いて、幸成の腰が高くあがる。つられた俺も幸成の動きに合わせて上体を起こした。位置が変わったせいで、幸成のぺニスが俺の喉を突き、前立腺にあった三本の指先はさらにその向こうへと入り込む。
「いやっだめっだめだめぇッ」
幸成には何が起こるかわかっていたようだ。必死の様子で俺の頭を押しやろうとしている。
そうはいくかと幸成のペニスに吸いついていると、幸成の背が撓り、腹が波打った。続け様に指先へコリッとした圧を感じたかと思ったら、ペニスの芯を小さな波がぴゅるるっとあがってくる。
「あぁっやぁあああっ!」
喉奥を打つ飛沫は、わずかに苦いだけだった。先ほどと同じで、たいした量はない。口のなかに溢れた精液混じりのそれを、俺はなんの抵抗もなく、というか、むしろ喜んで飲みくだした。
数瞬のあいだ反ったままだった背が、シーツへぱたりと沈み込む。その拍子に咥えていたペニスが口から抜けてしまったが、喉を通りすぎたそれの感触と、口のなかに残る後味とを堪能中だったので、あとは追わないでおいた。
脱力し、荒い呼吸に胸を上下させている幸成が、俺を睨みながら「うぅー」と唸っている。その声はおおいに不満げだった。
対して俺は、散々いやだだめだと拒まれてのことだったが、大変満足していた。
だいたい幸成は、自分ばっかりズルいんだ。いつも俺の精液を嬉しそうにアナルで飲み込むくせに、俺が幸成の腹に散った精液を舐めようとしても、強く拒んで許してもらえた試しがない。
念願のフェラに、わずかだったが精液飲みまで果たすことができた。だから、
「ばかっ。もぉ、だいごの」
ばかばかばかっ、と可愛く詰られても、痛くも痒くもない。
俺が、にやける口元を手で隠しながら、その愛らしい詰りを鑑賞していると、
「もおっ、俺もやるっ!」
と、幸成が憤った声とともに勢いよく起き上がり、俺の肩を突いて押し倒してきた。そのせいで、アナルに残しておいた俺の指も抜けてしまったが、幸成はそれも気にならないくらい怒ってるみたいだ。
「無理しなくてもいいぞ?」
「無理じゃないっ」
どうやら意地になっているようだ。唇を尖らせながら俺の上に伸し掛かってきたが、そんな怒気もやはり可愛いとしか思えない。だから宥めることなく、幸成の好きにさせていた。
そうして、幸成が俺のガウンを左右にひらき、猛った屹立に手をかけようとしたときだった。
「ぅわ、でか……」
それまで黙っていた日向が、ぼそりとつぶやいた。
幸成にフェラの交渉をしているあいだも、日向にフェラの講義をしているあいだも、俺の指は幸成のアナルのなかにあった。熱く濡れたやわい感触に手を引くのが惜しくて、幸成が抜いてと言わないのをいいことに、柔肉に包まれる快感をひっそりと指先で堪能していたんだ。
おそらく幸成も、俺の指を抜いてしまうのが惜しかったんだろう。姿勢が変わるびにその存在を意識させられていたはずなのに、拒む素振りもなく熱い溜め息を小さくこぼすだけだった。たぶん動かない指に焦れながら、その焦れったさを楽しんでいたんじゃないだろうか。
それにしても、幸成が素知らぬ顔をしながら、ときおりひくりひくりと指を食んでくるのには悩まされた。触って弄ってと誘われて、指が疼かないわけがない。すぐさま熱い肉を捏ねたくなって堪らなくなったが、もしあのとき、まんまと流されてアナルを愛撫してしまったら、きっとフェラには辿り着けなかっただろう。
だが、その指もやっと解禁だ。存分に幸成のなかを探索し、柔肉を味わってやる。
腹側を向けていた手のひらを返し、指先でアナルの壁越しに背骨をなぞりながら引き返す。幸成の一番好きな場所は前立腺だが、この背面の内壁もかなりいい反応を返してくれる場所だった。いつもはぺニスでごりごりと押し込むそこを、指の腹で細かな段差も確認するようにゆうるりと撫でていく。
「ぅあ、あぁぅうぅーっ」
震えながら尾を引いたその喘ぎには、いまにも泣き出しそうな響きが含まれていた。
ペニスを咥えたまま幸成の脚のあいだで身を伏せ、顔だけあげて様子をうかがうと、見開いた瞳いっぱいに涙を溜めて、喘ぎの残る唇を戦慄かせながら、幸成がこちらを見つめている。俺の口元へとあてられていた視線がふいとずれて、俺の視線とかち合ったかと思えば、口をきゅっと引き結んでフルフルと首を振った。
「や、いっしょはや、」
口ではそう言っているが、アナルをぎゅっと引き絞って、浅いところまで戻ってきた俺の指を離さないでいるのは幸成のほうだ。
やめて、と視線でも訴えてくる幸成と見つめ合ったまま、ゆっくり頭をあげていく。深く咥えられてた幸成のペニスが、俺の窄めた唇に扱かれながら徐々に姿を現した。
ついで、口のなかに溜まった唾液を掻き混ぜるようにして丸い亀頭を嘗め回すと、幸成が結んでいた唇をふわりと解いて、
「あ、あ、あ、あ、」
と、緊張を孕んだ短い喘ぎ声をあげる。その喘ぎが甘く掠れるに従って、指を食い締めていたアナルもゆるゆると解けていった。
カリの括れと裏筋とを舌の腹で大きくぞろりと撫でてやると、「ふぁあっ」と、すっかり力の抜けたような声があがる。アナルに埋めた指もやっと動かせるようになった。
すかさずペニスを深く咥え直し、同時にぐるりと回した指を前立腺に押しあてた。
「ひ、ああああっ!」
甲高い艶声が鳴るとともに、肩に強く食い込む指先を感じた。横目で見れば、M字が崩れたほうの幸成の手が、俺の肩先に縋りつている。もう一方の手は、抱えていた自分の脚を抱きしめていた。強く顎を引き、引き寄せた膝頭に頬を押しつけ、込み上げてくる快感を必死に堪えているようだ。
「やっ、だめっ、やっぱりやっ」
ダメなわけがない。幸成の一番好きな場所だ。さっきもここを弄られたくて、焦れて蕩けてぽやっとなっていたじゃないか。
もともと溜まっていた唾液に、前立腺を撫でるたびに溢れてくる先走りが加わって、たちまち口のなかがいっぱいになった。幸成のものが少しでも混ざっていると思えば、零してしまうのが惜しくなり、迷わず啜って飲み込んだ。
「いやっしまるっ、ごくんて、やめてっ」
飲み込んだときに、喉奥で幸成のぺニスを搾ってしまったらしい。放して、飲まないでと、肩から離れた幸成の手が俺の前髪を掴んで引っ張った。
やめてと言われると、どうしてもしたくなってしまう。あれこれ悩んだが、これはもう、意地悪だとかなんだとかじゃなくて、幸成が可愛いのがいけないと思う。いやだと拒む様も、やめてと縋る様も、もっと見ていたくなるほど可愛くて堪らない。
当然のように、可愛い姿をもっと見たい欲が勝ち、髪を引かれ痛むのも構わずに、嚥下を繰り返しながら前立腺を撫で続けた。すると、とうとう残っていたM字の片側も崩れてしまい、シーツへと着いた幸成の足がググッと踏ん張った。
「あッ、ああぁぁあっ」
ひと際高い嬌声に続いて、幸成の腰が高くあがる。つられた俺も幸成の動きに合わせて上体を起こした。位置が変わったせいで、幸成のぺニスが俺の喉を突き、前立腺にあった三本の指先はさらにその向こうへと入り込む。
「いやっだめっだめだめぇッ」
幸成には何が起こるかわかっていたようだ。必死の様子で俺の頭を押しやろうとしている。
そうはいくかと幸成のペニスに吸いついていると、幸成の背が撓り、腹が波打った。続け様に指先へコリッとした圧を感じたかと思ったら、ペニスの芯を小さな波がぴゅるるっとあがってくる。
「あぁっやぁあああっ!」
喉奥を打つ飛沫は、わずかに苦いだけだった。先ほどと同じで、たいした量はない。口のなかに溢れた精液混じりのそれを、俺はなんの抵抗もなく、というか、むしろ喜んで飲みくだした。
数瞬のあいだ反ったままだった背が、シーツへぱたりと沈み込む。その拍子に咥えていたペニスが口から抜けてしまったが、喉を通りすぎたそれの感触と、口のなかに残る後味とを堪能中だったので、あとは追わないでおいた。
脱力し、荒い呼吸に胸を上下させている幸成が、俺を睨みながら「うぅー」と唸っている。その声はおおいに不満げだった。
対して俺は、散々いやだだめだと拒まれてのことだったが、大変満足していた。
だいたい幸成は、自分ばっかりズルいんだ。いつも俺の精液を嬉しそうにアナルで飲み込むくせに、俺が幸成の腹に散った精液を舐めようとしても、強く拒んで許してもらえた試しがない。
念願のフェラに、わずかだったが精液飲みまで果たすことができた。だから、
「ばかっ。もぉ、だいごの」
ばかばかばかっ、と可愛く詰られても、痛くも痒くもない。
俺が、にやける口元を手で隠しながら、その愛らしい詰りを鑑賞していると、
「もおっ、俺もやるっ!」
と、幸成が憤った声とともに勢いよく起き上がり、俺の肩を突いて押し倒してきた。そのせいで、アナルに残しておいた俺の指も抜けてしまったが、幸成はそれも気にならないくらい怒ってるみたいだ。
「無理しなくてもいいぞ?」
「無理じゃないっ」
どうやら意地になっているようだ。唇を尖らせながら俺の上に伸し掛かってきたが、そんな怒気もやはり可愛いとしか思えない。だから宥めることなく、幸成の好きにさせていた。
そうして、幸成が俺のガウンを左右にひらき、猛った屹立に手をかけようとしたときだった。
「ぅわ、でか……」
それまで黙っていた日向が、ぼそりとつぶやいた。
1
あなたにおすすめの小説
禁断の祈祷室
土岐ゆうば(金湯叶)
BL
リュアオス神を祀る神殿の神官長であるアメデアには専用の祈祷室があった。
アメデア以外は誰も入ることが許されない部屋には、神の像と燭台そして聖典があるだけ。窓もなにもなく、出入口は木の扉一つ。扉の前には護衛が待機しており、アメデア以外は誰もいない。
それなのに祈祷が終わると、アメデアの体には情交の痕がある。アメデアの聖痕は濃く輝き、その強力な神聖力によって人々を助ける。
救済のために神は神官を抱くのか。
それとも愛したがゆえに彼を抱くのか。
神×神官の許された神秘的な夜の話。
※小説家になろう(ムーンライトノベルズ)でも掲載しています。
ふたなり治験棟
ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。
男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる