【完結】悪役失格 〜どうにも年下騎士の執着から逃げ切れる気がしない〜

オトカヨル

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【小話】雪の日の思い出話(ジョン視点)

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「それで、その『恩返し』として、この城に押しかけたのですよ」
 ジョンは、二つ並んだ良く似た顔に笑いかける。
「元が商人だったから、お金の管理も、契約関係もあんなにぱぱっとできちゃうんですね」
 尊敬の眼差しを向けてくるアレク。
「ぱぱっとかはわかりませんが、お役に立てる事が少しでもあって良かったと思っていますよ」
「俺もこれからもっと勉強して、ジョンさんを補佐しますね」
「そうですね。今はミスミさんがユリア様の実務の補佐として動いてくださってますから、私とアレクは城で後方支援をがんばりましょう」
「はい!」
 少年らしい元気な声を返すアレクに微笑んで、そろそろ夕食の準備をとジョンは立ち上がる。

「敬愛、以上の気持ちはありませんよね?」
 すれ違いざま、しっかりと釘を刺してくるミスミに、ジョンは上品に笑ってみせる。
「さて、どうでしょうか?」

 ジョンの返事にちょっと眉を寄せるミスミ。

「さて、今日は香草と一緒に仕込んでおいた塊肉をローストしましょうか。アレクはスープをお願いします」
「スープにはキャベツを入れてもいいですか?」
「もちろんです」
 にこにこのアレクを連れて厨房へと向かう。ちらりと振り返ると、ミスミが困ったような顔でこちらを見ていた。

「ミスミさんは、付け合わせをお願いできますか?」
 その言葉に早足で追いついてきたミスミの耳元に、一言落とす。
「どうあれ、手放すつもりなどないでしょうに」
「まあ、それはそうですね」

 ミスミが不敵に笑う。

 彼と居るユリアは今まで見たこともない幸せそうな顔をするから、ジョンとしては、そんな彼らを見ているだけでも幸せなのだけれど。
 でもほんの少しくらいは、やきもきして貰きたいと思う。

 ……あの日、ジョンの目に焼きついた女神のように美しい人。その隣にするっと入り込んだ彼には、その責任があると思うのだ。

「さあ、ユリア様がお帰りになる前に準備を済ませてしまいましょう」

 パンパンと手をたたき、気持ちを切り替える。

 いつまでもこんな幸せな時間が続きますようにと願いながら。
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みんなの感想(9件)

黒幸
2022.10.29 黒幸

ジョンさんにとって、ユリアは女神のように敬愛する人物だったんですね。
好きな人だからこそ、好きな人を幸せに出来る人物の為に身を引いたジョンさんはやはり、イケメンです😄

2022.10.29 オトカヨル

長らく一緒にいて、一言では言い切れない、家族のような情と敬愛のような感情で向き合ってきたのかなあと、ふんわり考えています☺️

解除
黒幸
2022.10.28 黒幸

有能執事なジョンさんの知られざる過去がついに明らかになって、嬉しいです。
惚れてまうやろー!というよりも義理人情に厚い人柄なら、返したくなる温情を十分過ぎるほどに貰っていたということでしたか。
アレクが現れるまではユリア唯一の理解者たりえたのはこの出会いがあったからなんですね。

2022.10.28 オトカヨル

感想ありがとうございます😊
ジョンについて、本編ではあまり掘り下げができなかったので、おまけはジョンからになりました✨
楽しんでいただけたら幸いです!

解除
黒幸
2022.10.16 黒幸

完結お疲れ様です&おめでとうございます!
世界の真実というよりもアレクに隠されていた大いなる謎が解けて、スッキリです。
彼自身がキーだったんですね。
女神ちゃんは多分、育成ゲームをやらせたら、失敗する子なんでしょうね🤔
姉妹の言葉があるから、お姉さんが力を貸してくれたのでどうにか、クリア出来たのかな。
ミスミの正体も意外でしたが、何はともあれハッピーエンドで良かったです😄

ソフィア姫がちょっとばかり、悪役ムーブで損な役回りだったので彼女にも幸あらんことを。

2022.10.16 オトカヨル

わー✨
早速ご感想ありがとうございます😊

アレク(小)と、ソフィアのフォローは、いつかしたいです🤗

最初の頃の感想に支えていただき、完結まで辿り着けたこと、本当に感謝してしています!

解除

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