20 / 122
第十九話 盗賊討伐と宴
しおりを挟む
平和な妖精の森で盗賊と冒険者たちが衝突し戦いが起こる、その結果マッシュ、ミラ、クシアの三人が力尽いてピンチになるが見事に復活した海斗とフェンリルの活躍により何とか持ち堪えることに成功する
エナ「盗賊の頭はどこかに行ったの?」
海斗「分からない さっきのグランドウルフもいないみたいだしどこに行ったんだ?」
フェンリルが吹っ飛ばしたお頭とグランドウルフの姿が見つからないので探していると大きな音を立ててお頭が現れる
お頭「この糞ガキ共が!!殺してやるぞ」
思い通りにいかず邪魔をされたからかお頭は怒り狂っているようである
海斗「あいつ、相当怒ってるな……おまけにウルフも着いてやがる」
エナ「そうだね……でも私達三人でやるしかないでしょ?」
アスフェア「援護は任せなさい」
三人はお互いに目を合わせ戦闘態勢に入る、海斗が前衛で後ろからエナとアスフェアで援護をする作戦で戦うつもりでこちらを見たお頭グランドウルフに上に乗り猛烈な勢いでこちらに突進してきている
海斗「援護は頼むよ」
そう言い残して海斗は前へと行きお頭とウルフの強烈な突進攻撃を受け止める
お頭「消えろ」
しかし上にいるお頭が剣を振り下ろしてできたのでそれを回避し距離をとる
お頭「貴様は今さっきの奴らよりも強いのかもしれんが武器を持たずに丸腰とは舐められたものだな」
海斗「余裕で勝てるなんて思ってないさ……でもどうやって戦えば……」
お頭は先ほどよマッシュやミラとは明らかに違う実力を感じ取っており武器を持ってない海斗は対抗策を考える
海斗「あれは……エナ、アスフェアに少しだけお願いがあるんだけど……」
周りを見回して何かに気付いた海斗は二人にそのことを話しそれを聞いた二人は「分かった」と頷き得意の氷魔法でお頭を遠距離から攻撃する
氷の弾幕はお頭にことごとく回避されてしまうがそれと同時に海斗も突っ込んでいき飛び上がって次はお頭を狙って空中で拳を振りかぶる
お頭も飛び上がって攻撃してくる海斗に合わせて剣で攻撃をするが海斗は攻撃する事が目的ではなく空中で体を捻ってお頭の攻撃を回避して後ろに回り込む
海斗「誰の剣か分からないけど使わせてもらう」
海斗は地面に突き刺さっている剣を抜いて構える、その剣はミラがお頭と戦った際に弾き飛ばされたものだ
お頭「あの小娘の剣を持ったところで同じだ」
お頭は再び海斗めがけて突進してきたので海斗も剣でお頭の攻撃を受け止める
お互いの攻防が続く中で隙を見つけた海斗はお頭の剣を受け止めている間に蹴り飛ばしてグランドウルフの上から降ろす事に成功する
地面に降りたお頭に対してさらに追撃をするがグランドウルフに背を向ける形になってしまう
エナ「こっちに来なさい!!」
後衛の二人がウルフを攻撃してこちらに注意を引いたのでお互いに一対一の勝負となる
怠慢となった事を確認した海斗はエナを信じてお頭を倒すべく慣れてない剣を片手に持ち切り掛かる
お頭「貴様は剣の扱いに慣れていないようだな」
慣れていない海斗は剣を両手で持ちデタラメに振り回しながらお頭を攻撃している
型がなく素人丸出しの剣術なのだが一撃一撃が重くて速くお互いに一歩も譲らず打ち込み合い鈍い金属の音が森に響いている
カイト「今だ!!」
攻勢が続く中で海斗が隙を見つけお頭の顔目掛けて全力で剣を振り下ろすが反応したお頭にガードされてしまい力任せに振った剣は折れてしまった
カイト「くっ!! 剣が折れたか」
武器を失い丸腰となったカイトにお頭はチャンスとばかりに詰め寄る
お頭「剣の使い方を知らん奴め これで終わりだ」
攻撃がさらに激しくなったお頭の攻撃を次々と回避するカイトだが後ろにある大木に気が付かずに引っかかってしまい体勢をくずしてしまう
カイト「うおっ!?」
倒れたカイトの隙を見逃さずお頭は大きく剣を振りかぶり海斗めがけて振り下ろす
お頭「今度こそ死ね」
しかし、次の瞬間にお頭の頭以外の全身が氷漬けとなり動けなくなる
お頭「なんだこれは!! どうなってやがる」
お頭が困惑しているとこちらへと手を向けているエナとアスフェアの姿がうつる、どうやらウルフを倒す事に成功して海斗の援護をしにきたようだ
海斗「ナイスタイミングだ……ありがとう」
アスフェア「これだけ凍らせたら身動できないでしょ」
アスフェアは得意げになり話すが氷漬けになっているにも関わらずお頭は無理やり動こうとし 氷がパキパキと音を立てて壊れそうになっている
エナ「そんな」
この状態でも動こうとするお頭にエナとアスフェアはかなり驚いていたが立ち上がった海斗が飛び出してきて
カイト「エナ アスフェア 伏せてろ」
カイトはさっき体勢を崩した原因となった太い丸太を持ち上げ野球の打者のように振りかぶっていた
お頭「くそ 止めろ クソッタレ」
アスフェア「凄い馬鹿力ね」
丸太を大きく振り被ったカイトは凍って動けないお頭目掛けてフルスイングし
カイト「木製ホームラン!! 吹っ飛べ」
そう叫ぶと同時にお頭に大木が命中し野球ボールのようにかなりの勢いで飛んで行った、吹っ飛ばされたお頭は森の中で一番でかい樹木に叩きつけられる
カイト「やっと終わったか」
お頭を攻撃した海斗は気絶して動けないことを確認してはホッと息をつく
エナ「おーい 」
息をついているところへアスフェアとエナが嬉しそうに駆け寄ってくるのが見える
エナ「良かった……きちんと倒せたみたいね カイトがいてくれて良かったよ」
アスフェア「結構やるじゃない」
森を守ることができて喜ぶエナと素直に褒めないアスフェアだが2人とも喜んでいるのは間違いなかった
エナ「今更だけど手足治って本当に良かった……でも治った直後に盗賊と戦うのは大変だったでしょ? 」
エナは心配そうに声をかけカイトへと近づく
カイト「確かに大変だった……それより皆大怪我がなくて良かった あいつ結構強かったぞ」
エナ「そうだったんだ…… やっぱり異世界からの人ってだけで強いね 本当に驚いたわ せっかくだしゆっくりしましょう クシア達は森の妖精達にまかせて」
エナは木の根元にある綺麗な地面へと脚を揃えて座る
カイト「少し疲れたからそれもありだな 隣に座るぞ」
カイトは後ろに手をついて座りこみ森の風景を見渡しながらエナと2人で仲良くしている、しかし輪に入れなかった妖精が一匹
アスフェア「まったく 2人でイチャついちゃって こいつもいつ起き上がるのか分からないってのに」
イチャつく2人をよそにアスフェアはお頭を見ておりあらかじめ持ってきていた縄を取り出しお頭の手足を動けないように縛りつけた
アスフェア「これならどんな馬鹿力でも解けないわね」
小さな体で大きなお頭を縛りあげたアスフェアは一息をつきその様子をカイトとエナは見ていた
エナ「忘れてた…… また起き上がって襲ってくるかもしれないのに」
エナは思い出したかのように立ち上がるがうまく立てずにカイトの方へ倒れてしまう
カイト「それくらい疲れてたってことだろ? 動ける奴らに任せて ゆっくり眠りなよ」
エナを受け止めたカイトは柔らかい頭を撫でて優しい声で語りかける
エナ「うん そうする 」
顔が赤くなっている事に気付いたエナは顔を隠すようにして横になる、心では(眠れるかな……なんか恥ずかしい)と思っていたが疲れが溜まっていたのか瞳を閉じるとスヤスヤと寝息を立てて眠ってしまった
カイト「お互いに無理してたみたいだな」
エナの疲れを感じ取ったカイトは彼女を背負ってクシア達の元へと向かおうとするとそこへアスフェアが駆け寄ってくる
アスフェア「おい あのでかぶつも後で運んでくれない」
いつものように上から目線でアスフェアは話しかけてくるので
カイト「ええーー 俺が運ぶのかよ あいつエナの何倍も重いだろうが」
華奢なエナを背負ったカイトは嫌そうにアスフェアへ文句を言うが
アスフェア「私じゃあいつを運べないのよ それにあんた力だけはあるから余裕でしょ」
面倒くさがるカイトをみてアスフェアはいつものように馬鹿にしながら命令をする
カイト「分かってるよ あれ?何かあいつ浮いてないか?」
いつも通りに適当な返事を返しお頭を確認すると縛られているお頭の体が浮かんでおり後ろに大妖精がいた
大妖精「こやつはうちが運んでやる しかしよくやってくれたなうちの援護が必要だと思っておったがいらなかったみたいじゃな」
大妖精の所も決着が着き敵ももういないので余裕のある表情をしている
カイト「怪我を治してもらった恩人を助けるのは当然だろ」
大妖精「確かにそーかもしれんがな…… だからうちもお前を治して良かったと思うぞ」
アスフェア「そーね あんたが守ってくれたおかげで被害を抑えることができたのよ」
大妖精「そうじゃな 怪我人こそでたが死人が1人もでとらんのが一番大きいじゃろ」
アスフェアと大妖精は改めて礼を言う、カイトは照れてまた謙遜しつつも3人とも仲良く話しながらクシア達のもとへと向かっていき、辿り着くとクシアと妖精達がミラとマッシュの応急処置をしていた
クシア「皆さん無事で良かったです!!」
クシアは純粋な笑顔を向けて3人を出迎えた
カイト「クシアさんも無事で何よりです ミラとマッシュは大丈夫なのか?」
エナを起こさないようにゆっくりと降ろしたカイトはミラとマッシュの心配をする
ミラ「私は大丈夫よ 首を締められたくらいで済んだけどマッシュの怪我がかなり酷いわ」
ミラはマッシュのことが心配なのだろうか、かなり心配しており暗い声で答える
ミラ「私が足を引っ張ってしまったから……エナにも無理をさせてしまったし もっと強くならなきゃ」
自身が足を引っ張ってしまいエナとマッシュに無理をさせてしまったことを悔いるミラは明るく振る舞っていたが声には不安が混じっている
カイト「そうだったのか でも皆無事だったから良かったと思う……次はマッシュを守れるくらいに強くなればいいんじゃないか?」
カイトはありのままの素直な言葉をミラに伝えることしかできなかったが
ミラ「うん そうね クヨクヨしてても仕方ないよね」
素直な言葉を受け止めミラは前向きになり顔もさっきと比べ明るい笑顔になった
カイト「そうだな 嘆くだけじゃ何も始まらないもんな、けどコイツら(盗賊)のせいで随分と遅くなっちまったな」
本来なら森での用件を済ませた後にギルドの依頼を抜け出して店主から頼まれた手紙を届けてその村で宿泊する予定だったのだが戦いで皆ボロボロになってしまったためそれどころではなくなってしまった
クシア「盗賊がこんなにしつこく襲ってくるのも予想外でしたからね 今日はここに宿泊するしかないと思います」
ミラ「そうするしかないわね ギルドには私から連絡しておくわ」
カイト「分かった 今日は休んで明日出発だな」
ミラとカイトはクシアの提案に納得し今日はゆっくりすることに決めた、夕日が沈みだした空はまだ明るさが残っているが森の中は段々と暗くなってきている
大妖精「お前達、今日はこの森に残るみたいじゃな それならこの森を守ってくれた恩人達には楽しんでいってもらおうではないか」
カイト「遠慮なく甘えることにしますか」
ミラ「やったーー!」
クシア「楽しみです」
森を守ってくれた冒険者たちのために森の住人はもてなしてくれた、飛び交う妖精、綺麗な踊りに美味しい料理など異世界にきて初めて宴を味わったカイトは非常に満足していた、皆盛り上がっている最中に
カイト「そういえばクシアさん、この犬はフェンリルの子供らしいよ」
かつて戦ったはずの強敵をクシアに見せるがクシアは最初から分かっていたように答える
クシア「そうみたいですね ありがとうございます あの時に助けてくれたおかげで生きているわけですから」
カイト「凶暴で強いやつだったけど今はそんなものは感じないな、大妖精がフェンリルは無闇に襲いかかる奴じゃないと言っていたけどそれは本当なの?」
改めてお礼を言うクシアに一番疑問に思ったことを問うが驚いた顔をしたクシアは
クシア「そうなのですか……私は凶暴で暴れ回るフェンリルしか見たことないのでそのことは分かりません‥」
カイト「そうなのですか でも心強い仲間ができたから良かったと思う」
クシア「不思議ですよね、少し前は必死に戦ったのに懐いてきて今は可愛いって思うんですから」
かつて倒したはずの敵を可愛がる日が来るとは思っておらず複雑な感情になる2人だったが動物特有の愛嬌によってその感情は簡単に吹き飛ばされてしまったのだ、そこで隣で寝ていたエナとマッシュが起き上がる
エナ「うーーん どれくらい寝てたのかな?」
マッシュ「分からない でも皆楽しそうだな」
周りを見渡せば盛り上がる森の住人、空飛ぶ妖精を見た2人はすぐに状況を理解することができたそこへ2人に気付いた皆が近づいてくる
カイト「良いタイミングで起きたな、宴はまだ始まったばかりだから美味しい料理を食べなよ」
ミラ「そうね 本当にタイミングが良すぎるわ 料理の準備をしてない分楽しみなさいよね」
申し訳なさそうにする寝起きの2人にカイトとミラはたくさんの料理を運んできた、新鮮な野菜を使ったスープに良い香りが漂うジューシィな肉、腹を空かせていた2人は満面の笑みで平らげていく
クシア「相当お腹が減っていたみたいですね」
カイト「ははは 凄い食べっぷりだな」
ミラ「確かに楽しみなさいって言ったけど」
3人ともエナとマッシュが想像以上に食べるので驚きを隠せなかったが勢いよく食べすぎたためかそう長くは持たなかった
エナ「お腹いっぱいで幸せだよー」
マッシュ「もう食えない ウッ」
たらふくたべた2人は一歩も動けないほどに満腹になってしまい幸せそうである
カイト(明日のことは明日考えるか)
幸せそうな2人を見て明日のことを考えるのは辞め今は今はこの状況を楽しむことにしたカイト、歌い、飲み(ジュースを)、踊り、満喫していると知らぬ間に夜が明けていた
エナ「盗賊の頭はどこかに行ったの?」
海斗「分からない さっきのグランドウルフもいないみたいだしどこに行ったんだ?」
フェンリルが吹っ飛ばしたお頭とグランドウルフの姿が見つからないので探していると大きな音を立ててお頭が現れる
お頭「この糞ガキ共が!!殺してやるぞ」
思い通りにいかず邪魔をされたからかお頭は怒り狂っているようである
海斗「あいつ、相当怒ってるな……おまけにウルフも着いてやがる」
エナ「そうだね……でも私達三人でやるしかないでしょ?」
アスフェア「援護は任せなさい」
三人はお互いに目を合わせ戦闘態勢に入る、海斗が前衛で後ろからエナとアスフェアで援護をする作戦で戦うつもりでこちらを見たお頭グランドウルフに上に乗り猛烈な勢いでこちらに突進してきている
海斗「援護は頼むよ」
そう言い残して海斗は前へと行きお頭とウルフの強烈な突進攻撃を受け止める
お頭「消えろ」
しかし上にいるお頭が剣を振り下ろしてできたのでそれを回避し距離をとる
お頭「貴様は今さっきの奴らよりも強いのかもしれんが武器を持たずに丸腰とは舐められたものだな」
海斗「余裕で勝てるなんて思ってないさ……でもどうやって戦えば……」
お頭は先ほどよマッシュやミラとは明らかに違う実力を感じ取っており武器を持ってない海斗は対抗策を考える
海斗「あれは……エナ、アスフェアに少しだけお願いがあるんだけど……」
周りを見回して何かに気付いた海斗は二人にそのことを話しそれを聞いた二人は「分かった」と頷き得意の氷魔法でお頭を遠距離から攻撃する
氷の弾幕はお頭にことごとく回避されてしまうがそれと同時に海斗も突っ込んでいき飛び上がって次はお頭を狙って空中で拳を振りかぶる
お頭も飛び上がって攻撃してくる海斗に合わせて剣で攻撃をするが海斗は攻撃する事が目的ではなく空中で体を捻ってお頭の攻撃を回避して後ろに回り込む
海斗「誰の剣か分からないけど使わせてもらう」
海斗は地面に突き刺さっている剣を抜いて構える、その剣はミラがお頭と戦った際に弾き飛ばされたものだ
お頭「あの小娘の剣を持ったところで同じだ」
お頭は再び海斗めがけて突進してきたので海斗も剣でお頭の攻撃を受け止める
お互いの攻防が続く中で隙を見つけた海斗はお頭の剣を受け止めている間に蹴り飛ばしてグランドウルフの上から降ろす事に成功する
地面に降りたお頭に対してさらに追撃をするがグランドウルフに背を向ける形になってしまう
エナ「こっちに来なさい!!」
後衛の二人がウルフを攻撃してこちらに注意を引いたのでお互いに一対一の勝負となる
怠慢となった事を確認した海斗はエナを信じてお頭を倒すべく慣れてない剣を片手に持ち切り掛かる
お頭「貴様は剣の扱いに慣れていないようだな」
慣れていない海斗は剣を両手で持ちデタラメに振り回しながらお頭を攻撃している
型がなく素人丸出しの剣術なのだが一撃一撃が重くて速くお互いに一歩も譲らず打ち込み合い鈍い金属の音が森に響いている
カイト「今だ!!」
攻勢が続く中で海斗が隙を見つけお頭の顔目掛けて全力で剣を振り下ろすが反応したお頭にガードされてしまい力任せに振った剣は折れてしまった
カイト「くっ!! 剣が折れたか」
武器を失い丸腰となったカイトにお頭はチャンスとばかりに詰め寄る
お頭「剣の使い方を知らん奴め これで終わりだ」
攻撃がさらに激しくなったお頭の攻撃を次々と回避するカイトだが後ろにある大木に気が付かずに引っかかってしまい体勢をくずしてしまう
カイト「うおっ!?」
倒れたカイトの隙を見逃さずお頭は大きく剣を振りかぶり海斗めがけて振り下ろす
お頭「今度こそ死ね」
しかし、次の瞬間にお頭の頭以外の全身が氷漬けとなり動けなくなる
お頭「なんだこれは!! どうなってやがる」
お頭が困惑しているとこちらへと手を向けているエナとアスフェアの姿がうつる、どうやらウルフを倒す事に成功して海斗の援護をしにきたようだ
海斗「ナイスタイミングだ……ありがとう」
アスフェア「これだけ凍らせたら身動できないでしょ」
アスフェアは得意げになり話すが氷漬けになっているにも関わらずお頭は無理やり動こうとし 氷がパキパキと音を立てて壊れそうになっている
エナ「そんな」
この状態でも動こうとするお頭にエナとアスフェアはかなり驚いていたが立ち上がった海斗が飛び出してきて
カイト「エナ アスフェア 伏せてろ」
カイトはさっき体勢を崩した原因となった太い丸太を持ち上げ野球の打者のように振りかぶっていた
お頭「くそ 止めろ クソッタレ」
アスフェア「凄い馬鹿力ね」
丸太を大きく振り被ったカイトは凍って動けないお頭目掛けてフルスイングし
カイト「木製ホームラン!! 吹っ飛べ」
そう叫ぶと同時にお頭に大木が命中し野球ボールのようにかなりの勢いで飛んで行った、吹っ飛ばされたお頭は森の中で一番でかい樹木に叩きつけられる
カイト「やっと終わったか」
お頭を攻撃した海斗は気絶して動けないことを確認してはホッと息をつく
エナ「おーい 」
息をついているところへアスフェアとエナが嬉しそうに駆け寄ってくるのが見える
エナ「良かった……きちんと倒せたみたいね カイトがいてくれて良かったよ」
アスフェア「結構やるじゃない」
森を守ることができて喜ぶエナと素直に褒めないアスフェアだが2人とも喜んでいるのは間違いなかった
エナ「今更だけど手足治って本当に良かった……でも治った直後に盗賊と戦うのは大変だったでしょ? 」
エナは心配そうに声をかけカイトへと近づく
カイト「確かに大変だった……それより皆大怪我がなくて良かった あいつ結構強かったぞ」
エナ「そうだったんだ…… やっぱり異世界からの人ってだけで強いね 本当に驚いたわ せっかくだしゆっくりしましょう クシア達は森の妖精達にまかせて」
エナは木の根元にある綺麗な地面へと脚を揃えて座る
カイト「少し疲れたからそれもありだな 隣に座るぞ」
カイトは後ろに手をついて座りこみ森の風景を見渡しながらエナと2人で仲良くしている、しかし輪に入れなかった妖精が一匹
アスフェア「まったく 2人でイチャついちゃって こいつもいつ起き上がるのか分からないってのに」
イチャつく2人をよそにアスフェアはお頭を見ておりあらかじめ持ってきていた縄を取り出しお頭の手足を動けないように縛りつけた
アスフェア「これならどんな馬鹿力でも解けないわね」
小さな体で大きなお頭を縛りあげたアスフェアは一息をつきその様子をカイトとエナは見ていた
エナ「忘れてた…… また起き上がって襲ってくるかもしれないのに」
エナは思い出したかのように立ち上がるがうまく立てずにカイトの方へ倒れてしまう
カイト「それくらい疲れてたってことだろ? 動ける奴らに任せて ゆっくり眠りなよ」
エナを受け止めたカイトは柔らかい頭を撫でて優しい声で語りかける
エナ「うん そうする 」
顔が赤くなっている事に気付いたエナは顔を隠すようにして横になる、心では(眠れるかな……なんか恥ずかしい)と思っていたが疲れが溜まっていたのか瞳を閉じるとスヤスヤと寝息を立てて眠ってしまった
カイト「お互いに無理してたみたいだな」
エナの疲れを感じ取ったカイトは彼女を背負ってクシア達の元へと向かおうとするとそこへアスフェアが駆け寄ってくる
アスフェア「おい あのでかぶつも後で運んでくれない」
いつものように上から目線でアスフェアは話しかけてくるので
カイト「ええーー 俺が運ぶのかよ あいつエナの何倍も重いだろうが」
華奢なエナを背負ったカイトは嫌そうにアスフェアへ文句を言うが
アスフェア「私じゃあいつを運べないのよ それにあんた力だけはあるから余裕でしょ」
面倒くさがるカイトをみてアスフェアはいつものように馬鹿にしながら命令をする
カイト「分かってるよ あれ?何かあいつ浮いてないか?」
いつも通りに適当な返事を返しお頭を確認すると縛られているお頭の体が浮かんでおり後ろに大妖精がいた
大妖精「こやつはうちが運んでやる しかしよくやってくれたなうちの援護が必要だと思っておったがいらなかったみたいじゃな」
大妖精の所も決着が着き敵ももういないので余裕のある表情をしている
カイト「怪我を治してもらった恩人を助けるのは当然だろ」
大妖精「確かにそーかもしれんがな…… だからうちもお前を治して良かったと思うぞ」
アスフェア「そーね あんたが守ってくれたおかげで被害を抑えることができたのよ」
大妖精「そうじゃな 怪我人こそでたが死人が1人もでとらんのが一番大きいじゃろ」
アスフェアと大妖精は改めて礼を言う、カイトは照れてまた謙遜しつつも3人とも仲良く話しながらクシア達のもとへと向かっていき、辿り着くとクシアと妖精達がミラとマッシュの応急処置をしていた
クシア「皆さん無事で良かったです!!」
クシアは純粋な笑顔を向けて3人を出迎えた
カイト「クシアさんも無事で何よりです ミラとマッシュは大丈夫なのか?」
エナを起こさないようにゆっくりと降ろしたカイトはミラとマッシュの心配をする
ミラ「私は大丈夫よ 首を締められたくらいで済んだけどマッシュの怪我がかなり酷いわ」
ミラはマッシュのことが心配なのだろうか、かなり心配しており暗い声で答える
ミラ「私が足を引っ張ってしまったから……エナにも無理をさせてしまったし もっと強くならなきゃ」
自身が足を引っ張ってしまいエナとマッシュに無理をさせてしまったことを悔いるミラは明るく振る舞っていたが声には不安が混じっている
カイト「そうだったのか でも皆無事だったから良かったと思う……次はマッシュを守れるくらいに強くなればいいんじゃないか?」
カイトはありのままの素直な言葉をミラに伝えることしかできなかったが
ミラ「うん そうね クヨクヨしてても仕方ないよね」
素直な言葉を受け止めミラは前向きになり顔もさっきと比べ明るい笑顔になった
カイト「そうだな 嘆くだけじゃ何も始まらないもんな、けどコイツら(盗賊)のせいで随分と遅くなっちまったな」
本来なら森での用件を済ませた後にギルドの依頼を抜け出して店主から頼まれた手紙を届けてその村で宿泊する予定だったのだが戦いで皆ボロボロになってしまったためそれどころではなくなってしまった
クシア「盗賊がこんなにしつこく襲ってくるのも予想外でしたからね 今日はここに宿泊するしかないと思います」
ミラ「そうするしかないわね ギルドには私から連絡しておくわ」
カイト「分かった 今日は休んで明日出発だな」
ミラとカイトはクシアの提案に納得し今日はゆっくりすることに決めた、夕日が沈みだした空はまだ明るさが残っているが森の中は段々と暗くなってきている
大妖精「お前達、今日はこの森に残るみたいじゃな それならこの森を守ってくれた恩人達には楽しんでいってもらおうではないか」
カイト「遠慮なく甘えることにしますか」
ミラ「やったーー!」
クシア「楽しみです」
森を守ってくれた冒険者たちのために森の住人はもてなしてくれた、飛び交う妖精、綺麗な踊りに美味しい料理など異世界にきて初めて宴を味わったカイトは非常に満足していた、皆盛り上がっている最中に
カイト「そういえばクシアさん、この犬はフェンリルの子供らしいよ」
かつて戦ったはずの強敵をクシアに見せるがクシアは最初から分かっていたように答える
クシア「そうみたいですね ありがとうございます あの時に助けてくれたおかげで生きているわけですから」
カイト「凶暴で強いやつだったけど今はそんなものは感じないな、大妖精がフェンリルは無闇に襲いかかる奴じゃないと言っていたけどそれは本当なの?」
改めてお礼を言うクシアに一番疑問に思ったことを問うが驚いた顔をしたクシアは
クシア「そうなのですか……私は凶暴で暴れ回るフェンリルしか見たことないのでそのことは分かりません‥」
カイト「そうなのですか でも心強い仲間ができたから良かったと思う」
クシア「不思議ですよね、少し前は必死に戦ったのに懐いてきて今は可愛いって思うんですから」
かつて倒したはずの敵を可愛がる日が来るとは思っておらず複雑な感情になる2人だったが動物特有の愛嬌によってその感情は簡単に吹き飛ばされてしまったのだ、そこで隣で寝ていたエナとマッシュが起き上がる
エナ「うーーん どれくらい寝てたのかな?」
マッシュ「分からない でも皆楽しそうだな」
周りを見渡せば盛り上がる森の住人、空飛ぶ妖精を見た2人はすぐに状況を理解することができたそこへ2人に気付いた皆が近づいてくる
カイト「良いタイミングで起きたな、宴はまだ始まったばかりだから美味しい料理を食べなよ」
ミラ「そうね 本当にタイミングが良すぎるわ 料理の準備をしてない分楽しみなさいよね」
申し訳なさそうにする寝起きの2人にカイトとミラはたくさんの料理を運んできた、新鮮な野菜を使ったスープに良い香りが漂うジューシィな肉、腹を空かせていた2人は満面の笑みで平らげていく
クシア「相当お腹が減っていたみたいですね」
カイト「ははは 凄い食べっぷりだな」
ミラ「確かに楽しみなさいって言ったけど」
3人ともエナとマッシュが想像以上に食べるので驚きを隠せなかったが勢いよく食べすぎたためかそう長くは持たなかった
エナ「お腹いっぱいで幸せだよー」
マッシュ「もう食えない ウッ」
たらふくたべた2人は一歩も動けないほどに満腹になってしまい幸せそうである
カイト(明日のことは明日考えるか)
幸せそうな2人を見て明日のことを考えるのは辞め今は今はこの状況を楽しむことにしたカイト、歌い、飲み(ジュースを)、踊り、満喫していると知らぬ間に夜が明けていた
0
あなたにおすすめの小説
娘を返せ〜誘拐された娘を取り返すため、父は異世界に渡る
ほりとくち
ファンタジー
突然現れた魔法陣が、あの日娘を連れ去った。
異世界に誘拐されてしまったらしい娘を取り戻すため、父は自ら異世界へ渡ることを決意する。
一体誰が、何の目的で娘を連れ去ったのか。
娘とともに再び日本へ戻ることはできるのか。
そもそも父は、異世界へ足を運ぶことができるのか。
異世界召喚の秘密を知る謎多き少年。
娘を失ったショックで、精神が幼児化してしまった妻。
そして父にまったく懐かず、娘と母にだけ甘えるペットの黒猫。
3人と1匹の冒険が、今始まる。
※小説家になろうでも投稿しています
※フォロー・感想・いいね等頂けると歓喜します!
よろしくお願いします!
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~
うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」
これしかないと思った!
自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。
奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。
得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。
直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。
このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。
そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。
アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。
助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める
自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。
その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。
異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。
定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。
特に呼ばれた記憶は無いが、異世界に来てサーセン。
黄玉八重
ファンタジー
水無月宗八は意識を取り戻した。
そこは誰もいない大きい部屋で、どうやら異世界召喚に遭ったようだ。
しかし姫様が「ようこそ!」って出迎えてくれないわ、不審者扱いされるわ、勇者は1ヶ月前に旅立ってらしいし、じゃあ俺は何で召喚されたの?
優しい水の国アスペラルダの方々に触れながら、
冒険者家業で地力を付けながら、
訪れた異世界に潜む問題に自分で飛び込んでいく。
勇者ではありません。
召喚されたのかも迷い込んだのかもわかりません。
でも、優しい異世界への恩返しになれば・・・。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる