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第三十二話 黒歴史の幕開け
しおりを挟むルーゼ「多くの魔法が平均以下か……エナ これで学園に入っても大丈夫だと思うか?」
エナ「そうですね……たくさんの種類を扱えたほうがいいんですがそんな時間は無さそうなので今のところはそれなりに扱えてる炎と風魔法を伸ばしていく方がいいかもしれません」
クシアから基礎魔法の指導を受ける海斗とアリスを見ながらエナとルーゼは話し合っている、昨日はマールとリゼルからの任務で最近動きが怪しいソルセリに潜入し調査する事になった
しかし入学できない事には話にならない上に海斗は魔術に関する適正が壊滅的であり基礎的な魔法から学んでいた
ルーゼ「にしても あの程度で喜ばれてもなー……」
目線の先ではアリスと一緒に魔法を練習していた海斗が魔法を使い小さな水や電気を発生させただけで手を取りあいながら喜んでいる
エナ「ふふっ……二人とも楽しそうですね、まるで過去の私を見ているみたい」
子供のようにはしゃいでいる二人を見てエナは微笑んで懐かしんでいる
ルーゼ「そういえばエナはソルセリの出身だったな、過去に両親から魔術をまなんでいたのか?」
エナ「はい そうです……私の両親も私が初めて魔法を使った時は今の海斗達のように喜んでくれました」
ルーゼ「そうなのか 両親も学園の魔導士だったって事なのかい?」
言葉から推測してルーゼが両親についての質問をする、しかし過去に何かがあったのかエナは悲しそうにしている
エナ「はい……小さい頃であまり覚えてないのですがとても優秀な魔導士だったらしいです」
ルーゼ「それなら何故ソルセリではなくてフラガの酒場何かに居たんだ?」
エナ「それは……少し長くなってしまいますけど……」
過去にエナは両親と一緒に魔法を勉強している際に魔物に襲われてしまい離れ離れになってしまった事、そしてその日の両親は普段と様子が違っていた事、さらに手紙でソルセリには行くな!!と書かれており真相は分からないそうだ
真相は分からないが手紙の言いつけを守りソルセリから離れて両親から学んだ魔法で人を助けたいという思いがあり冒険者ギルドに登録し人を助けながら生活していたらアスフェアと出会ったそうだ、そして今回は小さい頃から憧れの学園で学ぶ事は勿論、両親の手紙の真相を確かめるという思いから調査任務をしたいという事らしい
ルーゼ「君は強くて立派になってるし両親もきっと喜んでくれるはずだよ」
エナ「そうだといいんですけど……それに強くなんてないです……私の実力が無かったせいで一回捕まって奴隷として売られそうになったこともあるんですから」
魔法で人を助けていたとはいえ自分に自信がない様子を見せており今は両親がどうなっているのか分からないらしい
アスフェア「あの時はゴメン私が捕まってしまったせいでエナにも辛い思いをさせてしまって……」
エナ「そんなに自分を責めないで、私の実力が無かったのも本当だし……その後にフラガ店長が助けにきてくれたから良かったじゃない」
ルーゼ「成る程な それであいつの店にいたんだな」
衝撃だったエナの過去に同情しつつも親友が知らないところで活躍していたみたいでルーゼは誇らしい気分になる
海斗「おーいエナー これって魔法なのか見てくれよー」
過去のことを話していたら新たな魔法を使えるようになった海斗が遠くから呼んでいる
エナ「分かったー今行くよー」
返事をし立ち上がって海斗の方へ向かおうとするとルーゼがエナの手を掴んで引き止めてエナの頬を引っ張る
ルーゼ「顔が暗いぞ そんな様子だとあいつが心配するんじゃないか?」
エナ「……ありがとうございます でも海斗はそんな細かいとこまで気にしないと思います……」
くらい表情では無くなったが作り笑顔のぎこちない表情でエナはお礼を言って海斗達の元へと向かっていく
そして一日が経ち海斗は魔法を上手く習得できておらずルーゼの修行よりも苦労していた
ルーゼ(こいつは追い詰められたら成長するタイプ、才能の無いのを無理やり引きだす、さらに話を聞く限りだとコイツは顔を覚えられている可能性が高いと)
伸び悩んでいる海斗にルーゼは今までの修行以上に頭を悩ませていた
ルーゼ(魔法に詳しい学園に行けばさらに魔力の操作を上達させる事ができるかもしれんが……こやつを成長させる為に最適な環境にするには……これしかない)
ルーゼが色々と考えた結果とんでもない結論に辿り着いてしまう……
この結論が海斗の黒歴史となり墓場まで持っていかなければならないものとなるのだがそんな事もお構いなしにルーゼは海斗に告げる
ルーゼ「海斗……お前は今日から女になれ」
海斗「はぁっ?」
一体何を言ってるんだ?と言わんばかりの顔でルーゼを見つめており理解が追いついていないようだ
ルーゼ「何故性別を変えれるのか分かってないのか? これはクシアの授業をうけないとな」
隣に立つクシアに聞こえるように大きな声で話す、そもそも性別を簡単に変えれると聞いて海斗のような反応になるのは当たり前である
クシア「覚えてないでしょうから一から説明するとですね……」
またクシアの授業が始まってしまおうとしたのだが今回は違った
海斗「あぁ知ってるよ 昔人間がダイナ族や他の種族なんかに滅ぼされそうになった時代は子孫を残すために性別を自由に変えることができる魔術を開発して少ない命を繋いできたって話だろ?」
クシア「よく覚えてましたね……」
解説する気満々だったクシアだが意外にも海斗が覚えていて少し見直したようである
海斗「そのお陰で人は増えたけど長年の間遺伝子を魔術でいじった影響なのか体が順応して今の人は簡単に性別を変えることができるって言ってたよな?」
クシア「はい!!その通りです」
海斗(クシアさんには悪いけどここはリリィが担当してくれてた部分だったから覚えてるだけなんだよな……ゴメンなさい)
クシアが解説したと思われる場所が実はたまたまリリィ王女が担当した場所である事をクシア自身が忘れてしまっており リリィは海斗の妹に似ている事からその日の授業はしっかりと受けて起きていたのだ
そんな事を知らずに喜ぶクシアを見て心が痛くなる海斗だがこれは言わない方が良いだろう
海斗「でも俺は元々この世界の人じゃないしそんな簡単に性別を変えることができるのか?」
クシア「その点は大丈夫ですよ この魔術は現代こそ使われなくなったのですが改良はされ続けていたのでどんな人も簡単に変身できます」
海斗「成る程……って納得してる場合じゃないぞ 何で性別変えないといけないんですか?」
この世界では簡単に性別を変える事が可能なのだが海斗はとても嫌そうにしている
ルーゼ「それはな……まず相手の王子にお前の顔を覚えられている可能性があるだろ?だからバレないようにするってことと」
クシア「ついでに私もイメチェンします」
あくまで潜入調査であり王宮での出来事に関してマルク王子に攻撃したうえに顔も覚えられてしまっている海斗が今の姿で行っても怪しまれる可能性があるため少し納得する
一応マルクは海斗に関する記憶を消したらしいのだが王都では良からぬ噂が流れていた事から信頼できないらしい
ルーゼ「もう一つはお前の修行のためだ」
この答えには全然納得できておらず性別を変えたら何の特訓になるのか理解できていない
ルーゼ「不満そうな顔だがちゃんと理由がある……お前を見ていて気づいたことたがお前は危機的状態になった時に大きく力を発揮することができるみたいだ」
危険を感じたら強くなれるという特性をもっていることなので弱体化させることでより大きく成長させることができるとルーゼは説明する
海斗「今よりも弱くなって危険を感じやすくなると強くなれるってことか……」
ルーゼ「そうだ、そういうことだ」
アスフェア「そーゆうことよ少しは女の子の気持ちも分かりなさいってことよ」
海斗「そうなのか……でもなぁ」
潜入だから正体がバレないようするために仕方ない事だがイマイチ気分が乗らない様子を見せる
ルーゼ「なら早速変身してもらうか クシア 魔術の準備を」
海斗「ちょっと待ってくれ もうやるの? 流石に早すぎないか?」
イマイチ覚悟が決まっていないのに勝手に進められて海斗は困惑する
ルーゼ「文句を言うな 体が大きく変わるから残りの期間で慣れろ」
海斗(まじかよ……俺女の子になっちゃうのか 仕方ないことだけどクラスメイトだけには絶対言えない秘密ができてしまうな でもあいつらは何してるか分からないけど学園に来ることなんてことはないだろうから大丈夫だな)
海斗にとっては絶対にバレたくない事であるがまさかクラスメイトに会うことはないだろうと安心する
クシア「それではこちらの台に横になってください」
もう準備が終わっているみたいで言われるがままに仰向けになる、森で治療を受けた時もこんな感じだったので海斗はまた眠くなってしまい
海斗「zzz」
クシア「眠ってしまったようですね そんなに時間は掛からないのに」
ルーゼ「まあ良い 続けてやれ」
眠ってしまった海斗に構わずクシアは魔術による性転換を始める
白い魔法陣が下にできて眩しい光が海斗とクシアを包み込んでいる
時間は三十分ほど掛かかり筋肉質だった海斗の身体は大きく変化していき……
海斗?「ん? また眠ってたのか俺は…何か体が変だなそれに声も」
目覚めた海斗は体に違和感があり、良い青年のような声をしていた海斗だがか細い女性の声となってしまっていた
クシア「目覚めましたね 海斗……様?」
元の姿からの変化にクシアは戸惑っている様子を見せる
海斗(うわぁまじか本当に女の子になってしまったよ、腕と足がこんなに細くなっちまった この秘密は墓場までもっていかないと…)
元々は筋肉質だった海斗の体は女性らしく細くなってしまいその栄養が胸にいってしまったのかクシア並みの巨乳になってしまっていた
今日から女として過ごさなければいけない事に絶望するがこれも元の世界に帰るために必要な事だと自分を奮い立たせて受け入れていくしかない
そして今日から黒歴史の日々がスタートするのであった
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