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第三十四話 まさかの再会

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 様々なことがあり学園を調査する目的で学園に転入するこになったエナ、カンナ、シアの三人、今日はいよいよ学園の生徒と対面する日だ 制服を着た三人だがカンナは落ち着きがない

 それもそのはずでスカートを履く日が来るなんて思ってなかった海斗は丈がかなり短く足がスースーする感覚に慣れていない
 
海斗(クラスの女子はいつもこんな感じだったのか……)
 

 カンナ「初日に学園の生徒の目の前で自己紹介するなんてな……」
 
 学園の中に入った三人は大きな講堂にある控室の中にいる
 
 エナ「緊張するかもしれないけど 頑張ろう」
 シア「先ほどうっすら聞こえたのですが転入生が私達を含めて十人もいるそうですよ……」
 
 カンナ「そうなのか……仲良くなれるといいんだけど」

 転入生が十人もいることに驚いているが新しい環境で頑張る同僚としてカンナは仲良くなりたいと思っている、しかしこのメンバーを見て入学初日で帰りたくなってしまうのだが……

 エナ「さて ジック学長の話が終わったからいよいよだね」

 学園長はジックという男でとても優秀な魔導士でそのジックの話が終わりステージの端にいる三人に手招きをしている、三人は緊張しながらもステージの真ん中に立つ、当然だが全校生徒の視線が集まるのでプレッシャーを感じるが

 ジック「まだ来てない生徒がいるようじゃな」

 どうやらシアの言ってたことは本当らしい まさか十人も転入なんて中々ない事だろう

 そして数分待つことになるのだが最初の三人は女子ということもあって(本当は一人だけ男)男子生徒がソワソワしている様子が伝わってくる あとやっぱり視線がとても気になってしまい落ち着かない


 ジック「ようやく来たようじゃな」


 ジックが見ている方向を見ると七人の男女がこちらに向かってきていた しかしこの人達をみてカンナは顔を青ざめることとなる何故なら

 ジック「全員そろったか まず軽く紹介するがこの十人がこれから君達と新たに魔術を学ぶ新しい仲間じゃ、そして後に入ってきた七人はこの世界に呼び出された勇者達である 君達がこの勇者達から学ぶこともあるだろうからお互いに切磋琢磨しながらこれから生活していってほしい それではまず自己紹介からしてもらおうか」

 カンナ(おーーいちょっと待て何でクラスメイトがこんなところにいるんだよしかもこの学園の制服を着て、西海高校の誇りはどこにいったんだ まぁ俺も同じでしかも男の誇りも捨ててるんだけど……そんなことどうでも良い俺が墓場まで持っていくはずの秘密なのにこいつらにバレるかもしれないじゃないか ふざけるなよ)

 何の偶然か海斗は追放される形でクラスメイトと離れ離れになってしまいどこかで再会できると思っていたのだがまさかこのような形で再会してしまうとは微塵も思っていなかった

 本来ならば喜ぶべき事なのだが今の状態でそのような事をしようものなら色々と終わってしまうのは流石の海斗も理解していた

 しかしクラスメイトはそんな事を知る由もなく自己紹介を始める


 寺山「それじゃまずは僕から 僕は寺山光っていいます得意な魔法は光属性の魔法です仲良くしてください」

 カンナ(こいつの名前は寺山、漫画とかアニメが大好きなオタクで異世界に来た時に一番喜んでたやつだ)

 溝上「次は俺か……俺の名前は溝上優斗 得意魔法は雷系です これからよろしく」

 カンナ(この溝上ってやつも寺山と一緒だが俺はこいつと馬鹿にしあう程度には仲が良いのでこいつにだけは正体はバレたくない)

 上野「僕か……名前は上野秀太です 皆さんと一緒に強くなりたいです よろしくお願いします」

 カンナ(上野君か……あまり話したことないけど真面目できちんとしてるイメージがあるかな)

 高田「……あっ その 僕は高田剛志……です よろしくお願いします!」

 カンナ(まさか高田君まで高田君も真面目でとても良いやつだよ、ノート見せてもらったりとか勉強教えてもらったりもしたな……皆のまえだから緊張してるんだろう 気持ち分かるよ)

 山下「私の名前は山下優香です これと言って得意な魔法はないです でも居なくなってしまった仲間のためにここで強くなりたいんです」

 工藤「私は工藤静香といいます……私も山下さんと同じで救えなかった仲間のためにこの学園で頑張りたいです……よろしくお願いします」


 カンナ(この二人は俺と一緒にパーティを組んだ二人だなどっちも真面目で成績優秀な人だ 多分だけど救えなかった仲間って俺のことだよな 気付かないかもしれないけど隣にいるんだけど……内緒にしなければ)

 斉藤「私は斉藤桃香と言います この世界での経験が浅いですが一生懸命に頑張りたいと思ってますので皆さんよろしくお願いします」

 カンナ(最後は斉藤さん この人はクラスの副委員長をやってる人だ 小学校から知ってるし真面目でどんなことがあっても挫けず努力ができる凄い人だ でも当の本人は自分を特徴のない人間だと思っているみたいだけど……)

 シア「私はクシ……ではなくシアです。得意魔法は味方にバフをかけて強化するのが得意です これからよろしくお願いします」

 エナ「私はエナです 一番得意な魔法は氷魔法です これから精一杯頑張りますので皆さんよろしくお願いします」

 カンナ(この二人は今更説明するまでもないな……てかクシア普通に本名言いかけてたな)

  カンナ「私はカンナです……あの……よろしくお願いします」
 最後はカンナの自己紹介だったのどが他の生徒からのプレッシャーに加えてクラスメイトがいる状態でまともに自己紹介なんてできるはずもなく第一印象は最悪となってしまう

 生徒「何だ最後の女 それしか言うことないのかよ」
 生徒「エロいけどなんか弱そうだな」

 つまらない自己紹介をしたせいか生徒から冷やかすような視線を感じる

 ジック「うむ 緊張してしまってる者もいたが皆仲良くするんじゃぞ では転入生の皆はそれぞれ指定されたクラスに入ってもらう 各自解散」

 少しだけ学長のフォローが入ったところで生徒はそれぞれのクラスの教室へと向かっていく 残された転入生は学長がクラスの案内をしてくれた、どうやらAからEまでの五クラスあってそれぞれ二人ずつ配属されるそうだ

 カンナ(正直言うとクラスメイトとは絶対に一緒になりたくない……エナかシアのどちらかで頼む…………)

 こんな姿でもバレてしまう可能性がありカンナはこれ以上ないほど神に願っていたが

 斉藤「ええっと……同じクラスになりました よろしくお願いしますね」

 カンナ(そう上手くいくわけないとは思っていたけどよりによって斉藤副委員長か…… そういえば初対面の女子はどんな感じでいけばいいんだ 実際は初対面じゃないけど本当にどうしたらいいんだよ)

 願いも虚しく斉藤と同じクラスになってしまったのだが迷っても仕方ないので取り敢えず挨拶をする

 カンナ「うん よろしくね斉藤さん」
 斉藤「もう名前覚えてくれたの!?ええっと……」

 カンナ「いいえ 私はカンナっていうの よろしくね」

 カンナ(普段は冷静な斉藤さんが慌ててるのは何か面白いな、それにあっちの世界でも友達のように話す仲じゃなかったから初対面のように接しやすいのもいいな……でも帰りたい)

 カンナ「ちょっとトイレに行ってくるね」

 斉藤に後で合流することを伝えたカンナはエナとシアの二人を連れて人気のない場所へと移る

 カンナ「ねぇ 帰りたいんだけど……」
 エナ「それは 仲間達がいるから?」

 カンナ「そうだよ まだバレてないからいいけど そのうちボロが出るし何よりも両方の学校生活での俺の立場が終わる」

 シア「転入生全員が身内ですからね……まさか私も勇者の方々と学ぶことになるなんて思ってもなかったですよ」

 エナ「カイト達の仲間か……仲良くなって色々聞いてみたいかも」

 カンナ「その名前を言ったらダメ でも仲良くするならそいつの好きなやつとか教えるよ 誰とクラスが一緒になったの?」

 シア「あー……それが私達が一緒のクラスになってしまったようで……」

 なんとエナとシアが同じクラスになってしまったようで絶望する
 カイト「何でやねん 酷いじゃねーか」
 エナ「泣かない 泣かない でも寮は三人部屋ってマールさんが言ってたしきっと一緒になれるよ ね?」

 カンナ「だよね 流石に一緒だよな? クラスメイトの女子と同じ部屋で寝たということがバレたりしたら……」

 エナ「大丈夫だって学長もきっと配慮してくれてるはずだよ……タブン」
 シア「それよりも 早く行かないと怪しまれますよ」

 ガタガタ震えながら喋るカンナを見て反応に困ったエナとシアは強引に話を終わらせてそれぞれの教室へと向かっていった 
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