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第七十八話 説教 再び
しおりを挟む海斗はリナとカリータと共にジュエリーナ王国の王女の真意を確かめるために道を歩いている
アスフェア「相変わらず居眠りしていたようね」
海斗「頑張って起きてたんだけど知らない話ばっかりで頭に入ってこなかったんだよ」
リナ「カンナはもう少し真面目だったような感じがするんだけどなー」
カリータ「というよりも貴方がカンナだったのは信じられないですが私達にはどんな気持ちで接していたのですか?」
海斗「まあ……その件に関しては本当にごめん、だからせめてもの気遣いというか何というか……着替えの時とかなるべく見ないようにしてたし変なところとかも触らないようにしてたし……」
リナ「そう考えたら色々とだらしなかった理由とか不思議に思った行動にも納得がいくけど」
カリータ「あっ……貴方は私と融合したのですよ!!男性の方と一つになるなんて……」
アスフェア(あーあエナに見られたらどうするのよ)
カリータは経験がないのか慌てており海斗を見つめているがその様子をエナは遠くからみており近付いてきたのであった
エナ「海斗」
海斗「うぉっ!? 何で着いてきたの?」
エナ「マールさんに「あいつは何かやらかすから」って言われたから、というよりもカリータと随分楽しそうだったね」
海斗「(だったら何で俺を選んだんだよあいつは)そんな事言われても……これは仕方ないじゃないか」
カリータ「そうですよエナさん、この人は私と融合して体を一つにしたのですよ? だから……」
これにはエナも苦笑いするしかなかった
エナ「でも そういう事をした訳じゃないんだし……そのおかげでいろんな人を助けられたんだから」
カリータ「はい、それで無理やり納得はしていますがそれでも何か……こう」
リナ「それなら好きな人とデートして気分転換しようよ」
カリータ「……そんな人は別にいませんから」
リナの一言を聞いた彼女は少しの間を置いて答える
海斗「ナックとかはいいんじゃないの?(パックはリナがいるしな)」
エナ「確か同じゼミだったよね?」
カリータ「なっ!? だ 誰があんな奴好きになるものですか!!」
海斗「まぁ……出会いは最悪だったけど(意外と当たってる?)」
さっきよりも一段と大きな声に全員が驚く、さらに照れているのか顔も赤くなっておりその場にいた全員が色々と察していた
カリータ「とにかく 早く行きましょう相手はジュエリーナ王国の王女様ですよ」
リナ「私は見た事ないから本物なのか分からないけどどうなのかな?」
海斗「うーん……というかジュエリーナ王国って何?」
海斗はエナに質問するが彼女はしばらく何か考えており代わりにカリータが質問に答えようとするとエナはカリータの口を抑える
エナ「後で教えてあげるから今は急ごう」
アスフェア(あっ そういう事ね)
アスフェアは色々と察していたがその他の人は特に疑問を抱く事なく目的の場所へと急いで行った
リナとカリータが案内した場所には人だかりができておりざわついている
海斗「えーっと……カーネリア王女だったっけ?」
エナ「カネリア王女よ、でも本当にこんな危険な場所に来てるのかな?」
カリータ「だから私も偽物だと思って確信が持てなかったからマールさんに報告したのよ」
リナ「あそこで待ってるらしいから着いてきて」
人混みを抜けて少し外れた場所へと出るとオレンジ色の髪をした女の子を三人の鎧を纏った騎士が守るようにして立っている
海斗「あの人達?」
海斗の問いにリナが頷いたので話しかけようと彼女らに歩み寄って近付いていくと二人の女性の騎士が目の前に立ちはだかる
?「何者だお前は」
海斗「俺たちはカネリア王女をお迎えに来た者です」
?「その格好はこの国の者ではないだろう? 本来ならばこの国の代表が来るべきではないのか?」
海斗「そんな事言われてもよー」
青い髪をした女性は冷たく海斗を突き放して否定していると隣の赤い髪の女性が宥めるように声をかけてくる
?「もーう、サフィアは頭が硬すぎるのよー 少しは肩の力を抜かないと」
サフィア「全く……この国はとんでもない事になっていたというのにルビーは呑気すぎるわよ」
ルビー「まあまあ、私はこの子達が悪い奴らには見えないわよー? サンドラもそう思うでしょ?」
赤髪の女性は後ろを向いて薄いオレンジ色の髪をもつ女性に話しかける
サンドラ「そうですね……ルビーの言うように悪い人ではないかもね」
サンドラと呼ばれる女性は左目が薄緑で右目が赤紫色という特徴を持っており不思議に思った海斗は彼女をみつめているとオレンジ色の髪の王女様が海斗達に話しかけてくる
サンドラ「あまりジロジロ見ないで欲しいなー……」
エナ「ちょっと海斗!!困ってるじゃない」
アスフェア(嫉妬してるのかしら)
カネリア「貴方達がこの国の代表の場所へと連れて行ってくれる方達ですか?」
サフィア「カネリア王女!! 危ないですので下がってください」
カネリア「サフィアの気持ちも分かりますが今はそんな事を言ってる場合ではないでしょう?」
ルビー「大丈夫よ この子達は悪い子ではないから、そういう事ですよね王女?」
カネリアは首を縦に振るとサフィアは一言何か言いたそうにしながらも堪えて王女の言葉に従う
カネリア「それでは案内していただけますか?」
海斗「分かりました」
態度の悪いサフィアに苛立ちを覚えながらもマール達がいる方へと案内をする
最初の印象があまり良くなかったので道中では特に会話もなく指定の場所まで案内するとカネリアは深く頭を下げてお礼を言いサフィア以外の二人は申し訳なさそうにしていた
マール「本当にジュエリーナのカネリア王女が来ていたとは思わなかったけど」
マルク「はい、それにジュエリーナイトを引き連れているので本物で間違い無いと思います」
海斗(ジュエリーナイト?)
マルク「カネリア王女、もてなす事ができずに申し訳ありません今のソルセリはこのような状況になってしまって……」
カネリア「良いのですよマルク王子 これは私が勝手な判断で来たのですから」
マルク「……何故そのような事を?」
カネリア「昨日貴方のお父様がジュエリーナに訪問していたのはご存じでしょうか?」
マルク「はい……」
海斗(……これは長くなるやつか)
カネリアは自身の国で起きている事や怪しい動きがある事をその場の全員に話すつもりでいるのだが海斗は眠そうにしている
サフィア「カネリア王女 本当にこの人達を信頼してもよろしいのでしょうか?もしかしたら内通者の可能性も」
カネリア「……天矢様の仲間の方もいるので信じるしかないでしょう」
海斗「天矢!? 今天矢って言ったのか?」
仲の良いクラスメイトの名前が出てきたので海斗は眠気が覚めて王女に質問する
サフィア「近づくな」
さっきよりも増して冷たい対応をされるとベルが颯爽と現れて海斗の頭を抑えてサフィアと目が合う
ベル「相変わらずのようねサフィア」
サフィア「やはり本物だったようね……コランダ」
ベル「その名前は捨てたわ、貴方が一番分かっているでしょう?」
海斗(知り合いなのか?)
二人は知り合いのようであるがお互い苦い顔をしており過去に何かがあったのが窺える
サフィア「そうだったわね裏切り者、それで今は貴方と似た無礼な居眠りする奴を育てているのかしら?」
エナ(ベルさんが無礼!?それに裏切り者って)
ベル「喧嘩ごしなのは本当に変わらないわね、でも私は居眠りなんてした覚えはないわよ?」
カネリア「コランダ……」
カネリアもベルの事を知っているのか悲しそうな目で見つめているが間にマールとマルクが割って入る
マール「ベル それは話が終わったらにしなさい」
マルク「とにかく今は話し合いましょう カネリア王女は私達を信頼し全てを話してくれるという事で宜しいですね?」
海斗(俺の話はー!?また眠くなるじゃねーか)
ベルとサフィアは落ち着きカネリアも自身の国について話そうとするとマールが海斗に向かって
マール「そ の ま え に 居眠り野郎はこれから行くかもしれないジュエリーナとビスト王国についてクシアから学んでおきなさい」
海斗「いっ!? でもクシアは眠ってるはずなんじゃ……」
しかし後ろを振り返るとそこには疲れて寝ていたはずのクシアが立っている
クシア「海斗 十秒与えるのでジュエリーナとビスト王国について説明してみてください」
穏やかだが圧のある声に海斗は黙り込んでしまい長い十秒が過ぎ去ってしまう
クシア「ならこちらで補習ですね」
海斗「クシア……さん 何かごめんなさい(エナーーこれを狙ってたのかよ!!)」
エナ「だって……リナとカリータと仲良さそうに話してたじゃん」
エナは周りに聞こえないように小声で話す
海斗「だって仕方ないじゃないかー」
クシア「海斗 私達は邪魔ですから向こうに行きますよ」
海斗は駄々をこねているが抵抗は一切せずに引きづられていった
その光景を見ていた海斗のクラスメイト達はクシアの意外な一面に驚きつつもそれなりに勤勉だった自分達を内心で褒めたのであった
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