クラスメイトと共に異世界に召喚されたので世界平和をめざします

ミジロ

文字の大きさ
91 / 122

第八十五話 暗い森の中で

しおりを挟む

 工藤(海斗と亜紀ちゃんみたいな関係にずっと憧れてたんだけどなー……)

 辺りは暗くなり風の音が聞こえる中で食事の準備を終えた一同は楽しく話しているが先程色々と見せつけられてしまった工藤は少しだけ元気がない様子を見せている


 クシア「工藤さん?どうかしたのでしょうか?」

 工藤「えっ!? 何でもないですよ……」

 クシア「……そうですか」

 違和感に気がついたクシアが声をかけるが嘘をついているというのはクシアも理解した上で頷いたのである

 そしてしばらく時間が経つと海斗は今日聞けなかった事などをクシアやエナに尋ね始めた

 海斗「そう言えば昼くらいにアリスは王国に入らない方が都合が良いみたいな事言ってたけどあれはどう言う事なの?」

 クシア「その事なのですが……」

 質問を受けたクシアは説明を始める、クシア達がレオス王子と出会い直接話を聞いた事でアリスをこの国には入れない方が良いと判断したとの事であった

 その理由が最近この国に居たダイナ族の男が裏切って王国を守る兵士の多くを引き連れて行方をくらませており同じダイナ族のアリスが獣人達から酷い目に遭う可能性があると感じたからなのであった

 海斗「そうだったのか……外で待機してたのは幸いだったって事か」

 クシア「それもそうですね、その裏切ったダイナ族はこの国を守る兵士で最強と呼ばれるほどの実力を持っていたそうなのです」

 海斗「アリス以外のダイナ族か……気になるな」

 アリス「そうだったんだ……でもその人のせいでこの国を守る人達が殆ど居なくなったんだよね?」

 アリスが悲しそうな声でクシアに尋ねると少しだけ間を置いて返事を返す

 クシア「……嘘をつくのも悪いですから正直に言いますアリスさんも相応の覚悟があって着いてきたのでしょうから、ハッキリ言うとかなり滅茶苦茶になっているのが現状です」

 普段は穏やかなクシアは真剣な表情となりアリスを真っ直ぐに見つめて事実を話し始める

 クシア「その人達が居なくなってしまったせいで国の治安が悪くなっています」

 海斗「そうなると悪い奴らがやりたい放題ってなるからな」

 工藤「うん……そのせいで昼みたいな子供を攫う奴らが現れたりして大変みたいなの」

 海斗「だから門の前の兵士はあんなにピリピリしてたって訳か……」

 アスフェア「少し揉めちゃったけどそんな事情があるなんて知らなかったわ」

 海斗「お前はどんな状況でも絶対揉めてたと思うけどな」

 アスフェア「うるさいわね 大体あんただってその原因に……」

 いつもの言い争いをしようとする二人にクシアは優しく微笑みかける

 その表情には威圧感があり察した二人は黙り込んで静かになったのでクシアは話を続ける

 クシア「それで私達が問題を解決する為にマールさんがここに行くように指示されたのですよ」

 エナ「少しだけなら聞いたことはあったけどそんなに酷い状態だったなんて知らなかったな……」

 海斗「別に今日中じゃなくても良いと思ってたけどマールが俺達を急いで行かせた理由も何となく分かった気がする」

 アスフェア「まじで怒られるわよあんた」

 クシア「そんな事もあってかマザーサルビア等の悪人を捕まえる余裕がないみたいです」
 
 工藤「今は守る事で精一杯だから私達が頑張らないといけないって事ですね」

 海斗「この国が大変だってのは分かったけど……やっぱり今日会った盗賊の奴らは少し違和感を感じたな」

 クシア「やはり逃したのですね」

 海斗「そうですね、話したのは少しだったけど俺はあいつらが悪い奴には見えなかった」

 エナ「うん……私もそう思った」

 海斗「やっぱりエナもそう思うんだね」

 工藤「でも子供を攫っていたのは事実だよ?」

 海斗「確かにそうだけど……上手く言葉にできないや」

 工藤「確かに捕まえた子達はまだ子供って感じで根っこは良さそうな感じがしたけど……だからって許される理由にはならないと思う」

 クシア「その辺はまた明日にでもゆっくり考えましょうか」

 海斗「そうだな 遅い時間になってきたしな」

 クシア「今からは二人ペアで見張りをしつつ他の人は風呂などを済ませていきましょう」

 エナ「そうした方がよさそうだね、それでペアと順番はどうする?先に見張りをした人から寝ていくって感じでいいんだよね?」

 クシア「はいその通りです一応工藤さんと私で結界を貼ってますが念には念をいれておいた方が良いかと。順番は今日一番疲れているアリスさんと海斗からが良いかと思います」

 工藤「私もそうした方が良いと思うかなー」

 エナ「……そうだね」

 エナは二人の時間がほしかったのか少し寂しそうな表情を浮かべている

 海斗「そんなに疲れてはないけどみんながそう言うなら先に行かせてもらおうかな アリスもそれで良い?」
 
 アリス「うん」

 海斗「なら行くか、交代の時間はどれくらいにする?」

 クシア「1時間程で次の人と交代する形でいきましょう それと何か異常があったら大声で知らせてくださいね」

 海斗とアリスは元気よく返事をしてその場から離れて行きエナ、クシア、工藤、アスフェアがその場に残りフェンリルはぐっすりと眠っている

 エナ「次は誰が行く?」

 クシア「次はエナと工藤さんが行ってもらって良いですよ 私が最後に行くつもりだったので」

 工藤「それだとクシアさんが一人になっちゃいます」

 クシア「フェンリルとホーリアーがいるので安心してください」

 工藤「それなら大丈夫そうですね なら私はエナさんと一緒で良いですか?」

 エナ「うん大丈夫だよ」

 クシア「決まりですね フェンリルがいるので恐らく大丈夫だとは思いますが油断なさらぬようにお願いします」

 工藤「ふふふ、やっぱりクシアさんはしっかりしてますね」

 工藤の褒め言葉にクシアは照れくさそうにしており嬉しそうにしている

 エナ「でも時々抜けてるところもあったりするよねー」

 工藤「あーそれ分かりますクシアさんは王宮での授業中に転んだりうっかりとネタバレしちゃったりしてて可愛いって思ってました」

 クシア「ううぅー 恥ずかしいです」

 アスフェア「クシアのエピソードで盛り上がりそうね」

 クシアのエピソードやソルセリの事などを中心に話が盛り上がり時々海斗とアリスの事も話に入れつつ全員が楽しそうにしており微笑ましい雰囲気が広がっている

 その頃アリスと海斗は自分達の事を話されているとも知らずに見張りをしつつ話していた

 アリス「クチュン」

 海斗「なんだアリス?風邪でも引いたのか?」

 可愛いらしいくしゃみをするアリスに海斗が話しかけるとその後に海斗も豪快なくしゃみをしてしまったのでアリスが笑っている

 アリス「あはは 海斗お兄ちゃんもじゃん」

 海斗「そうみたいだな また誰か噂でもしてるんだろうな」

 アリス「んー?どう言う事?」

 海斗「大人になれば分かるぜ」

 海斗はうっすらと聞こえるクシア達の話し声の方向へと耳を傾けながらアリスに話す

 アリス「私も一応15だし大人だよー」

 海斗「そういえばこの世界ではそうだったな」

 アリス「でもダイナ族の15はまだ子供だってマールお姉ちゃんが言ってた」

 海斗「そうなのか そういやアリスは何で着いてきたの?」

 アリス「私もティラお姉ちゃんみたいに世界の為に頑張りたいって思ったからだよ」

 海斗「それにしてもあんなに外に出るなって感じだったのにあの人も変わったな」

 アリス「それは海斗お兄ちゃんのおかげだよ だから私も変われたの」

 海斗「そんなに大した事はしてないさ 最後に決めたのはアリスなんだから」

 アリス「確かにそうかもしれないけど海斗お兄ちゃんに会えなかったら私はずっとあのままだったと思う」

 海斗「……でもアリスが差別されてるって事を知ったら危険な目に合わせたくないってなる気持ちはかなり分かるんだよな」

 アリス「それはマールお姉ちゃんが私を思ってやってたって事は分かってる」

 海斗「それでもアリスはティラお姉ちゃんを見習って外に飛び出したんだろ?」

 アリス「うん!!私にはそれなりの力があるからその力を悲しんでいる人達の為に使いたいって思ったから」

 海斗「アリスは立派だな」

 アリス「えへへ」

 海斗はアリスの頭を撫でるとアリスは懐いた子犬のようになりとても嬉しそうにしている

 海斗「でもまだ子供な部分はあるな」

 アリス「もーう」

 アリスと戯れ合いながら過ごしていると時間はあっという間に過ぎ去りエナと工藤がやってきて交代の時間となったのであった
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~

うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」  これしかないと思った!   自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。  奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。  得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。  直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。  このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。  そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。  アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。  助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。

「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~

あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。 彼は気づいたら異世界にいた。 その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。 科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

娘を返せ〜誘拐された娘を取り返すため、父は異世界に渡る

ほりとくち
ファンタジー
突然現れた魔法陣が、あの日娘を連れ去った。 異世界に誘拐されてしまったらしい娘を取り戻すため、父は自ら異世界へ渡ることを決意する。 一体誰が、何の目的で娘を連れ去ったのか。 娘とともに再び日本へ戻ることはできるのか。 そもそも父は、異世界へ足を運ぶことができるのか。 異世界召喚の秘密を知る謎多き少年。 娘を失ったショックで、精神が幼児化してしまった妻。 そして父にまったく懐かず、娘と母にだけ甘えるペットの黒猫。 3人と1匹の冒険が、今始まる。 ※小説家になろうでも投稿しています ※フォロー・感想・いいね等頂けると歓喜します!  よろしくお願いします!

祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活

空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。 最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。 ――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に…… どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。 顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。 魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。 こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す―― ※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。

裏スキルで最強異世界攻略~異世界召喚されたのだが、勇者じゃないと追い出されたので新しい国を造りました~

トモモト ヨシユキ
ファンタジー
いつものようにヤンキーに絡まれて逃げていたら、いつの間にか異世界召喚されてました。でも、スキルが『農民』しかなかったから、いらないと追放されました。 エブリスタ、カクヨム、ノベリズム、ノベルアップ、小説家になろうにも掲載しています。

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

処理中です...