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第百十一話 弱肉強食
しおりを挟む海斗達は王宮から出て食材を買いに来ているのだがとある問題に直面していた
アリス「よく分かんないけど何か騒がしくなってる」
海斗「みたいだな」
クシア「あれだけ王宮で騒ぎがあれば仕方ありませんね」
エナ「この状態なら食材買うの難しそう」
海斗「取り敢えず行ってみようか」
ダメ元で市場に行ってみるが予想通り混雑しており店もまともにやっている様子はなさそうである
海斗「難しそうだね」
エナ「うん、昨日は何が残ってた?」
海斗「肉が少しと野菜が多めに残ってるはず」
クシア「足りなさそうですかね?」
海斗「後は森に生えてる果物とかで何とかなりそうだけど満腹にはなれないかなー多分」
アリス「私は満腹にならなくても大丈夫」
クシア「遠慮しないでくださいアリスさん いっぱい食べて下さいよ」
アリス「でもたくさん食べれるのって当たり前じゃないと思うから……今日は大丈夫」
クシア「アリスさん……」
海斗「できる限り沢山作るよ」
エナ「今日は海斗が作ってくれるの?」
海斗「作るのはクシアだけど食材とかは俺が切るつもりだからエナはゆっくりしててよ」
エナ「うーーん……海斗は食材が大きくなりがちだからねー私がしっかり見る」
海斗「そうなの?」
アリス「海斗お兄ちゃんのは噛み応えがあって好きだよー」
海斗「アリスには評判いいみたいだけど」
エナ「駄目だよ喉に詰まっちゃうから」
クシア「そうですよ アリスさんが良くても私達は駄目と言いますからね」
アリス「海斗お兄ちゃん怒られちゃった……ごめんなさい」
海斗「アリス……良い子だ」
アリスの頭を撫でて泣き目になる、その様子は子供の成長を喜ぶ父親のようであったのだ
一同は微笑ましい様子で市場を後にして門の方へと向かっていくと少し息が上がっている斎藤が既に待っていた
斎藤「随分速かったですね、私はさっき来たばかりですよ」
海斗「街のほうが騒がしくてね、とてもじゃないけど食材は買えそうじゃなかった」
斎藤「そうみたいですね、食材は無くても平気そうですか?」
クシア「そこは何とかなりそうですよ」
明るい顔でクシアが返事をするとこちらに向かってくる人影が見える
ケレノア「待たせてしまいすみません」
アスフェア「私達を忘れてたでしょ?」
エナ「アスフェアはケレノアさんと何してたの?」
アスフェア「お腹空いてたみたいだったから食事をさせてた(海斗のお金だけど……)」
その正体はフェンリルの背中に乗ったアスフェアとケレノアでありフェンリルの嗅覚を頼りにして海斗達の元へとたどり着きホーリアーは途中で合流したようで疲れているらしくケレノアの胸元で眠っている
斎藤「こうして見るとフェンリルとホーリアーさんがいれば私の魔物なんて何の役にも立たないような気がします」
海斗「そんな事ないよ居てくれるだけで心強いから」
斎藤「ありがとうございます、もし何かあればそちらのゴーレムに話しかけてくださいね あんまり夜遅くなければ答えることはできると思うので」
クシア「斎藤さんありがとうございます……頼りなくて本当に申し訳ありません」
斎藤「そんな事ないです!!福田君とクシアさんがどこか遠くに行ってしまうのはもう嫌ですから……」
クシア「大丈夫です、私と海斗には前と違ってエナやフェンリル、ケレノアさんが居るので」
斎藤「はい……ですが何かあれば遠慮せずに言って下さいね」
クシア「はい!!」
海斗「斎藤さんも無理はしないでね(かなり疲れてるみたいだ)」
斎藤「ありがとうございます、福田君達も決して無理はなさらずに」
斎藤は2体のゴーレムを海斗達の後ろに付けて背中を見送り王国の為に出来ることをすると強く決心したのであった
見送る斎藤を背にして一同は森へとたどり着きいつも場所へと迷わずに進んでいく
普段の場所は焚き火で焦げた地面等の生活の跡があり安心感を感じる
アスフェア「工藤がいない事以外は大体いつも通りみたいね」
エナ「みたいね、私達はご飯の準備をしないと」
海斗「了解、何のメニューにしようか?」
クシア「そうですねー、海斗は食材を切っててもらえますか?」
ケレノア「私達は寝床の準備と果実の採取をしましょうかアリスさん」
アリス「うん!!」
アスフェア「私とフェンリルが食べ物を取ってくるわね、行くわよ」
ケレノア「鼻が効きますからね、任せます」
ホーリアーは疲れた事をクシアと海斗に告げて休む事にしそれぞれ役割を分担して作業に取り掛かかる
エナ「海斗ー 集中してる?」
クシア「少し雑になって来てるような感じがしますよ」
海斗「うん……集中できて……ないね」
エナ「…………やっぱり何か」
クシア「変ですね いつもの森の雰囲気とは違います」
海斗「二人もやっぱりそう思うんだね」
エナ「気のせいだと思ってたけど海斗がそう感じてるならそうかも……」
クシア「ホーリアーに聞いてみます、エナと海斗は料理の続きをお願いします」
クシアは申し訳ない気持ちを持ちながら休んでいるホーリアーの元へと走っていき海斗は普段と違い森から殺気を感じており静かな事も相まってどこか気味が悪く感じる
海斗「うーん……何だろうな よく分かんない」
エナ「でも言われてみれば少し怖いような感じがする」
海斗「昨日よりも殺気がこもってるのは確かに感じる」
「わあああああっ!!!?」
全員が揃っているときは安心感があったがいざバラバラになってみると違和感を感じ始めていたいたところにアスフェアの高い叫びが森に響いてくる
海斗「この声は アスフェアか!?」
エナ「そうだね、速く行こう」
心配になった2人はすぐに飛び出して声のした方へと走っていく
海斗「この音は」
エナ「フェンリルの声が聞こえるし戦ってるみたい」
海斗「急ごう」
戦っているのか激しい音が響いており獣の野太い鳴き声が聞こえてくる
海斗「アスフェア!!無事か!?」
アスフェア「ひゃあっ!? って海斗とエナか……驚かせないでよ全く」
エナ「無事みたいだね」
海斗達に驚いて情けない声を上げるアスフェアだったが2人はそれを聞いて安心する
海斗「これは一体……何があったんだ?」
アスフェア「いきなりこいつらが襲ってきたの」
海斗「成る程、斎藤さんの魔物と神崎さんの式神?が守ってくれたのか」
アスフェア「やっぱりそうだったのね 早く言いなさいよ!!敵かと思ったじゃない」
辺り一面はウルフのが倒れておりフェンリルが噛みちぎったからか血まみれになっている
海斗「ごめん……言い忘れてた」
アスフェア「別にいいわよ」
戦闘を終えたゴーレムは大人しく待機しており神崎に付いているであろう式神はこちらを不思議な表情で見つめている
式神の姿は赤白で構成されており人型ではあるのだが足が見られず常に空中に浮いていて強そうな雰囲気を感じる
エナ「何体か見かける事はあったけど襲われたのは初めてだよね」
アスフェア「だね、普通のウルフにしては気性が荒いような感じがしたわね」
エナ「それにこの個体は結構強い方かも」
エナはウルフを観察して触る、傷の度合いなどである程度の年齢や強さが分かるからか不思議そうに首を傾げる
エナ「これくらい強いのが何体もいるなら群れは相当なはずだけど何で今まで遭遇しなかったのかな?」
アスフェア「フェンリルを警戒してたとか?」
エナ「そうなのかな?でも見た感じここが縄張りって訳でもなさそうだしこのレベルの個体となるとフェンリルの実力は分かりそうなのにどうしてだろう」
考えれば考える程謎が出てくる為どうしようもないと感じた2人は海斗の方向を見ると悲しそうな表情でウルフの死体を見つめている
エナ「海斗? 大丈夫?」
海斗「まぁ、うん……大丈夫」
エナ「嘘言わないで大丈夫そうに見えないよ」
海斗「ごめん…………でも 仕方のない事……だよな」
目の前に広がる死体と血をみて何か思うことがあるが弱い者は生き残れないという自然の厳しさが目の前に広がっている
アスフェア「厳しいけど……本来の自然はこうだから」
海斗「弱ければ……死ぬしかないのか」
前にある死体を見て昼にガノトが言っていた事を思い出す、敵であるデストリンガーが目指す力だけの世界は間違っていると思いたい
しかしこのような世界がある事を頭の何処かで分かっていた、そして実際に目の当たりにして今まで見て見ぬふりをしてきたのだと思い知ったのだ
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