3 / 12
3・そろそろ退場を考えています 前
しおりを挟む
それ以来、お母さまは私を他のお家のお茶会に誘わなくなった。代わりにシャルルが帰ってきているときを狙って、オルタンスさまのところへ連れて行こうとする。
シャルルはラボルジェ伯爵の跡取りだけれど、これまで全く女の子に関心を示さなかった。それが六つも歳下の私と仲良くなるなんて……と、オルタンスさまも驚いていた。伯爵さまも私ならばと喜んでいらっしゃるらしい。
でも、お母さまたちはカン違いをしている。この世界が「ヒミツの恋愛遊戯」なら、あと二年もすれば本物のヒロインが現れるのに。
だけど、私は何も言わなかった。言っても通じる訳がないし、そうなったら分かることだもの。
だって、推しに会えるのだ。推しと話せるのだ。わざわざそんなチャンスを、無駄にすることはないでしょう?
だからそれまでたっぷりシャルルを愛でて、萌えを補充するのだ。
おかげでペンが走ること走ること。私は寝る間も惜しんで小説を書きまくったのだった。
◆◇◆
いよいよ私も十八歳になり、社交界デビューを無事に済ませた。
お相手探しには別に興味のない私だけれど、社交界へ出ることはとても楽しみにしていた。
なぜって? もちろんシャルル以外のゲームキャラに会えるからだ。
本来このゲームは、六人のメインヒーローとヒロインの恋愛模様を描いたものだ。ヒロインの選択や会話によって、少しずつ異なるいくつものエンディングが用意されている。
ゲームスタート時に選択できるのは三人。シャルルと、金髪の王子リュシアンと、王子の親衛隊長をしている赤毛の騎士レオンの三人だ。
そしてそのうちの誰かのルートをエンディングまで持って行くと、残り三人のルートが解禁する。宰相の嫡男のジェラール、リュシアン王子の弟のクリス王子、イケオジマッチョ枠の謎の男、ダニエル。合計六人のイケメンたちと織りなす恋模様……というゲームだったはず。
ところが何度か王宮の舞踏会に出た私は、密かに首をかしげていた。
この「ヒミツの恋愛遊戯」の世界は、私の知っていたゲームアプリの世界とは少し違うらしい。
何しろリュシアン王子と宰相家のジェラールさまは、もう結婚していらっしゃるのだ。おまけにクリス王子に至っては、他国へ遊学されている……ですと? これではゲームが成り立たないじゃないですか。
設定はどう見てもゲームと同じなのだけど、ストーリーはその通りとは限らない……というか、好き勝手に進んでしまってるみたいだ。
だったら、シャルルルートはどうなるんだろう。今のところ、ヒロインらしい女の子は見当たらない。
ゲーム通りにヒロインが出てきてくれないと、私は悪役令嬢にさえなれない。ただのモブだ。
――でも、と私は思う。どうせヒロインじゃないし、シャルルさえ見られればいいか。
その日のシャルルの衣装を脳内にメモしながら、私はいたって暢気にそんなふうに考えていた。
この二年の間に、シャルルには少し変化があった。
まず彼のお父さまである伯爵が体調を崩され、シャルルに爵位を譲られた。彼は今、ラボルジェ伯爵として王宮へ出て、王太子殿下にお仕えしている。若い美貌の伯爵として社交界ではすごい人気らしいけど、誰かに振り向くどころか、今でも女の子にはまるで興味がないらしい。
知ってのとおり、シャルルは無類の読書好きだ。ただその反面あまり他人に関心がなく、いわゆるコミュニケーションというものが得意ではないらしい。いつも礼儀正しいけれど、儀礼的な微笑み以外を見せたことはなかった。
女の子と一緒にいても、何が楽しいのか分からない……本気でそう思っていたようだ。
それが私というやや変わり者を知って、意識を改めたのだという。
「僕は恋愛小説も読んでみたけれど、恋というのがどういう気持ちか、まるで理解できなかった。でも君みたいな女の子なら、一緒にいても楽しいかもね」
「そう?」
私は別に驚かなかった。
それはそうでしょう、だってほとんど本の話しかしてないもの。たぶん私は彼にとって、趣味の合う友人なのだろう。
――でも大丈夫。
もうすぐシャルルはゲームスタート時と同じ、二十四歳になる。そしてヒロインと出会い、恋に落ちるのだ。
誰にも言えないけれど、私だけはそれを知っている。だから安心していいのよ……という思いを込めて、私はにっこり微笑んだ。
ところで、これまでシャルル以外の男の子と積極的にご縁をつくって来なかったせいで、私の舞踏会エスコートはほとんどお父さまかお兄さまだった。私は別にそれでもかまわないのだけれど、皆はそうは思わなかったらしい。
ある日支度をして降りて行くと、玄関ホールに盛装も眩いシャルルが立っていた。
「……ご両親に、君のエスコートを頼まれたから」
ぶっきらぼうにそう言うと、照れたように目を逸らし、それでも作法通りに完璧な姿勢で手を差し出した。
まさかシャルルにそんな風にされるとは思わなかった私は、よほど間抜けな顔で彼を見上げていたらしい。
「……手」
「あ、はい」
ひどくぎこちない雰囲気で馬車に乗り込む私たちを、お母さまが笑顔で見送っていた。
最初こそびっくりしたけれど、落ち着いてみれば何という事もなかった。だってシャルルとは、いつも二人で話しているのだ。ほとんどが本の話だけれど、場所が図書室から舞踏室になっただけのこと。結局いつもと同じように、話に夢中になっていた。周りの人たちも最初は驚いていたけど、又従兄妹どうしということで納得してくれたようだ。
シャルル狙いらしい令嬢方は刺々しい視線を向けてくるけど、でも私には痛くも痒くもありません。
――残念ね。貴女たちはシャルルのお相手にはなれないんです。だって彼にはもうすぐヒロインちゃんが……。
「うふふふふ……」
憐れむように笑う私を、シャルルが不思議そうに眺めていた。
踊りながらも本の話をした私たちは、ベンチを探してバルコニーへ場所を移した。
シャルルが飲み物を取りに行ってくれたので、私はしばらく辺りを眺め、夜風の涼しさを楽しむ。リュシアン王子とジェラールさまは、それぞれ妃殿下と奥方と、楽しそうにダンスに興じている。レオンの赤毛と長身はどこにいてもぱっと目を引くけれど、今夜の彼はお役目中か、リュシアンから目を離さない。おっと、ダニエルが柱の影でどこかのご令嬢を口説いてる。そういや彼って……。
そこまで考えたところで、グラスを手にしたシャルルが戻ってくるのが見えた。水晶のシャンデリアがきらきら輝く大広間の明かりを背に受けて、すごく眩しくて綺麗だった。
――うふふ。私の推しは、やっぱりかっこいいんだよね。そういやゲームのスチルに舞踏会のやつがあったけど、今日の衣装とは違うな。ゲームと同じ衣装、本当にあったらいいのにな……。
その時だ。
窓際に立っていたどこかの令嬢が、急にくなくなと崩れ落ちた。シャルルはとっさにグラスを置いて、屈み込む。すぐに誰かが人を呼び、彼女はどこかへ運ばれていった。
「ごめん、待たせたね」
シャルルはそう言って新しいグラスを持って来てくれた。でも私はもう、それに口をつけることができなかった。
ついに来たのだ。
舞踏会で倒れたヒロインを助け起こし、そこから恋が始まる。――まさにゲームと同じ。
シャルルルートが始まった。私ではない、誰かの。
シャルルはラボルジェ伯爵の跡取りだけれど、これまで全く女の子に関心を示さなかった。それが六つも歳下の私と仲良くなるなんて……と、オルタンスさまも驚いていた。伯爵さまも私ならばと喜んでいらっしゃるらしい。
でも、お母さまたちはカン違いをしている。この世界が「ヒミツの恋愛遊戯」なら、あと二年もすれば本物のヒロインが現れるのに。
だけど、私は何も言わなかった。言っても通じる訳がないし、そうなったら分かることだもの。
だって、推しに会えるのだ。推しと話せるのだ。わざわざそんなチャンスを、無駄にすることはないでしょう?
だからそれまでたっぷりシャルルを愛でて、萌えを補充するのだ。
おかげでペンが走ること走ること。私は寝る間も惜しんで小説を書きまくったのだった。
◆◇◆
いよいよ私も十八歳になり、社交界デビューを無事に済ませた。
お相手探しには別に興味のない私だけれど、社交界へ出ることはとても楽しみにしていた。
なぜって? もちろんシャルル以外のゲームキャラに会えるからだ。
本来このゲームは、六人のメインヒーローとヒロインの恋愛模様を描いたものだ。ヒロインの選択や会話によって、少しずつ異なるいくつものエンディングが用意されている。
ゲームスタート時に選択できるのは三人。シャルルと、金髪の王子リュシアンと、王子の親衛隊長をしている赤毛の騎士レオンの三人だ。
そしてそのうちの誰かのルートをエンディングまで持って行くと、残り三人のルートが解禁する。宰相の嫡男のジェラール、リュシアン王子の弟のクリス王子、イケオジマッチョ枠の謎の男、ダニエル。合計六人のイケメンたちと織りなす恋模様……というゲームだったはず。
ところが何度か王宮の舞踏会に出た私は、密かに首をかしげていた。
この「ヒミツの恋愛遊戯」の世界は、私の知っていたゲームアプリの世界とは少し違うらしい。
何しろリュシアン王子と宰相家のジェラールさまは、もう結婚していらっしゃるのだ。おまけにクリス王子に至っては、他国へ遊学されている……ですと? これではゲームが成り立たないじゃないですか。
設定はどう見てもゲームと同じなのだけど、ストーリーはその通りとは限らない……というか、好き勝手に進んでしまってるみたいだ。
だったら、シャルルルートはどうなるんだろう。今のところ、ヒロインらしい女の子は見当たらない。
ゲーム通りにヒロインが出てきてくれないと、私は悪役令嬢にさえなれない。ただのモブだ。
――でも、と私は思う。どうせヒロインじゃないし、シャルルさえ見られればいいか。
その日のシャルルの衣装を脳内にメモしながら、私はいたって暢気にそんなふうに考えていた。
この二年の間に、シャルルには少し変化があった。
まず彼のお父さまである伯爵が体調を崩され、シャルルに爵位を譲られた。彼は今、ラボルジェ伯爵として王宮へ出て、王太子殿下にお仕えしている。若い美貌の伯爵として社交界ではすごい人気らしいけど、誰かに振り向くどころか、今でも女の子にはまるで興味がないらしい。
知ってのとおり、シャルルは無類の読書好きだ。ただその反面あまり他人に関心がなく、いわゆるコミュニケーションというものが得意ではないらしい。いつも礼儀正しいけれど、儀礼的な微笑み以外を見せたことはなかった。
女の子と一緒にいても、何が楽しいのか分からない……本気でそう思っていたようだ。
それが私というやや変わり者を知って、意識を改めたのだという。
「僕は恋愛小説も読んでみたけれど、恋というのがどういう気持ちか、まるで理解できなかった。でも君みたいな女の子なら、一緒にいても楽しいかもね」
「そう?」
私は別に驚かなかった。
それはそうでしょう、だってほとんど本の話しかしてないもの。たぶん私は彼にとって、趣味の合う友人なのだろう。
――でも大丈夫。
もうすぐシャルルはゲームスタート時と同じ、二十四歳になる。そしてヒロインと出会い、恋に落ちるのだ。
誰にも言えないけれど、私だけはそれを知っている。だから安心していいのよ……という思いを込めて、私はにっこり微笑んだ。
ところで、これまでシャルル以外の男の子と積極的にご縁をつくって来なかったせいで、私の舞踏会エスコートはほとんどお父さまかお兄さまだった。私は別にそれでもかまわないのだけれど、皆はそうは思わなかったらしい。
ある日支度をして降りて行くと、玄関ホールに盛装も眩いシャルルが立っていた。
「……ご両親に、君のエスコートを頼まれたから」
ぶっきらぼうにそう言うと、照れたように目を逸らし、それでも作法通りに完璧な姿勢で手を差し出した。
まさかシャルルにそんな風にされるとは思わなかった私は、よほど間抜けな顔で彼を見上げていたらしい。
「……手」
「あ、はい」
ひどくぎこちない雰囲気で馬車に乗り込む私たちを、お母さまが笑顔で見送っていた。
最初こそびっくりしたけれど、落ち着いてみれば何という事もなかった。だってシャルルとは、いつも二人で話しているのだ。ほとんどが本の話だけれど、場所が図書室から舞踏室になっただけのこと。結局いつもと同じように、話に夢中になっていた。周りの人たちも最初は驚いていたけど、又従兄妹どうしということで納得してくれたようだ。
シャルル狙いらしい令嬢方は刺々しい視線を向けてくるけど、でも私には痛くも痒くもありません。
――残念ね。貴女たちはシャルルのお相手にはなれないんです。だって彼にはもうすぐヒロインちゃんが……。
「うふふふふ……」
憐れむように笑う私を、シャルルが不思議そうに眺めていた。
踊りながらも本の話をした私たちは、ベンチを探してバルコニーへ場所を移した。
シャルルが飲み物を取りに行ってくれたので、私はしばらく辺りを眺め、夜風の涼しさを楽しむ。リュシアン王子とジェラールさまは、それぞれ妃殿下と奥方と、楽しそうにダンスに興じている。レオンの赤毛と長身はどこにいてもぱっと目を引くけれど、今夜の彼はお役目中か、リュシアンから目を離さない。おっと、ダニエルが柱の影でどこかのご令嬢を口説いてる。そういや彼って……。
そこまで考えたところで、グラスを手にしたシャルルが戻ってくるのが見えた。水晶のシャンデリアがきらきら輝く大広間の明かりを背に受けて、すごく眩しくて綺麗だった。
――うふふ。私の推しは、やっぱりかっこいいんだよね。そういやゲームのスチルに舞踏会のやつがあったけど、今日の衣装とは違うな。ゲームと同じ衣装、本当にあったらいいのにな……。
その時だ。
窓際に立っていたどこかの令嬢が、急にくなくなと崩れ落ちた。シャルルはとっさにグラスを置いて、屈み込む。すぐに誰かが人を呼び、彼女はどこかへ運ばれていった。
「ごめん、待たせたね」
シャルルはそう言って新しいグラスを持って来てくれた。でも私はもう、それに口をつけることができなかった。
ついに来たのだ。
舞踏会で倒れたヒロインを助け起こし、そこから恋が始まる。――まさにゲームと同じ。
シャルルルートが始まった。私ではない、誰かの。
11
あなたにおすすめの小説
「地味ブス」と捨てられた私、文化祭の大型スクリーンで王子様の裏の顔を全校生に配信します
スカッと文庫
恋愛
「お前みたいな地味女、引き立て役にもならないんだよ」
眼鏡にボサボサ頭の特待生・澪(みお)は、全校生徒が見守る中、恋人だった学園の王子・ハルトから冷酷に捨てられた。
隣には、可憐な微笑みを浮かべる転校生・エマ。
エマの自作自演により「いじめの犯人」という濡れ衣まで着せられ、学園中から蔑まれる澪。
しかし、彼女を嘲笑う者たちはまだ知らない。
彼女が眼鏡の奥に、誰もが平伏す「真実の美貌」と、学園さえも支配できる「最強の背景」を隠していることを――。
「……ねぇ、文化祭、最高のステージにしてあげる」
裏切りへのカウントダウンが今、始まる。
スクリーンの裏側を暴き、傲慢な王子と偽りのヒロインを奈落へ突き落とす、痛快・学園下剋上ファンタジー!
【完結】転生地味悪役令嬢は婚約者と男好きヒロイン諸共無視しまくる。
なーさ
恋愛
アイドルオタクの地味女子 水上羽月はある日推しが轢かれそうになるのを助けて死んでしまう。そのことを不憫に思った女神が「あなた、可哀想だから転生!」「え?」なんの因果か異世界に転生してしまう!転生したのは地味な公爵令嬢レフカ・エミリーだった。目が覚めると私の周りを大人が囲っていた。婚約者の第一王子も男好きヒロインも無視します!今世はうーん小説にでも生きようかな〜と思ったらあれ?あの人は前世の推しでは!?地味令嬢のエミリーが知らず知らずのうちに戦ったり溺愛されたりするお話。
本当に駄文です。そんなものでも読んでお気に入り登録していただけたら嬉しいです!
<完結>溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~
夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」
弟のその言葉は、晴天の霹靂。
アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。
しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。
醤油が欲しい、うにが食べたい。
レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。
既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・?
小説家になろうにも掲載しています。
本編完結済み。
続きのお話を、掲載中です。
続きのお話も、完結しました。
記憶を失くして転生しました…転生先は悪役令嬢?
ねこママ
恋愛
「いいかげんにしないかっ!」
バシッ!!
わたくしは咄嗟に、フリード様の腕に抱き付くメリンダ様を引き離さなければと手を伸ばしてしまい…頬を叩かれてバランスを崩し倒れこみ、壁に頭を強く打ち付け意識を失いました。
目が覚めると知らない部屋、豪華な寝台に…近付いてくるのはメイド? 何故髪が緑なの?
最後の記憶は私に向かって来る車のライト…交通事故?
ここは何処? 家族? 友人? 誰も思い出せない……
前世を思い出したセレンディアだが、事故の衝撃で記憶を失くしていた……
前世の自分を含む人物の記憶だけが消えているようです。
転生した先の記憶すら全く無く、頭に浮かぶものと違い過ぎる世界観に戸惑っていると……?
もう我慢したくないので自由に生きます~一夫多妻の救済策~
岡暁舟
恋愛
第一王子ヘンデルの妻の一人である、かつての侯爵令嬢マリアは、自分がもはや好かれていないことを悟った。
「これからは自由に生きます」
そう言い張るマリアに対して、ヘンデルは、
「勝手にしろ」
と突き放した。
白い結婚の末、離婚を選んだ公爵夫人は二度と戻らない』
鍛高譚
恋愛
白い結婚の末、「白い結婚」の末、私は冷遇され、夫は愛人を溺愛していた――ならば、もう要らないわ」
公爵令嬢 ジェニファー・ランカスター は、王弟 エドワード・クラレンス公爵 のもとへ政略結婚として嫁ぐ。
だが、その結婚生活は冷たく空虚なものだった。夫は愛人 ローザ・フィッツジェラルド に夢中になり、公爵夫人であるジェニファーは侮辱され、無視され続ける日々。
――それでも、貴族の娘は耐えなければならないの?
何の愛もなく、ただ飾り物として扱われる結婚に見切りをつけたジェニファーは 「離婚」 を決意する。
しかし、王弟であるエドワードとの離婚は容易ではない。実家のランカスター家は猛反対し、王宮の重臣たちも彼女の決断を 「公爵家の恥」 と揶揄する。
それでも、ジェニファーは負けない。弁護士と協力し、着々と準備を進めていく。
そんな折、彼女は北方の大国 ヴォルフ公国の大公、アレクサンダー・ヴォルフ と出会う。
温かく誠実な彼との交流を通じて、ジェニファーは 「本当に大切にされること」 を知る。
そして、彼女の決断は、王都の社交界に大きな波紋を呼ぶこととなる――。
「公爵夫人を手放したことを、いつか後悔しても遅いわ」
「私はもう、あなたたちの飾り人形じゃない」
離婚を巡る策略、愛人の凋落、元夫の後悔――。
そして、新たな地で手にした 「愛される結婚」。
『処刑されるたびに12歳に戻る悪役令嬢、7回目の人生は「何もせず寝て過ごす」ことに決めたら、なぜか周囲が勝手に勘違いして聖女扱いされています
六角
恋愛
公爵令嬢リリアーナは、18歳の誕生日に必ず断罪・処刑されては12歳に戻るという地獄のループを6回も繰り返していた。 真面目に努力しても、剣を極めても、裏社会を支配しても、結局は殺される運命。 心折れた彼女は、7回目の人生でついに決意する。 「もう頑張らない。どうせ死ぬなら、今回はひたすら寝て過ごそう」と。
しかし、安眠を求めて「うるさい」と敵を黙らせれば『王者の覇気』と恐れられ、寝ぼけて放った魔法は『神の奇跡』と崇められ、枕への異常なこだわりは『深遠なる儀式』と誤解されてしまう。 気がつけば、ストーカー気味のヤンデレ王子、パン屋の元ヒロイン、狂犬の如きライバル令嬢、元部下の暗殺者、そして不眠症の魔王までもが彼女の信者となり、リリアーナは意図せずして国を、そして世界を救う「最強の聖女」へと祭り上げられていく。
「お願いだから、私を寝かせて!」 睡眠欲だけで運命(システム)さえもねじ伏せる、無気力悪役令嬢の痛快勘違いサクセス(?)ストーリー!
見た目は子供、頭脳は大人。 公爵令嬢セリカ
しおしお
恋愛
四歳で婚約破棄された“天才幼女”――
今や、彼女を妻にしたいと王子が三人。
そして隣国の国王まで参戦!?
史上最大の婿取り争奪戦が始まる。
リュミエール王国の公爵令嬢セリカ・ディオールは、幼い頃に王家から婚約破棄された。
理由はただひとつ。
> 「幼すぎて才能がない」
――だが、それは歴史に残る大失策となる。
成長したセリカは、領地を空前の繁栄へ導いた“天才”として王国中から称賛される存在に。
灌漑改革、交易路の再建、魔物被害の根絶……
彼女の功績は、王族すら遠く及ばないほど。
その名声を聞きつけ、王家はざわついた。
「セリカに婿を取らせる」
父であるディオール公爵がそう発表した瞬間――
なんと、三人の王子が同時に立候補。
・冷静沈着な第一王子アコード
・誠実温和な第二王子セドリック
・策略家で負けず嫌いの第三王子シビック
王宮は“セリカ争奪戦”の様相を呈し、
王子たちは互いの足を引っ張り合う始末。
しかし、混乱は国内だけでは終わらなかった。
セリカの名声は国境を越え、
ついには隣国の――
国王まで本人と結婚したいと求婚してくる。
「天才で可愛くて領地ごと嫁げる?
そんな逸材、逃す手はない!」
国家の威信を賭けた婿争奪戦は、ついに“国VS国”の大騒動へ。
当の本人であるセリカはというと――
「わたし、お嫁に行くより……お昼寝のほうが好きなんですの」
王家が焦り、隣国がざわめき、世界が動く。
しかしセリカだけはマイペースにスイーツを作り、お昼寝し、領地を救い続ける。
これは――
婚約破棄された天才令嬢が、
王国どころか国家間の争奪戦を巻き起こしながら
自由奔放に世界を変えてしまう物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる