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94・すき
しおりを挟む「ああ……ん、やだぁ……恥ずかしい……」
身体中の血が集まってしまったみたいに、頬が熱い。
「ふ、恥ずかしがるミアも可愛い……」
「あ、あ、だめぇ」
ベッドの上に私を押さえつけ、私を見つめながら胸の頂を口に含むエリス。
「んんっ、はあぁ……」
「いつもより感じやすいね、ミアは恥ずかしいと感じちゃうんだ?」
「や、ちが……! ああ!」
尖りきったところにそっと歯をたてられ、涙目で頭を左右に振るけれど、それ以上はもう動くことができない。
「ああ、やっぱり綺麗だ、ミア」
「うん、すげえ綺麗だよ」
そう、枕もとで私の両手を握るのは、カインとグリフ。
「ああ、だめ、見ないでえ……!」
カインの言った「頼み」とは、これだった。
秘薬の精製を命じられた私が今までになく苦しんでいたのを見て、彼らも辛かった。だから完成した晩は、ぜひとも一緒に過ごしたかったんだ、とカインは言った。
おまけに私が急に(カイン達から見て)素直で可愛くふるまうようになって、彼らの心を(エリスが言うには)鷲掴みにしたのだとか。3人とも同じ気持ちで、いつものようにコインで決めても諦めきれない、と。そしてその結果がこの「3人一緒に」だった。
私も3人がどれだけ心配して、そして力になってくれたかよく分かっていた。だからその彼らに願われたら、どうしても嫌とは言えなかった……。
―――それは、以前1度だけ。
ソフィアの事件の後、サラの部屋から助け出された後のことだった。確かに翌朝思い出しても、決して「嫌」ではなかったけれど。でもあの時は、私は媚薬が抜けていない状態で、わずかに記憶はあってもほとんど羞恥心が麻痺していた。
分かってはいたけれど、こんなに恥ずかしいなんて。いっそウェイン秘蔵のワインを、何も分からなくなるくらいまで飲んでおけば良かった。
「ん、あ、やあ……ん」
「ミア、真っ赤だ。すげえ可愛い」
カインとグリフは手を握っているだけで、直接触れているのはエリスだけだ。ところがそのエリスの愛撫に感じる私を、2人はひたすら褒める。見られていることをその度に自覚させられ、恥ずかしさに震えて……、なぜかさらに、エリスの触れるところすべてが敏感になってゆく。
「! や、だめエリス!」
エリスが身体を起こして、私の足を割った。そこはだめ。こんな状態で触れられたら、さらに恥ずかしい姿を見せることになってしまう。
「駄目? なんで?」
今日のエリスはいつもより意地悪だ。わざと私が恥ずかしくなるような言い方をする。
「言ってごらん、なんで駄目なの?」
「あ、あ……」
答えることなんてできない。涙のにじむ瞳で、余裕の微笑みのエリスを見ているだけだ。
「言わなきゃ分からないよ?」
「はあああん!!」
つ、っと足の間に指を這わせる。
「すごい、こんなに濡らして……。そんなにいいの?」
エリスは私の蜜で光る指を、目の前に持ってきて見せつける。頭上でグリフが息を呑む音が聞こえた。私は羞恥の極みで、もはや涙目どころではない。
「ああ、やめて……。エリス、お願い、恥ずかし……」
「じゃ、恥ずかしがってる暇なんかなくしちゃおうね。―――カイン」
言いながら、エリスが身をかがめた。
「ああああぁっ!?」
あふれた蜜壺に、エリスの指が入り込んできた。知り尽くした私の中を、エリスの器用な指が弄ぶ。
「あ、やあ、んっ! ああ、そこだめぇ……! きゃああっ!?」
突然増えた快感に、悲鳴のような声をあげてしまった。カインが握っていた手を離して身を乗り出し、私の胸を弄りはじめたのだ。
「ああっ、やあん、カイ……!」
それ以上の声はカインの唇に飲み込まれ、2人からの激しい愛撫にくぐもった声をあげることしかできない。
「ん、ぅ―――!!」
あっという間に快感の波に押し上げられ、私の身体が硬直し、そして痙攣する。カインは私が息をつげるように唇を離してくれた。
「可愛いね、ミア。でもまだこれからだよ」
「あ……、え……?」
まだ呼吸も荒いままで、何を言われたのかよく分からない。するとふいに身体を起こされた。
「あぁ……」
グリフに後ろから抱きかかえられ、太くて逞しい腕で包み込まれて、思わず息をもらした。後ろから首筋に、耳に、頬に……口づけを浴びせられると幸福感でいっぱいになり、イったばかりの私はそれだけでまた、きゅんと疼いてしまう……。
「ミア、もう蕩けそうな顔してる」
反対側の耳元でカインに囁かれ、そのまま耳朶を甘噛みされた。
「ひぁ……」
背中を快感が駆け上がる。
両側から交互に口づけられ、胸を揉まれたと思うと乳首を転がされ、再びじわじわと昇りつめてくる身体。
「あ、あ、あ……」
「ミア、すっごくいやらしい顔してるよ」
カインとグリフに挟まれて息を弾ませる私を眺めていたエリスが、はしたなく投げ出されていた足を指先で撫で上げた。それだけで身体を震わせて、私はくったりとグリフに身を預ける。
「気持ちいいの? ミア」
エリスの声は耳から入って、私の身体の内側を撫でていく。
「きも、ち、いい……」
何を言っているのか自分でも分からないまま、私の口が動いていた。
「すき……」
3人の手が、一瞬ぴたりと止まった。
「……何が? ミア」
絶え間なく与えられていた愛撫が急に止まったので、私は無意識に身体をくねらせ、目を開けた。
3人とも真剣な目で私を見ていて、私はそこで、自分が何を口走ったのかやっと理解した。さっきまでとは違う動悸が胸に響くなか、もう一度言い直す。
「好き……。カインも、エリスも、グリフも。3人が、好き……」
喘ぐような私の告白に、カインもエリスも、まだ動かない。私を抱くグリフの腕に力がこもる。
「3人も好きなんて、変? だけど……。でも、好きなの……」
言い終わらないうちに、グリフがぎゅうっと、苦しいほどにきつく私を抱きしめた。そのまま首筋に顔を埋めて動かない。カインは両手で私の頬をとらえ、息も出来ない勢いで口づけている。
「んん……っ!」
2人の気持ちが、痛いほどに伝わってくる、けれど。もう息が続かない……! 必死でわずかに首を捩じると、気が付いて放してくれた。
エリスはというと、私の言葉を聞いたまま、呆然としていたらしい。はっと気が付いたように顔を上げて、微笑んだ。
「ありがとう、ミア。―――まさか、そんなこと言ってくれるなんて。嬉しいよ」
そして身を乗り出して、そっと口づけて……時間をかけて口内を愛撫され、私の目が潤んだところで唇を離し、言った。
「もう、今夜は寝かせられないよ?」
「え……? あ、待ってエリ……! あああああ!」
危険なほどに熱の籠った瞳と、いきなり押しあてられたものに思わずたじろいだけれど、もう遅かった。エリスは言うが早いか、一気に挿入(はい)ってきたのだ。
「や、まって、あぁ……! は、げし……!」
「悪い、ミア。今日は俺も止められない」
「あんなこと言われたら、我慢なんか出来ねえよ……」
2人はまた私の両手を握り、そこらじゅうに口づけを降らせる。
「あ、ああ……!」
「ミア、もっと言って。僕らが好きだって」
「すき、ん、……すきぃ! あああっ!」
何度も好きだと叫び、何度達しても、気を失っても放してもらえず、彼らが達するたびに回復してはまた抱かれる。身体中を彼らの手が優しく這い、身体中に口づけを浴びて、その夜は永遠に続くかと思われた。
翌朝、ウェインが私達を見て、呆れたように笑った。
「やっぱり言っても無駄だったか……」
赤くなって俯くのは私だけ。カイン達は愕然としている。
魔法できっちり回復されてるのに、どうしてウェインには分かるんだろう……。
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