11 / 12
エピローグ
しおりを挟む
聞き覚えのある目覚ましが鳴り響いた。相変わらずのうるささである。ところで、妙に長い夢を見ていた。
「うわ…」
後ろ髪に手をやって思わず声が出た。
ない。俺の後ろ髪の一部がない。どうなってんだよこれ
俺が驚愕のあまりオロオロしていると頭の中で声が響いた。
「だから、あれはただの夢じゃなかったんだよ。言っただろ」
誰だお前、と言おうとしてやめた。全て思い出した。
そうか、そうだったのか。全て思い出した。
「お前いつまで俺の中にいるんだ?」
俺は脳内のそいつに話しかけた。
「え?あの少年が対立してる俺達をたきつけたらここに戻ってきて、元の俺らが帰ってきて、俺とイリアスはあの少年のとこに戻るわけだが、それは俺らがどれだけ賢く対立をやめるかじゃないか?」
うーん、何やらそれらしきことを言っているがよく分からない。まあいい。いるだけなら問題ない。
翌日、本日は休日二日目日曜日。世の中もすっかり休息ムードで、果たしてこんなので魔の月曜日を迎えられるのか。という一高高生が世の中を心配してなんなのかという疑問にぶち当たるが、今日の俺はダラダラと休んでいる暇はない。
と、言うのも今日は一昨日の夢が本当なのかという建前の元俺が計画した鷺沼さんとのデートなわけで、無論場所は大船駅付近の依然行ったところだ。
そんなわけでJR東海道線に揺られ、俺が大船駅に着いたときには約束の50分前。流石俺、これで何があっても遅刻はしないぜ。というフラグまがいのものを立てつつ、特になにかが起こるわけもなく待ち合わせの駅前ロータリーに辿り着いた。
鷺沼さんは約束の20分前に現れた。流石は大学生。ファッションの次元が2つくらい違う。内の学校の勉強しか考えてない奴らにも見直させたいところだ。
「あっ…錦田くんもう来てたの?待った?」
「いや…全然待ってないです。今来たところです」
これが言えたときはもはや感動すらしたと言っても過言ではない。
「はい、それ嘘でしょ。私はモノレールで来たからこの時間だけど、東海道線も、根岸線もこの時間に着く電車はなかったわよ」
「えぇ…それわかってて聞いたんですか。鷺沼さん、意地悪です」
「ありがと…早く来てくれて」
鷺沼さんはかすかに笑った。
偶然なのか必然なのか、はたまた別件で超常現象が絡んできたのか、とりあえず今は偶然ということにさせて頂くが、前と同じ席だった。うん、それだけである。
俺がウインナーコーヒーを二人分頼み、ウェイトレスがもどっていったら、鷺沼さんが口を開いた。
「一昨日、やっぱり同じだったか。私も朝起きたら髪が三つ編みになってた。しかも雑だった」
最後の一言のせいでイリアスが黙っていなさそうだが、生憎俺の管轄外というわけだ。
「もう予知夢は見ないんだよね」
「はい…そうだと思います」
「そっか…なら大丈夫か」
「ん?何がですか?」
「いや…私今日銃持った男に追いかけられる夢見たから」
「でしたら今日は一緒に居ましょうか」
「ねえ海斗」
「はい、なんでしょう」
「今度は普通に会おっか」
「でしたら今日の夜は皐月さんと八景島に行く夢でも見ますか」
「えーそれやだ」
「えっ……マジですか」
彼女は小悪魔のような雰囲気をかもし出すと軽くこう言った。
私、江ノ島水族館がいいかな。
「うわ…」
後ろ髪に手をやって思わず声が出た。
ない。俺の後ろ髪の一部がない。どうなってんだよこれ
俺が驚愕のあまりオロオロしていると頭の中で声が響いた。
「だから、あれはただの夢じゃなかったんだよ。言っただろ」
誰だお前、と言おうとしてやめた。全て思い出した。
そうか、そうだったのか。全て思い出した。
「お前いつまで俺の中にいるんだ?」
俺は脳内のそいつに話しかけた。
「え?あの少年が対立してる俺達をたきつけたらここに戻ってきて、元の俺らが帰ってきて、俺とイリアスはあの少年のとこに戻るわけだが、それは俺らがどれだけ賢く対立をやめるかじゃないか?」
うーん、何やらそれらしきことを言っているがよく分からない。まあいい。いるだけなら問題ない。
翌日、本日は休日二日目日曜日。世の中もすっかり休息ムードで、果たしてこんなので魔の月曜日を迎えられるのか。という一高高生が世の中を心配してなんなのかという疑問にぶち当たるが、今日の俺はダラダラと休んでいる暇はない。
と、言うのも今日は一昨日の夢が本当なのかという建前の元俺が計画した鷺沼さんとのデートなわけで、無論場所は大船駅付近の依然行ったところだ。
そんなわけでJR東海道線に揺られ、俺が大船駅に着いたときには約束の50分前。流石俺、これで何があっても遅刻はしないぜ。というフラグまがいのものを立てつつ、特になにかが起こるわけもなく待ち合わせの駅前ロータリーに辿り着いた。
鷺沼さんは約束の20分前に現れた。流石は大学生。ファッションの次元が2つくらい違う。内の学校の勉強しか考えてない奴らにも見直させたいところだ。
「あっ…錦田くんもう来てたの?待った?」
「いや…全然待ってないです。今来たところです」
これが言えたときはもはや感動すらしたと言っても過言ではない。
「はい、それ嘘でしょ。私はモノレールで来たからこの時間だけど、東海道線も、根岸線もこの時間に着く電車はなかったわよ」
「えぇ…それわかってて聞いたんですか。鷺沼さん、意地悪です」
「ありがと…早く来てくれて」
鷺沼さんはかすかに笑った。
偶然なのか必然なのか、はたまた別件で超常現象が絡んできたのか、とりあえず今は偶然ということにさせて頂くが、前と同じ席だった。うん、それだけである。
俺がウインナーコーヒーを二人分頼み、ウェイトレスがもどっていったら、鷺沼さんが口を開いた。
「一昨日、やっぱり同じだったか。私も朝起きたら髪が三つ編みになってた。しかも雑だった」
最後の一言のせいでイリアスが黙っていなさそうだが、生憎俺の管轄外というわけだ。
「もう予知夢は見ないんだよね」
「はい…そうだと思います」
「そっか…なら大丈夫か」
「ん?何がですか?」
「いや…私今日銃持った男に追いかけられる夢見たから」
「でしたら今日は一緒に居ましょうか」
「ねえ海斗」
「はい、なんでしょう」
「今度は普通に会おっか」
「でしたら今日の夜は皐月さんと八景島に行く夢でも見ますか」
「えーそれやだ」
「えっ……マジですか」
彼女は小悪魔のような雰囲気をかもし出すと軽くこう言った。
私、江ノ島水族館がいいかな。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
冷遇妃マリアベルの監視報告書
Mag_Mel
ファンタジー
シルフィード王国に敗戦国ソラリから献上されたのは、"太陽の姫"と讃えられた妹ではなく、悪女と噂される姉、マリアベル。
第一王子の四番目の妃として迎えられた彼女は、王宮の片隅に追いやられ、嘲笑と陰湿な仕打ちに晒され続けていた。
そんな折、「王家の影」は第三王子セドリックよりマリアベルの監視業務を命じられる。年若い影が記す報告書には、ただ静かに耐え続け、死を待つかのように振舞うひとりの女の姿があった。
王位継承争いと策謀が渦巻く王宮で、冷遇妃の運命は思わぬ方向へと狂い始める――。
(小説家になろう様にも投稿しています)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる