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03.パートナー
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教室に戻り、二人が着席すると同時にチャイムが鳴った。ベストタイミングだと、二人は顔を見合わせて悪戯っぽく笑った。
「さて。授業は魔術理論の時間だが、転入生のためにパートナー制度を教えてやらなければな」
我がAクラスの担任、池永は言った。
当たり前だが、瑞稀だけがキョトンとしている。
「パートナーとは、実技教科の相手になったり、行事等で行動を共にしてもらう。本来、心理学の講師が見て、合ったペアで組むのだが、佐倉の場合は、現在パートナーのいない、椎名と組んでもらう」
池永が、椎名と名前を呼ぶと、瑞稀の隣に座っていた生徒が手を挙げた。
薄い癖毛の金髪で、目は赤に近い紫色をしている女生徒。
そして、素足を隠すようにスカートの下に長いジャージを履いていた。
「はーい、先生。椎名です」
「もう相手を病院送りにするんじゃねえぞ、椎名」
「気を付けまーす」
サラッと危険な事を言ったか? と瑞稀が顔を顰めると、此方を見ていた生徒全員が目を逸らした。
明らかに異様な反応だ。
「という訳で、僕が椎名です。椎名澪梨。変わり者らしいからよろしく」
僕少女、無表情、変わり者、そして病院送り。
“普通”というのが果たしてどういう基準なのか分からないが、彼女は明らかに普通とはかけ離れているように感じた。
心理学の先生、どうか俺の心理を読んで、適切なパートナーを見つけてください。
…とはもちろん顔には出さず。
総帥はこういう人付き合いも学べと仰っているのか。だったら受けて立とう。
「…自己紹介はしたけど、佐倉瑞稀だ。よろしく」
瑞稀がそう言って、右手を差し出す。
「成功した物は変わり者が多いらしいから、澪梨は将来有望かもな」
突然の呼び捨てにか、意表を突いたフォローに対してか、少し目を見開く澪梨。
しかしすぐに視線を落として、鼻で溜め息をつく。
「あんたも十分変わってるね」
「できたら俺の事は瑞稀って呼んでな」
こうして瑞稀と澪梨は握手を交わした。
前途多難だが、悪い奴には見えない。瑞稀は使命感のような物を感じつつ、授業を受けたのだった。
「さて。授業は魔術理論の時間だが、転入生のためにパートナー制度を教えてやらなければな」
我がAクラスの担任、池永は言った。
当たり前だが、瑞稀だけがキョトンとしている。
「パートナーとは、実技教科の相手になったり、行事等で行動を共にしてもらう。本来、心理学の講師が見て、合ったペアで組むのだが、佐倉の場合は、現在パートナーのいない、椎名と組んでもらう」
池永が、椎名と名前を呼ぶと、瑞稀の隣に座っていた生徒が手を挙げた。
薄い癖毛の金髪で、目は赤に近い紫色をしている女生徒。
そして、素足を隠すようにスカートの下に長いジャージを履いていた。
「はーい、先生。椎名です」
「もう相手を病院送りにするんじゃねえぞ、椎名」
「気を付けまーす」
サラッと危険な事を言ったか? と瑞稀が顔を顰めると、此方を見ていた生徒全員が目を逸らした。
明らかに異様な反応だ。
「という訳で、僕が椎名です。椎名澪梨。変わり者らしいからよろしく」
僕少女、無表情、変わり者、そして病院送り。
“普通”というのが果たしてどういう基準なのか分からないが、彼女は明らかに普通とはかけ離れているように感じた。
心理学の先生、どうか俺の心理を読んで、適切なパートナーを見つけてください。
…とはもちろん顔には出さず。
総帥はこういう人付き合いも学べと仰っているのか。だったら受けて立とう。
「…自己紹介はしたけど、佐倉瑞稀だ。よろしく」
瑞稀がそう言って、右手を差し出す。
「成功した物は変わり者が多いらしいから、澪梨は将来有望かもな」
突然の呼び捨てにか、意表を突いたフォローに対してか、少し目を見開く澪梨。
しかしすぐに視線を落として、鼻で溜め息をつく。
「あんたも十分変わってるね」
「できたら俺の事は瑞稀って呼んでな」
こうして瑞稀と澪梨は握手を交わした。
前途多難だが、悪い奴には見えない。瑞稀は使命感のような物を感じつつ、授業を受けたのだった。
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