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04.秘密
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明くる金曜日の夕刻。
続々と集まる団員は、数にして50名前後である。慎也によると、集会に全く顔を出さない団員も数名いるらしい。
総帥様が座るであろう席を中心に、180度ほど円を開いたような部屋だ。
席は段々になっており、中心からぐるりと見渡せる。
座席は決まっていないようで、各々が不規則に座り、席が埋まっていった。
瑞稀はこの部屋に誰よりも早く来ていた。そして、徐々に入ってくる団員を微動だにせず見ていた。
時折、鞘の中で震える刀、椿をそっと撫でながら。
部屋の隅にいるとは言え、団員も白虎のコートを着ている瑞稀に気付いて、注目し始めている。
もう直ぐ集会が開かれる時間だ。
大きな扉が軋むような音を立て、総帥とその後ろに千里が続く。
騒めいていた室内が緊張感に包まれる。
総帥が教壇に立つと、更に空気は張り詰めた。
千里は総帥の斜め後ろに静かに立っている。
瑞稀は、先程総帥と千里が入ってきた扉の近くにいた。
「今回集まって貰ったのは、他でもないーー」
総帥が沈黙を破り、そして、瑞稀の方に顔を向けた。
瑞稀はというと、目線で一瞥したのみで、やはり微動だにしない。
「長らく待たせたが、白虎の襲名じゃ」
この総帥の一言で、部屋は一斉に響めいた。
噂は広まり、とうに知れ渡ってはいたものの、やはり正式な場で言われると 一気に現実味が増す。
ギルド出身、ということも勿論広まっていた。
皆言葉には出さないが、ギルドからの昇格という点で、まだ疑問が残るのだろう。
「皆が思っているように、ギルドから白虎に襲名された例はかつて存在しない…それ故、不満に思う者がいても無理はない」
総帥は続ける。
瑞稀は依然として動かない。
周りの様子を伺っているといったところか。
明くる金曜日の夕刻。
続々と集まる団員は、数にして50名前後である。慎也によると、集会に全く顔を出さない団員も数名いるらしい。
総帥様が座るであろう席を中心に、180度ほど円を開いたような部屋だ。
席は段々になっており、中心からぐるりと見渡せる。
座席は決まっていないようで、各々が不規則に座り、席が埋まっていった。
瑞稀はこの部屋に誰よりも早く来ていた。そして、徐々に入ってくる団員を微動だにせず見ていた。
時折、鞘の中で震える刀、椿をそっと撫でながら。
部屋の隅にいるとは言え、団員も白虎のコートを着ている瑞稀に気付いて、注目し始めている。
もう直ぐ集会が開かれる時間だ。
大きな扉が軋むような音を立て、総帥とその後ろに千里が続く。
騒めいていた室内が緊張感に包まれる。
総帥が教壇に立つと、更に空気は張り詰めた。
千里は総帥の斜め後ろに静かに立っている。
瑞稀は、先程総帥と千里が入ってきた扉の近くにいた。
「今回集まって貰ったのは、他でもないーー」
総帥が沈黙を破り、そして、瑞稀の方に顔を向けた。
瑞稀はというと、目線で一瞥したのみで、やはり微動だにしない。
「長らく待たせたが、白虎の襲名じゃ」
この総帥の一言で、部屋は一斉に響めいた。
噂は広まり、とうに知れ渡ってはいたものの、やはり正式な場で言われると 一気に現実味が増す。
ギルド出身、ということも勿論広まっていた。
皆言葉には出さないが、ギルドからの昇格という点で、まだ疑問が残るのだろう。
「皆が思っているように、ギルドから白虎に襲名された例はかつて存在しない…それ故、不満に思う者がいても無理はない」
総帥は続ける。
瑞稀は依然として動かない。
周りの様子を伺っているといったところか。
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