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05.待つ者、追う者
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「君に名前をあげる。似合う名前を考えてたんだ」
ーーゴブリンって、人間の言葉を理解するんだ。そして、優しさに飢えている場合が多い。だから、何か与えてあげると安心してくれるよ。
瑞稀の言葉をまた頭で繰り返した。何を与えるかは澪梨に任せる、と。澪梨はずっと考えていたが、なかなか決めきれずにいた。
少し腕の中のゴブリンの力が弱まった。話を聞いてくれているのかも知れない。
「“グラナート”って、どう、かな?」
グラナート、色の名前で、ガーネットや柘榴石とも呼ばれて、ゴブリンの瞳の色に似ている。
ザッと足音を立てて、瑞稀が近付いた。
「気に入ったみたいだな」
見ると、ゴブリンは大人しくなって澪梨の腕を掴んでいた。
瑞稀の姿を目にすると、凄く震えていたけど…。
「じゃ、早く会場まで戻ろうか。3チームに入りそこねる前に」
「あ、そうだね」
澪梨は“グラナート”を抱きかかえて立ち上がった。
「こんなに上手くいくなんて思ってなかったよ。このゴブリンの特性も知らなかった」
「古い文献に書いてあったのを過去に見たことがあって。俺も半信半疑で、今回は賭けだったんだ」
「賭けであそこまで大口叩ける度胸は、評価するよ」
「何事も挑戦、だからな」
グラナートは澪梨の腕の中で、服を引っ張ったり澪梨の頬をつついたりして遊んでいる。
「ただ捕まえるだけだと、会場に連れて戻るのも一苦労だよね…」
澪梨は他のチームの様子や、去年の自分を思い出して、気が滅入りそうになった。
こうして悠長に早歩き程度で済んでいるのを考えると、瑞稀が初めに言っていた「平和的にクリアする方法」というのが納得出来る。
「俺は嫌われたかな」
瑞稀はグラナートの様子を見て思わず苦笑した。
澪梨にしがみついているものの、チラチラと瑞稀の方へ眺めいるように視線を配っている。
「というより、怖がられてるみたい。あれって何の魔力を纏ってたの?」
「ゴブリンの魔力を大きくしたものと、狼とか馬とかの適当な魔力をごちゃまぜに」
「…あんたが強くて助かったよ」
淡い金の髪を弄りながら、少し不貞腐れたように、澪梨は言った。
強い人は嫌いだ、と前に言っていたからか。その真意は分からないけど、少しは考えを変えようとしてくれたのかも知れない。
ーーゴブリンって、人間の言葉を理解するんだ。そして、優しさに飢えている場合が多い。だから、何か与えてあげると安心してくれるよ。
瑞稀の言葉をまた頭で繰り返した。何を与えるかは澪梨に任せる、と。澪梨はずっと考えていたが、なかなか決めきれずにいた。
少し腕の中のゴブリンの力が弱まった。話を聞いてくれているのかも知れない。
「“グラナート”って、どう、かな?」
グラナート、色の名前で、ガーネットや柘榴石とも呼ばれて、ゴブリンの瞳の色に似ている。
ザッと足音を立てて、瑞稀が近付いた。
「気に入ったみたいだな」
見ると、ゴブリンは大人しくなって澪梨の腕を掴んでいた。
瑞稀の姿を目にすると、凄く震えていたけど…。
「じゃ、早く会場まで戻ろうか。3チームに入りそこねる前に」
「あ、そうだね」
澪梨は“グラナート”を抱きかかえて立ち上がった。
「こんなに上手くいくなんて思ってなかったよ。このゴブリンの特性も知らなかった」
「古い文献に書いてあったのを過去に見たことがあって。俺も半信半疑で、今回は賭けだったんだ」
「賭けであそこまで大口叩ける度胸は、評価するよ」
「何事も挑戦、だからな」
グラナートは澪梨の腕の中で、服を引っ張ったり澪梨の頬をつついたりして遊んでいる。
「ただ捕まえるだけだと、会場に連れて戻るのも一苦労だよね…」
澪梨は他のチームの様子や、去年の自分を思い出して、気が滅入りそうになった。
こうして悠長に早歩き程度で済んでいるのを考えると、瑞稀が初めに言っていた「平和的にクリアする方法」というのが納得出来る。
「俺は嫌われたかな」
瑞稀はグラナートの様子を見て思わず苦笑した。
澪梨にしがみついているものの、チラチラと瑞稀の方へ眺めいるように視線を配っている。
「というより、怖がられてるみたい。あれって何の魔力を纏ってたの?」
「ゴブリンの魔力を大きくしたものと、狼とか馬とかの適当な魔力をごちゃまぜに」
「…あんたが強くて助かったよ」
淡い金の髪を弄りながら、少し不貞腐れたように、澪梨は言った。
強い人は嫌いだ、と前に言っていたからか。その真意は分からないけど、少しは考えを変えようとしてくれたのかも知れない。
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