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05.待つ者、追う者
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「平和的に、一番になる方法を考えました」
澪梨が口籠もると、横から瑞稀が解にならない応えを返した。
池永や、彰、慎也はそれが腑に落ちない様子だったが、それでも瑞稀が答えないならと澪梨もそれに倣う。
「まあ、言う気がないならそれでもいいが。方法を広められては、来年からの鬼ごっこに差し支えるしな。
…では、ゴブリンをこちらへ」
そう言って、溜め息をひとつついた池永が手を差し出す。ゴールした以上、ゴブリンは学園側に返さなければならない。
「グラナート、先生のほうへ」
澪梨がグラナートを見るが、それらの視線に隠れるように背後に回ってしまった。
池永はこんな様子のゴブリンを見るのは初めてで、また深く息を吐いてから、鬼を1匹だけ連れて踵を返す。
「鬼ごっこが終わるまで連れておけ」
そして、捨て台詞のように言った後、その場を去って行った。
「同じ一位でもえらい違いやなあ」
残された彰は双方見比べて、自嘲を含んだような笑みを浮かべる。クリアした事に違いはないが、何となく、敗北感に似たような感情を抱いた。
“チーム対抗鬼ごっこ”は、早くクリアしてもお昼過ぎの閉会式までは学校にいなければならない。
未クリアの生徒は、閉会式中や、その後もずっとゴブリンと追いかけっこを続けるそうだ。
なかなかコツが分からない生徒にとっては、気の遠くなる話である。
「澪梨、一人でグラナート見とける? ちょっと人に会ってくる」
「どうせあんたが残ってても、この様子じゃ相手出来ないだろ」
呆れたように澪梨は言うが、先刻よりずっと瑞稀を警戒しているグラナートを見ると、澪梨の言うことが正しいのだろう。
「慎也と彰も一緒に居てよ」
瑞稀の提案に、二人は一度顔を見合わせて、そして頷いた。一方で澪梨は困惑した表情を見せたが、心の底から嫌がっている様子ではなさそうだ。
自分の時は、第一声で拒否されたのを瑞稀は思い出して、苦笑いをした。
未だに騒々しさに溢れている学園を、掻き分けるようにして歩いて行く。
瑞稀もこの1ヶ月で、賑やかな雰囲気に随分と慣れてしまっていた。
澪梨が口籠もると、横から瑞稀が解にならない応えを返した。
池永や、彰、慎也はそれが腑に落ちない様子だったが、それでも瑞稀が答えないならと澪梨もそれに倣う。
「まあ、言う気がないならそれでもいいが。方法を広められては、来年からの鬼ごっこに差し支えるしな。
…では、ゴブリンをこちらへ」
そう言って、溜め息をひとつついた池永が手を差し出す。ゴールした以上、ゴブリンは学園側に返さなければならない。
「グラナート、先生のほうへ」
澪梨がグラナートを見るが、それらの視線に隠れるように背後に回ってしまった。
池永はこんな様子のゴブリンを見るのは初めてで、また深く息を吐いてから、鬼を1匹だけ連れて踵を返す。
「鬼ごっこが終わるまで連れておけ」
そして、捨て台詞のように言った後、その場を去って行った。
「同じ一位でもえらい違いやなあ」
残された彰は双方見比べて、自嘲を含んだような笑みを浮かべる。クリアした事に違いはないが、何となく、敗北感に似たような感情を抱いた。
“チーム対抗鬼ごっこ”は、早くクリアしてもお昼過ぎの閉会式までは学校にいなければならない。
未クリアの生徒は、閉会式中や、その後もずっとゴブリンと追いかけっこを続けるそうだ。
なかなかコツが分からない生徒にとっては、気の遠くなる話である。
「澪梨、一人でグラナート見とける? ちょっと人に会ってくる」
「どうせあんたが残ってても、この様子じゃ相手出来ないだろ」
呆れたように澪梨は言うが、先刻よりずっと瑞稀を警戒しているグラナートを見ると、澪梨の言うことが正しいのだろう。
「慎也と彰も一緒に居てよ」
瑞稀の提案に、二人は一度顔を見合わせて、そして頷いた。一方で澪梨は困惑した表情を見せたが、心の底から嫌がっている様子ではなさそうだ。
自分の時は、第一声で拒否されたのを瑞稀は思い出して、苦笑いをした。
未だに騒々しさに溢れている学園を、掻き分けるようにして歩いて行く。
瑞稀もこの1ヶ月で、賑やかな雰囲気に随分と慣れてしまっていた。
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