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05.待つ者、追う者
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瑞稀はコーヒーを飲み干すと、立ち上がって時計を見た。閉会式の時間が近付いている。
鬼ごっこをクリアした生徒も増えてきている事だろう。
「閉会式、学園長も出席するんだろ?」
「ああ、“有り難いお言葉” を生徒に聞かせなければな」
冗談を言いつつ扉に向かう途中、二人は同時に顔を顰めた。
嫌な感じがする。背筋を撫でられるような、不快な感じだ。
「 “転移” 出来る?」
「ああ」
直隆が瑞稀の肩に触れ、二人は学園長室から消えた。
次に二人が姿を現したのは、閉会式場である多目的ホールだった。
中にはクリアして式が始まるのを待っている生徒が100名足らずほど。誰も嫌な気配に気付いていないようだ。
瑞稀は魔力を探る。
靄がかかったような、ノイズが入ったような魔力は思ったよりも大きく複雑に入り組んでいる。
「っ、アレだ…!」
瑞稀が呟くと同時に、真ん中の一際大きなシャンデリアがーーーーグラリと、歪んだ。
スローモーションのように影を残しながら、落ちていく。
だが、元々の高さと地面までの丁度真ん中くらいの高さで、動きが止まった。
「直隆さん、生徒の避難を! …あまり持たないから、早くっ!」
それを止めたのは、瑞稀だった。
無機質な物を止めたり動かす力は、重力を測ってそれに勝る力があればよい。だが、恐らくこのシャンデリアが落ちる力は、他の何物かの力も加わっている。
瑞稀の力も長くは持たないだろう。
ジリジリと地面に近付こうとする力に反発する。もとより、重力に逆らう力より、重力に向かっていく力の方が大きいのだ。
避難は迅速に行われた。
混乱する生徒を教員が引き連れ、いくつかの出入り口を使って安全な場所へと誘導する。
先導に立ったのは瑞稀のクラスの担任であり、(一応)学年主任の池永だった。
「学園長、全員避難しました!」
「池永くん、教員への誘導感謝する。瑞稀、もう大丈夫だ」
「佐倉瑞稀…? まさかお前が…」
池永は直隆の影で汗だくになっている瑞稀に気が付いた。てっきりシャンデリアを止めていたのは学園長である直隆だと思っていたため、違和感に気付き顔を顰めた。
直隆は、こうした目線から瑞稀を守るため、また状況を見ながら二次災害による危険が瑞稀に及ばないよう、池永を動かしたのである。
鬼ごっこをクリアした生徒も増えてきている事だろう。
「閉会式、学園長も出席するんだろ?」
「ああ、“有り難いお言葉” を生徒に聞かせなければな」
冗談を言いつつ扉に向かう途中、二人は同時に顔を顰めた。
嫌な感じがする。背筋を撫でられるような、不快な感じだ。
「 “転移” 出来る?」
「ああ」
直隆が瑞稀の肩に触れ、二人は学園長室から消えた。
次に二人が姿を現したのは、閉会式場である多目的ホールだった。
中にはクリアして式が始まるのを待っている生徒が100名足らずほど。誰も嫌な気配に気付いていないようだ。
瑞稀は魔力を探る。
靄がかかったような、ノイズが入ったような魔力は思ったよりも大きく複雑に入り組んでいる。
「っ、アレだ…!」
瑞稀が呟くと同時に、真ん中の一際大きなシャンデリアがーーーーグラリと、歪んだ。
スローモーションのように影を残しながら、落ちていく。
だが、元々の高さと地面までの丁度真ん中くらいの高さで、動きが止まった。
「直隆さん、生徒の避難を! …あまり持たないから、早くっ!」
それを止めたのは、瑞稀だった。
無機質な物を止めたり動かす力は、重力を測ってそれに勝る力があればよい。だが、恐らくこのシャンデリアが落ちる力は、他の何物かの力も加わっている。
瑞稀の力も長くは持たないだろう。
ジリジリと地面に近付こうとする力に反発する。もとより、重力に逆らう力より、重力に向かっていく力の方が大きいのだ。
避難は迅速に行われた。
混乱する生徒を教員が引き連れ、いくつかの出入り口を使って安全な場所へと誘導する。
先導に立ったのは瑞稀のクラスの担任であり、(一応)学年主任の池永だった。
「学園長、全員避難しました!」
「池永くん、教員への誘導感謝する。瑞稀、もう大丈夫だ」
「佐倉瑞稀…? まさかお前が…」
池永は直隆の影で汗だくになっている瑞稀に気が付いた。てっきりシャンデリアを止めていたのは学園長である直隆だと思っていたため、違和感に気付き顔を顰めた。
直隆は、こうした目線から瑞稀を守るため、また状況を見ながら二次災害による危険が瑞稀に及ばないよう、池永を動かしたのである。
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