* 闇の白虎

慈雨

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06.夜の帳が下りる町 1

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「錦さんて、警察のかた?」

突然白虎はクスクスと笑い始めた。
錦はもちろん、千里にとってもそれはなかなか見ない光景で、呆気にとられてしまう。

「だって、敬礼とか咄嗟とっさに出ないでしょ」

なおも笑っている白虎に、その場は少し和やかになった。

その後、馬車の用意が出来たと団員が報告に来て、一同はそちらに移動した。
それと同時に、集まっていた団員達ギャラリーも散り散りになり、白虎は漸くホッとため息をついた。
やはり、大人数の真ん中にいるのは気疲れするらしい。


用意されていたのは、二頭立ての四輪馬車。そこへ、千里、白虎が横並びに、錦が向かい合うように乗り込んだ。


錦の緊張も、先程よりやや落ち着いてきているように見える。

「では、私はギルドを離れられないのでここで。
拓真、しっかり補佐して来るんだぞ」

「はい、久遠さん! 任せて下さい!」

まるで大きい兄貴と弟のようで、微笑ましい。晴れやかに見送られて、三人はコハルドを後にした。




御者ぎょしゃの操縦で、馬車道に揺られながら、たまに大きく車体を持ち上げて、道なりに進んでいく。
森に囲われた離れ小島、ククリへはどうやら一本道で繋がっているようだ。

「じゃあ、早速だけど、異変について聞かせてもらってもいいかな?」

「うん、あ、はい」

「気楽にして」

千里はクスクスと笑った。この錦という青年は、何となく、彰に似た雰囲気がある。

一度深呼吸をして、また話を始めた。


「俺が調査に出たのは、一昨日。昼間にククリについて、一通り町をグルっと見て回ったんだ。
だけど、原因は分からなかったよ。魔術の気配もしなかった」

「それで、夜は?」

「報告書の通り、真っ暗闇に包まれて、何も見えない。らちがあかないから、WGに協力を要請したってわけだよ」

千里の問いに、バツが悪そうに錦は答えた。
確かに実際に見て回るしか、解決の糸口は掴めなさそうだが…果たして、解決法があるのかどうか。


「白虎、お前はどう思う…って、大丈夫か?」

「…揺れるの、気持ち悪い…」

話に夢中で二人とも気付かなかった。千里の横には、窓から半分顔を出して力なく座る白虎がいた。
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