* 闇の白虎

慈雨

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06.夜の帳が下りる町 1

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「お前の弱点らしい弱点を、初めて見たよ」

千里は腕と足を組んで、珍しそうに白虎を眺めた。
弱っている人間を観察するのは悪趣味だが、なかなか見れないという事実が彼の興味をそそった。

「お二人はとても仲が良いんだね」

「まあ、な」

「実は、厳格なお人柄の方達を想像してたから、内心ホッとしてるんだ」

「確かにWGにはそういう人も多いかな」

錦の言うイメージもあながち間違いではない。
威厳があって、どちらかと言うと口うるさい年長者もいるし、変わり者で話が通じない研究員もいたりする。

だからこそ、千里は白虎の人柄に好感を持ったのだと、改めて思い出す。

まだぐったりしている白虎を横目で見て、気付かれないように少し笑った。


「…もしかして、呪いとかのたぐいかな」

ムクリと白虎が不意に頭を上げる。


「え? 呪い?」

「うん、原因が分からない場合、呪いの可能性もある。そうだとしたら、解決するのに苦労しそう」

そうじゃないことを祈ろうと、弱々しく言って、また白虎は黙ってしまった。



馬車は一本道の森へ入っていき、しばらくすると開けた土地に出て、町が見えてきた。

道中や遠目から見る町の様子は、何の異常もない、ただのありふれた景色のように感じる。

「確かに、普通だな」

千里は迷わずそう言った。錦もそれに頷いて応える。白虎は…取りあえず馬車を降りるまでは、そっとしておいてあげようと、二人は目を合わせた。







ククリに到着すると、三人は一先ひとまず、ぐるりと玄関口のゲート付近を注意深く見渡した。
何かの術式が掛けられている気配もなく、そのまま素直にククリに入っていく。


「白虎、大丈夫か?」

「うん、ちょっと休憩させて…」

白虎はというと、まだ乗り物酔いの胃のむかつきを感じていた。

「じゃあ聞き込みがてら、町の休憩処でも行って、少し休もうか」

錦の提案で、一同は町のダイニングカフェへ向かった。
説明によると、ククリには滅多に旅行客や町の外からの訪問はないらしい。そんな閉鎖的な町で、今回の異常はさぞ町民の不安を煽っていることだろう。
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