* 闇の白虎

慈雨

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07.夜の帳が下りる町 2

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「奇遇だね。僕の武器も、刀なんだ」

小さい体のどこに力を隠しているのか、白虎に負けない力で対抗してくる。


「それに、僕が白刀で、君が黒刀。凄く運命的じゃない?」

その言葉を聞いて、白虎はグッと一際強い力で跳ね返して、自分も一歩後ろに下がった。


「やっぱり、あんたの属性は…」

「っそ。君の反対の属性“光”だよ」

そこまで眉を寄せて聞いていた白虎だったが、やがて深く一息吐いて、そしてまたヒカリを見据えた。


「運命とかって言葉、縛られるみたいで嫌いだ」

そこからは、白虎が振りかぶって飛び掛かり、ヒカリが攻撃を受け切る。
キンっと金属音が鳴って、お互いの刀が交差して、また離れていく。

白虎は両手で振った刀を、そのままの勢いで片手で振り返す。
それを屈んでかわしたヒカリが、下段から斬り上げて白虎の顔前で威嚇する。


お互いに様子を伺うように、すり足で間合いを取った。


白虎は冷めたような、白けた表情だったが、逆にヒカリは笑みを隠しきれていないようだった。


「あれ? もしかして、感情的になってる?」

ヒカリが挑発するように問う。


「とんでもない。至って冷静に、あんたを殺したいって思ってる」
 


次に仕掛けたのはヒカリだった。

真正面から縦に振り下げた真っ白な刀を、白虎が横に受け流す。そこからヒカリは斜めに斬り上げ、白虎はそれを椿で受け止めた。

チリチリと刀同士の接触音がする。


ヒカリが力を込めて白虎を跳ね返すと、自身の刀を脇に構えた。態勢を低くとり、そして、すっと右手を差し出す。


「不快グレア」

ヒカリが放ったのは、光の魔術。
辺りが一瞬眩しく輝度分布し、視覚が奪われる。


(住民の視界を真っ暗にしたのは、こういう事か…)

左目を細め、対象を見失わないように目を凝らすが、圧倒的に不利な立場である。


「…光を呑み込め」

ボソリと呟くように言う白虎。
出来れば、ヒカリに聞かれたくなかったという思いがあったが、それは叶わなかったようだ。

白虎の魔術によって、静かに光は輝度を弱め、元のロウソクの薄暗い明るさに落ち着く。


術が遮断されたとは言え、ヒカリは嬉しそうな歪んだ笑みを浮かべていた。


「白虎さん、やっぱり僕、君が欲しい」

「悪いけど、俺はあんたに興味がないね」

二人の意見は対極した。
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