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08.タチの悪い悪戯
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「ーー何だ、また調子が悪いのか?」
「…スミマセン。動くとキツくて…」
ジトっと瑞稀を見詰める目が鋭くなった。
流石に不調のスパンが短いと、疑いの眼差しを向けられてしまう。
暫く無言で見られた後、諦めたように分かりやすくため息をついた池永に、瑞稀は心の中で礼を言った。
「お前ら、何か企んでるだろう?」
「い、いえいえ、滅相もない…」
何を隠そう、慎也と彰も次の授業をエスケープするつもりだ。
いつもつるんでいるメンバーが、同時に授業を抜けるなんて、そんな不自然なことは滅多にないだろう。
「…ただ、お昼に一緒に食べたサンドイッチが原因かも知れませんね~…ははは…」
我ながら、苦しい言い訳だと、薄ら笑いを浮かべながら瑞稀は言った。
そして、池永に追求されない内に、逃げる事にした。
持ち物を全て持って移動している澪梨でも、実技の授業だけは、着替えた制服と共に全てを手放さなければならない。
今回の授業は、澪梨も受けているようだった。
もし、また盗まれるとしたら、この時間が狙われる可能性が高い。
「瑞稀、遅い!」
「二人が先に抜けるから、池永先生も黙ってないって」
瑞稀が一足遅れて合流する。
二人は、いつもの屋上にいた。…とは言え、今日も雨が降っていたので、扉裏の小さい雨よけの下に収まっている。
幸い、ここから女子更衣室に繋がる廊下が一望できた。
「なんか授業サボってワクワクするなあ」
「彰、それアホっぽいぞ」
ニヤッと笑った彰に、厳しい一言を浴びせてパックのぶどうジュースを啜る慎也。
夏が近づいていて、湿度もあるので蒸し暑い。
瑞稀は屋上の扉にもたれ掛かって、腕を組んだ。
「来るかな」
「さあ、でも昨日までは毎日のように盗まれてたんだろ? 今日はこの時間しかチャンスはないから、可能性としては濃厚だろ」
「犯人、誰なんやろなあ。クラスの子やなかったらええけど」
彰の一言に、二人は返す言葉を失ってしまう。
こんな陰湿な事をしてしまう人がいると、あまり思いたくないものだ。
「…とにかく、事実を知りたい」
止まない雨に掻き消されないように、弱々しくあってはいけない。
瑞稀は拳を握りしめた。
「ーー何だ、また調子が悪いのか?」
「…スミマセン。動くとキツくて…」
ジトっと瑞稀を見詰める目が鋭くなった。
流石に不調のスパンが短いと、疑いの眼差しを向けられてしまう。
暫く無言で見られた後、諦めたように分かりやすくため息をついた池永に、瑞稀は心の中で礼を言った。
「お前ら、何か企んでるだろう?」
「い、いえいえ、滅相もない…」
何を隠そう、慎也と彰も次の授業をエスケープするつもりだ。
いつもつるんでいるメンバーが、同時に授業を抜けるなんて、そんな不自然なことは滅多にないだろう。
「…ただ、お昼に一緒に食べたサンドイッチが原因かも知れませんね~…ははは…」
我ながら、苦しい言い訳だと、薄ら笑いを浮かべながら瑞稀は言った。
そして、池永に追求されない内に、逃げる事にした。
持ち物を全て持って移動している澪梨でも、実技の授業だけは、着替えた制服と共に全てを手放さなければならない。
今回の授業は、澪梨も受けているようだった。
もし、また盗まれるとしたら、この時間が狙われる可能性が高い。
「瑞稀、遅い!」
「二人が先に抜けるから、池永先生も黙ってないって」
瑞稀が一足遅れて合流する。
二人は、いつもの屋上にいた。…とは言え、今日も雨が降っていたので、扉裏の小さい雨よけの下に収まっている。
幸い、ここから女子更衣室に繋がる廊下が一望できた。
「なんか授業サボってワクワクするなあ」
「彰、それアホっぽいぞ」
ニヤッと笑った彰に、厳しい一言を浴びせてパックのぶどうジュースを啜る慎也。
夏が近づいていて、湿度もあるので蒸し暑い。
瑞稀は屋上の扉にもたれ掛かって、腕を組んだ。
「来るかな」
「さあ、でも昨日までは毎日のように盗まれてたんだろ? 今日はこの時間しかチャンスはないから、可能性としては濃厚だろ」
「犯人、誰なんやろなあ。クラスの子やなかったらええけど」
彰の一言に、二人は返す言葉を失ってしまう。
こんな陰湿な事をしてしまう人がいると、あまり思いたくないものだ。
「…とにかく、事実を知りたい」
止まない雨に掻き消されないように、弱々しくあってはいけない。
瑞稀は拳を握りしめた。
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