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12.灯りの途絶えぬ一夜 2
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そして、身体の向きを半分だけ戻し、振り返る。
「ですが、前代 白虎と戦って相討ちしたのは、多分ヒカリだと思います。
ーー総帥様は、死んだ人間が生き返る方法をご存知ですか?」
根拠はないが、ヒカリはこれまでも嘘は言わなかった。
一度目に会った時に、千里の問いを否認しなかったのは、図星であるから というのが白虎の考えだ。
だが、死者蘇生の方法は現実的にあり得ない。
そんな事は承知している。
ただ、返ってくる答えが予想出来ても、聞かずにはいられなかった。
「…そんな術、この世にあっては困る」
「ーーそうですね」
やはり予想とあまり相違のない答えを聞き、白虎は今度こそ踵を返した。
「失礼しました」
そうして、総帥の部屋から出ると、また転移の陣に戻るために歩き出す。
納涼祭の一件の為に 団員はそちらに取られているが、勿論WG本部も手薄にならないように、人員は補充されていた。
ここに幾つの命があって、その命で一般市民のどの位の命を守れるのだろうか。
幾つの命を取りこぼして来たのだろうか。
WG団員とすれ違うたび、言葉にならない虚しさを感じながら、先を急ぐ白虎だった。
**
中央の巨大提灯が飾られている広場では、他の場所以上に人混みに溢れていた。
もう間もなく花火が開始される。
この周辺では一番、規模の大きな花火で有名な納涼祭だ。人々は期待だけに胸を膨らませていた。
正義も悪も、その水面下で動く。
巨大提灯の元へ、鬼灯が到着した。
彼は白虎の指示で、巨大提灯に仕掛けがなされているか、調査に来たのだ。
爆薬や火の魔術には人一倍敏感で詳しい、鬼灯こそ適任であった。
「鬼灯さん、提灯の入り口はこちらです!」
警備の者には状況を伝えてある。
巨大提灯の周りの警備員は鬼灯を出入り口まで案内した。
高さ10メートルほどある提灯に足を踏み入れる。
大きな提灯を灯らせるため、中には電球がいくつもあった。
電球のある場所までは、梯子が掛けられて、そこには作業台もある。
電球から発せられる熱によって、提灯の中は温度が上昇している。
鬼灯は慎重に梯子を登りながら、一筋汗を流した。
「ですが、前代 白虎と戦って相討ちしたのは、多分ヒカリだと思います。
ーー総帥様は、死んだ人間が生き返る方法をご存知ですか?」
根拠はないが、ヒカリはこれまでも嘘は言わなかった。
一度目に会った時に、千里の問いを否認しなかったのは、図星であるから というのが白虎の考えだ。
だが、死者蘇生の方法は現実的にあり得ない。
そんな事は承知している。
ただ、返ってくる答えが予想出来ても、聞かずにはいられなかった。
「…そんな術、この世にあっては困る」
「ーーそうですね」
やはり予想とあまり相違のない答えを聞き、白虎は今度こそ踵を返した。
「失礼しました」
そうして、総帥の部屋から出ると、また転移の陣に戻るために歩き出す。
納涼祭の一件の為に 団員はそちらに取られているが、勿論WG本部も手薄にならないように、人員は補充されていた。
ここに幾つの命があって、その命で一般市民のどの位の命を守れるのだろうか。
幾つの命を取りこぼして来たのだろうか。
WG団員とすれ違うたび、言葉にならない虚しさを感じながら、先を急ぐ白虎だった。
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中央の巨大提灯が飾られている広場では、他の場所以上に人混みに溢れていた。
もう間もなく花火が開始される。
この周辺では一番、規模の大きな花火で有名な納涼祭だ。人々は期待だけに胸を膨らませていた。
正義も悪も、その水面下で動く。
巨大提灯の元へ、鬼灯が到着した。
彼は白虎の指示で、巨大提灯に仕掛けがなされているか、調査に来たのだ。
爆薬や火の魔術には人一倍敏感で詳しい、鬼灯こそ適任であった。
「鬼灯さん、提灯の入り口はこちらです!」
警備の者には状況を伝えてある。
巨大提灯の周りの警備員は鬼灯を出入り口まで案内した。
高さ10メートルほどある提灯に足を踏み入れる。
大きな提灯を灯らせるため、中には電球がいくつもあった。
電球のある場所までは、梯子が掛けられて、そこには作業台もある。
電球から発せられる熱によって、提灯の中は温度が上昇している。
鬼灯は慎重に梯子を登りながら、一筋汗を流した。
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