* 闇の白虎

慈雨

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12.灯りの途絶えぬ一夜 2

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そして、少年は掴んだ刃先を、じわじわと自分の喉に近付けた。

切っ先が静かに肌色に触れる。
細く流れた血の色は赤黒く、襟元を染めていく。


白虎は慌てて、椿を消した。
転移のように属性のない魔術で、瞬時に鞘に納める。

嫌な感触が手に残る。
そのままの手で、彼の手を掴んだ。


「白虎さんでも、ビビるんだ」

「どうして禁忌を?」

真っ直ぐに狐の面を見つめる。
だが、少年は何も答えずに血塗れの腕を振りほどいた。



そして、そのまま指を鳴らして転移した。
ーー白虎や鬼灯の思いを置き去りにして。


「白虎様…何も出来なくてごめん」

「いいえ。居てくれるだけで充分です。何か気付きましたか?」

「うん。火属性の魔力を感じた。不老不死に関しては、常識の範囲から超えていて、想像のしようがない気がする」

鬼灯はまだしこりが残ったような、煮え切らないような思いを抱きながら、そう答えた。


「爆発については?」

「飛鳥達が向かって、鎮火はしてる。被害は調査中」

「…問題は山積みですね」

白虎は空を見上げた。

まだ花火の火薬の匂いが残っていて、モヤモヤしてた心の中を掻きまわすようだった。
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