21 / 23
手土産ですよ
1-4 紀子の家
しおりを挟む
舞は土下座をしながら必死に言葉を並べる。
「ち、ちがうんです!私は本当は紀子ちゃんと一緒にいたかった!好きでした!大好きでした!だけど琴乃が!一緒にいないほうがいいって私に言ったんです!!!!!!!!!!!」
それをきいた瞬間、包丁を振りかざし、舞の背中へ向かってそれを落とした。
舞から意外なくらい大きな絶叫が聞こえる。
思ったより背中も固くて包丁が折れてしまったけど、すぐに引っこ抜き、折れた刃のままで首にもそのまま切りつけた。
「あなたが先にこうして死ねばよかったのよ!!!!!!!!」
大量の血が流れるのをみて満足だった。でもまだ死なせない。
琴乃にトドメを刺す前に舞を次はどう痛めつけようか考えているとき、舞が血だらけの顔で私を凝視した。
私の顔はもちろん狂気だと思うけど、それにしては今更何をそんなに驚くのか?と死の直前による恐怖心なのかしら?と思っていると、舞が「もういや…」と言った。
「もういや?そんなのあの子はもう毎日ずっと思っていたはずよ」
「ちちちち違います……ううううしろ…うしろに…」
そう言って舞は土下座する姿勢で顔を床につけひたすら「ごめんなさいごめんなさいごめんさない」と繰り返した。
その行動に少し違和感を覚え、うしろを振り返る。
「…………紀子?」
紀子の母親の後ろには、紀子の霊体が立っていた。
顔が黒ずんでおり、よく見ると血だらけで、手足はおかしな方向に曲がっている。
これが可愛い我が娘なのか?と思うと悲しくて辛くて、
でも
「紀子なのね!!!!!??」
気がついたら泣き崩れていた。
どんな姿をしていても、紀子は紀子だ。
2800グラムであの寒い雪の日にうぶ声をあげて自分のお腹から誕生した、可愛い娘だ。
大好物のいちごや、どら焼きをたくさん頬張っていたことや、幼少期に幼稚園で作った母の日のカーネーションの飾りつけを渡してくれたことや、小学校のときに運動会でビリになって泣いていたことや、ついこの間一緒にデパートでパスタのランチを食べて笑っていた可愛い紀子だ。
「紀子?本当に紀子なのよね?」
そう問いかけても紀子は母親のほうを一切見ずに舞と琴乃を見つめたまま口を無造作に開けたまま立っている。
これが幽霊なのか、なんなのか分からない、けれど死んだときの姿のままだとしたらなんとも痛々しい姿だろうか。
気がつけば紀子の足元にしがみつくようにして泣いていた。
どんな姿でもいいから、帰ってきてーーーーー…
「紀子、痛かったよね?苦しかったよね?気がついてあげられなくて、ごめんね」
どうして何も悪くない紀子がいじめられて苦しんで死なないといけなかった?
一体この子が何をしたのか?
何もしていないじゃない
何もしていないのに苦しめられた
悲しい思いをずっとずっとしていた
「まっててね…あと少しで終わるの。そしたら私も、紀子のところに行くからね」
死ぬ場所は決めていた。
紀子が死んだあのダムと同じ場所で。
「あぁぁぁぁ…ごめんなさいぃぃぃぃ」
舞が声にならない鳴き声で叫ぶようにそう言ったが、さっきのが致命傷のようでほとんど絶命前に近い様子だった。
紀子が視線だけで、一瞬紀子の母親を見たような気がした。
そして笑ったような気がした。
気がつけば、1歩、2歩、3歩、舞の元へ進み包丁でもう1度首を切りつけ、顔に包丁を落とし、舞は動かなくなった。
隣にいる琴乃はすでに死んでいた。
ーーーーーーーこれで、終わったのだった。
「ち、ちがうんです!私は本当は紀子ちゃんと一緒にいたかった!好きでした!大好きでした!だけど琴乃が!一緒にいないほうがいいって私に言ったんです!!!!!!!!!!!」
それをきいた瞬間、包丁を振りかざし、舞の背中へ向かってそれを落とした。
舞から意外なくらい大きな絶叫が聞こえる。
思ったより背中も固くて包丁が折れてしまったけど、すぐに引っこ抜き、折れた刃のままで首にもそのまま切りつけた。
「あなたが先にこうして死ねばよかったのよ!!!!!!!!」
大量の血が流れるのをみて満足だった。でもまだ死なせない。
琴乃にトドメを刺す前に舞を次はどう痛めつけようか考えているとき、舞が血だらけの顔で私を凝視した。
私の顔はもちろん狂気だと思うけど、それにしては今更何をそんなに驚くのか?と死の直前による恐怖心なのかしら?と思っていると、舞が「もういや…」と言った。
「もういや?そんなのあの子はもう毎日ずっと思っていたはずよ」
「ちちちち違います……ううううしろ…うしろに…」
そう言って舞は土下座する姿勢で顔を床につけひたすら「ごめんなさいごめんなさいごめんさない」と繰り返した。
その行動に少し違和感を覚え、うしろを振り返る。
「…………紀子?」
紀子の母親の後ろには、紀子の霊体が立っていた。
顔が黒ずんでおり、よく見ると血だらけで、手足はおかしな方向に曲がっている。
これが可愛い我が娘なのか?と思うと悲しくて辛くて、
でも
「紀子なのね!!!!!??」
気がついたら泣き崩れていた。
どんな姿をしていても、紀子は紀子だ。
2800グラムであの寒い雪の日にうぶ声をあげて自分のお腹から誕生した、可愛い娘だ。
大好物のいちごや、どら焼きをたくさん頬張っていたことや、幼少期に幼稚園で作った母の日のカーネーションの飾りつけを渡してくれたことや、小学校のときに運動会でビリになって泣いていたことや、ついこの間一緒にデパートでパスタのランチを食べて笑っていた可愛い紀子だ。
「紀子?本当に紀子なのよね?」
そう問いかけても紀子は母親のほうを一切見ずに舞と琴乃を見つめたまま口を無造作に開けたまま立っている。
これが幽霊なのか、なんなのか分からない、けれど死んだときの姿のままだとしたらなんとも痛々しい姿だろうか。
気がつけば紀子の足元にしがみつくようにして泣いていた。
どんな姿でもいいから、帰ってきてーーーーー…
「紀子、痛かったよね?苦しかったよね?気がついてあげられなくて、ごめんね」
どうして何も悪くない紀子がいじめられて苦しんで死なないといけなかった?
一体この子が何をしたのか?
何もしていないじゃない
何もしていないのに苦しめられた
悲しい思いをずっとずっとしていた
「まっててね…あと少しで終わるの。そしたら私も、紀子のところに行くからね」
死ぬ場所は決めていた。
紀子が死んだあのダムと同じ場所で。
「あぁぁぁぁ…ごめんなさいぃぃぃぃ」
舞が声にならない鳴き声で叫ぶようにそう言ったが、さっきのが致命傷のようでほとんど絶命前に近い様子だった。
紀子が視線だけで、一瞬紀子の母親を見たような気がした。
そして笑ったような気がした。
気がつけば、1歩、2歩、3歩、舞の元へ進み包丁でもう1度首を切りつけ、顔に包丁を落とし、舞は動かなくなった。
隣にいる琴乃はすでに死んでいた。
ーーーーーーーこれで、終わったのだった。
0
あなたにおすすめの小説
百物語 厄災
嵐山ノキ
ホラー
怪談の百物語です。一話一話は長くありませんのでお好きなときにお読みください。渾身の仕掛けも盛り込んでおり、最後まで読むと驚くべき何かが提示されます。
小説家になろう、エブリスタにも投稿しています。
(ほぼ)1分で読める怖い話
涼宮さん
ホラー
ほぼ1分で読める怖い話!
【ホラー・ミステリーでTOP10入りありがとうございます!】
1分で読めないのもあるけどね
主人公はそれぞれ別という設定です
フィクションの話やノンフィクションの話も…。
サクサク読めて楽しい!(矛盾してる)
⚠︎この物語で出てくる場所は実在する場所とは全く関係御座いません
⚠︎他の人の作品と酷似している場合はお知らせください
怪異の忘れ物
木全伸治
ホラー
千近くあったショートショートを下記の理由により、ツギクル、ノベルアップ+、カクヨムなどに分散させました。
さて、Webコンテンツより出版申請いただいた
「怪異の忘れ物」につきまして、
審議にお時間をいただいてしまい、申し訳ありませんでした。
ご返信が遅くなりましたことをお詫びいたします。
さて、御著につきまして編集部にて出版化を検討してまいりましたが、
出版化は難しいという結論に至りました。
私どもはこのような結論となりましたが、
当然、出版社により見解は異なります。
是非、他の出版社などに挑戦され、
「怪異の忘れ物」の出版化を
実現されることをお祈りしております。
以上ご連絡申し上げます。
アルファポリス編集部
というお返事をいただいたので、本作品は、一気に全削除はしませんが、ある程度別の投稿サイトに移行しました。
www.youtube.com/@sinzikimata
私、俺、どこかの誰かが体験する怪奇なお話。バットエンド多め。少し不思議な物語もあり。ショートショート集。
いつか、茶風林さんが、主催されていた「大人が楽しむ朗読会」の怪し会みたいに、自分の作品を声優さんに朗読してもらうのが夢。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
それなりに怖い話。
只野誠
ホラー
これは創作です。
実際に起きた出来事はございません。創作です。事実ではございません。創作です創作です創作です。
本当に、実際に起きた話ではございません。
なので、安心して読むことができます。
オムニバス形式なので、どの章から読んでも問題ありません。
不定期に章を追加していきます。
2026/1/16:『せきゆすとーぶ』の章を追加。2026/1/23の朝4時頃より公開開始予定。
2026/1/15:『しばふ』の章を追加。2026/1/22の朝4時頃より公開開始予定。
2026/1/14:『でんしれんじ』の章を追加。2026/1/21の朝4時頃より公開開始予定。
2026/1/13:『こえ』の章を追加。2026/1/20の朝4時頃より公開開始予定。
2026/1/12:『あけてはいけない』の章を追加。2026/1/19の朝4時頃より公開開始予定。
2026/1/11:『みきさー』の章を追加。2026/1/18の朝4時頃より公開開始予定。
2026/1/10:『つかまれる』の章を追加。2026/1/17の朝8時頃より公開開始予定。
※こちらの作品は、小説家になろう、カクヨム、アルファポリスで同時に掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる