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地を這う竜
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なにやらチャックさんと兵士が話込んでいた。
「チャックさん、あの要塞おとしますか?」
「いや、ここまで来るのに思った以上に時間がかかった。光球魔法を使用し続けることを考えると、ここで戦うと魔泉が尽きる。」
「それに、相手側の兵力は未知だ。攻撃側は防御側の2、3倍の兵力を消耗するというから、下手に手出ししない方がいい。」
「そもそも、あの要塞をおとす必要性はありますかね?」
「そりゃああるだろう。暗闇から出て一番始めに見える要塞ということは、恐らくあそこが最前線の基地だ。あそこを落とせばこちらを攻めにくくなるのは間違いない。それに、我々は襲ってきた竜を全て倒している。それに加えて要塞まで落とせば我々の実力を知り、侵攻を止める可能性だってある。」
「そうですね…」
「それでは、奴等に気づかれる前に帰還するぞ!」
俺たちはまた暗闇へ戻っていった。
「そういえばランサーさん、以前なぜ俺がトースト好きだと分かったんです?」
「顔つきでピンときた。」
(なんだその能力…)
休憩を挟みつつ、2日ぐらい歩いた。
皆もうクタクタだ。
「あぁ…暗い…もう嫌だよ…」
「頑張れシャルド……」
その時だ。
ピシューーーッ!………ドカン‼
強烈な光の筋が俺たちめがけて飛んできたのだ。
「おい!なんだいったい⁉」
ピシューーーッ、ドドン‼
「前方を照らせ‼」
チャックさんの指示で一斉に前方に光球を向ける。
「竜だ!全員鳥に乗れ‼」
いくら人の足で走ったって避けれる速さの攻撃ではなかった。
鳥の体力は温存しておきたかったが、こればかりは仕方ない。
「きっと奴等に気づかれてたんだ!クソ!」
「情報をもって帰らせたくないって訳だ。」
ピシュッピシャッピシューーーッピシューーーッ
4本の光線が兵士に精密に狙いをつけてくる。
「魔泉を消費するが…このままでは帰還不能だ…」
「全員、刀を抜け!奴はここで仕留めるぞ‼」
暗くてよくは分からないのだが、光線が出てきている場所を見ると、竜との距離は結構近い。
「第1飛行隊は奴を照らすことに専念しろ!残りの部隊で奴を叩く、攻撃開始‼」
第1飛行隊が竜を照らし出す。
「なんだこいつ…」
額に宝石があるのは言うまでもないが、顔にある2つの目の他に、こいつには背中にも目が4つあったのだ。皮膚は亀の甲羅のような感じ。翼はないが、長射程の光線を放つから飛ばなくても空中の俺たちを簡単に殺せるのだろう。
ビシュッピシューーッ
「うわ!」
「大丈夫か!誰が落ちた!?」
暗くてよく分からない。
「た、助けて‼」
下に落ちた兵士はまだ生きているようだ。
すぐに助けようと下へ向かったその時。
「うわぁぁあ‼」
待て…この声…
ゴリ…ゴリ…
骨を砕く音だ…喰われたのか?そんな…まさか…
「グレイ‼」
シャルドが叫ぶ。
「グレイが……死んだ……」
俺は呆然としてしまって現実を受け入れられなかった。
「狙われてるぞ!避けろ‼」
ランサーさんの声で我にかえる。
「クソ野郎が‼絶対に殺す…」
俺は、仲間を殺した竜への怒りで一杯だった。
「奴は背中の目で狙いをつけ、そこから光線を発射しているようだ!奴の目を全部潰せばこちらの勝ちだ‼」
チャックさんが叫ぶ。
「俺たちが奴を引き付ける!その隙に目を潰してくれ‼」
第5飛行隊が囮をかって出た。
第5飛行隊が四つに別れ、背中の目近くを旋回する。
ギロ…
奴の目が向こうを向いた。
「今だ!射て‼」
シパパパパ…
ズキュウ…
サニーの射撃が命中する
「流石だサニー!」
サニーの射撃の腕は第4飛行隊でも1、2を競う。
「残り3つだ!」
ピシューーーッ
「グッ、」
一瞬で兵士の腹に穴が開く。苦しむ余裕もないほど奴の光線は強い。
「食らえ…」
ズシャッ
ランサーさんが奴の目をぶった切る。
それに続いて俺も超至近距離で射撃を食らわせてやった。どうやら奴の背中に密着するように飛べば、奴の攻撃には死角があるようだ。
ピシューーーッ
全員上手く避けた。
「射てぇぇえ‼」
ババババババ‼
辺りが暗くなる。奴はもう光線をうってこなかった。
「このままこいつと距離をとるぞ!」
全速力で飛行した。
ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、
「は、速い!」
地上を走っているとは思えないほど奴の走りは速かった。
しかし、奴は攻撃してこない。
奴は背中の目が潰れているのに気づいていないようだった。
「背中の目は本体と半独立しているのかもな…」
しばらく飛んだところで、奴は追ってこなくなった。
俺たちは鳥から降りて、また歩き始めた。
(疲れた…)
シャルドが泣いていた。友達のグレイが死んだからだ。
こういう時、なんて言ってあげたらいいのだろう…
俺たちも凄く悲しいが特に仲が良かったのはシャルドだ。
「なんで…なんで無能な僕が生きていて、グレイが…死んでしまうんだ…」
「僕はいつも何も出来なくて、迷惑かけてばっかりだった…なんであの時、助けてあげられなかったんだ…」
「僕は何も出来ないただのクズだ…」
「しっかりしろ。」
ランサーさんがシャルドの肩を強く叩く。
「グレイも含め、大切な命をたくさん失った。俺たちに出来るのは、彼等の分まで戦って平和を取り戻すことだろ。」
「それにお前は無能じゃない。雲梯竜の時も、剣竜の時も、お前がいたから勝てたんだ。お前にはお前にしか出来ないことがある。」
シャルドはしばらくうつむいていたが、気持ちを整理できたようだ。
(充分強いよ、お前は。)
その後竜からの攻撃はなく、魔泉も食糧もギリギリだったが、なんとか帰還できた。
久しぶりの故郷の景色は、とても眩しかった。
「今回存在が証明された地上人類、これを我々は“竜の民”と名付けた。」
「この悪の民族を倒すのは我々だ!反撃の時がやって来たのだ‼」
『オォォォオ‼』
兵士たちは正義のため戦うことを誓った。
「チャックさん、あの要塞おとしますか?」
「いや、ここまで来るのに思った以上に時間がかかった。光球魔法を使用し続けることを考えると、ここで戦うと魔泉が尽きる。」
「それに、相手側の兵力は未知だ。攻撃側は防御側の2、3倍の兵力を消耗するというから、下手に手出ししない方がいい。」
「そもそも、あの要塞をおとす必要性はありますかね?」
「そりゃああるだろう。暗闇から出て一番始めに見える要塞ということは、恐らくあそこが最前線の基地だ。あそこを落とせばこちらを攻めにくくなるのは間違いない。それに、我々は襲ってきた竜を全て倒している。それに加えて要塞まで落とせば我々の実力を知り、侵攻を止める可能性だってある。」
「そうですね…」
「それでは、奴等に気づかれる前に帰還するぞ!」
俺たちはまた暗闇へ戻っていった。
「そういえばランサーさん、以前なぜ俺がトースト好きだと分かったんです?」
「顔つきでピンときた。」
(なんだその能力…)
休憩を挟みつつ、2日ぐらい歩いた。
皆もうクタクタだ。
「あぁ…暗い…もう嫌だよ…」
「頑張れシャルド……」
その時だ。
ピシューーーッ!………ドカン‼
強烈な光の筋が俺たちめがけて飛んできたのだ。
「おい!なんだいったい⁉」
ピシューーーッ、ドドン‼
「前方を照らせ‼」
チャックさんの指示で一斉に前方に光球を向ける。
「竜だ!全員鳥に乗れ‼」
いくら人の足で走ったって避けれる速さの攻撃ではなかった。
鳥の体力は温存しておきたかったが、こればかりは仕方ない。
「きっと奴等に気づかれてたんだ!クソ!」
「情報をもって帰らせたくないって訳だ。」
ピシュッピシャッピシューーーッピシューーーッ
4本の光線が兵士に精密に狙いをつけてくる。
「魔泉を消費するが…このままでは帰還不能だ…」
「全員、刀を抜け!奴はここで仕留めるぞ‼」
暗くてよくは分からないのだが、光線が出てきている場所を見ると、竜との距離は結構近い。
「第1飛行隊は奴を照らすことに専念しろ!残りの部隊で奴を叩く、攻撃開始‼」
第1飛行隊が竜を照らし出す。
「なんだこいつ…」
額に宝石があるのは言うまでもないが、顔にある2つの目の他に、こいつには背中にも目が4つあったのだ。皮膚は亀の甲羅のような感じ。翼はないが、長射程の光線を放つから飛ばなくても空中の俺たちを簡単に殺せるのだろう。
ビシュッピシューーッ
「うわ!」
「大丈夫か!誰が落ちた!?」
暗くてよく分からない。
「た、助けて‼」
下に落ちた兵士はまだ生きているようだ。
すぐに助けようと下へ向かったその時。
「うわぁぁあ‼」
待て…この声…
ゴリ…ゴリ…
骨を砕く音だ…喰われたのか?そんな…まさか…
「グレイ‼」
シャルドが叫ぶ。
「グレイが……死んだ……」
俺は呆然としてしまって現実を受け入れられなかった。
「狙われてるぞ!避けろ‼」
ランサーさんの声で我にかえる。
「クソ野郎が‼絶対に殺す…」
俺は、仲間を殺した竜への怒りで一杯だった。
「奴は背中の目で狙いをつけ、そこから光線を発射しているようだ!奴の目を全部潰せばこちらの勝ちだ‼」
チャックさんが叫ぶ。
「俺たちが奴を引き付ける!その隙に目を潰してくれ‼」
第5飛行隊が囮をかって出た。
第5飛行隊が四つに別れ、背中の目近くを旋回する。
ギロ…
奴の目が向こうを向いた。
「今だ!射て‼」
シパパパパ…
ズキュウ…
サニーの射撃が命中する
「流石だサニー!」
サニーの射撃の腕は第4飛行隊でも1、2を競う。
「残り3つだ!」
ピシューーーッ
「グッ、」
一瞬で兵士の腹に穴が開く。苦しむ余裕もないほど奴の光線は強い。
「食らえ…」
ズシャッ
ランサーさんが奴の目をぶった切る。
それに続いて俺も超至近距離で射撃を食らわせてやった。どうやら奴の背中に密着するように飛べば、奴の攻撃には死角があるようだ。
ピシューーーッ
全員上手く避けた。
「射てぇぇえ‼」
ババババババ‼
辺りが暗くなる。奴はもう光線をうってこなかった。
「このままこいつと距離をとるぞ!」
全速力で飛行した。
ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、ダ、
「は、速い!」
地上を走っているとは思えないほど奴の走りは速かった。
しかし、奴は攻撃してこない。
奴は背中の目が潰れているのに気づいていないようだった。
「背中の目は本体と半独立しているのかもな…」
しばらく飛んだところで、奴は追ってこなくなった。
俺たちは鳥から降りて、また歩き始めた。
(疲れた…)
シャルドが泣いていた。友達のグレイが死んだからだ。
こういう時、なんて言ってあげたらいいのだろう…
俺たちも凄く悲しいが特に仲が良かったのはシャルドだ。
「なんで…なんで無能な僕が生きていて、グレイが…死んでしまうんだ…」
「僕はいつも何も出来なくて、迷惑かけてばっかりだった…なんであの時、助けてあげられなかったんだ…」
「僕は何も出来ないただのクズだ…」
「しっかりしろ。」
ランサーさんがシャルドの肩を強く叩く。
「グレイも含め、大切な命をたくさん失った。俺たちに出来るのは、彼等の分まで戦って平和を取り戻すことだろ。」
「それにお前は無能じゃない。雲梯竜の時も、剣竜の時も、お前がいたから勝てたんだ。お前にはお前にしか出来ないことがある。」
シャルドはしばらくうつむいていたが、気持ちを整理できたようだ。
(充分強いよ、お前は。)
その後竜からの攻撃はなく、魔泉も食糧もギリギリだったが、なんとか帰還できた。
久しぶりの故郷の景色は、とても眩しかった。
「今回存在が証明された地上人類、これを我々は“竜の民”と名付けた。」
「この悪の民族を倒すのは我々だ!反撃の時がやって来たのだ‼」
『オォォォオ‼』
兵士たちは正義のため戦うことを誓った。
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