異世界で聖者やってたら勇者に求婚されたんだが

マハラメリノ

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第一章 聖者降臨

〇一九 それは俺の意思じゃない

ズンッという衝撃で身体が揺さぶられる。

「……ルッ……ああっ……!」

挿入された刹那、もう俺はイッてた。
所謂トコロテンってやつだ。
王子様のチンコを堪能する暇もない。
ルッツが俺の中に挿入ってる……。
俺、ルッツとセックスしちゃってるよ……。
俺を犯しながらルッツはうっとりするくらいキラキラした王子様顔に悩まし気な表情を浮かべた。
ルッツとは会ったばかりだし王子様だって知るまでは友達になれる可能性があると思っていただけに何か凄い背徳感に苛まれる。
切ない……。
なのにそんな俺の心中とは裏腹に、雄膣のほうは歓喜に戦慄いていた。
俺の身体正直すぎない?
大丈夫俺?

「っく……! ナ、ナセ……!」

ちょっとつらそうにルッツが呻いた。
めっちゃ締め付けてしまったのは不可抗力だと思う。
ルッツは苦しそうに眉を寄せ何度か深呼吸して呼吸を整えている。

「挿入しただけでイッてしまったのか。どれだけ感じやすい身体をしているんだ……」

完全に闇魔法のせいなので俺に言われましても!
どうにか堪えたルッツは機嫌よく腰をグラインドさせて馴染ませるようにグリグリと俺の奥を抉る。
それが意識が飛びそうになるほど気持ち良くて、さっきまでの背徳感なんか忘れてしまったかのように俺もルッツの動きに合わせて腰を振った。
――子種が欲しい。
身体が子種を欲している。
奥にいっぱい欲しくて堪らない。
今、俺の頭の中は雄膣に挿入された男根からどうやって子種を絞り取るかってことだけで他のことは何も考えられない。
だからそれがちょっと異常なことだなんて少しも疑ってもみなかった。

「アッ、ひっ……! いっ、いいっ! ルッツ! いいっ、それいいっ、きもちいっ……!」
「……っく……! 凄い吸い付いてくる……! 奥、が好き、か……?」
「すきっ、おくっ、奥に欲しいっ……! ルッツの子種っ、欲しいっ、ルッツ! ルッツゥッ!」

一瞬で馴染んでしまい、ルッツの名前を呼びながらイキ捲る俺の様子に、更に気をよくしたらしいルッツは抽挿を開始する。
そっからはもう俺はイキっぱなしで、擦れ合う粘膜から齎さる快感をひたすら追う。
パンパンパンッと早いピストンで攻めたてられ俺の雄膣は子種を強請ってルッツをきゅうきゅう締め付ける。
イイところを擦すられる度に滑稽なくらいビクンッビクンッと身体が反応した。

「はっ……、ナナセッ! ほら、くれてやる、これが欲しかったんだろ?」
「……ッア……!」

待ち侘びたものを放たれて刹那、ルッツの子種がじわりと広がっていく感覚に感じ入る……。
王子様の子種が俺の中に……。

「……」

……あれ?
なんだろう、このコレジャナイ感。
まだ硬度が落ちてないルッツのチンコも、出された子種も俺の中に入ったままなのに……。
もっと、欲しい。
こんなんじゃ、全然足りない。
子種が欲しい。
違う。
それは俺の意思じゃない。
これは誰の? 何の意思?
どこからか湧いてくる俺のじゃない考えを、俺は慌てて打ち消した。
けれど、打ち消す傍から身体はそれを欲しがって心が引き摺られる。
そう心で気付いた一瞬後には、もう身体に引き摺られていて何もわからなくなっていた。
――ここでも兆候はあったのに、俺はまたしてもそれを見逃したのだ。
それ以降、俺は、このあたりから正気に戻るまでの間の記憶があやふやになってくる。

「ルッツ、お主一度果てたなら早く余と交代せんか!」
「あ、はいはい。今代わるよ」
「……っ……!」

ルッツが俺の中から出ていく喪失感に身震いすると、ぱっくり空いたままの雄膣からルッツの吐き出した子種がコポリと溢れ出た。
外気に曝されて身悶えしそうなくらい切ないそれを俺はどうすることも出来ない。
この空虚を何かで埋めたい。
そこを何で埋めればいいかは身体が知っている。

「ルッツでは物足りぬだろう? さあ、今度は余が愛でてやる。ルッツ、ナナセが怯えて暴れぬよう暫し押さえていろ」
「そうだな。ナナセ、ほらおいで」

そう言ってルッツが俺の背中側に回り後ろから抱きかかえるように俺の脚を開かせた。
俺はといえば、疲労困憊で抵抗する気力も体力もない。
ただ、子種が欲しいってことだけぼんやり考えてるとこへ宛がわれたのは、さっきのケモチンじゃなくちゃんとした人族のチンコだった――形状は。
そう、人族のだったのは形だけで、フリッツのそれは人外サイズだった。
嘘だろ?
スケール感がおかしくない?
俺が度肝を抜かれている間に、無情にもそれは俺の雄膣に突き立てられる。

「ひっ、ひぎィッ……!」

テンプレな悲鳴をあげた刹那、俺は失神してしまった。
だがメリメリと肉襞を割り開くように穿たれすぐに意識を取り戻す。
裂けていないのがおかしいくらい限界を超えて広げながら侵入してくるフリッツに内臓を押し上げられ、俺は何度も嘔吐いた。

「このように狭くてどうなることかと思ったが、収まるものだな」

収納上手か!
言われて自分の腹を見ると挿入された陰茎の形がわかるくらいボコリと出ていた。
すげえ、エロ漫画みたいなことになってる……!
けどこれ大丈夫なやつなのか?
駄目じゃない?
腹ボテエンドじゃない?
異世界で聖者やってたらエロ漫画のヨゴレ担当キャラになってたんだが。
自分の身に現在進行形で起こっていることだとは信じたくない俺は、ただはくはくと鯉のように口で呼吸しようとしたが、全然息が出来ない。
そうこうしているうちに、脇の下をがっつり掴まれたかと思うと、俺はオナホ妖精よろしく上下に揺さぶられて抜き挿しされ、為すがままされるがままで、ただ自分の雄膣がフリッツの射精を促すように波打つのを感じていた。
――子種、子種を貰わなくちゃ。

それからどれくらい経ったのだろう。
オナホ妖精にジョブチェンジした俺は、ルッツとフリッツに交互に犯され続け、中に二人分の子種を出されたにも拘わらず、例の発情は一向に治まる気配がない。
ホモセックス二回目にしてそろそろメスイキがデフォになっていた俺は、「むり」「しんどい」という呟きを繰り返す語彙力のない腐女子みたいになってしまい、これは流石におかしいと三者三様に気付き始めた頃、船は獣人領の主都へと到着した。

ヴェイラ王国の宮殿は開けた平地の市街地の中心にあるので外壁や屋根に彫刻が装飾過剰気味に配置されたバロック様式の建造物だったが、ここアルブム城は要塞としての役割も果たしているため切り立った崖の上にあり、無数に聳えるゴシック様式の繊細で優美な白い尖塔が堅牢な城壁に囲まれている。
王家の帆船は、その北の端の一角、空中庭園のようになっている空港へと寄せられた。

未だ発情状態が治まらず生まれたての子鹿だった俺が、フリッツことフリードリヒ陛下の白貂の毛皮アーミンのマントに包まれて、陛下の腕に抱かれたまま慌ただしくアルブム城に降り立つと、白とセルリアンブルーの衣装を纏った一団に出迎えられる。
その識別色ティンクチャーを纏える一団は、この世界ではただひとつ、ヴェイラ王国の白騎士隊しかいない。
そして俺は一団の先頭で一際存在感を放っている見知った顔を見つけた。

「エリアス……」

――現場からは以上です。
リポーター・ナナセが発情状態でお伝えしました。
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