未定

おもち

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毛虫

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幼い頃、僕達姉弟はじーちゃんに育てられた。

両親は離婚こそしなかったが、片や飲み歩き、片やギャンブルに明け暮れて略、家に居る事は無かった。

深夜、突如として無意識に割り入って来る意識。

怒鳴り合い
罵り合い
激しく、獣の様な狂乱声で叫び散らす両親の「音」。

布団を目深に被り
怯え、震える幼き自分。

偶に顔が揃うと、何時も涙を流す結果に成っていた。

大好きなのに

大嫌い。

こんな「音」、聞きたくない。

何時も側に居てもらいたい。

でも、もう嫌だ…。

最後はじーちゃんに抱き締められ、眠っていた。
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