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『GW編・三日目:7時19分着、満員電車の中での出来事(2)』
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『GW編・三日目:7時19分着、満員電車の中での出来事(2)』
自販機は駅の中央あたりに設置されていて、男性専用車両の乗り込み位置からは離れている。
オレは自販機にお金を入れ何を買うか迷う、振り、をして時間調整を始める。
その間にもチラチラと他の女性客の視線を感じた。
単にイケメンが近くを通り過ぎたから向けられた視線だろう。特に不審がられてはいないはずだ。
……自信過剰? いや、実際にイケメンなんだし。
不躾にジロジロと見られる事もあれば、さりげなく見られる事もある。
どちらにしろ女性からの視線にはずいぶんと敏感になったし、見られるという感覚にもだいぶ慣れてきた。
それはともかく。
電車がホームに滑り込み、ドアが開く。
降りる乗客と入れ替わるように、待っていた乗客たちが乗り込こんでいく。
まだだ。
まだ早い。
ジリリリ、と発車寸前のベルが鳴った。
今だ。
すでに手に持っていたお茶を手にとり、近くの車両で”迷ったふり”をしつつ、乗り込んだ。
駆け込み乗車とはまでは言わないが、男性専用車両まで行くと間に合わない、そんな絶妙なタイミングでの熱演。
おかげで実に自然に乗り込めた。
乗り込む前に入り口付近に立っていた女性客数人と目が合い、オレが乗り込もうとした時、全員がさっと場所を開けてくれたのだ。
オレだって前世で逆の立場だったら、目の前で女性が乗り込もうとすればエロい考えは置いておいて可能であれば場所をあけるだろう。
紳士的嗜好が半分、えん罪に巻き込まれたくない防衛意識が半分だ。
それはこちらの世界でも同じだったようだったが、ここまでスムースに行くとは。
ある程度の混雑した車両にも確実に乗り込めるという、人の親切心を逆手にとった完璧な作戦の有用性が認められた。
オレはそれなりに混雑した一般車両に乗り込む技術を確立したと言っていい。次に使う日が来るかどうかは知らないが。
「……ふむ」
前世よりいくぶんか低くなっている気がするつり革につかまりながら周囲を観察する。
この車両に男はやはりオレだけのようだ。
他の女性客の背が低いというのもあって、男がいれば背丈的にも目立つだろう。
170センチほどのオレだが、この車両内では頭一つ抜けている。
それもあいまって実に目立っている。
どこからでもこのイケメンフェイスが見て取れるんだから当然。
この車両で一番の人気者は間違いなくオレだ。
実際、さきほど自販機でジュースを買っていた時より、さりげなくも熱烈な視線がオレの体中に突き刺さっている。
気持ちいい。イケメン万歳。女神様万歳。
それはそれとして不満点が一つ。
「……うーん」
思ったより混雑具合が微妙だ。
ガラガラではないし、余裕があるほどスペースがあいているわけではないが……他人に接触せざるをえないというほどの乗車率でもない。
この世界、異性へのセクハラや接触に対する罰則は前世のそれよりもはるかに厳しい。
ゲームセンターでも、まだ中学生のマキちゃんがセクハラ警察であったように、未成年ですら男性への性的犯罪は厳罰の対象というぐらいの常識レベルだ。
ゆえに周囲の乗客はオレに近づくどころか、しだいに距離をとろうとしている始末。
オレの周りだけがくつろぎ空間になっていき、離れたところはオレのせいでぎゅうぎゅうになっている。
まずい。
同乗した女性客に迷惑をかけるだけで、誰も得していない状況を作りだしてしまった。
ラッキースケベとは、こうも一筋縄ではいかないものか。
いや、ラッキーは起きないからラッキーって言うんだな。
仕方なく、オレは自分の体を窓際に寄せてなるべく迷惑をかけないようにする。
流れる景色、その青空には飛行機雲が消えていく。
しかし。
それは次の駅で唐突に起きた。
自販機は駅の中央あたりに設置されていて、男性専用車両の乗り込み位置からは離れている。
オレは自販機にお金を入れ何を買うか迷う、振り、をして時間調整を始める。
その間にもチラチラと他の女性客の視線を感じた。
単にイケメンが近くを通り過ぎたから向けられた視線だろう。特に不審がられてはいないはずだ。
……自信過剰? いや、実際にイケメンなんだし。
不躾にジロジロと見られる事もあれば、さりげなく見られる事もある。
どちらにしろ女性からの視線にはずいぶんと敏感になったし、見られるという感覚にもだいぶ慣れてきた。
それはともかく。
電車がホームに滑り込み、ドアが開く。
降りる乗客と入れ替わるように、待っていた乗客たちが乗り込こんでいく。
まだだ。
まだ早い。
ジリリリ、と発車寸前のベルが鳴った。
今だ。
すでに手に持っていたお茶を手にとり、近くの車両で”迷ったふり”をしつつ、乗り込んだ。
駆け込み乗車とはまでは言わないが、男性専用車両まで行くと間に合わない、そんな絶妙なタイミングでの熱演。
おかげで実に自然に乗り込めた。
乗り込む前に入り口付近に立っていた女性客数人と目が合い、オレが乗り込もうとした時、全員がさっと場所を開けてくれたのだ。
オレだって前世で逆の立場だったら、目の前で女性が乗り込もうとすればエロい考えは置いておいて可能であれば場所をあけるだろう。
紳士的嗜好が半分、えん罪に巻き込まれたくない防衛意識が半分だ。
それはこちらの世界でも同じだったようだったが、ここまでスムースに行くとは。
ある程度の混雑した車両にも確実に乗り込めるという、人の親切心を逆手にとった完璧な作戦の有用性が認められた。
オレはそれなりに混雑した一般車両に乗り込む技術を確立したと言っていい。次に使う日が来るかどうかは知らないが。
「……ふむ」
前世よりいくぶんか低くなっている気がするつり革につかまりながら周囲を観察する。
この車両に男はやはりオレだけのようだ。
他の女性客の背が低いというのもあって、男がいれば背丈的にも目立つだろう。
170センチほどのオレだが、この車両内では頭一つ抜けている。
それもあいまって実に目立っている。
どこからでもこのイケメンフェイスが見て取れるんだから当然。
この車両で一番の人気者は間違いなくオレだ。
実際、さきほど自販機でジュースを買っていた時より、さりげなくも熱烈な視線がオレの体中に突き刺さっている。
気持ちいい。イケメン万歳。女神様万歳。
それはそれとして不満点が一つ。
「……うーん」
思ったより混雑具合が微妙だ。
ガラガラではないし、余裕があるほどスペースがあいているわけではないが……他人に接触せざるをえないというほどの乗車率でもない。
この世界、異性へのセクハラや接触に対する罰則は前世のそれよりもはるかに厳しい。
ゲームセンターでも、まだ中学生のマキちゃんがセクハラ警察であったように、未成年ですら男性への性的犯罪は厳罰の対象というぐらいの常識レベルだ。
ゆえに周囲の乗客はオレに近づくどころか、しだいに距離をとろうとしている始末。
オレの周りだけがくつろぎ空間になっていき、離れたところはオレのせいでぎゅうぎゅうになっている。
まずい。
同乗した女性客に迷惑をかけるだけで、誰も得していない状況を作りだしてしまった。
ラッキースケベとは、こうも一筋縄ではいかないものか。
いや、ラッキーは起きないからラッキーって言うんだな。
仕方なく、オレは自分の体を窓際に寄せてなるべく迷惑をかけないようにする。
流れる景色、その青空には飛行機雲が消えていく。
しかし。
それは次の駅で唐突に起きた。
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