【R18】転生先は男女比1:30の貞操逆転世界~ビッチを夢見る三十路の魂~

尾和 ハボレ

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『春日井と副委員長』

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『春日井と副委員長』

めでたく副委員長になったオレは以来、号令をかけるという大仕事を担う事となった。

とはいえ、それしか仕事がないとも言う。

最初は緊張していたが、三日も経てば慣れてしまうもので、声が面白くうわずる事もなくなった。

起立、礼、着席を華麗にこなす、完璧な副委員長として成長を遂げた。

そんなパーフェクトな仕事ぶりだというのに、文句をつけてくる不良が一人。

「毎時間、隣から大声でうるせえ」
「ひどい」

我が一組が誇る不良娘の夏木さんである。

先日のお尻叩きイベントから何かとからんでくる。

だが美人にかまわれるのは大歓迎。

夏木さんのこの不機嫌な顔も本気でオレをうとましく思っているわけではないとわかっているので、オレもついついからかうように対応してしまうのだが、それがまた夏木さんのカンにさわるようだ。

こうした日々の他愛無い会話が時折ヒートアップしたりもするがそれもまた青春である。

まぁ、不機嫌の一番の原因はそれまで号令をかけられても立たずに机で寝ていた夏木さんが、オレが号令をかけることになってしぶしぶ、それに従うようになったからだ。

号令に従わない者がいるとオレが困ると思ったのだろうか?

それとも色々な意味で仲の良いオレのためだろうか。

なんにしろこのへんのムーヴが夏木さんのかわいいところである。

人、これをツンデレと言う。

「宮城君、少しいいかしら?」

夏木さんと青春の一ページを綴っていたところ、春日井さんがオレの横にやってくる。

途端、チッ、とあからさまに舌打ちをした夏木さんが机に突っ伏して居眠りを始めた。

春日井さんもそれに気づいていると思うが、特に気にした様子、というか反応すらしない。

これまでも何回かこういう事があった。

二人はケンカしているわけではないが互いに関わらない。ただ夏木さんが何か不良ムーブっぽい事をすると春日井さんが正しにくる、というぐらいだろうか。

夏木さんはとても良い子だと思うが、やっぱり見た目の怖い印象ゆえクラスの皆からは避けられている。

そんな中、春日井さんだけが物怖じせずに対応しているわけだが、委員長という役割だけだからではないと思うのは二人の間の微妙な空気。反発しあっているが距離が近いというか、なんというか。

夏木さんも以前チラっと言っていたが家が近い、みたいな事も言っていたし、昔は仲が良かったとか?

などと考えている中、春日井さんがオレの顔をのぞきこんでくる。

「今日の五限目の授業、視聴覚室に移動でしょう? 私、お昼休み中に職員室に行って教材をもらってそのまま視聴覚室に行くから、宮城君は教室に移動忘れしてる人がいないか確認してから鍵をかけて移動してもらえる?」

ジトっとした目で机で居眠りを始めた夏木さんのポニーテールを見ながら、春日井さんはオレに業務を伝えながら二年一組と書かれたプレートのついた鍵を渡してきた。

最近はワリとこんな感じで、春日井さんはオレに雑用を共有してくるようになった。

当初は遠慮して号令以外の何も仕事を振ってこなかったが、プリントを回すとか、回収物の手伝いなどを経て、色々と仕事をまわしてくれるようになった。

オレとしても春日井さんと仲良くなりたいので、会話の機会が増える事は喜ばしい。

特に以前会った時のような、敬語とタメ語が微妙に混じった固い口調もなくなって、自然と会話できるようになったことが嬉しい。

ただし問題が一つ。

こうして春日井さんと仕事なんかをする機会が増えるにつれ、愛しい金髪ツンデレ不良娘の機嫌も悪くなっていくのである。
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