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『二年一組の朝(4)』
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『二年一組の朝(4)』
そんなこんなで、全ての授業が終わった。
さて、今日はこれからどうしたものかと考えていると、隣の席から眠そうな声がかかった。
「宮城」
「どうしたの?」
春日井さんとニアミスもあって、ずっと機嫌が悪かった夏木さんだが、その口調からしてようやく平常モードに戻ったようだ。
「悪いけど、今から時間あるか?」
「うん。別に予定はないけど……あ、もしかして、夏木さん。欲しくなっちゃった?」
昼休みはそのつもりだったのかな?
カッと顔を赤くする夏木さん。
怒っているのか、恥ずかしがってるのか……照れてるんだな、これは。
「違う。ちょっと会わせたいヤツというか、お前と会いたいってヤツがいるんだけどな」
「へえ?」
また妙な事を言い出したな、と思いながら話を聞くと。
「それが……アタシらが、その、まぁ、そういう仲だと知って、脅してきてるんだよ」
「んん?」
夏木さんの口からそんな言葉が出てきた。
聞き違いでなければ、脅迫されている、と?
そのわりには。
「……はぁ。そんなわけで悪いがすこしだけ時間をとってくれ」
「脅されてるってわりには、なんというか緊迫感がないね?」
無理強いをされているという雰囲気でもない。
どちらかというと、仕方なく、という感じだ。
「すまん。アタシが口を滑らせたのもあるんだが、相手は一年。後輩だ」
「ふうん?」
「どんな理由でもいいからこじつけて、お前に会って」
「うん。ボクに会って?」
「それこそ脅してでも……手を握ってみたいんだとさ」
夏木さんは顔をそむけて、投げ捨てるようにそう言った。
……どっかで聞いたことのあるような話だなぁ。
「ん。わかった。付き合うよ。ボクも興味がでてきたし」
「脅しなんてしてくる手前、我慢はしなくていいけど、加減はしてやれ」
夏木さん公認で、やり返してもいいという事だ。
「夏木さんにしたみたいに?」
「加減しろっつってんだろ?」
それは状況次第だけれど、ちょっと面白い事になってきたね?
オレがまだ見ぬその後輩にどう対処しようか悩んでいると、夏木さんが再び口を開いた。
「あと、さ」
「ん?」
「今日から母さん、町内の寄り合いで……温泉行ってるんだ」
「……え?」
……おや?
おやおや?
本当に欲しくなっちっゃたかな?
「だから、その」
夏木さんが顔を赤くして、言葉を濁した。
「んー?」
オレはあえてわからないふりをして、笑顔で首をかしげる。
すると夏木さんは、オレがわかっていてからかっていると悟り、眉をつりあげる。
「別に、なんでもねぇよ!」
怒っちゃった。
「ふふ、明日の朝ごはんは、夏木さんのトーストサンドが食べられるのかな?」
「……」
怒りで真っ赤なっていた顔が、違う理由でますます赤くなる。
オレは黙ってしまった夏木さんに、もう一言付け加えた。
「それに今夜、寝かさないけど大丈夫?」
「……ッ」
夏木さんが目を見開き、とっさにオレから顔をそらした。
それでもチラチラとオレを見ている。
無意識なのか、両手の指をからめて、モジモジとする仕草がなんとも可愛い。
明日も平日だから学校はあるんだけど、夏木さんの部屋でお泊りできるっていうなら、このチャンスは逃したくないよね。
女の子の部屋で一夜を明かす、まさにビッチな男のロマン。
オレは、ますます頬を赤く染めた夏木さんの横顔をジッと見ながら返事を待つ。
「……大丈夫」
ホント、かわいいなぁ。
「ふふ。じゃあ、その後輩ちゃんのオイタを叱ってあげてから、夏木さんのおうちに一緒に帰ろうね」
夏木さんはもはや言葉もなく、コクリとうなずいた。
そんなこんなで、全ての授業が終わった。
さて、今日はこれからどうしたものかと考えていると、隣の席から眠そうな声がかかった。
「宮城」
「どうしたの?」
春日井さんとニアミスもあって、ずっと機嫌が悪かった夏木さんだが、その口調からしてようやく平常モードに戻ったようだ。
「悪いけど、今から時間あるか?」
「うん。別に予定はないけど……あ、もしかして、夏木さん。欲しくなっちゃった?」
昼休みはそのつもりだったのかな?
カッと顔を赤くする夏木さん。
怒っているのか、恥ずかしがってるのか……照れてるんだな、これは。
「違う。ちょっと会わせたいヤツというか、お前と会いたいってヤツがいるんだけどな」
「へえ?」
また妙な事を言い出したな、と思いながら話を聞くと。
「それが……アタシらが、その、まぁ、そういう仲だと知って、脅してきてるんだよ」
「んん?」
夏木さんの口からそんな言葉が出てきた。
聞き違いでなければ、脅迫されている、と?
そのわりには。
「……はぁ。そんなわけで悪いがすこしだけ時間をとってくれ」
「脅されてるってわりには、なんというか緊迫感がないね?」
無理強いをされているという雰囲気でもない。
どちらかというと、仕方なく、という感じだ。
「すまん。アタシが口を滑らせたのもあるんだが、相手は一年。後輩だ」
「ふうん?」
「どんな理由でもいいからこじつけて、お前に会って」
「うん。ボクに会って?」
「それこそ脅してでも……手を握ってみたいんだとさ」
夏木さんは顔をそむけて、投げ捨てるようにそう言った。
……どっかで聞いたことのあるような話だなぁ。
「ん。わかった。付き合うよ。ボクも興味がでてきたし」
「脅しなんてしてくる手前、我慢はしなくていいけど、加減はしてやれ」
夏木さん公認で、やり返してもいいという事だ。
「夏木さんにしたみたいに?」
「加減しろっつってんだろ?」
それは状況次第だけれど、ちょっと面白い事になってきたね?
オレがまだ見ぬその後輩にどう対処しようか悩んでいると、夏木さんが再び口を開いた。
「あと、さ」
「ん?」
「今日から母さん、町内の寄り合いで……温泉行ってるんだ」
「……え?」
……おや?
おやおや?
本当に欲しくなっちっゃたかな?
「だから、その」
夏木さんが顔を赤くして、言葉を濁した。
「んー?」
オレはあえてわからないふりをして、笑顔で首をかしげる。
すると夏木さんは、オレがわかっていてからかっていると悟り、眉をつりあげる。
「別に、なんでもねぇよ!」
怒っちゃった。
「ふふ、明日の朝ごはんは、夏木さんのトーストサンドが食べられるのかな?」
「……」
怒りで真っ赤なっていた顔が、違う理由でますます赤くなる。
オレは黙ってしまった夏木さんに、もう一言付け加えた。
「それに今夜、寝かさないけど大丈夫?」
「……ッ」
夏木さんが目を見開き、とっさにオレから顔をそらした。
それでもチラチラとオレを見ている。
無意識なのか、両手の指をからめて、モジモジとする仕草がなんとも可愛い。
明日も平日だから学校はあるんだけど、夏木さんの部屋でお泊りできるっていうなら、このチャンスは逃したくないよね。
女の子の部屋で一夜を明かす、まさにビッチな男のロマン。
オレは、ますます頬を赤く染めた夏木さんの横顔をジッと見ながら返事を待つ。
「……大丈夫」
ホント、かわいいなぁ。
「ふふ。じゃあ、その後輩ちゃんのオイタを叱ってあげてから、夏木さんのおうちに一緒に帰ろうね」
夏木さんはもはや言葉もなく、コクリとうなずいた。
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