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又左の決断
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又左の決断
「遂に腹を括ったか!!」
「はっ」
又左は真新しい直垂に折烏帽子という武士然とした装いで「権六の親父殿」こと織田家筆頭家老・柴田勝家の館を訪れていた。病弱な長兄・利久に代わって後見人を務めているのが勝家であるため、家督相続を受ける旨を伝えるためだ。
「利久殿のあの体たらくでは前田家もこれまでかと思っておったが、これで一安心じゃ」
その言葉に又左は床につく両の拳を更に握りしめる。勝家に悪気がないのは分かっている。だが、それでも兄・利久を悪し様に言われるのは悔しかった。
「又左、いや利家よ。 これからも励めよ」
「はっ」
又左は今一度深く頭を下げる。その様子に勝家は満足げであった。
「利家!」
「内蔵助か……」
「な・り・ま・さ」
「あぁ、はいはい、そうだったな」
「前田の家督を継いだんだから……」
又左が声をかけてきた青年を適当にあしらいながら歩を進める。又左が『内蔵助』と呼んだ彼の名は佐々成政。これから同僚となる男だ。内蔵助こと佐々成政という男はある意味又左と似たような立場であった。本来継ぐことのなかった家督を継いでいたのである。尤もそれは兄二人の死により継がざるを得なかったのだが。
「そんなことより、これで前田家も安泰だ」
「…………」
「おい、利家」
「内蔵助、悪いが俺はもう帰る」
「はぁ? これから殿に目通りするのだろう?」
「疲れた」
「お、おい!」
又左は烏帽子を脱ぎ捨て、自身の館に向かって歩き始める。成政は慌てて呼び戻そうとするが、無視を決め込んでしまっているので諦めて見送るしかなかった。
(追ってこないか……)
成政が追ってこなかったことにホッとした又左はいつもの土手に向かう。そして、いつものように日向ぼっこよろしく寝っ転がったのだった。
「前田殿!!」
「うんっ……」
「こんなところにおられたか!」
「ほぇ?」
寝ぼけ眼で見上げるとそこには見覚えのある男の顔があった。驚きのあまり飛び起きようとしたせいで派手に『ゴツン』と頭突きをかましてしまった。
「~~~~~」
「たたたぁ」
派手にぶつけてしまったせいで声も出ない又左。ぶつけられらの方は額を抑えて喚き散らしている。
「痛っ。 なんだ、お前は……」
「木下藤吉郎にござる!」
「いや、そういうことじゃなくてだなぁ」
「何でここがわかったと聞きたいのでござるか?」
「まぁ、そんなところだ」
「慶次郎という坊主が教えてくれました」
「そうだったか……」
「あの坊主がそうなのですか?」
「まぁ、そんなところだ」
「鍛えれば一角の武将になりましょう」
「お前が見てもそう思うか?」
「はい、羨ましい限りです」
「?」
「それがしにはそういう身内はおりませぬから」
又左は眉を顰める。目の前の男は主君の一番のお気に入りと言われている。更にその才覚を如何なく発揮し出世頭とも言われていた。そんな男が寂しげに顔を曇らせることに違和感を覚える。
「それがしは百姓上がりですので誰も嫁にきたがりませぬ。
その上、継父親と折り合いが悪く、家を飛び出したせいで……」
苦笑いを浮かべ、頭を掻く藤吉郎。この男もまた心に重石を抱えているようだ。
「おい、飯は食ってるのか?」
「はい?」
「その分じゃ、まともに食ってねぇのか?」
「いや、そのぉ……」
「お前、釣りは得意か?」
「は?」
「夕餉をごちそうしてやるから、付き合え」
「いや、しかし……」
「山女魚か岩魚でも持って帰れば、文句は言われんだろうよ。
尤もうちの松はそんな文句は言わん」
「な、なるほど……」
「それに、今日は寧々殿も来てるはずだ」
「!!!」
藤吉郎の顔がみるみる赤くなる。その姿に又左はニヤリと口角をげた。そんなこんなで又左は上流を目指して歩き始めた。藤吉郎は一瞬考えたが又左に乗るのが上策と思え付いていていくことにする。
「前田殿……」
「なんだ?」
「釣れませんなぁ」
「……」
藤吉郎の言う通り、二人の竿はピクリとも動いていない。かれこれ一刻は並んで座っているだけのような気がする。
(早々に諦めた方がよいかもしれぬな……)
そう思い、腰を上げようとした又左であったが、次の瞬間状況は一変する。藤吉郎の竿が勢いよくしなり始めたのだ。
「うぉっ!!」
「ま、前田殿ぉ~~」
「ば、馬鹿っ!! しっかり引け!!」
「ひ、一人では無理ですぅ」
「俺も手伝ってやるから離すなよ!」
「承知したぁ」
藤吉郎が歯を食いしばり踏ん張る。又左も一緒になって強く竿を握り引っ張る。だが、相手は大物のようで右に左にと泳いでは針を外そうと必死でもがいているようだ。その度につんのめりなりそうになるのを腹に力を入れ両足で踏ん張る二人。竿はミシミシとしなり、糸はピンッと張り詰めている。
「おい、俺が合図したら一気に引き上げるんだ!」
「分かり申した」
又左は水面を見つめその時をじっと待つ。そして、又左が合図をする。
「今だ!」
「えいっ!!」
二人は目一杯竿を引き上げ、勢い余って尻もちをつく。すると、彼らの目の前には丸々と太った一匹の真鯉がビチビチと跳ねたのだった。
「ははっ。ず、随分な大物ですなぁ」
「そうだな」
「とりあえず、面目躍如といったところですか」
「ああ」
「日も陰ってきたことですし、戻りますかな?」
「そうするか」
又左は釣り上げた真鯉を持ってきていた手桶に入れて藤吉郎とともに家路につくのだった。
「で?」
「いや、そのぉ……」
「これを私にどうしろと?」
「松、そんな言い方しなくても……」
「寧々は黙ってて!」
「ひっ」
「又左、分かってると思うけどすぐに食べれないわ」
「…………」
「というわけで、裏のいけすに入れておいてね」
それだけ言うと、松はそのまま厨へと消えていくのだった。
「えっと、あのぉ……」
「寧々殿は気にしないでくれ」
「で、でも……」
「明後日くらいに煮るかどうかして夕餉にでもするさ」
「じゃ、じゃあ、私は松のお手伝いしてきます」
そう言うと寧々は申し訳なさそうに松の後を追っていった。
「なかなかに手強い奥方のようで……」
「まぁ、ガキの頃から一緒だしな」
「そうなのですか?」
「まぁな。 それよりもうちっと手伝ってもらっていいか」
藤吉郎は首是して、又左の後に続く。二人が向かったのは裏庭に設けられた井戸でその傍には小さないけすがあった。
「前田殿、奥方とは……」
「腐れ縁よ」
「はぁ……」
「松の母親が俺の親父の妹なんだが……」
「?」
「松が幼い時に旦那が討ち死にして、荒子に出戻ったんだ」
「…………」
「松の母はまだ若かったから再嫁することになったんだが……」
「松殿を残していくしかなかったと?」
「そんなところだ。俺と年も近かったこともあってそのまま俺の嫁になった」
「そう、だったのですか……」
「こんなご時世だ致し方ないだろうよ」
「そう、ですな……」
「そう言う、お前んとこはどうなんだよ?」
「少しお話した通りですよ」
「家族と疎遠になってるってアレか?」
「どうにも継父と反りが合わなくて飛び出したまではよかったんですが……」
「上手くいかず?」
「そんなところです。色々商いの真似事もやってみましたが、うまくいかず。そんなときに出会ったのが殿です」
「ほぉ」
「一目で【この方に着いて行けば間違いない】と思いました」
藤吉郎はその瞳を爛々と輝かせ語る。又左は少し羨ましく思った。自分も迷いなくお館様を信じられたのであればどれほど良いかと……。
「又兄!」
「慶次か」
「松姉ちゃんが夕餉の支度ができたからって呼んでる」
「おお、分かった」
「そこのおっちゃんも一緒にって!」
「おっちゃん?」
「うん、猿顔のおっちゃん」
その言葉に藤吉郎はがっくりと項垂れる。慶次はなぜそんな風にしているのかわからず首を傾げている。又左はそれが可笑しくて大声を上げて笑うのだった。
「トホホ……」
「まぁ、気にするな」
「前田殿と大して年は違わぬはずなのですが……」
「さぁ、飯だ、飯だ!」
そういって又左と藤吉郎が屋敷の中へと消えていく。
「?!」
慶次は板垣の向こうに気配を感じた。それはどこか悪意に満ちており、背筋が寒くなる。だが、すぐにそれは消え去り、慶次は首を傾げた。
(気のせい?)
「慶次、どうした?」
「ううん、なんでもない」
又左に呼ばれ慶次は感じた不安を振り払い二人の後を追って屋敷の中に消えていった。
「やっとみつけたぜ。 こないだの落とし前は着けさせてもらうからな」
屋敷の外では一人の小男がそう呟いていた。慶次の感じた不安は足音を忍ばせ、又左たちのすぐそばまで迫り来ていたのであった。
「遂に腹を括ったか!!」
「はっ」
又左は真新しい直垂に折烏帽子という武士然とした装いで「権六の親父殿」こと織田家筆頭家老・柴田勝家の館を訪れていた。病弱な長兄・利久に代わって後見人を務めているのが勝家であるため、家督相続を受ける旨を伝えるためだ。
「利久殿のあの体たらくでは前田家もこれまでかと思っておったが、これで一安心じゃ」
その言葉に又左は床につく両の拳を更に握りしめる。勝家に悪気がないのは分かっている。だが、それでも兄・利久を悪し様に言われるのは悔しかった。
「又左、いや利家よ。 これからも励めよ」
「はっ」
又左は今一度深く頭を下げる。その様子に勝家は満足げであった。
「利家!」
「内蔵助か……」
「な・り・ま・さ」
「あぁ、はいはい、そうだったな」
「前田の家督を継いだんだから……」
又左が声をかけてきた青年を適当にあしらいながら歩を進める。又左が『内蔵助』と呼んだ彼の名は佐々成政。これから同僚となる男だ。内蔵助こと佐々成政という男はある意味又左と似たような立場であった。本来継ぐことのなかった家督を継いでいたのである。尤もそれは兄二人の死により継がざるを得なかったのだが。
「そんなことより、これで前田家も安泰だ」
「…………」
「おい、利家」
「内蔵助、悪いが俺はもう帰る」
「はぁ? これから殿に目通りするのだろう?」
「疲れた」
「お、おい!」
又左は烏帽子を脱ぎ捨て、自身の館に向かって歩き始める。成政は慌てて呼び戻そうとするが、無視を決め込んでしまっているので諦めて見送るしかなかった。
(追ってこないか……)
成政が追ってこなかったことにホッとした又左はいつもの土手に向かう。そして、いつものように日向ぼっこよろしく寝っ転がったのだった。
「前田殿!!」
「うんっ……」
「こんなところにおられたか!」
「ほぇ?」
寝ぼけ眼で見上げるとそこには見覚えのある男の顔があった。驚きのあまり飛び起きようとしたせいで派手に『ゴツン』と頭突きをかましてしまった。
「~~~~~」
「たたたぁ」
派手にぶつけてしまったせいで声も出ない又左。ぶつけられらの方は額を抑えて喚き散らしている。
「痛っ。 なんだ、お前は……」
「木下藤吉郎にござる!」
「いや、そういうことじゃなくてだなぁ」
「何でここがわかったと聞きたいのでござるか?」
「まぁ、そんなところだ」
「慶次郎という坊主が教えてくれました」
「そうだったか……」
「あの坊主がそうなのですか?」
「まぁ、そんなところだ」
「鍛えれば一角の武将になりましょう」
「お前が見てもそう思うか?」
「はい、羨ましい限りです」
「?」
「それがしにはそういう身内はおりませぬから」
又左は眉を顰める。目の前の男は主君の一番のお気に入りと言われている。更にその才覚を如何なく発揮し出世頭とも言われていた。そんな男が寂しげに顔を曇らせることに違和感を覚える。
「それがしは百姓上がりですので誰も嫁にきたがりませぬ。
その上、継父親と折り合いが悪く、家を飛び出したせいで……」
苦笑いを浮かべ、頭を掻く藤吉郎。この男もまた心に重石を抱えているようだ。
「おい、飯は食ってるのか?」
「はい?」
「その分じゃ、まともに食ってねぇのか?」
「いや、そのぉ……」
「お前、釣りは得意か?」
「は?」
「夕餉をごちそうしてやるから、付き合え」
「いや、しかし……」
「山女魚か岩魚でも持って帰れば、文句は言われんだろうよ。
尤もうちの松はそんな文句は言わん」
「な、なるほど……」
「それに、今日は寧々殿も来てるはずだ」
「!!!」
藤吉郎の顔がみるみる赤くなる。その姿に又左はニヤリと口角をげた。そんなこんなで又左は上流を目指して歩き始めた。藤吉郎は一瞬考えたが又左に乗るのが上策と思え付いていていくことにする。
「前田殿……」
「なんだ?」
「釣れませんなぁ」
「……」
藤吉郎の言う通り、二人の竿はピクリとも動いていない。かれこれ一刻は並んで座っているだけのような気がする。
(早々に諦めた方がよいかもしれぬな……)
そう思い、腰を上げようとした又左であったが、次の瞬間状況は一変する。藤吉郎の竿が勢いよくしなり始めたのだ。
「うぉっ!!」
「ま、前田殿ぉ~~」
「ば、馬鹿っ!! しっかり引け!!」
「ひ、一人では無理ですぅ」
「俺も手伝ってやるから離すなよ!」
「承知したぁ」
藤吉郎が歯を食いしばり踏ん張る。又左も一緒になって強く竿を握り引っ張る。だが、相手は大物のようで右に左にと泳いでは針を外そうと必死でもがいているようだ。その度につんのめりなりそうになるのを腹に力を入れ両足で踏ん張る二人。竿はミシミシとしなり、糸はピンッと張り詰めている。
「おい、俺が合図したら一気に引き上げるんだ!」
「分かり申した」
又左は水面を見つめその時をじっと待つ。そして、又左が合図をする。
「今だ!」
「えいっ!!」
二人は目一杯竿を引き上げ、勢い余って尻もちをつく。すると、彼らの目の前には丸々と太った一匹の真鯉がビチビチと跳ねたのだった。
「ははっ。ず、随分な大物ですなぁ」
「そうだな」
「とりあえず、面目躍如といったところですか」
「ああ」
「日も陰ってきたことですし、戻りますかな?」
「そうするか」
又左は釣り上げた真鯉を持ってきていた手桶に入れて藤吉郎とともに家路につくのだった。
「で?」
「いや、そのぉ……」
「これを私にどうしろと?」
「松、そんな言い方しなくても……」
「寧々は黙ってて!」
「ひっ」
「又左、分かってると思うけどすぐに食べれないわ」
「…………」
「というわけで、裏のいけすに入れておいてね」
それだけ言うと、松はそのまま厨へと消えていくのだった。
「えっと、あのぉ……」
「寧々殿は気にしないでくれ」
「で、でも……」
「明後日くらいに煮るかどうかして夕餉にでもするさ」
「じゃ、じゃあ、私は松のお手伝いしてきます」
そう言うと寧々は申し訳なさそうに松の後を追っていった。
「なかなかに手強い奥方のようで……」
「まぁ、ガキの頃から一緒だしな」
「そうなのですか?」
「まぁな。 それよりもうちっと手伝ってもらっていいか」
藤吉郎は首是して、又左の後に続く。二人が向かったのは裏庭に設けられた井戸でその傍には小さないけすがあった。
「前田殿、奥方とは……」
「腐れ縁よ」
「はぁ……」
「松の母親が俺の親父の妹なんだが……」
「?」
「松が幼い時に旦那が討ち死にして、荒子に出戻ったんだ」
「…………」
「松の母はまだ若かったから再嫁することになったんだが……」
「松殿を残していくしかなかったと?」
「そんなところだ。俺と年も近かったこともあってそのまま俺の嫁になった」
「そう、だったのですか……」
「こんなご時世だ致し方ないだろうよ」
「そう、ですな……」
「そう言う、お前んとこはどうなんだよ?」
「少しお話した通りですよ」
「家族と疎遠になってるってアレか?」
「どうにも継父と反りが合わなくて飛び出したまではよかったんですが……」
「上手くいかず?」
「そんなところです。色々商いの真似事もやってみましたが、うまくいかず。そんなときに出会ったのが殿です」
「ほぉ」
「一目で【この方に着いて行けば間違いない】と思いました」
藤吉郎はその瞳を爛々と輝かせ語る。又左は少し羨ましく思った。自分も迷いなくお館様を信じられたのであればどれほど良いかと……。
「又兄!」
「慶次か」
「松姉ちゃんが夕餉の支度ができたからって呼んでる」
「おお、分かった」
「そこのおっちゃんも一緒にって!」
「おっちゃん?」
「うん、猿顔のおっちゃん」
その言葉に藤吉郎はがっくりと項垂れる。慶次はなぜそんな風にしているのかわからず首を傾げている。又左はそれが可笑しくて大声を上げて笑うのだった。
「トホホ……」
「まぁ、気にするな」
「前田殿と大して年は違わぬはずなのですが……」
「さぁ、飯だ、飯だ!」
そういって又左と藤吉郎が屋敷の中へと消えていく。
「?!」
慶次は板垣の向こうに気配を感じた。それはどこか悪意に満ちており、背筋が寒くなる。だが、すぐにそれは消え去り、慶次は首を傾げた。
(気のせい?)
「慶次、どうした?」
「ううん、なんでもない」
又左に呼ばれ慶次は感じた不安を振り払い二人の後を追って屋敷の中に消えていった。
「やっとみつけたぜ。 こないだの落とし前は着けさせてもらうからな」
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