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本編
後編
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縄、縄要素…。
ちょっとは織り込めたか…。
********************************************
後編
私は参拝を終えると近くの喫茶店に入ることにした。
カランカラン…
ドアを開けるとカウベルの心地よい音が迎えてくれる。
店内はジャズが流れる落ち着いた雰囲気の喫茶店だった。
「いらっしゃいませ。
おひとりですか?」
「あ、はい…。」
「では、こちらにどうぞ。」
通されたのは窓際のテーブル席。
「お決まりになられたらお呼びください。」
そう一言告げてウエイトレスはカウンターの奥へと消えていった。
「何にしようかなぁ…。」
私はメニューに目を通す。
今朝からずっと歩き通しでお腹も空いたのでしっかりとしたものでも頼もうか…。
で、目に留まったのが日替わりメニュー。
日替わりはメインが肉料理のAと魚料理のBがあり、どちらも捨てがたい。
(ど、どっちにするべきか…。)
私はメニューと睨めっこをしてしまう。
だから、気付かなかった。
彼がお店に入ってきたことを…。
「随分真剣に悩んでいるんだな。」
「え?」
聞き覚えのある声に驚いて顔を上げるとそこに立っていたのは常務だった。
「じょ、常務? な、なんでここに?」
「それより相席構わないか?」
「あ、はい、どうぞ…。」
思わず許可してしまった。
ダメだと思うのに断れない。
「で、佳織は何をそんなに悩んでいるのかな?」
「そ、そんなことより、なんで常務がいらっしゃるんですか?」
「質問に質問で返すか…。」
「答えになってませんが。」
「先に聞いたのは俺だ。
まずはそれに答えてからじゃないかな?」
「べ、別に大したことじゃないです。」
「ほう。」
「日替わりランチが2種類あってどっちにしようか悩んでるだけです。」
「なるほど…。」
「私、答えましたよ。」
「うん?」
「常務も答えてください。」
「ああ、俺はこっちの出身なんだよ。」
「へ?」
「同窓会があるんで戻ってきたんだ。
そしたら、友人たちに哀れまれて『出雲大社にお参りして来い』と…。」
「それは、はぁ、何といいますか…。」
「まぁ、50過ぎて一人身になってしまったからな…。」
「…………。」
「ところで、注文は決まったのか?」
「うぅぅぅぅ、実はまだです。」
「だったらこうしよう。
俺がAで君がBを注文して分け合う。」
「え?」
「そうすれば両方堪能できるだろう?」
「まぁ、そうなりますね。」
「問題解決。 早速注文しよう。」
という訳で、私たちはランチを分け合うことになった。
ランチは美味しかった。
確かに美味しかったはずなのに堪能できなかった気がする。
それはひとえに目の前にいるこの元上司のおっさんのせいだ。
気が付くと、会計を一緒に払われてしまっていた。
「ところで今夜の宿は決まっているのかな?」
「あ、えっと、それは…。」
「まだなら俺のとこに来るか?」
「はい?」
「実は玉造温泉に宿を取ってるんだ。
君も一緒にどうだい?」
「い、いえ、そういう訳には…。」
「大丈夫だ。 そこは昔なじみの宿だからその辺は融通してくれる。」
(いえ、融通していただかなくて結構ですが。)
私の本音は心の中にそっとしまっておく。
それが大人の嗜みだろう。
というか、絶対この人はヤル気だ。
瞳の奥に肉食獣のような獰猛な光が見え隠れするもの。
それを捌く自信は今の私にはない。
で、結局常務の申し出を受けるしかなかった。
「あ、荷物はここに置いておくから。」
「はい…。」
着いた先は古民家風の旅館だった。
部屋はすべて離れになっていて温泉付きである。
(絶対宿泊費高いよ…。)
なんて思ってしまう。
でも、これくらい常務にとっては何でもないことなのだろう。
それ位の財力は持ち合わせているか…。
「どうする?」
「何がですか?」
「いや、だから、温泉入らないか?」
「お先にどうぞ。」
「あのなぁ、こういう時は一緒に…。」
「常務はまた殴られたいんですか?」
「い、いや、結構です。」
「じゃ、お先にどうぞ。」
私はにっこりほほ笑んでそう言い放ってやった。
だいたい、考えてることが顔に出すぎなのだ。
「はぁ~、生き返るわぁ…。」
という訳で、私は一人温泉を楽しむことにした。
(一緒になんてはいったら最後、絶対好き勝手されるに決まってるわ。)
警戒は怠らず、温泉を堪能する。
でも、私はそのことで油断していた。
常務がもう一つ罠を仕込んでいることに気付かなかった。
それに気づいたのはベッドに押し倒された後だった。
「佳織…。」
どこからか、私を呼ぶ声がする。
「佳織、そろそろ目を覚ましてくれないか?」
(え? どういうこと?)
「まだ気づかないのかい?」
(何? どうなってるの?)
「ほら、君のここはもう俺のことが欲しいって言ってる。」
そこで私の意識が覚醒する。
「え? 何、なんでこんなことに?」
「ようやくお目覚めかい?」
「常務!」
「ホントに君はお酒に弱い。」
「飲みなれてないんです!」
「まぁ、おかげで俺はこうして押し倒せたわけだけど。」
常務の左手は私の蜜壺にその指を這わせたかと思うと中指を突き入れてくる。
そして、花芯を親指の腹でぐりぐりと刺激する。
「んっ、はぁ…。」
「ああ、感じてるんだな。
佳織のいい所はここだったよね?」
「あぁぁっ!!」
中を抉られるように刺激され私は仰け反る。
その時になって自身の手が紐のようなもので縛られ、ヘッドボードに括りつけられていることに気付く。
「な、何で縛ってるんですか?!」
「うん? これかい?」
「解いてください。」
「嫌だ。」
「何でこんなことしてるんですか?!」
「逃げられたくないから。」
「はぁ?!」
「解いたらぶん殴って逃げるだろ?」
「…………。」
「無言は肯定とみなす。」
「分かりました、逃げませんから解いてください。」
「断る。」
「だから、どうして、そうなるんですか?」
「佳織、君今いくつ?」
「へ? 42、ですけど…。」
「そうだな。 で、俺はいくつかな?」
「えっと…、52、でしたっけ?」
「正解。」
「それとこの状況ってどう…。」
「俺、子供がいないだよ。」
「だから?」
「俺は君との子が欲しいんだ。」
「はい?」
「つまり避妊しないで君を抱きたい。」
「ちょっ!」
「ほら、そうなるだろ?」
「だ、だからって!」
「これ以上時間をかけてたら君への負担が大きくなるばかりだ。
だから、このまま君を抱く。」
「私への同意はなしですか!」
「じゃ、聞くが君は俺のこと嫌い?」
「そ、それは…。」
「俺ね。 今回ちょっと願掛けしてたんだ。」
「願掛け?」
「君は知ってるかな? 千日回峰行者って…。」
「えっと、確か数年かけて悟りを開く大変な修行に挑む僧侶、でしたっけ?」
「そう…。 彼らに失敗は許されない。
失敗は即、死を意味する。
がから、彼らは自害のための麻縄とを首にかけ、両刃の短剣を腰に差しているんだ。」
「麻縄と短剣…。」
「まぁ、俺の場合は真似事にすぎないけど。」
「真似事、ですか…。」
「そう、だから麻縄の代わりに帯締め持ってきたんだ。」
「はい?」
「そっちの方が艶があっていいだろう?」
「何ですか、それ。」
「で、話を戻そう。
君は俺のことをどう思ってる?」
「嫌い、じゃないです。」
「ふむ、それは好きってことでいいのかな?」
「お好きなように解釈していただいて結構です。」
「では、そうさせてもらう。」
そういうと、常務は私の足を大きく開き、体を滑り込ませる。
蜜壺に雄々しく立ち上がった熱杭をあてがい一気に突き入れる。
久々にソレを受け入れた私は苦痛に顔を歪めてしまった。
「キツイな…。 そんなに久しぶりだったのか?」
「いけませんか?」
「全然。」
常務はとても嬉しそうな顔をしている。
もうここまで来たら、与えられる快楽にその身を任せるしかない。
「佳織、いい加減名前で呼べ。」
「そ、そん、なこと、言われても…。」
常務は容赦なく私を揺さぶる。
荒い息遣いと、体がぶつかる音、そして卑猥な水音が室内に響き渡る。
「佳織…。」
「あんっ…、ま、雅之、さん…。」
「フッ…、やっと呼んでくれた。」
たかだか、名前を呼んだだけなのに常務は、雅之さんはとても嬉しそうにに笑みを浮かべる。
その笑顔に私はキュンとなる。
「佳織、それ、反則。」
「やん、だって…。」
「そんなことされたら、俺、我慢できない…。」
雅之さんはさらに激しく揺さぶる。
私は一気に高みへと押し上げられ、真っ白な世界へと落ちて行く。
意識を失う直前に感じたのは彼から放たれた熱だった。
翌朝、ようやく両手の自由を取り戻した私は彼を引っ叩くことはしなかった。
代わりに全裸で正座させて懇々と説教を垂れたのは言うまでもない。
同意もないのに生挿入に中出しってり有り得ないでしょ?
まぁ、そうまでしてでも私との子供を望んでくれたことは悪い気はしないけど…。
そこで私はもう一つの事実を知ることになった。
「実は離婚自体は一年前に成立してたんだ。」
「ってことは…。」
「あの時…。 君に交際を申し込んだときにはすでに…。」
「マジですか?!」
「マジです。」
「何で言わないんですか?!」
「言う前に、君が平手打ちかまして逃げたんじゃないか。」
「あ…。」
「まぁ、きちんと説明しなかった俺にも落ち度はある。」
「もう、そういうことは先に言ってください。
そしたら、一年も無駄に過ごすことなかったのに…。」
「え?」
「不束者ですが、それでもよろしければ…。」
「いい! 俺は佳織がいいんだ!!!」
「そういうことなら、お受けします。」
「やった!!」
「ぎゃっ!!」
雅之さんは思いっきり私を抱きしめる。
で、そのあと恐ろしいことを言ってのけた。
「チェックアウトは15時にしてるから。」
「へ?」
私が呆気に取られていると彼は黒い笑みとともに私に覆い被さってきた。
そのあと、私が散々に貪りつくされたのは言うまでもない。
************************************************
チェックアウト、直後の二人の会話。
「雅之さんってどうしてそんなに元気なんですか?」
「うん? 鍛えてるから。」
「はぁ…。ほんとにそれだけですか?」
「それだけ。」
「あの聞いてもいいですか?」
「なんだい?」
「雅之さんの干支は?」
「辰」
「誕生日も聞いてもいいですか?」
「3月20日だ。 ついでに生まれたのは7:39。」
「……………………。」
即行スマホでググってげんなりする。
雅之の生まれた年の3月20日は戊辰の月の戊辰の日。
しかも、生まれた時刻は辰の刻。
彼の絶倫鬼畜ぶりの真相を思い知った佳織なのでした。
ちょっとは織り込めたか…。
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後編
私は参拝を終えると近くの喫茶店に入ることにした。
カランカラン…
ドアを開けるとカウベルの心地よい音が迎えてくれる。
店内はジャズが流れる落ち着いた雰囲気の喫茶店だった。
「いらっしゃいませ。
おひとりですか?」
「あ、はい…。」
「では、こちらにどうぞ。」
通されたのは窓際のテーブル席。
「お決まりになられたらお呼びください。」
そう一言告げてウエイトレスはカウンターの奥へと消えていった。
「何にしようかなぁ…。」
私はメニューに目を通す。
今朝からずっと歩き通しでお腹も空いたのでしっかりとしたものでも頼もうか…。
で、目に留まったのが日替わりメニュー。
日替わりはメインが肉料理のAと魚料理のBがあり、どちらも捨てがたい。
(ど、どっちにするべきか…。)
私はメニューと睨めっこをしてしまう。
だから、気付かなかった。
彼がお店に入ってきたことを…。
「随分真剣に悩んでいるんだな。」
「え?」
聞き覚えのある声に驚いて顔を上げるとそこに立っていたのは常務だった。
「じょ、常務? な、なんでここに?」
「それより相席構わないか?」
「あ、はい、どうぞ…。」
思わず許可してしまった。
ダメだと思うのに断れない。
「で、佳織は何をそんなに悩んでいるのかな?」
「そ、そんなことより、なんで常務がいらっしゃるんですか?」
「質問に質問で返すか…。」
「答えになってませんが。」
「先に聞いたのは俺だ。
まずはそれに答えてからじゃないかな?」
「べ、別に大したことじゃないです。」
「ほう。」
「日替わりランチが2種類あってどっちにしようか悩んでるだけです。」
「なるほど…。」
「私、答えましたよ。」
「うん?」
「常務も答えてください。」
「ああ、俺はこっちの出身なんだよ。」
「へ?」
「同窓会があるんで戻ってきたんだ。
そしたら、友人たちに哀れまれて『出雲大社にお参りして来い』と…。」
「それは、はぁ、何といいますか…。」
「まぁ、50過ぎて一人身になってしまったからな…。」
「…………。」
「ところで、注文は決まったのか?」
「うぅぅぅぅ、実はまだです。」
「だったらこうしよう。
俺がAで君がBを注文して分け合う。」
「え?」
「そうすれば両方堪能できるだろう?」
「まぁ、そうなりますね。」
「問題解決。 早速注文しよう。」
という訳で、私たちはランチを分け合うことになった。
ランチは美味しかった。
確かに美味しかったはずなのに堪能できなかった気がする。
それはひとえに目の前にいるこの元上司のおっさんのせいだ。
気が付くと、会計を一緒に払われてしまっていた。
「ところで今夜の宿は決まっているのかな?」
「あ、えっと、それは…。」
「まだなら俺のとこに来るか?」
「はい?」
「実は玉造温泉に宿を取ってるんだ。
君も一緒にどうだい?」
「い、いえ、そういう訳には…。」
「大丈夫だ。 そこは昔なじみの宿だからその辺は融通してくれる。」
(いえ、融通していただかなくて結構ですが。)
私の本音は心の中にそっとしまっておく。
それが大人の嗜みだろう。
というか、絶対この人はヤル気だ。
瞳の奥に肉食獣のような獰猛な光が見え隠れするもの。
それを捌く自信は今の私にはない。
で、結局常務の申し出を受けるしかなかった。
「あ、荷物はここに置いておくから。」
「はい…。」
着いた先は古民家風の旅館だった。
部屋はすべて離れになっていて温泉付きである。
(絶対宿泊費高いよ…。)
なんて思ってしまう。
でも、これくらい常務にとっては何でもないことなのだろう。
それ位の財力は持ち合わせているか…。
「どうする?」
「何がですか?」
「いや、だから、温泉入らないか?」
「お先にどうぞ。」
「あのなぁ、こういう時は一緒に…。」
「常務はまた殴られたいんですか?」
「い、いや、結構です。」
「じゃ、お先にどうぞ。」
私はにっこりほほ笑んでそう言い放ってやった。
だいたい、考えてることが顔に出すぎなのだ。
「はぁ~、生き返るわぁ…。」
という訳で、私は一人温泉を楽しむことにした。
(一緒になんてはいったら最後、絶対好き勝手されるに決まってるわ。)
警戒は怠らず、温泉を堪能する。
でも、私はそのことで油断していた。
常務がもう一つ罠を仕込んでいることに気付かなかった。
それに気づいたのはベッドに押し倒された後だった。
「佳織…。」
どこからか、私を呼ぶ声がする。
「佳織、そろそろ目を覚ましてくれないか?」
(え? どういうこと?)
「まだ気づかないのかい?」
(何? どうなってるの?)
「ほら、君のここはもう俺のことが欲しいって言ってる。」
そこで私の意識が覚醒する。
「え? 何、なんでこんなことに?」
「ようやくお目覚めかい?」
「常務!」
「ホントに君はお酒に弱い。」
「飲みなれてないんです!」
「まぁ、おかげで俺はこうして押し倒せたわけだけど。」
常務の左手は私の蜜壺にその指を這わせたかと思うと中指を突き入れてくる。
そして、花芯を親指の腹でぐりぐりと刺激する。
「んっ、はぁ…。」
「ああ、感じてるんだな。
佳織のいい所はここだったよね?」
「あぁぁっ!!」
中を抉られるように刺激され私は仰け反る。
その時になって自身の手が紐のようなもので縛られ、ヘッドボードに括りつけられていることに気付く。
「な、何で縛ってるんですか?!」
「うん? これかい?」
「解いてください。」
「嫌だ。」
「何でこんなことしてるんですか?!」
「逃げられたくないから。」
「はぁ?!」
「解いたらぶん殴って逃げるだろ?」
「…………。」
「無言は肯定とみなす。」
「分かりました、逃げませんから解いてください。」
「断る。」
「だから、どうして、そうなるんですか?」
「佳織、君今いくつ?」
「へ? 42、ですけど…。」
「そうだな。 で、俺はいくつかな?」
「えっと…、52、でしたっけ?」
「正解。」
「それとこの状況ってどう…。」
「俺、子供がいないだよ。」
「だから?」
「俺は君との子が欲しいんだ。」
「はい?」
「つまり避妊しないで君を抱きたい。」
「ちょっ!」
「ほら、そうなるだろ?」
「だ、だからって!」
「これ以上時間をかけてたら君への負担が大きくなるばかりだ。
だから、このまま君を抱く。」
「私への同意はなしですか!」
「じゃ、聞くが君は俺のこと嫌い?」
「そ、それは…。」
「俺ね。 今回ちょっと願掛けしてたんだ。」
「願掛け?」
「君は知ってるかな? 千日回峰行者って…。」
「えっと、確か数年かけて悟りを開く大変な修行に挑む僧侶、でしたっけ?」
「そう…。 彼らに失敗は許されない。
失敗は即、死を意味する。
がから、彼らは自害のための麻縄とを首にかけ、両刃の短剣を腰に差しているんだ。」
「麻縄と短剣…。」
「まぁ、俺の場合は真似事にすぎないけど。」
「真似事、ですか…。」
「そう、だから麻縄の代わりに帯締め持ってきたんだ。」
「はい?」
「そっちの方が艶があっていいだろう?」
「何ですか、それ。」
「で、話を戻そう。
君は俺のことをどう思ってる?」
「嫌い、じゃないです。」
「ふむ、それは好きってことでいいのかな?」
「お好きなように解釈していただいて結構です。」
「では、そうさせてもらう。」
そういうと、常務は私の足を大きく開き、体を滑り込ませる。
蜜壺に雄々しく立ち上がった熱杭をあてがい一気に突き入れる。
久々にソレを受け入れた私は苦痛に顔を歪めてしまった。
「キツイな…。 そんなに久しぶりだったのか?」
「いけませんか?」
「全然。」
常務はとても嬉しそうな顔をしている。
もうここまで来たら、与えられる快楽にその身を任せるしかない。
「佳織、いい加減名前で呼べ。」
「そ、そん、なこと、言われても…。」
常務は容赦なく私を揺さぶる。
荒い息遣いと、体がぶつかる音、そして卑猥な水音が室内に響き渡る。
「佳織…。」
「あんっ…、ま、雅之、さん…。」
「フッ…、やっと呼んでくれた。」
たかだか、名前を呼んだだけなのに常務は、雅之さんはとても嬉しそうにに笑みを浮かべる。
その笑顔に私はキュンとなる。
「佳織、それ、反則。」
「やん、だって…。」
「そんなことされたら、俺、我慢できない…。」
雅之さんはさらに激しく揺さぶる。
私は一気に高みへと押し上げられ、真っ白な世界へと落ちて行く。
意識を失う直前に感じたのは彼から放たれた熱だった。
翌朝、ようやく両手の自由を取り戻した私は彼を引っ叩くことはしなかった。
代わりに全裸で正座させて懇々と説教を垂れたのは言うまでもない。
同意もないのに生挿入に中出しってり有り得ないでしょ?
まぁ、そうまでしてでも私との子供を望んでくれたことは悪い気はしないけど…。
そこで私はもう一つの事実を知ることになった。
「実は離婚自体は一年前に成立してたんだ。」
「ってことは…。」
「あの時…。 君に交際を申し込んだときにはすでに…。」
「マジですか?!」
「マジです。」
「何で言わないんですか?!」
「言う前に、君が平手打ちかまして逃げたんじゃないか。」
「あ…。」
「まぁ、きちんと説明しなかった俺にも落ち度はある。」
「もう、そういうことは先に言ってください。
そしたら、一年も無駄に過ごすことなかったのに…。」
「え?」
「不束者ですが、それでもよろしければ…。」
「いい! 俺は佳織がいいんだ!!!」
「そういうことなら、お受けします。」
「やった!!」
「ぎゃっ!!」
雅之さんは思いっきり私を抱きしめる。
で、そのあと恐ろしいことを言ってのけた。
「チェックアウトは15時にしてるから。」
「へ?」
私が呆気に取られていると彼は黒い笑みとともに私に覆い被さってきた。
そのあと、私が散々に貪りつくされたのは言うまでもない。
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チェックアウト、直後の二人の会話。
「雅之さんってどうしてそんなに元気なんですか?」
「うん? 鍛えてるから。」
「はぁ…。ほんとにそれだけですか?」
「それだけ。」
「あの聞いてもいいですか?」
「なんだい?」
「雅之さんの干支は?」
「辰」
「誕生日も聞いてもいいですか?」
「3月20日だ。 ついでに生まれたのは7:39。」
「……………………。」
即行スマホでググってげんなりする。
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