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Chapter 11 個人ランク
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目覚めて横を向くとアナスタシアがいる。新鮮な光景だ。幼い頃に母親や父親と寝た時以外にベッドに人が居た事など有りはしない。これで俺が男なら言う事は無いのだがな。
俺はそっとアナスタシアの髪を撫でる。サラサラの髪だ。そのまま顔を近づけて髪の匂いを嗅いでみる。女の子特有の良い匂いがする。俺はそのままアナスタシアが起きるまで寝顔を堪能する事にした。俺だけの特権だ。
「ん…リンちゃん…?」
程なくしてアナスタシアが目を覚ます。じっと見られている事で気配を感じたのだろうか。俺の至福のひとときがあっという間に終わりを告げた。
「おはようアナスタシア。」
「おはようございます…えっと…どうしたんですか…?」
「アナスタシアの寝顔を見てたの。」
「えっ…?」
「フフ、可愛い寝顔だったよ。」
そう言うとアナスタシアは顔を赤くして布団の中に潜ってしまった。
「リンちゃん意地悪です…!」
「本当の事を言っただけなのになぁ。」
「もうっ…!!」
アナスタシアがすぐに布団から顔を出して不満気な顔で俺に何かを訴えている。
「フフッ、ごめんごめん。私は今からお風呂に入るけどアナスタシアはどうする?」
「あ、私も入ります。」
「じゃあ一緒に入ろっか。お風呂から出たら朝ごはん食べに美味屋に行こう。」
「朝から美味屋でいいんですか…?」
「もちろん。」
むしろ他のメシ屋なんて知らんし。王国の探索もしないといけないよな。かなり狭いコミュニティの事しかわかってないって感じはマズいだろ。
「そんなに贅沢させてもらってもいいんでしょうか…」
「全然大丈夫だよ。それに今日はダンジョンに入るつもりだし。身体が資本なんだから食べる事はいい加減にしちゃダメだよ。」
「わかりました…!ちゃんとリンちゃんの役に立てるように頑張ります…!!」
どっちにしてもアナスタシアは俺の為に身体で貢献してもらう事になるからちゃんと身体を作ってもらわないといけないからな。俺は性欲強いから毎日大変だぞ。覚悟は出来てるだろうな?
「お風呂行こっか。今日はドコまで洗って欲しい?」
「もう…!!リンちゃんは意地悪です…!!」
********************
朝メシを食べた俺たちはギルドへとやって来た。昨日は入る前にバトっちまったからギルドってもんがどんなもんかわからない。結構ドキドキするな。中二病を患っている俺としては非常に楽しみである。
「ここって私も普通に入っていいの?」
「大丈夫ですよ。まずは中に入って冒険者申請を出します。その手続きが終わったらパーティー申請ですね。」
申請ってなんだ?急にお役所仕事みたいになって来たぞ。申請に時間がかかったりしないだろうな。俺は今日ダンジョンに行く気満々だから出鼻は挫かれたくないぞ。
「申請って時間かかるの?」
「うーん…どうでしょう…?混んでいなければあまり時間はかからないと思いますけど…」
「それならさっさと入ろう。時間かかると面倒だし。行こっかアナスタシア。」
「は、はい…!」
アナスタシアを連れてギルドの扉を開ける。そこにある世界は俺の想像していたものとはかなり違っていた。役所。役所だ。天井付近には案内板もあるし、公務員みたいな奴らが応対している。何ここ。本当に異世界?実は何かのアトラクションにいるだけって落ちじゃないだろうな。
俺は上にある案内板を見ると『冒険者申請/登録』と書いてある札を発見する。この雰囲気に少しガッカリしながらもちゃっちゃと登録を済ませたいので案内板に従って足を進める。
冒険者申請のコーナーは幸いな事に誰も待っていなかった。これならすぐ終わると思い、ザ・公務員の眼鏡男に声をかける。
「すみません、冒険者申請に来たのですがどうすればいいでしょうか?」
「冒険者申請ですね。こちらの用紙に必要事項をご記入下さい。」
眼鏡男に渡された用紙に目を倒す。記入欄にある項目は『氏名、年齢、ジョブ、個人ランク、王国民か外国民かのチェック』となっている。個人ランクって何だ?困った時のアナスタシアに聞いてみよう。
「アナスタシア、個人ランクって何?」
「個人ランクはその人の熟練度を示すものです。例えばマーカスのランクが30みたいな感じです。」
アレってパーティーランクの話じゃなかったのか。何だかややこしい設定だよな。個人ランクの評価はパーティーランクに反映されんのかな?どうなんだろう。あとで聞いて見るか。今はさっさと冒険者申請をしないと。あれ?個人ランクってどうやって知るんだ?
「個人ランクってどうやって知るの?私そんなの知らないんだけど。」
「こちらの魔水晶で判別出来ますよ。」
俺がアナスタシアと話していると眼鏡が話に割り込んで来る。お前に聞いてるわけじゃねぇんだよ。俺はアナスタシアと話してるの。邪魔すんな眼鏡。
「魔水晶?」
「この紫色の水晶の上に手を乗せると自分のランクを知る事が出来ます。当然不正は出来ませんのでご注意下さい。」
ああ?するわけねーだろ。気に入らん眼鏡だな。これだからお役所仕事はダメなんだよ。
ま、いいや。イライラしても仕方無い。とっとと終わらせてダンジョンに行こう。
俺は魔水晶の上に手を乗せる。すると水晶が光り輝き、水晶本体に文字が浮かび上がる。
『あなたの個人ランクは1です。』
「えっ!?」
一緒に見ていたアナスタシアが大きな声を上げる。
「どうされましたか?」
突然アナスタシアが大声を出すから流石の眼鏡も驚いたのだろう。俺だって驚いたもん。
「いえ…その…壊れてませんかこれ…?」
「壊れていませんよ。最新式の魔水晶ですのでありえません。」
「え…だって…」
アナスタシアが俺の事をめっちゃ見ている。何だろう。何かおかしいのだろうか。
「そう思うのでしたらご自身で確かめて下さい。」
「あ…はい。」
眼鏡にそう言われるのでアナスタシアは魔水晶に手を乗せる。どんな結果が出るのか気になったので俺も水晶を見て見る。すると、
『あなたの個人ランクは17です。』
凄いな。俺より全然上じゃん。キャリアが違うんだから当たり前か。あ。アナスタシアが驚いてる理由がわかった。なんで個人ランク1の俺が個人ランク30のマーカスたちを倒せたのかって思ってるんだな。でも言われてみればそうだな。どうして俺が勝てたんだろう。『魔導剣士』ってジョブが異様に強いのだろうか。
「どうですか?壊れていますか?」
「いえ…壊れてないです…」
アナスタシアがしょぼーんとしてしまった。おいこら眼鏡。俺のアナスタシアを何イジメてんだ?アナスタシアをイジメて良いのは俺だけなんだよ。
「それでしたら必要事項の記入をお願いします。」
********************
冒険者申請が済んだ俺たちはパーティー申請をする為に2階へと上がって来た。いろんなところをたらい回しにされるのがお役所仕事の鉄板だ。何だかんだでそろそろ昼になってしまう。早くしないと本当に今日はダンジョンに行かれなくなってしまう。
「あ、あの、リンちゃん…!」
アナスタシアが不安そうな顔で俺に話しかけてくる。きっとさっきの件だろうな。なんて答えればいいんだろう。
「ん?」
「何でリンちゃんは個人ランクが1なんですか…?個人ランク1の人が30に勝てるなんてありえません…」
困ったな。なんて言えばいいんだろう。俺だって知らんぞ。異世界から来たなんて言っても信じてもらえるわけないしな。下手したら頭のおかしい奴って思われてアナスタシアが逃げてしまうかもしれない。それは困るぞ。どうにか誤魔化すしかないか。
「うーん、私もよくわからないんだよね。もしかしたら『魔導剣士』だからじゃないかな?」
「どういう事ですか…?」
「『魔導剣士』にはたくさんの加護が付いてるからあらゆる能力が向上されてるんじゃないかな?だから個人ランク1でもあれだけの事が出来る。そう考えると辻褄は合うんじゃない?」
「あ…確かに…」
チョロいなアナスタシアは。悪い男に騙されちゃうぞ。ま、俺がいるのに他の男を寄り付かせないけどな。
「でもそれだとしたらリンちゃんはもっと一気に強くなれますね…!」
「え?どうして?」
「個人ランク1ならすぐに10ぐらいまで上がりますよ!今の倍ぐらい強くなっちゃうんじゃないでしょうか!」
あー、確かにそうだな。低レベルの時はガンガンレベル上がっていくもんな、そうすればもっと強くなる。強くなれば龍にも近くし、ジュノーにも近づく。最高じゃん。ボーナスタイム最高じゃん。
「それにリンちゃんの剣も相当高ランクの武器ですよね。」
「そうなの?」
初期装備の剣が強いなんて事あるのか?せいぜい特典で貰える微妙なランクって感じじゃないだろうか。
「はい…!高ランクの武器は特殊効果が付いている物も多いのでそれもリンちゃんが強い理由かもしれませんね…!」
「へぇ。武器のランクってどうなってるの?」
「えっと…武器のランクは上からSS、S、A、B、C、D、E、F、Gの9段階で分類されていて、A以上の高ランクになると特殊効果が付いている可能があります。防具に関しても同じです。」
「そうなんだ。てことは武器屋とか防具屋もあるの?」
「ありますけど高ランク武具は滅多に売っていません。仮に売っていたとしても凄く高いですよ。」
「ちなみにいくらぐらい?」
「そうですね…恐らくは金貨5枚は下らないと思います。」
高っ!?急に値段が跳ね上がったんだけど!?最強系の装備を揃えるとなったら俺の手持ちじゃ全然足りないって事じゃん。俺の初期装備ってここで安全に人生送る為のものであってダンジョンに行く前提じゃないんじゃないだろうか。もしかしたら俺は危険な事に足を踏みいれようとしているのかもしれん。だが俺はダンジョンへ行く。だって男に戻ってアナスタシアやジュノーと肉欲の限りを尽くしたいんだから。それに他にも俺の夫人候補を探してハーレムを形成する。その為の異世界転生なんだ。平穏な日々などいらん。俺が欲しいのは男へ戻ってのハーレムライフ!!
「…ん?でも滅多に売ってないって事は他の冒険者はどうやって高ランク武具を手に入れてんの?」
「ダンジョンです。ダンジョンで一定の確率で現れる宝箱の中から手に入れています。それかボスですね。ボスはS以上の特殊効果付きが必ず手に入るらしいです。」
「それじゃS以上ってほとんど無いんじゃない?」
「はい。王国内にあるSS武器は2つで、防具は1つ。S武器は3つで防具は2つです。そのうち特殊効果付きはSSは全て付いていて、Sは武器の1つだけです。」
少なっ!?特殊効果付きの割合もそうだが、S以上の保有量が少なすぎだろ。どんだけ出現率低いんだよ。てことは高ランク武具を手に入れたら一気に強くなれるわけか。いじめられっ子がそれを手に入れたら急にイキれるようになれるわけか。ある意味チャンスは全員に平等に与えられてるんだから公平っちゃ公平か。
「パーティー申請を出してる間に『鑑定』してもらいませんか?」
「なにそれ?」
「ギルド2階のパーティー申請課の隣に鑑定課があるので承認待ちの間に見てもらったらどうでしょうか?」
課って言っちゃったよこの娘。もう役所確定じゃん。ギルドじゃなくて役所だよここ。
見てもらえるなら見てもらうか。普通RPGなら武具の効果説明は知る事が出来るもんな。知らないで使ってるのは効率悪すぎる。知れる情報はなんだって知るべきだろう。
「そうだね。教えてくれるんなら教えてもらおう。ちゃっちゃとパーティー申請して鑑定課に行こっか。」
「はい!」
俺はそっとアナスタシアの髪を撫でる。サラサラの髪だ。そのまま顔を近づけて髪の匂いを嗅いでみる。女の子特有の良い匂いがする。俺はそのままアナスタシアが起きるまで寝顔を堪能する事にした。俺だけの特権だ。
「ん…リンちゃん…?」
程なくしてアナスタシアが目を覚ます。じっと見られている事で気配を感じたのだろうか。俺の至福のひとときがあっという間に終わりを告げた。
「おはようアナスタシア。」
「おはようございます…えっと…どうしたんですか…?」
「アナスタシアの寝顔を見てたの。」
「えっ…?」
「フフ、可愛い寝顔だったよ。」
そう言うとアナスタシアは顔を赤くして布団の中に潜ってしまった。
「リンちゃん意地悪です…!」
「本当の事を言っただけなのになぁ。」
「もうっ…!!」
アナスタシアがすぐに布団から顔を出して不満気な顔で俺に何かを訴えている。
「フフッ、ごめんごめん。私は今からお風呂に入るけどアナスタシアはどうする?」
「あ、私も入ります。」
「じゃあ一緒に入ろっか。お風呂から出たら朝ごはん食べに美味屋に行こう。」
「朝から美味屋でいいんですか…?」
「もちろん。」
むしろ他のメシ屋なんて知らんし。王国の探索もしないといけないよな。かなり狭いコミュニティの事しかわかってないって感じはマズいだろ。
「そんなに贅沢させてもらってもいいんでしょうか…」
「全然大丈夫だよ。それに今日はダンジョンに入るつもりだし。身体が資本なんだから食べる事はいい加減にしちゃダメだよ。」
「わかりました…!ちゃんとリンちゃんの役に立てるように頑張ります…!!」
どっちにしてもアナスタシアは俺の為に身体で貢献してもらう事になるからちゃんと身体を作ってもらわないといけないからな。俺は性欲強いから毎日大変だぞ。覚悟は出来てるだろうな?
「お風呂行こっか。今日はドコまで洗って欲しい?」
「もう…!!リンちゃんは意地悪です…!!」
********************
朝メシを食べた俺たちはギルドへとやって来た。昨日は入る前にバトっちまったからギルドってもんがどんなもんかわからない。結構ドキドキするな。中二病を患っている俺としては非常に楽しみである。
「ここって私も普通に入っていいの?」
「大丈夫ですよ。まずは中に入って冒険者申請を出します。その手続きが終わったらパーティー申請ですね。」
申請ってなんだ?急にお役所仕事みたいになって来たぞ。申請に時間がかかったりしないだろうな。俺は今日ダンジョンに行く気満々だから出鼻は挫かれたくないぞ。
「申請って時間かかるの?」
「うーん…どうでしょう…?混んでいなければあまり時間はかからないと思いますけど…」
「それならさっさと入ろう。時間かかると面倒だし。行こっかアナスタシア。」
「は、はい…!」
アナスタシアを連れてギルドの扉を開ける。そこにある世界は俺の想像していたものとはかなり違っていた。役所。役所だ。天井付近には案内板もあるし、公務員みたいな奴らが応対している。何ここ。本当に異世界?実は何かのアトラクションにいるだけって落ちじゃないだろうな。
俺は上にある案内板を見ると『冒険者申請/登録』と書いてある札を発見する。この雰囲気に少しガッカリしながらもちゃっちゃと登録を済ませたいので案内板に従って足を進める。
冒険者申請のコーナーは幸いな事に誰も待っていなかった。これならすぐ終わると思い、ザ・公務員の眼鏡男に声をかける。
「すみません、冒険者申請に来たのですがどうすればいいでしょうか?」
「冒険者申請ですね。こちらの用紙に必要事項をご記入下さい。」
眼鏡男に渡された用紙に目を倒す。記入欄にある項目は『氏名、年齢、ジョブ、個人ランク、王国民か外国民かのチェック』となっている。個人ランクって何だ?困った時のアナスタシアに聞いてみよう。
「アナスタシア、個人ランクって何?」
「個人ランクはその人の熟練度を示すものです。例えばマーカスのランクが30みたいな感じです。」
アレってパーティーランクの話じゃなかったのか。何だかややこしい設定だよな。個人ランクの評価はパーティーランクに反映されんのかな?どうなんだろう。あとで聞いて見るか。今はさっさと冒険者申請をしないと。あれ?個人ランクってどうやって知るんだ?
「個人ランクってどうやって知るの?私そんなの知らないんだけど。」
「こちらの魔水晶で判別出来ますよ。」
俺がアナスタシアと話していると眼鏡が話に割り込んで来る。お前に聞いてるわけじゃねぇんだよ。俺はアナスタシアと話してるの。邪魔すんな眼鏡。
「魔水晶?」
「この紫色の水晶の上に手を乗せると自分のランクを知る事が出来ます。当然不正は出来ませんのでご注意下さい。」
ああ?するわけねーだろ。気に入らん眼鏡だな。これだからお役所仕事はダメなんだよ。
ま、いいや。イライラしても仕方無い。とっとと終わらせてダンジョンに行こう。
俺は魔水晶の上に手を乗せる。すると水晶が光り輝き、水晶本体に文字が浮かび上がる。
『あなたの個人ランクは1です。』
「えっ!?」
一緒に見ていたアナスタシアが大きな声を上げる。
「どうされましたか?」
突然アナスタシアが大声を出すから流石の眼鏡も驚いたのだろう。俺だって驚いたもん。
「いえ…その…壊れてませんかこれ…?」
「壊れていませんよ。最新式の魔水晶ですのでありえません。」
「え…だって…」
アナスタシアが俺の事をめっちゃ見ている。何だろう。何かおかしいのだろうか。
「そう思うのでしたらご自身で確かめて下さい。」
「あ…はい。」
眼鏡にそう言われるのでアナスタシアは魔水晶に手を乗せる。どんな結果が出るのか気になったので俺も水晶を見て見る。すると、
『あなたの個人ランクは17です。』
凄いな。俺より全然上じゃん。キャリアが違うんだから当たり前か。あ。アナスタシアが驚いてる理由がわかった。なんで個人ランク1の俺が個人ランク30のマーカスたちを倒せたのかって思ってるんだな。でも言われてみればそうだな。どうして俺が勝てたんだろう。『魔導剣士』ってジョブが異様に強いのだろうか。
「どうですか?壊れていますか?」
「いえ…壊れてないです…」
アナスタシアがしょぼーんとしてしまった。おいこら眼鏡。俺のアナスタシアを何イジメてんだ?アナスタシアをイジメて良いのは俺だけなんだよ。
「それでしたら必要事項の記入をお願いします。」
********************
冒険者申請が済んだ俺たちはパーティー申請をする為に2階へと上がって来た。いろんなところをたらい回しにされるのがお役所仕事の鉄板だ。何だかんだでそろそろ昼になってしまう。早くしないと本当に今日はダンジョンに行かれなくなってしまう。
「あ、あの、リンちゃん…!」
アナスタシアが不安そうな顔で俺に話しかけてくる。きっとさっきの件だろうな。なんて答えればいいんだろう。
「ん?」
「何でリンちゃんは個人ランクが1なんですか…?個人ランク1の人が30に勝てるなんてありえません…」
困ったな。なんて言えばいいんだろう。俺だって知らんぞ。異世界から来たなんて言っても信じてもらえるわけないしな。下手したら頭のおかしい奴って思われてアナスタシアが逃げてしまうかもしれない。それは困るぞ。どうにか誤魔化すしかないか。
「うーん、私もよくわからないんだよね。もしかしたら『魔導剣士』だからじゃないかな?」
「どういう事ですか…?」
「『魔導剣士』にはたくさんの加護が付いてるからあらゆる能力が向上されてるんじゃないかな?だから個人ランク1でもあれだけの事が出来る。そう考えると辻褄は合うんじゃない?」
「あ…確かに…」
チョロいなアナスタシアは。悪い男に騙されちゃうぞ。ま、俺がいるのに他の男を寄り付かせないけどな。
「でもそれだとしたらリンちゃんはもっと一気に強くなれますね…!」
「え?どうして?」
「個人ランク1ならすぐに10ぐらいまで上がりますよ!今の倍ぐらい強くなっちゃうんじゃないでしょうか!」
あー、確かにそうだな。低レベルの時はガンガンレベル上がっていくもんな、そうすればもっと強くなる。強くなれば龍にも近くし、ジュノーにも近づく。最高じゃん。ボーナスタイム最高じゃん。
「それにリンちゃんの剣も相当高ランクの武器ですよね。」
「そうなの?」
初期装備の剣が強いなんて事あるのか?せいぜい特典で貰える微妙なランクって感じじゃないだろうか。
「はい…!高ランクの武器は特殊効果が付いている物も多いのでそれもリンちゃんが強い理由かもしれませんね…!」
「へぇ。武器のランクってどうなってるの?」
「えっと…武器のランクは上からSS、S、A、B、C、D、E、F、Gの9段階で分類されていて、A以上の高ランクになると特殊効果が付いている可能があります。防具に関しても同じです。」
「そうなんだ。てことは武器屋とか防具屋もあるの?」
「ありますけど高ランク武具は滅多に売っていません。仮に売っていたとしても凄く高いですよ。」
「ちなみにいくらぐらい?」
「そうですね…恐らくは金貨5枚は下らないと思います。」
高っ!?急に値段が跳ね上がったんだけど!?最強系の装備を揃えるとなったら俺の手持ちじゃ全然足りないって事じゃん。俺の初期装備ってここで安全に人生送る為のものであってダンジョンに行く前提じゃないんじゃないだろうか。もしかしたら俺は危険な事に足を踏みいれようとしているのかもしれん。だが俺はダンジョンへ行く。だって男に戻ってアナスタシアやジュノーと肉欲の限りを尽くしたいんだから。それに他にも俺の夫人候補を探してハーレムを形成する。その為の異世界転生なんだ。平穏な日々などいらん。俺が欲しいのは男へ戻ってのハーレムライフ!!
「…ん?でも滅多に売ってないって事は他の冒険者はどうやって高ランク武具を手に入れてんの?」
「ダンジョンです。ダンジョンで一定の確率で現れる宝箱の中から手に入れています。それかボスですね。ボスはS以上の特殊効果付きが必ず手に入るらしいです。」
「それじゃS以上ってほとんど無いんじゃない?」
「はい。王国内にあるSS武器は2つで、防具は1つ。S武器は3つで防具は2つです。そのうち特殊効果付きはSSは全て付いていて、Sは武器の1つだけです。」
少なっ!?特殊効果付きの割合もそうだが、S以上の保有量が少なすぎだろ。どんだけ出現率低いんだよ。てことは高ランク武具を手に入れたら一気に強くなれるわけか。いじめられっ子がそれを手に入れたら急にイキれるようになれるわけか。ある意味チャンスは全員に平等に与えられてるんだから公平っちゃ公平か。
「パーティー申請を出してる間に『鑑定』してもらいませんか?」
「なにそれ?」
「ギルド2階のパーティー申請課の隣に鑑定課があるので承認待ちの間に見てもらったらどうでしょうか?」
課って言っちゃったよこの娘。もう役所確定じゃん。ギルドじゃなくて役所だよここ。
見てもらえるなら見てもらうか。普通RPGなら武具の効果説明は知る事が出来るもんな。知らないで使ってるのは効率悪すぎる。知れる情報はなんだって知るべきだろう。
「そうだね。教えてくれるんなら教えてもらおう。ちゃっちゃとパーティー申請して鑑定課に行こっか。」
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