【R15】ネクロマンサー風太 ~異世界転生 死霊術師のチート~

ぺまぺ

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5章 竜国編

41話 影踏み

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「笑うな!」
『アッハハハ……。
本当に滑稽で間抜け、鍋に飛び込む蛙ぐらい滑稽』
 幽霊……ロベルアが目の前を笑いながら飛び回っている。
 放置して女の元へ行ったことに腹を立てて、笑いものにしていた。

 幽霊の分際で生意気だ。
「勇気を出して彼女の寝室に行ったのに。
本気にした? 本物の姫様は学園にいらっしゃいますよ、フフフッって」
 そんな事を言われたら頭が真っ白になるだろう。
 カーテン付きの豪華なベット。

 それをメイド達が取り囲んで見ている中でのこと。
 ただでさえ人に見られて緊張して動揺している。

 影姫は、服を脱がせてって挑発しくるし。
 初めてのことだしドキドキ鼓動が激しくて、すごく興奮していたのが恥ずかしい。
 思い出すだけで、真っ青になる。
『それで手を握って一緒に寝ただけって。
男として情けない』
「悪いか。
メイド達に見られいるんだ、二人にしてくれたら……」
『ヒィー、ハハハハッ……。
あー情けない、メイド達も誘うぐらいの度量を見せないと、父も数人を抱いていたわ』
「そんな豪快なら、悩んだりしない。
ああ、もう皆に笑い者にされてると思うと気が重い」
『アハハ。
今直ぐ抱いてきなさい』
「なんで。
もう萎えてそんな気分に成れない」
『メイドに奉仕させれば……。
アッハハハ……』
 完全に馬鹿にしている。
 確かに見られて居るのを気にしてヘタレな感じになったけど。
 そこまで悪いとは思ってない。
 初めての事だし、そんな慣れたように振る舞えるわけがない。
「ムカつく奴だ」

『ベットの下を見てみなさい。
誰かが置いたものがある』
 鉛の箱、お菓子でも入っていそうな感じだがずっしりと重い。
 中に薄っぺらい本が゛一冊入っていた。
 表紙には何も書かれていない。
 
 めくると……。
 あはーんな絵が、なんて破廉恥な。
「これはえっちな本!
何でこんな所に……」
『アハハハ。
それぐらいで動揺するなんて。
それはきっと、こういう事をして欲しいと置いたに違いない』
 その可能性は、微々たる程度にはあるのか?
 解らない。
 いや、こんな物を持っている人物を知っている。
 あの変態女に違いない。
「俺の部屋に隠すとは……。
突き返してやる」
 
『所で私を生き返らせてくれたら。
教えてあげてもいいわ』
「ゾンビとして復活したいのか?
早く消えてくれ、なんで俺に取り付いているんだ」
『こんなに面白い男がいるのに、何処かへ行くなんてあり得ない。
珍獣として見ててあげるから』
 厄介にもほどがある。
 霊に取り憑かれると、勝手に生命力が吸われて行く。
 それに見聞き出来る分、邪魔だ。
 死霊術でアンデットにしたら、今でも制御不能なのに手が付けられなくなるのは容易に想像付く。
 
 ロベルアは腹を抱えて笑いだす。
「ああ、どうしたら良いんだ。
クロニャは何処に……」
「にゃーん♥」
「君が連れてきたんだ。
なんとかしてくれ」
 クロニャが、スゥーと人の姿になった。
 ピクピク猫耳が動いて、ニヤニヤして喜んでいる気配すらある。
 君も笑っているのか?

「彼女には御主人様の偉大さがわからないのです。
水魔将を打ち取った、あの炎の爆発は見事でしたよね」
 んん……。
 あの時は、クロニャは居なかった筈。
 それなのに知っているという事は、影に隠れて見ていたと言うこと。
 
「ああ、君が手を貸してくれんだろう。
助かった」
 試し打ちの小さな火がどうして大爆発したのか謎だった。
 内部が水素みたいな、可燃性の気体で満たされていたのかも知れないが……。
 別の要因があったと考えた方がスッキリする。

 その予感はあっていた。
 クロニャは風太に抱きつき、頬に口づけする。
「御主人様、やはり気づいていましたか。
ああ、私のような小物が手を出さずとも撃退したでしょう。
でも見ている内に熱くなって手を出してしまいました」
 そう言えば、門を突破した時も異常な力を発揮した。
 にも関わらず、封印の反動が起きない不自然さ。

 影で暗躍し、成果を自慢することもない。
 それが彼女なりの愛情なのだろう。
「他にも色々とありがとう。
俺が気づいていなと思っているのか?」
「この身は御主人様の為にあります。
私で良ければ、何なりとお申し付け下さい」
 クロニャはロベルアを摘む。
『なっ、待て何を……、ぎあああぁぁぁっ』
 一瞬の内に吸い込み飲み込んでしまった。
 
「食べたのか?」
「私の一部として、取り込みました。
彼女を切り離す事で蘇らせることができます」
「……。
まさか、モエギも君が?」
「はい、何時までも御主人様の生命を吸い続けているのは不快でしたので。
それにあの脆い肉体に縛り続けていれば魂も壊れていずれ消滅していました」
 良かったのか判断は誰にもできない。
 ただ、それが救う為、善意なのは間違いない。
「今度からは相談して欲しい。
彼女を解放することも出来るのか?」
「はい。
それには御主人様の愛が必要です。
その……、交わりがあれば、子として……」
「それは人間として生まれるのか?」
「おそらくは四つ耳族の様な、半分魔族になるかも。
それは試してみないと解らないです」
 クロニャは恥ずかしそうに顔を赤らめて、指先で丸を描いている。
 
 二人の子として生まれるということなのだろう。
 つまり女子ということが確定しているというわけか。
 男側の遺伝子にしか、男性になる遺伝子がない筈だが……。
 この世界では、前世の常識は通用しないのだろうか?
 興味深い。
「記憶は引き継がれるのか?」
「さあ……、試してみないと。
ニャハッ……」
 クロニャがあの本をチラチラ見ていることに気づく。
 欲情しているのか。

 今はそっとして欲しいのに。
「大切にしていてくれ。
考えておくことにする」
「んんっ。
御主人様は……、もう少し大胆に成られたほうが良いです」
 クロニャは猫の姿になって何処かへ行ってしまった。
 気がついたら誰も居ないなんて事にならないか?
 ああ、どうしよう。

 
 トントン!
「アメジアです。
入って宜しいですか?」
「ああ、少し待ってくれ」
 本を箱に戻しベットの下へ。
 扉を開けると、アメジアがさっと部屋に入りベットの上に座る。

義兄おにい、と呼ばさせて頂きます。
今後の話ですけど」
 鬼?
 そんな酷い事をした覚えはないけど……。
 一体、どういう事なのだろうか?

「うん。
お手柔らかに……」
「結婚を妨害して台無ししてくれましたよね。
責任を取って、私と釣り合う相手を探して下さい」
 ロベルアがベラベラと話してくれたから、王子の計画は大まかに見えている。
 初めから結婚するつもりはなく、玉国との戦争の口実を得るに利用しただけに過ぎない。
 大人しく従順そうなアメジア姫が選ばれたのも、利用するのに都合が良かったからだろう。

「生贄になる所を助けた。
感謝してくれても良いだろう」
「ええ、理解しています。
だからと言って、このまま放置されたのでは生贄になった良かったと後悔します」
「なんでだ?
君なら十分、魅力的だから直ぐに相手は見つかるだろう……」
「国を捨て亡命した哀れな女を誰が喜んで向かいれてくれるでしょう」
 確かに彼女と釣り合う身分となると、それなりの地位に居るべきだろう。
 幸せに成って欲しいし、哀れだと見下すような相手では駄目だ。
「解った。
君の希望を教えてくれ」
「強くて私と共に成長しようと向上心のある方です。
私は国を取り戻し、かつての平穏を取り戻したい」
 幼いのに、そこまで考えているのか。
 協力したいが、そもそも男とはそんなに巡り会えていない。
 
 そうか。
 結婚は始まりに過ぎない。
 そこから一緒に成長していくものなんだ。
「ありがとう。
君のお陰で行くべき道が見えた気がした」
「んん?
では誰か心当たりがあるのでしょうか?」
「いや、まだない。
けど君に満足してもらえるように探すつもりだ」
「それは嬉しいです。
貴方が義兄おにいで良かった」
 ……鬼で良かった?
 
 アメジアが立ち上がろうとした時、かかとに箱が当たる。
「何かあります。
これは美味しそうなお菓子ではないですか、これには目がないんです」
「待って、違う……、開けるな……」
 静止を聞かずに開けてしまう。
 薄い本が風でめくれて、アメジアは顔を赤くする。
 それもその筈、おっぱい丸出しで恥ずかしげな言葉が羅列されているのだ。

「なんて破廉恥な!
義兄おにいは、最低です!」
 アメジアは怒って風太に詰め寄る。
 誤解を解かないと人生が終わってしまう。
「それは俺のじゃない。
後で返そうと思っていたんだ」
 見苦しい良いわけだと言ってて思う。
 何の説得力もない、そもそもそれって借りて読んでいただけのように聞こえる。
 あー、なんて説明すれば良かったんだ。

 知らなかったわけじゃないし……。
「ふん!
そんな言い訳なんて見苦しいです」
 うう、もう何を言っても余計に傷口が広がりそうだ。
 罪を認めよう、それが一番傷が浅く済む。
「確かに……。
ごめん」
 誤解は後々解けばいいだろう。
 彼女は利口だからきっと解ってもらえるはずだ。

「クスクス……」
 アメジアは怒っていたが、我慢できなくなって笑ったようだ。
 
「何を笑っているんだ?」
「だって、手を握るだけだったと聞いて心配していたのです。
王家の血筋を絶やしたくはないですから」
 血筋を残すって意識したこと無いよな。
 高貴な一族は、そういう事を意識するのだろう。
 
「ああ、心配かけてごめん。
メイド達が見守ってる中でなんて恥ずかしくて……」
義兄おにいは強いです。
ですから、見られるのが嫌なら追いだとしてしまえば良いでしょう?」
「成る程……。
それが習わしだとか、当たり前だからって聞いていたから……」
 伝統やら格式なんて、昔の人が決めた事だけど。
 大切で守らないといけない気がする。
 秩序も好き勝手にしたら崩壊してしまう。
 従う事が善で、拒否することは悪だ。

 悪人になれと言うのだろうか?
 姫様なのに。
「常識を塗り替えるのも私達にはできます。
それが権力というものです」
「そうなのか……?」
「異界人が現れる以前、古代の人々達は大地が平らだと信じていました。
ですが、今では地面は球体だと証明され地面が動いているのだと理解したのです」
 流石、姫様の言葉は重い。
 ここだけの規則を決めたって良いんだ。
 天動説のような、誤った考えを改めるのも大切なんだろう。

「ありがとう」
「これは私がアマネルに渡そうと思って用意したものです。
彼女に渡しておきますね」
「えっ?
じゃあ何でここに……」
「メイドが間違えて置いたのでしょう」
 いつ置かれたのか考えていなかった。
 帰宅前から有ったと思っていたが、実際はもっと後のこと。

 だからロベルアが気になって、見るように伝えたのだろう。
 何か怪しいものが置かれたのを目撃して、それが何か楽しみで開けさせた。
「姉妹と言うことか。
悪戯は程々にしてくれ」
「本物の姉は、胸の右上に大小のホクロがあります。
騙されないようにね」
「そんな秘密を……」
「連れ去ってくれたお礼です。
では、失礼します」
 要件を済ませるとササッと去っていく。
 男の部屋にずっと居座るのもどうかと思うが……。

 呆気にとられるほど、手際の良さだ。
「学園に会いに行けってことなのか?
うーん、どうしようか」




 フードで顔を隠した怪しい二人が訪れる。

 客間と言っても、椅子とテーブルしか無い淋しい部屋。
 グラスに入った水ぐらいしか用意されていない。
 風太が部屋に入ると、二人はフードを外し顔を見せた。
 一人は肩丈の水色髪、花飾りを付けている。
 やや童顔で可愛い雰囲気。
 もう一人は藍色の短髪で劇で男役をしていても不思議じゃないカッコよさと美しさを持っていた。
 知らない顔で初見の筈だ。
 
 水色髪の女が頭を下げ名乗る。
「私はカミューラ。
彼女は付き人のディアム」
 二人は同時に告げる。
「「フータ殿、私達と共に来て頂きたい」」
 フータか。
 それは王国で使っていた偽名だ。
 つまり彼らは王国の関係者か。

 下手をすれば闘いになりかねない。
 警戒しつつ席に座る。
「何処で俺のことを知ったんだ?」
「私達は玉国の辺境から来ました。
貴方は偽装して法術士の資格を得たでしょう」
 シャオーリ姫の裏工作が合ったから出来たことだ。
 非合法な事なのかも知れない。
 彼女は平然と不正を働くから、いつかバレて破綻すると思っていたが思ったよりも早かった。
 彼女達は役人だろうか……。
「不正を咎めに来たのか?
今は戦争中らしいのに、随分と余裕だな」
「いえ、私達は貴方に協力したのです。
ですから、見返りに助けて欲しい」
 もう関わるつもりはなかったが、玉国に戻れというのだろうか。
 王国と戦うのは流石に気が引ける。
 救おうとした者達を犠牲にすることになるからだ。
 
「俺は王国に顔が知れ渡っている。
もし裏切ったと知られれば、領民が襲われてしまう」
 カミューラはローブをまくり、足を見えるようにクロスさせる。
 スラリとした綺麗に手入れされた生足だ。

 誘惑で落とせると思っているのだろうか?
 残念だが、これぐらいの足は見慣れたものだ。
「配下の者を貸して頂けだけでも……。
王国とは決別している事はアメジア姫から聞いています」
 シャオーリの亡命によって、玉国の住人は帝国への移住が許されている。
 戦わずに逃げてくれば良いだけだ。

 住んでいた土地を守りたい気持ちは解る。
 それに彼らが行っていた難民の扱いを考えれば、嫌がるのも解らなくもない。
 けど命の方が大切だろう。
「帝国に移住するなら手伝っても良い」
「いいえ。
これを見せれば考えが変わるはずです」
 ディアムが筒から、旗を取り出す。
 結晶の竜が描かれている。

「これは竜人の長老……。
なんでこんな旗を」
 カミューラは机に乗り出すような格好で胸元が見えるように前屈みの姿勢に。

 そんな事をせずとも誠実なら話を聞くのに。
 誘惑してくると、胡散臭く感じてしまう。
「フータ殿の領地と同じく、竜の国に制圧して欲しいのです。
我々は竜人を神として崇めてきました」
 竜人レモプティが王国と揉めて、土地を制圧してしまった経緯がある。
 もう王国に対して配慮するつもりはないと言うことなのだろうか?
 でも水魔将によって、壊滅的な被害を受けたはずなのに……。
 ……そういう事か。
 俺を竜人族の代表として利用するつもりだな。
「でも良いのか?
竜人が人の扱いをどうするかなんて解らない」
「心配してくれるのは嬉しいです。
でもご安心を今まで通りの扱いを約束してくれています」
「自ら助けずに、俺に頼るように指示たんだろう?
力を持っているなら、直接助けても良い筈」
「多くの竜人が休眠期に入っていて、今は眠くて動けないようです。
魔族の襲撃で被害がでたのも、それが原因と聞いています」
 本当なのか、判断が難しい。
 休眠期で眠そうにダラダラしている所は見た。

 でも直ぐに起きて、キビキビと掃除していたから……。
 浅い眠気で、より深くなって起きられなくなる感じなのか?
 何にしても、また利用される訳だ。
「解った。
手助けはするけど、俺は表舞台に出られない。
少し考える時間をくれ」
「私はここに残らせて下さい。
以降はディアムが案内します」
「構わないけど、何時まで居続けるつもりだ?」
「フータ殿が、見事に成し遂げてくれるまでです。
報酬として、一生を捧げるつもりですので是非、よろしくお願いしますね」
「ちょっと待て。
そんな報酬はいらない……」
 カミューラは俯き体を震わせた。
 困惑する風太に顔を近づけける。
 彼女の目に涙がたまって今にも泣き出しそうだ。
「私の何が良くなかったのでしょうか?
望まないのであれば私は首を切って自害する覚悟です」
「待て待て、報酬は無くても大丈夫だから。
君は自由に生きたら良い」
「いいえ。
皆で決めたことで、戻ればどんな仕打ちが待っているか……
家族にも迷惑がかかってしまいます、うぅぅっ」
「解った。
受け取るから、泣かないでくれ……」
 カミューラは微笑み、嬉しさから手を握る。
 
 手が濡れていることに気づく。
 あっ……。
 グラスの水を利用したのか。
 手で目の辺りを濡らせば、涙に見える。

 迂闊だった。
 そんな手に引っかかるなんて。
「では、外で待っています」
 ディアムはそう言って部屋を出ていく。

「突然の事で困惑しているのは解ります。
こんな事になるのなら、王国と手を結ぶことに反対していれば良かった」
 気がついたら手遅れとなっていたのだろう。
 シャオーリはそれに気づいて事を起こしたことで、妹を助けることは出来た。
 俺は、それでひどい目にあったけど。

「過去より、今からでも未来を変えようと動くしか無い。
君にも出来ることがある筈だ」
 具体的なことは解らない。
 でも過去を悔やむより前向きに考えた方が何倍もましだろう。

「はい。
やはり貴方に頼んで良かったです」
「じゃあ、俺は行く」
 風太が、部屋を出ようとすると腕を掴まれた。
 頬に口づけを貰う。
「貴方に祝福を」
 どうも信用成らない女だ。
 けど竜人族の旗を持ってきたと言うことは、竜人と何かしらの繋がりがあるはず。
 この目で確かめないと行けない気がする。
 これが竜人の長老が与えた試練だとしたら……。

「ありがとう」

 

 

 封印した棺桶がある。
 吸血竜と化したラビリスが眠っているわけだが、叩き起こして従わせるのは難しい。
 何故なら、自由を求めており。
 再び封印されることを嫌がっているからだ。
 もし出してしまうと、制御が効かなくかも知れない。

 以前、スケルトンが暴走した時があったが、その時は危うく殺される所だった。
 
 自らから出ていくと、流石に正体に気づかれるだろう。
 新しく制御するアンデットを用意できれば……。
 ロベルアが一瞬よぎる。
「駄目だ。
アレを制御出来るがしないな……」
 背後から抱きつかれる。
 胸の感触から、こぶりな感じがする。
 えっと誰だろうか……。

「話は聞いていたわ。
ねぇ、私を連れて行って欲しい」
 サーシャリの声だ。
 髪から、甘い花の香が漂う。
 香水でも付けているのだろうか?
 でも、この香りは初めての気がする。
「盗み聞きをするなんて良くない。
それに君には関係ないだろう?」
「何かあった時に直ぐに駆けつけられるように、隣は話が聞こえるように成っています。
会話をしっかりと記録するのも仕事です」
 メイドの仕事か、いや別の役目を与えてもらっているはず。
 まさか監視役じゃないだろうな。

「君の役職は何だ?」
近衛騎士ガードナイトを任命される予定です。
今はまだメイドとしてお使えしています」
 盾騎士か……、守り専門ということなのか?
 なら彼女に任せてみるのも悪くない。

「身代わりとなってくれるか?
俺は君の召使を装う」
「はい。
お任せ下さい」

 パッチン!
 
 サーシャリが指を鳴らすとメイド達が集まり、一瞬の内に着替えが終わった。
 召使らしく、程々の服装に顔を隠す前に布が付いた頭巾をかぶる。
 早い、サーシャリも貴族風の立派で派手な服となっていた。
 赤を基本として、金の装飾が施されている。
 フリルで飾られたスカートは華やかだ。

 帽子を被ってトランクを持って出かける準備は終わった。
 つばの長い帽子に羽根飾りが付いていて、どこかに旅行にでも行くのかと言う雰囲気だ。
 これから戦争の真っ只中へ行くのに、その格好は流石に場違いな気がする。
「その服装は?」
「故郷の貴族衣装です。
竜人族とは交流があるので、この格好ならむしろ信憑性が増すでしょう」
 王国の結婚式に呼ばれるのだから、それなりの身分なのだろう。
 服装を見て何処出身か解るように成ったほうが良さそうだ。
 後で教えてもらおう。

「うん。
黙って付いていくことにする」
「風太殿の事はなんて呼べば良いかしら?
流石に名前で呼ばないのは不自然でしょう」
「君で良いよ。
俺も良く君って言うから」
「駄目です。
それは伝統的にあり得ないことですから、きっちり名前を呼ぶ必要があります」
 うーん。
 正体を隠すつもりなら、伝統に従ったほうが良いだろう。
 でも、適当に考えた名前を呼ばれても、うっかり忘れて反応できないと困る。
「カゼーフって呼んでくれ」
 異界人なら気づくかも知れないが、読み方を変えただけだ。
 
 サーシャリは不思議そうに首を傾げる。
「どうして、そんな汚い名前にするのでしょう?」
「どういう事?
特に意味はないんだけど、風がフーと吹くって感じで覚えておいて」
「成る程、私達の国では悪魔の糞という意味になるわ。
召使だからって余りにも酷い名だと思ってしまって」
 ……国が違えば、変な意味を持つ場合もあるんだ。
 知らず知らずの内に勘違いされている言葉とかあるんだろうか?
 今までそんな感じのは無かった気がする。
 
「もし、変なことを言ったら教えて欲しい。
まだまだ知らないことが沢山ある」
「はい。
では荷物を持ってくれる?」
 メイドが新しくトランクを持ってくる。
 中には、以前に死者の森で発見した武器が入っていた。
「思ったより軽いな。
見た感じは重そうな武器が入っているのに」
「トランクに浮遊の法術が施されているようです。
数字が振ってあるので、番号を叫んだら渡して下さい」
「解った」
「返事は了解。
もしくは、かしこまりました」
「了解。
打ち合わせは移動しながらして欲しい」
「ええ。
客人を待たせてるのは良くないですから、……私の後ろを離れないように」
  ただ歩くだけでも高貴だ。
 優雅で堂々として頼もしく感じる。

 こけなら気づかれる心配もないだろう。
 そもそも彼女は貴族であり、それなりの地位にいたはずだ。

 

 馬車に乗り、帝国を出る。
 関所の出入りはほとんど無く、玉国から人が来ている気配はない。
 門番が一言告げる。
「難民の暴動が起きているらしい。
出国するのは危険です」
「それを解決するために行きます。
心遣いありがとう」
「では、お気をつけて」
 帝国側も警備の兵を増やしているようだ。
 以前よりも、多数の兵士が守備についている。

 関所を抜けると、防御用の木柵を増設している人達の姿があった。
 王国が攻め込むと予想して防備を固めているのだろう。
 サーシャリは悩ましげな顔で聞く。
「帝国は兵力をかき集めることが出来ずにいます。
私一人が行っても、戦局は変わらず負けるでしょう意味はあるのでしょうか?」
 確かに彼女では難しいだろう。
 王国の兵数は6万前後だった筈。
 それを一人で相手して勝てるわけがない。

 ディアムも、それは十分理解している。
 拒絶され、説得するために数日を要する覚悟で居た。
 むしろ拒否し続けてくくれば、王国に占領されて自分は戻らずに済むとさえ思っていた。
 そんな本音は流石に伝えるわけにいかない。
 考えているフリをして深刻そうに告げる。
「竜人族の助けが来るまでの時間稼ぎをして頂ければ良いのです」
「それは貴方達が旗を上げて待てば良いだけでしょう。
私達を呼ぶ理由には成っていない」
 確かに彼女達が旗を上げても、王国は警戒して近づかないだろう。
 竜人族との全面戦争に発展すれば、王国が滅びるかも知れない。

 竜人の長老は、水魔将と同等いや、それ以上の強さがある。
 そんな化け物じみた相手と戦える者が王国にいるとは思えない。

 ディアムは祈るような格好で手を合わせた。
「裏切り者によって村の情報が漏れています。
竜人族が不在なのが筒抜けです」
 法術士の試験で、ある村長が王国に情報を漏らしていた事が発覚した。
 それと同じ様な事が各地で起きていたのだろう。
 だから姫は手遅れと証拠を処分したのか。

「疑問に思うのは、貴方の住む場所は辺境でしょう。
特に重要な拠点があるわけでもないのに、王国が攻め入るとは思えないわ」
「はい。
王国本隊は都市を包囲し、少数の兵で村を襲い略奪しているのです」
 大軍を維持するには、大量の食料が必要だ。
 敵地で現地調達……略奪を行うのは、ごく自然でむしろ当たり前である。
 
「なるほど。
私達は少数の略奪部隊を相手にすれば良いという訳ね」
「はい、既に近隣の村が焼かれて、逃げて集まってきています。
全滅する前に対処して下さい」

 猫耳の貴族ラベーオが守備する街に到着する。
 門は閉ざされ入ることが出来ない。
 数人の兵士が馬車を取り囲む。
「外に出て並べ」
「なんて無礼な。
私に命令出来ると思いか!」
「今は他国の貴族であっても、我が国の規則に従ってもらう。
抵抗するなら、馬車を破壊する」
 突破することは難しい。
 渋々従うが、サーシャリはいきなり兵士の頬を打った。

 ええっ、そんな事をしたら捕まるだろう。
 ぞっとした風太だったが、兵士は睨みつけただけで反撃する様子はない。
「貴女は何の目的で、ここに来た?」
「私はサーシャリ、彼女の護衛で村に送り届ける予定です。
この街を通らして欲しい」
 サーシャリは苛立ち足でトントンと石畳を鳴らす。
 闘いになりそうでヒヤヒヤものだ。
 
「では、そっちの顔を隠している奴は?」
 顔を出しても良さそうな気もするが、王国での活躍が知られていれば捕まってしまう。
 ラベーオに会えれば、通してくれるとは思うが……。
 下っ端の兵士に融通が利くのか疑問だ。

「彼は召使です。
私の命令なら何でします、さあ椅子になりなさい」
 えっ?
 なんて言った。
 椅子になれって、どういう事だ。
 
 サーシャリは風太の頭を押さえつける。
 何だ……、怒っているのか?
 困惑しつつも四つん這いになった。
 
 彼女はそこに座り、兵士を睨みつける。
 重い……、いや思ったより軽い。
 体重を掛けないように、空気椅子みたいにしてくれているのか。
「もう良い。
壁伝いに進んでいけば、村への道に出るだろう」
「整地されてない場所を進めと?
この屈辱は忘れませんわ」
「ふん。 貴女の相手をしているほど暇ではない。
さっさと行け」

 馬車に乗り込み、馬に鞭打つ。
 勢いよく走り出す。
 逃げているだけだが、怒りに任せて走らせたようにも見える。
「風太殿、失礼をお詫びします」
 ガタガタと馬車が揺れる。
「いや、足止めで時間を潰さずに済んで良かった。
でもどうして帝国からの馬車なのに閉鎖しているんだ?」

 ディアムの顔色が真っ青になって唇が震えている。
 そんな彼女が馬車の跳ね上がりで浮かび上がった。
 風太は、抱き寄せて落ちるのを阻止する。
「あれは王国の兵士です。
まさかと思いますが、都市は陥落してしまったのでしょうか」
「玉国の旗が上がっているのに。
それにどうしてそう思うんだ?」
 揺れは激しく、時に跳ねる。
 しっかりと支え彼女が飛び出さないように抱きしめている。
「来た時には別の兵士が立っていました。
合言葉を告げたら返すようにと指示を貰っています」
 合言葉の話はなかった。
 それだけで王国兵と決めつけるのは、飛躍しすぎな気がした。

 ディアムの顔色が赤くなりつつ、少し恥ずかしそうだ。


「彼女の予想は当たっていると思います。
私の暴挙を無視したのは、敵を作りたくなかったからでしょう」
「あの時、捕虜に出来た筈。
なんで回り道させたんだ?」
 ガタン!
 揺れて話しづらい。

「厄介事は他へ回したいと考えたのでしょう。
もし私を捕らえようとすれば被害が出たのは間違いないわ」
「君がそんな強く見えたのか?」
「ええ、彼らにとっては脅威なのは間違いない。
何も出来ずに彼らは切り刻まれていたでしょうね」
 自己評価が高いのか、実際に強いのか解らない。
 いや貴族は魔法が優れていて圧倒的な力を持っている。
 つまり彼女も……。

「彼らにお礼をしておこうか。
こんなガタガタ道を進ませてくれた事に……」
 指先で五芒星を描く。
 さあ行け!

 小さな火花が散った。
 ドドドドーン!

 連鎖的に爆発音が響き、空に炎の花が開く。

 派手なだけで何かすごい破壊力がある訳でもない。
 驚いて空を見上げるだろうか。

 馬車はやっと舗装された石畳へと戻る。
 一気に駆け抜ければ、村まで一直線。


「きゃあぁぁぁっ!」
 女の悲鳴が響き渡る。
 兵士達に追われて逃げている若い娘の声。
 転び今にも斬り殺されそう。
「3番よ」
 戦槌バトルハンマー
 金属部分が模様の線で分割されているように見える。
 未来的な印象を受けるが、古代の武器なのだろう。

「了解!」 
 受け取ったサーシャリは投げつけた。
 クルクルと回転し、遠く離れているにも関わらず兵士の兜に直撃する。
「あの馬車を先に狙え!」
 
 戦槌はクルクル回転して空中を飛び戻ってくる。
 また新たな犠牲者が……。
 そしてサーシャリの手に収まる。
「私は竜国の使者である!
命が惜しくなければ掛かってきなさい」
 兵士が止まる様子もなく、剣を振り回しながら迫ってくる。
 連携など無い、無法者と変わりない練度だ。

「うおおぉぉっ」
 風太は馬車を降りて、迫ってくる兵士達の方へ歩いて行く。
 ディアムは驚いて声をかけた。
「召使の方、後ろに下がって。
斬り殺されてしまう」
「俺は腹が立っている。
なにんでこんな野蛮な連中を助けようと思っていたのか……」
 王国民を助けたいと思って行動していたのは、王子に指示で巻き込まれただけだと思っていたからだ。
 女を寄って集って襲うような行為は許せない。

 兵士の斬撃をすり抜けるように避け、腰に差してある予備の剣を奪い取る。
 兵士達はウスノロな動きにしか見えず、とても訓練されているとは思えない。
 鎧の隙間に剣を刺すぐらい容易く、瞬く間に兵士達が地面に伏した。
「すまない。
怒りまかせて、全員やってしまった」
「ついつい、見とれてしまいました。
ああ、貴方と共に戦えることに胸の鼓動が高まっています」
「彼女を助けてくれないか?
後処理をしておく」
「はい。
では私の演技を御覧ください。
彼女を落としてみせます」
 いやいや、そんな事を頼んでないし落とすってどういう事だ?
 彼女とは住む世界が違うのかも知れない。

 兵士にゾンビパウダーを振りかける。
「任務が終わった。
竜人族にあったが、この通り始末して万々歳だ」
 ゾンビ化して兵士達は雄たけびを上げて、勝利に歓喜する。
 彼らは刷り込まれた言葉を信じて帰っていく。

 考える力は無く、ただ言葉を信じて動くそんな動く人形同然だ。
 いや、徐々に思考力が衰えて獣のように人を襲うようになる。
 害悪でしかない。

 恐らく拠点に戻った頃には知性は無くなって、化物として暴れるだろう。
 もし知性が残っていれば伝言が届く。
 まあ余り期待してないけど。


「助けて下さい。
村が、村が……うううっっっ」
「私に任せて、何処か案内してくれる?」
「ううぅぅっん。
うん、……ぐすっ、こっち……」

 娘が指す方向に、煙が上がっている。
 今、まさに焼き討ちが行われているのだろう。
「今から行っても、間に合わない。
それでもまだ助けられる命があるはず」
 サーシャリは加速の法術を掛け、ダダダと走り出す。

「俺を置いていくつもりか。
待て……」
 風太が追いかけようとすると、ディアムが抱きつき止めた。
「貴方はフータ殿ですね。
その村は初めから犠牲となる事が決まっています、私達の村へ来て下さい」
「彼女を見捨てる気はない。
俺も一緒に行ったほうが有利に戦えるだろう」
「もう間に合いません。
彼女も引き返してくるでしょう」
「……騙したら許さない。
今は機嫌が悪いって見ただろう」
「はい。
その娘を縛って捕らえて下さい、裏切り者です」

 娘は驚いて首を振り否定した。
「えっ。
私が何で、村が襲われて逃げてきただけなのに……」
 見た感じでは判断はできない。
 こんな幼い娘が嘘を付いているとは思いたくない気持ちはある。
 ディアムを信じて良いのか解らない。
 だが万が一の事を考えれば、捕らえておいたほうが良いだろうか?

「君が縛っておいてくれ。
縄はトランクに入っている」
 真実は今夜にでも解るだろう。
 もし裏切り者だったら、娘の周りに悪霊が飛び回ることになる。
 だが何もなかった時……。


 
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