【R15】ネクロマンサー風太 ~異世界転生 死霊術師のチート~

ぺまぺ

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6章 帝国編

54話 復活

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「学園の風紀が乱れています。
以下の規則を設けたので遵守するように」
 生徒会を名乗る場違いな者達が現れるようになったはごく最近のことだ。
 学園生達が交流するための広間を占拠し演説を初めたのだった。

 風紀委員バロジーク。
 強面の屈強な男、竹刀を手に生徒会と書いた鉢巻を付けている。
 場違い、ここだけ別世界に来たかのような雰囲気を醸し出していた。
「根性棒で活を入れて欲しい者は居るか?」
 バシッと竹刀が振り下ろされた。
 学園生達は関わらないように、その場をそっと離れていく。
 そんな中、向かって行くものがいる。
「そんな暴挙は許しません!」と言うと同時に、ラカーユはハンカチを投げつけていた。
 決闘の意思と見なされても仕方のない行為。
 全員がドン引きするような、余計なこと。
 相手にしなければ良いだけの相手である。

「ならば決着を付けねばならぬな。
秩序を取り戻すために」
「望む所、丁度腕試したいと思っていたのよ。
洗練された法術を受けてみなさい」
 ラカーユは以前の失態から色々と応用の効く法術を用意し対策している。
 それが自信となって余裕を見せていた。
 
 バシッ!

 竹刀の一撃にラカーユは頭を抑える。
「いきなり叩くなて卑劣な事を。
正々堂々と決闘場で勝負しなさい」
「何を言う、決闘はその場で行うもの。
油断していた貴女が悪い」
「何が秩序よ、学園の規則を破るなんて。
絶対に許さない」
 ラカーユはすぐに間合いを取るために後ろへ飛んだ。
 そして法術を仕掛けようとした。
 クラクラ……
 
 揺れ動く何故か風景が流れるよう。
 焦点が合わせられない。
 ただの一撃ではなく、脳を刺激し感覚を狂わせる。
 そんな状態で法術は使えない。

「立っているだけで苦しそうだな。
法術に慢心し己の肉体を鍛えていないから、そういう事態に陥る」
 法術を扱うにも精神力だけではなく、体力も鍛えなければ直ぐに息切れする。
 ラカーユは一般的な法術士並には鍛えていた。
 それを否定され怒りに震える。
巫山戯ふざけるな。
私だって毎日鍛錬はしている」
 ふと風太の顔が浮かぶ。
 冷静になれと助言を思い出す。
 
 相手の土俵に乗って戦えば確実に負ける。
 挑発に乗って怒り任せに動けば以前の二の舞い。

「負けを認め、生徒会に遵守すると誓え。
今なら反省文を書くだけで許してやろう」
「ふふーん、まだ勝負はついていないのに。
既に勝った気でいるのは滑稽こっけいね」
 ラカーユは更に後退し間合いを開く。
 設置型の法術を設置しておいた。
 射撃型と違って近づけば直撃できる。
 
「愚かな、力量の差もまだ解らないとは……。
その程度だから、崇高な生徒会の理念も理解できない」
「力量を見誤っているのは貴方。
赤き茨の歌姫に魅了され舞う刃ダンシングソード
 一本の剣が地面から現れ、舞い踊るように襲いかかる。
火精霊降臨フュージョン、俺の魂が燃え盛る。
灼熱の衣ブースト灼熱の剣ブースト……」
 精霊が憑依ひょういし身体能力を倍増させる。
 全身が赤い炎の鎧に包まれて武装しているように見える。
 竹刀も火に包まれた金属のように変貌していた。

「近接を挑まれた時の切り札。
それを初手で使うのね」
「貴女の剣は、この炎の衣を貫くことはない。
触れれば一瞬で蒸発し消える、理解できぬのなら試してみれば良い」
 後出しジャンケンのようなものだ。
 相手の手を見てから出した術である。
 このまま攻撃をしても有効打には成らない。
 
 以前のラカーユならそれでも攻撃を仕掛けていただろう。
 ほんの少し思考する余裕が変化を生じさせた。
「ええ、操剣……水精の舞!」
 操る剣が水を帯び、ザバッと斬りつける。
 ジュジュジュ……、蒸気が辺りを白く包み剣は熱によって消滅した。
 精霊の格が違い過ぎた時に起きる。

 それは予期していた事。
 一瞬でも視界を隠すことが出来たのなら成功だった。
 設置した術を強化するには十分。
 追い詰められた演出に一歩後退し、悔しそうな表情で手を前に次の法術を放つふりをする。
「だから無駄だと言っているのに。
反省文だけではなく教育も必要、学園生として恥じぬだけの教養を身に着けてもらおうか」
「教員でもないのに。
銀バッチを付けれるようになってから言いなさい」
「戯言を。
そうやって逃げ先送りにし、堕落していく」
 彼が反撃型だと気づいたラカーユは冷や汗が出る。
 設置型とは相性が悪い、何故なら慌てずそれほど距離を詰めてこないからだ。
 法術で牽制しつつ近づいて欲しくないフリをしたいが、後一回法術を打ち込めば次はない。
 それが限界。
 切り札を失った時、ラカーユの自信が崩壊し敗北が確定する。

 いや違う、無ければ作れば良い。
 風太の助言を思い出しすぐさま、術書に変更を加え始める。
 実戦で行うには時間がかかってとても現実的ではない。
 だが現状は膠着状態こうちゃくじようたいで相手は待っている。
「貴方にとっておきの法術を。
最強にして最高の一撃をお見舞いしてあげる」
「慌てて術を仕込むとは。
愚かにもほどがある、ただ待ってくれると思わぬことだ」
 バロジークが歩み寄ると、合わせてラカーユも後退する。
 偶然、上手く行ったその喜びが小さなほころびを生んだ。
 ラカーユの少しの笑み。
 それが彼の警戒心を高め守りを固くした。
 
 同時に設置した術が発動する。
 錆びついたボロボロの刃。
 無数の鋭い棘が足元から生え貫こうとする。
 パリンッ!
 脆い錆びた刃では傷つけるどころか砕け散るだけだ。
 それだけならそこで終わっていただろう。
 酸化した鉄に燃える金属が混じっていたら?
 酸素に燃料、そして炎……一気に燃え上がり膨張する。
 それを閉じ込める結界、閉じ込められた爆発は高圧を生む。
 一気に深海の底へ落ちたような圧力が掛かる。
 硬い潜水艇ですらグシャッと押しつぶし鉄くずに変えてしまう。
 即死級の罠だ。

 ドドドーン!

 連鎖的に起きる爆発が収まり結界が消失する。
 使ったラカーユですらドン引きする破壊力。
 やり過ぎたと冷や汗が。

 だが立っていた。
 炎の衣が消し飛び肌が焦げた匂いを発する。
 まだ戦う意思、殺気のある目をしていた。
 深海魚が潰れないのは内部の圧力が同じだからだ。
 彼も法術によって内圧を制御し耐えたのである。
 相手の術の特性を読み反応できる速度があって初めてなせることだ。
追撃の漆黒に染まる雷矢ライトニングアロー
火の鎧でも電撃は防げない」
 すべての理力を使い果たしてはなった最後の一撃だ。
 凄まじい電撃がバロジークの肉体に流れ込む。
「ああ、確かに。
だが根性があれば耐えられる」
 術が解け竹刀に戻っていた。
 その鋭い突きがラカーユの喉元に直撃する。
 同時にバロジークは気を失い倒れた。

 遅れてラカーユも倒れる。
 喉の痛みではない、理力を使い果たし勝利を確信して気が抜けたからだ。
 引き分けという判定が表示された。

 ジジジジ……
 
 地面をいばらの蔓。
 倒れているラカーユの足に絡みつき、引きずっていく。

 



 風太は図書室に居た。
 時計に目をやると一時間ほど経過している事に気づく。
 ついつい読書に夢中に成り、長居してしまったと本を閉じる。
「あの、風太殿。
ラカーユを見ませんでしたか?」
 普段から無口なシェヌサが珍しく声をかけてきたのには驚いたが風太はすぐに答えた。
「待ち合わせにすっぽかされて、一時間経った所。
君も待ち合わせしているのか?」
「いいえ。
もし遅れるようならと言付けを預かっています」
「厄介事ならお腹いっぱい。
もう要らないと伝えてくれ」
「紹介したい人が居ます。
外の茶屋で会いたいとのことです」
 
 放課後、学園生達で賑わう近場の茶屋。
 風太は4人席に座り待っていた。
 話し声や笑い語が聞こえ、注文をとる店員が大慌てで駆け回る。
「お待たせしました」
 シェヌサ共にやって来たのは、ゴスロリ風のフリル付きドレスを纏ったこん色髪。
 厚底ブーツでも小柄なのは誤魔化せていない。
 中性的な顔つきをしている可愛い印象を受けた。
「どうも、僕はムムルです。
よろしくお願いします」
「どうも、俺は風太。
それで呼び出した理由は?」
「僕は自立型機械人形ゴーレムの研究をしたくて学園に入ったんです。
メイド型の傀儡人形ドローンを持っていていると聞いて是非見せて欲しい」
 何処から情報が漏れているのか解らない。
 工房で厳重に管理されていて、口外されない筈だ。

「それを誰から聞いたんだ?」
「イロハと言う、メイド型の傀儡人形ドローンから聞きました。
貴方が御主人で、内部構造を知りたいなら許可を貰って欲しいと」
 イロハ?
 初めて聞く名だ。
 極秘兵器が外出して情報をバラすなんてあり得るのか?
 誰かが情報を盗み出すために幻を見せたか。
 だとしたら、ここは危険かもしれない。
「残念だけど、俺はイロハなんて知らない。
人違いだろう」
 ムムルは宝玉をテーブルに置く。
 中に人形が入っている特殊な代物だ。
「見せれば理解すると仰っていたのですが。
この置物は精巧にできていて凄く興味深いです」
 人形職人によってかなり人間らしく見えるように細かい部分に拘って創られている。
 憑依ひょういした霊が動くために関節も内部に仕込んであり人らしい動きも可能だ。

「それ一つで豪邸が買える程の大金が掛かっているらしい。
知らずに渡したのかも知れない」
「確かにそれぐらいしそうですね。
これはお返しします」
「それを開発しているは俺の妻だ。
詳しいことは知らない」
「会わせて頂けないでしょうか?
あんな素晴らしいメイドを作っているのですから立派な方だと……」
「あれは変態、欲望を剥き出しにした化け物。
会わないほうが幸せだとおもう」
 言葉通りの変態だが、ムムルはそう取らなかった。
 メカぐるいのような、機械好き過ぎると言う意味の変態だと思い込んだ。
「是非是非、合わせて下さい。
僕もそんな節があるので気が合うかもしれません」
 ……こいつも変態なのか?
 可愛い風に見えても中身は解らない。
「解った。
女同士なら気が合うかもしれない」
「あの僕は男ですけど」
「女装しているのか?
そのスカートは女物だろう」
「はぁ、何を言っているのでしょうか?
服に性別があるとしたら胸の部分位だけです」
「うーん?
いや違うだろう」
「シェヌサ殿の胸の側面を見て下さい。
切れ目が入って縫い付けてあるのが見えるでしょう?」
「ああ、それが何だって言うんだ?」
「胸の部分に膨らみが出るように立体的に裁断してあるからです。
つまりそれがないのは男物だということです」
 前世の記憶が服に縛りを付けていたのか?
 女だと思っていた中に男が混じっていたとは考えたくない。

「もしかして君は男好きみたいな事は……?」
「女性の方が魅力的です」
「そんな格好をして恥ずかしくないのか?」
「何を恥ずかしがることがあるのでしょうか?
好きな服を着て楽しんでいるだけです」
 確かに変態かもしれない。
「……解った。
会えるか聞いておくから」
「本当ですか?
嬉しいな、僕の作ったゴーレムを見てほしいです」
「持ってきたら良いよ」
「それが持ち出すことが出来なくて、ついてきてくれませんか?
すぐ近くの倉庫の保管してあります」
「いや俺は興味ないから……」
「ほんの少しでも見てくれると嬉しいです。
何かヒントになることがあるかも知れないと思って」
 断ってもしつこそうだ。
 それなら軽く見て酷評したら良い。
 それで二度と現れないだろう。

「俺の意見で良いなら。
辛口になるかも知れないけど良いか?」
「勿論です。
とんな些細なことでも意見を聞けるだけで嬉しい」
 それは自信を持っているから言えることで、本当に辛口で意見言うとをきっと怒る。
 好意的な意見を聞きたいだけなら、辛口と聞いた時点でやめておけばいいのに。
 その可能性を何故か捨てて、絶賛されると思いこんでいる。
 そんな者達がどれだけ多いことか。
 
「ふーん、良いんだね。
じゃあ見に行こうか」

 そこにあったのは巨大な白銀色の鎧だった。
 着るというより、中に人が入って操作できそうなぐらいの巨大さだ。
「これなんですが……。
重すぎるために歩こうとするとバランスを崩して倒れると言う欠陥があります」
「巨大にするのはロマンなのか。
細く作れば軽くなって機敏に動けるのに……」
「それが制御するための術式を刻む為のプレートを収める為にこの大きさに成りました。
中を見て下さい」
 制御装置らしき物を触ると鎧の胸の部分が観音開きとなる。
 円盤が縦に積み上げられる形で並べられていた。
 マンホールの倍近い大きさ。
 そんなに積んだら重いのは当然だろう。

 以前、分解されたのを見たことがあるが、そんな機構はなく骨格と繊維状の疑似筋肉が入っていた。
 術式によって収縮するだけの簡単な仕組みである。
「これは酷いな。
この円盤を全部外してくれないか?」
「はい、喜んで。
術式を見たいんですよね」
「まあ、そんな感じ」
 ガラン、ガチャン!
 ホイホイと円盤を引き抜き乱暴に放り投げていく。
 見た目の華奢な体つきにしては意外と力があるようで、楽々と全て外してしまった。
 
 これは怒らせると怖いかも知らないと風太は思いつつ。
 様子見で軽く。
「この術式は無駄が多いな。
殆ど要らないだろう」
「それは右手の人差し指を制御する術式です。
細かい作業をするためには、必要だと思います」
「一つにまとめてみようか?
処理系統が複雑で伝達が遅くなっているから動きが鈍くなる原因だろう」
 適当な事を言ってだけで、実際は何も解っていない。
 雰囲気だけで語る事で相手を萎縮いしゅくさせる。
 それで上下関係を意識させて、相手よりも優位に立つ手段だ。
 
「成る程、是非お願いします。
僕の技術ではこれが最小だったので驚きです」
「任せておいてくれ。
これは必要ないなー、これも無意味……」
 大雑把に分類して、適当に術式を改変していく。
 成功しなくてもいい。
 失敗すれば、なんだコイツはと反感を買い必要ないと判断されて切られる。

 そしてかなり圧縮した術式が完成する。
 試して動くのか怪しい代物だ。
「まあ、こんなものかな。
取り付けてみてくれ」
「最初サイズの円盤一つに収まるなんて、凄いです。
しかもまだ余裕がありそうですね」
「もっと小さい円盤でも良かったな」
「ですね。
では早速動かしてみましょうか」
 カチッ!

 円盤がはまると起動する。
「ゴーレムに命ずる。
右腕を上げて、次は左腕を上げて……」
 確認のための命令を次々と出していく。
 ブン! ブン! と動く様子に、風太は驚く。
 あの円盤の束は、頭脳……言ってみれば霊と同じ役割だったのか。
「じゃあ、俺はそろそろ帰る」
「僕は猛烈に感動しています。
色々と学びたいこともあるので家にお邪魔しても宜しいでしょうか?」
「急な来客は困る。
また今度に……」
「どうか、お願いします。
この通りです」
 ムムルが頭を下げると、シェヌサも何故か頭を下げる。
「私からもお願いします」
「なにか焦っているのか?」
「はい、この研究が打ち切られるかどうか。
成果を出すためには実戦に耐えられる物を創らないとです」
 いまの動いている感じだと、動きが鈍くて実戦だと間違いなく簡単に壊されるだろう。
 死霊術を教えれば問題は解決できる。
 研究のためなら他者の命を奪っても良いと言う殺人鬼に変えてしまう。
 知的で理性を持つものでも、余裕をなくすと判断を誤り転落する。
 安易な誘いは危険だ。
 
「確認したいんだが何のためにこれを開発しているんだ?
自己満足なのか」
「魔族との戦いで戦死者が増えています。
生き延びても手足を失ったりして、生活に苦しむ者も多いです」
 このゴーレムの問題点は人工知能が重すぎて使い物にならないという点だろう。
 現状の反応速度では戦闘では役に立たない。
 つまり判断を人に丸投げできるような形にすれば問題は解決するはずだ。

「なら人工知能にこだわる必要はないだろう。
補助的な鎧として開発すれば活用出来ると思う」
「どの様な感じにでしょうか?
このまま動く鎧ととして仕上げても納得は得られないと思います」
「まず履きやすいように手足の強化に限定する。
骨格を残す感じで……」
 呆れた回答だった。
 もはやゴーレムと言えるものではない。
 それどころか鎧ですら無い。
 失望しただろうか?

「僕には思いつきもしませんでした。
素晴らしい考えだと思います」
「役に立ててよかった。
後は頑張って……」
「一緒に開発しませんか?
風太殿の力添えがあれば、完成度を高められます」
「いや、待て。
今は色々と抱えていることがあって余裕がない」
「話は聞いています。
武器を献上するのですよね、僕も手伝いますからご一緒できれば嬉しいです」
「その件もあるけど、遠征に協力しようと……」
「僕も微力ですが協力させて下さい」
「どうして君はそんなにグイグイ来るんだ。
俺はそんなに有能でもない」
「妹……シェヌサの恋人ですから、いずれ兄上と呼ぶことになると思うと仲良くしておきたいです」
 シェヌサは慌ててムムルの肩を叩く。
「違います。彼とは勉学に励んでいるだけです。
それに従兄妹でしょう」

「勘違いと解って良かった。
じゃあ俺は……」
「そうなると困った事になります。
だってこれは重大な機密で、部外者に見せてしまったとなったら僕は処刑されてしまいます。
ああ困った」
「いやいや、それはおかしな話だ。
教え合うことは学園でも推薦されている」
「いいえ、ここは学園外。
形だけでも妹に付き合っている事にしてくれないと僕の人生はここで終わりです」
「困った事を言う。
彼女の意思はどうなるっていうんだ?」
「あの……私は、形だけよりも本当に付き合いたい」
 そういう事か、なんでシェヌサがと思っていた。
 ラカーユ経由で相談していたのだろう。

 ここで断って、ギスギスした教室で学ぶのはなんか嫌だ。
 嫌いというわけでもないけど、他の女学園生が付きまとってくる気がして怖い。
「公然と付き合うのは困る。
色々とあれだから絶対に秘密にすると約束するなら……」
「はい、絶対に他言しません」
 
「二人に祝福を。
僕から記念にこの腕輪を贈ります」
 花型の宝石飾りがついた金と銀の腕輪だ。
 2つのリングがを重ねると一つになるように凹みがありはめ込むことが出来る。
「「ありがとう」」
 偶然、同時にお礼を言って声が重なった。
「相性が良くて、微笑ましいです。
妹を泣かせたら僕が許しませんからね」
「肝に銘じておきます」
 ……ん?
 なんでだ、まあいいか。
 
 

 
 風太は二人を連れて自宅に戻る。
 出迎えるメイド達に二人は驚く様子を見せていた。
「こんなにも多くのメイドを雇っているだけの経済力は凄いです。
有名な貴族に匹敵する規模、僕のような貧乏貴族では数人しか養えない」
「金を当てにするなら止めておいたほうが良い。
財布は妻が握っている」
「そんな事をしたら、私欲のままに使い果たしてしまうのでは?
それで破産する者も居るらしいです」
「いや、そんな事はないな。
そもそも金が目当ての相手とは関わらない」
「相手を疑うのは失礼ですし、どうやって判別しているのか解らない。
結婚するまでは、とても優しくて気が利いて可愛いかったのに……。
手のひらを返したかのように金、金と要求するんです」
「苦労しているな。
なら貧しい風に装うのは……」
「華やかで綺麗な服に身を包むのが僕の生きがい。
それを奪われたら生きる価値がないです」
「色々と服を買ってもらって、金がかかると相手に思わせれば?
それなら持っていると思われないだろう」
「言葉だけで判別はできないのでしょうか?」
「最悪の出来事をどう対処したか聞いてみたら?
不平不満を漏らすなら、欲が根源にある」
 適当な事を言っているだけで実際の所は解らない。
 そんないい加減なアドバイスをするのは、もう聞いても役に立たないからと無能さのアピールだった。
 距離をおいてくれることを期待してのことだ。

「多くのメイドを手懐けて居るだけあります」
 シェヌサは風太の手を握り、すごく緊張し様子で硬い動きになっていた。
 人見知りが激しい彼女にとっては、辛い場所だ。
「……」
 ムムルは、そんなシェヌサに気を使って、やたら話をして静寂に成らないようにしていた。
 もし無言な状況が続けば、視線を感じて余計な思考に囚われパニックに陥る。

「僕もこんな美しいメイド達に囲まれたいです。
何人か譲ってくれたりはしないでしょうか」
「別に構わないけど。
好きなだけ連れて行ってくれて良い」
「冗談です。
僕の稼ぎでは到底養うことか出来ません」
「支払いは俺が出す。
家族みたいなものだろう、だったら受け取ってくれ」
「いやいや、人を物のように扱うのは……。
流石に不味いです」
「メイドの中には、家族を殺され誘拐された者も入る。
もう行く場所もない、ここは手狭で生活をするには窮屈だ」
「失礼しました。
そんな奉仕までしていたのですね」
「奉仕というわけじゃない、流れでそうなっただけ。
運というか偶然でしかない」
「そういうことなら、僕にメイドを数人に譲って頂きたい。
共に帝国の発展のために尽くします」
 
 風太は二人に仮面を渡す。
 認識阻害の術が施され、被ると相手も自分も誰だか解らなくなる。
 強度が弱く設定され知り合いには効果が及ばない。
 だからすぐ近くにいるもの達への認識の変化は起きなかった。
「猫面なのは、働いているのは四つ耳族だから。
お互いに顔を知られたくないとの要望があってのことだから、外さないで欲しい」
「了解です。
ペットショップで買ったんてしょうか?」
「いや、亡国から逃げてきた。
そのペットショップてなんだ?」
「四つ耳族をペットとして売っている店です。
人身売買は禁止されているから、これは動物と言い張って売っていると聞きました」
「そんな店があるのか紹介して欲しい」
「僕はそんな店を利用しないので噂だけしか知らなくて。
意外ですね、そんな店を利用したいなんて」
「いや利用するつもりはない。
四つ耳族を解放したいと思って」
 もし店を利用して購入すれば、店は儲かり在庫を増やすために四つ耳族を捕獲するだろう。
 つまり被害を増やすことに成りかねない。
 だからすべてを奪うのである。
 ゾンビの徘徊する廃墟となり、同業者すら怯えさせる。
 それぐらいをしなければ、この悪事は無くなりはしない。

「それなら領主ぐらいの地位に登らないと無理です。
条例で排除できます、非合法となれば撤退するでしょう」
 正攻法なら、そうすべきなのだろう。
 領主の権限は、その領内に限る。
 帝国内の全てを排除するには、法律を変えなければならない。
 それを成し得るまでにどれだけの年月が掛かるか。
 今助けを求めている者達を救うことは出来ない。

「確かに、まだまだ先の話。
気持ちとしてはすぐに助けたい」
「ええ、その時は僕も協力させて下さい。
出来ることは何でします」

 壁紙から地下へと進む。
 不思議な空間だが、こういう隠し通路みいたな所は慣れているようで二人は気にする様子はなかった。
 たどり着いて驚いたのは風太だった。

 研究室だったのが、病院のようなカーテンで仕切るベットが並ぶ空間に変わっていた。
「風太殿、医術書の成果がでています。
手足が治って動くようになったと喜んでいますよ」
 兎耳の巫女服姿の女がにこにこと微笑みながらそう伝えてきた。
 
 医術書は、法術書に古代人の知識を転記したものだ。
 呪術のライブラリを作った時の応用で、検索機能の充実した記録媒体である。
 逆引きをつけてあり、症状から治療法が解る。
 取り敢えず全写ししだけで、有用性が解らないのでアマネルに預けていた。
 
 まず一人治療を試してからと思っていたのに、かってに利用されていたのである。
「どうして身勝手に初めているんだ。
まだこんな大規模にやってくれとは言ってなのに……」
 知らない男が近づいてくる。
「ありがとな、腕が治ってこの通り振り回せようになった。
これで仕事に打ち込める」
 患者なのだろう。
 風太が通る度に、感謝の言葉を贈る。
 洗脳されているのではと思うほど、皆口々に感謝していた。

「欠損を治すなんて神の奇跡です。
僕は風太殿に会えた事に感動しています」
「俺は何もしてない。
そもそも古代人から教わった知識で……」
「知識を持つだけではなく、
有効活用し人々を救うのは立派です」
 何となく好感度が上がっている気がする。
 メイド達は、ムムルを女だと勘違いしているのではないか?
 だとしたら患者達の言葉は言わされていた。
 いや本心かもしけないけど……。

 あー、なんて事だ。
「これは妻の独断で……」
 最奥の部屋、アマネルの研究室に入る。
 変態なことをしているのかと期待していたが、そんなことはなく真面目な顔つきで診察結果をみている。
「風太、手足の培養が成功して、手術も上手く行ったわ。
手術後の経過も良くて、問題はない」
 偽者かと思うほど態度が違う。
 何時もなら、どんなに真面目を装っても、変態さが漏れ出ていた。
 変身薬で代理なのか?
 
 二人が居るから取り繕っているだけなのか。
「無断で進めるのは聞いてない」
「こんな素晴らしい研究資料を貰って、読むだけなんて酷なことを。
身体の神秘、どうしてこんなに美しいのでしょう」
「その件は後で話そう。
イロハと言うメイドについて聞きたい」
「それは青楓むらさきが捕らえた悪霊の一体が貴方に仕えたいと願ったから肉体を与えたわ。
私の部下でもあった彼女を失いたくない、私的な感情もあったけど許してくれるかしら?」
 そう言えば取り付いていた魔女の霊達が消えている。
 つまりあの霊全てが、捕らえられていたとすれば……。
 風太の予感は当たっていた。
 最新鋭のメイド型人形となって、休眠状態で保管されている。
 
 もしそれが有用と見なされれば不味い。
 兵士として戦わせ、死んだら人形に魂を入れて戦わせる。
 そんな無限地獄みいなことに成りかねない。
「彼に秘密を堂々とバラさないでくれ。
今のは聞かなかったことにして欲しい」
「つまり死んだ者の命を移していると言うことですか?
それが出来るなら人工知能の開発を短縮できます」
「ふふふ……。
残念ながら、そんな良いものはでないわ。
人間だった頃の記憶を持っているから、嫌なことは拒むし身勝手な行動をとったりして困る」
 初期型のロベルアは修復されると共に無断で王国に潜入している。
 拒否権のない最上位命令の帰還を拒否し裏切り者の粛清を行っていた。
 それは制御不可能という事を意味する。

「ではゴーレムは現実的ではないと考えているのですか?」
「単純に繰り返すだけの動作を組み合わせるだけでも、
それらしい動きはできると思う。
けど魔族も学習する、その挙動に気づかれれば簡単に破壊されてしまうわ」
 魔族は人間から派生した上位の存在だ。
 小細工が通用する相手ではない。
「それでも僕は解決策を見つけて……」
「素体を差し上げるわ。
コアに術式を組み込めば動く、貴方の自由に組み込んでみなさい」
 アマネルが指を鳴らすと、床が割れて棺桶が出てくる。
 眠っているのは金髪の美女を模した人形だった。

 ムムルは人形に触れて衝撃を受ける。
「これは青銅ではないですね。
一体どの様な金属で作られて居るのですか?」
 高温炉がない帝国では、青銅が主な金属加工製品となる。
 鉄鉱石を精錬のために他国に運んだら、戻ってくるときには青銅にすり替えられている。
 そのために帝国製の武器防具は脆く弱い。
 
「それは樹脂と魔獣の粘液を配合して作った人工皮膚、
弾力性は本物の皮膚よりもあって強度も斧でですら切り裂くのは難しい」
 玉国再興の為の切り札を簡単に教えるのは、再現するために必要な知識が膨大で簡単に複製が難しい為だ。
 加工した状態でなら、売却先となる。
 彼らに試させて出来ないから買うしか無いと学ばせることで高値を引き出す。
 
 ムムルは、商売相手としては魅力はない。
 だが、彼の知り合いや学園での交流により存在が知れる。
 そうやって口伝てに評判が広がって行く。

 開発主任として開発一筋のアマネルに商才はない。
 部下……、兎耳セウファの入れ知恵である。
「金属以外で、これほどの強度を出せるなんて驚きです。
火炎耐性に問題はないのですか?」
「水分を取り込むことで、蒸気が直接熱を伝えるのを防ぐ膜となって一定時間防げる程度。
法術による炎なら一瞬で消えるから問題ないでしょう?」
「青銅では放熱が間に合わず解けてしまう。
冷却水を使うなんて発想は思いつきもしませんでした」
「この名前は?
とても美しいです」
「好きに付けて良いわ。
型式は33-01-05、試作型を33回改修して、制式番号1番の5代目」
「そんなに開発しているのをくれるのですか?
桁外れの価値なのは分かります」
「技術を学ぶなら本物を使いなさい。
優れたものから得られることは多く、学べるはず」
「はい、感謝します」
 ムムルは一瞬でアマネルの虜となっていた。
 
「ちょっと待て、動くのか試させてくれ。
術式は覚えている」
「一度見ただけなのに。
制作した僕ですら完全再現は難しいです」
 風太は術式をコアに書き加え起動させる。
 人形の動きは比較に成らないほど素早く、素早く立ち上がった。
「御主人様、ご命令を」
 女の声に風太は驚いた。
 あのゴレームは声を発することは無く勝手に立つこともなかった。
「音声機能までついているんですね。
予算の都合で機能してなかったので、正しく発せられるか不安だったんですよ」

 アマネルが手招きしている。
 風太はそっと近づく。
「彼女を調教してあげても良いわ。
ただ見ているだけで何も出来ない子じゃつまらないでしょう?」
「彼女に手を出したら許さない。
君は大人しくしていてくれ」
「……なら、今夜解っているよね?
ご褒美を待っているわ」
 要求される子は予想がつくが、いきなりムフフな事をされては困る。
 真面目を装ってくれている事に感謝して礼を尽くすしか無い。
「……解った」

 ムムルとシェヌサが帰るまで風太はヒヤヒヤしながら過ごすことになる。
 アマネルのちょっとした動き、指先の怪しさに気づくともう真っ青でゾッとする。
 二人は気づいていないようだが、後で解ったら恥ずかしさの余りに悶絶するに違いない。
 隠すように位置取りして誤魔化すが精神がすり減っていく気がした。

「どうかしましたか?
顔色が悪いです」
「疲れが出た。
そろそろ休息を取りたい」
「ついつい、長居をしてしまいました。
この借りは必ず返します」
「別にそんな気を使わなくてもいい。
気をつけて……」

「心配だから、一緒に居させて欲しい」
 珍しくシェヌサが積極的だ。
 このまま居座る気なのか?
 うーん。
「君も帰るんだ。
また明日会えるだろう」
「ううん、ある人から予言を聞いています。
不吉な気配が迫っているとだから守ってあげたい」
 守ってもらうほどの脅威があるとしたら、魔王でも攻めてくるのだろうか?
 そんな事はありえない。
 なにか占いで悪い結果がでたのだろうか。

 もし聖女のような未来予測の能力を持っている人が他にも居るとしたら。
 戯言と聞き捨てるのは危険だ。
 ここには自分だけではなく、家族も暮らしている。
「解った泊まっていくと良い。
客間に案内する」
 念の為に警戒度を上げておくことにした。
 壁に張ってある短冊に触れる。
 色が白から赤へと変わり、同時に屋敷内の他の短冊も赤く染まった。
 それを確認したメイド達は武装し襲撃に備える。

「はい、何事もなければ良いのですが……」

 
 そう行った矢先、爆音が響く。
 ドドーン!

「君は俺と一緒に。
一体誰が攻撃してきているんだ」
 
 風太達が屋敷の外に出ると、襲撃者達とメイド達が交戦していた。
 黒装束で顔を隠した謎の集団だ。
 武器は剣を握り、腰に爆弾をぶら下げている。
 死に際に自爆して爆風を撒き散らす。

 ドドドーン!
「きゃあぁぁっ!」
 自爆に巻き込まれ負傷したメイドが倒れている。
能力爆増する精霊の祝福デラックスアップ……、これで被害を抑えたい」
 メイド達の動きが目で追え無いほど素早く、スバッと敵を斬り伏せていた。
 人数差で手こずっていたが、一気に戦況は変わり圧勝。
 地面に襲撃者の死体が散乱するだけとなった。

「風太殿、被害は軽微です。
負傷したのは3名ほどで、命に別状はありません」
 メイドの報告にホッとした。

 建物は一部破壊されたようで崩れている。
 壊れた壁の奥に、石像が並んでいるのが見えた。
 そこに見覚えのある猫耳に気づく。
「ゼラ……、まさか石化しているのか?」
 近づけば間違いなくゼラだ。
 そこに宿る魂が見え、弱々しく消えかかっている。
 呪いによって石化しているだけだ。
 寿命を伸ばすわけではない、徐々に消耗して完全な石となって元に戻れなくなるのだろう。
 他の石像もそうだ。
 風前の灯に成りかけている。

「これは、助けたいと言っていた家族ですか?
こんなにも居るのですね」
「今すぐ助けたい……。
君は客間に居てくれ、見せたくない」
「何をするか想像はついています。
死霊術のことも聞いています」
 その一言で誰が黒幕なのか理解した。
 恐らくシャオーリ姫だろう。
 彼女なら学園生と接触する機会がある。
 生贄をわざわざ用意してくれるもの彼女らしい。
 
「知ってしまったら後には引けなくなる。
それでも良いのか?」
「はい、助けて貰った時から貴方のために命を捧げるつもりでした。
ですから協力させて下さい」
 
「解った。
メイド達も館へ避難して、固く扉を閉ざすんだ」

 素早くメイド達は館へと戻り扉や雨戸を閉ざす。
 これから起きるのは地獄のような戦いだ。

 死体の転がる庭に戻る。
 風太の足元に巨大な魔法陣が現れ、死体が起き上がった。
 大地が赤く染まる。
 赤い月が天に登っていた。
 ブラットムーンを召喚したのである。
「ゾンビ共、掛かってこい」
 霊が呼び集められ、地面からも屍が這い出てくる。
 石化を解く方法は初めから推測できていた。
 呪いであるなら、それ以上の呪具に吸わせれば良い。

 ゾンビを切り捨て、呪具の呪詛を強化していけばいいだけだ。
 もし弱い呪具で石化を解こうとすれば、逆に呪詛を吸い取られて強化することになる。
 だから限界まで戦い続けた果に挑戦する。

 ブラッドムーンで強化されているゾンビですら、風太の敵ではない。
 骨のナイフに触れるだけで、一瞬の内に崩れた。
 古城での戦いからは考えられないほどに成長している。
 骨のナイフが剣へと成長し禍々しい形とへ変貌してもまだ戦い続けた。

 ブラッドムーンは日が昇るまで終わらない。
 体感では2日近く長く感じる時の流れがゆっくりな空間となっている。
 
 それを不眠不休で戦い続けるのは並の精神力と体力では持たない。
「……こんなにすごい実力。
ああ、私はなんて幸せなのでしょう」
 シェヌサはただ見ていることしか出来なかった。
 そんな彼女の目を通じて、様子を覗き見しているものが居るとは想像していない。
 全てが筒抜けとなり晒されていた。

 どれ程の戦いが続いたのか、日が昇り赤い月が消えていた。
 戦いが終わる頃には、呪具は骨の柱となっていた。
「石化の呪いを解く!
さあ力を見せてみろ!」
 
 骨の柱を天に突き上げると一瞬で骨の柱は石となって砕け散る。
 石像に変化は見られない。
 風太は力が抜けて、その場に崩れた。
「失敗した。
焦らずにもっと強化していればこんなに事にならなかった」
「風太……、もう一度挑戦すれば良い。
諦めるなんてらしくない」
「もう時間がないんだ。
魂が消えかかっている」
「……ごめんなさい。
私に出来ることがなくて、ただ見ているだけで……」
「いや君は悪くない。
焦った俺が悪い」

「にゃひひひ……、
そうですよ、助けるのが遅くてどれだけ待ったか」
 ゼラの声に風太は驚く。
 別れた時と変わらない姿のゼラが立っていた。
「呪いが解けたのか?」
「この通り……おっとと……にゃはっ」
 ゼラは飛び跳ねて転びそうに成り風太に抱きつく。
「良かった。
温かい」
「少しは心配してくれたみたいで良かった。
私は風太の剣となって……」
 ゼラは真っ青な顔になる。
 受け取った細剣が無くなっていからだ。
 
 それに風太は気づき笑う。
「新しい剣を渡すから、もう無茶をするな。
俺より先に死んだらゾンビにしてこき使ってやるから」
「はい、にゃはっ」
 
 石化から解けた騎士団の面々が取り囲んでいることに気づく。
「あっ……」
 にっこり微笑む彼女達が何を望んでいるか察して風太は冷や汗が溢れた。
 
 
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