【R15】ネクロマンサー風太 ~異世界転生 死霊術師のチート~

ぺまぺ

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1章 王国編

一話 風太死す

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「ふふーん、発売されたばかりの新刊。
なんて幸せなんだ」
 両手で本を抱きしめる気持ち悪い男、それが風太である。
 風貌は平凡でモブと言われても違和感ない。
 そんな彼が主人公、ましてやヒーローに成れるはずもなく一般市民でしかない。

 幼馴染とか、謎のヒロインなんて居るはずもなく。
 彼女いない歴15年である。
 つまり生まれて一度も彼女が出来なかった童貞だ。
「今は幸せな時なのに、なんだか悲しいノイズがする。
なんでだ!」

 そして歩む足が止まる。
 目の前には地獄への道が、何故か天に向かって伸びている。
「実は天国は地下にあるんじゃないのだろうか。
この坂道を登るたびに思う」
「なに独り言、言ってるんだ。
ハハハ……」
 知らない男が通り過ぎ地獄へ向かう。
 同じ高校に通う生徒なのだろう、制服が同じだ。
「わざわざ、聞こえる様に言わなくても良いだろう……」
 

 息を切らしながら登る道は、微妙に弧を描き螺旋状になっている。
 何故、山の上に学校があるのか。
 それは、この音を聞けば解るだろう。
 大地が揺れ、地響きと共に崩れる轟音。
 怪獣様の登場だ。

 警報が鳴り響く。
「嘘だろう、こんな途中で出るなんて最悪だ」
 今いる場所は中間点ぐらいだ。
 登るのも、降りるのも同じ距離。
 下りが楽とは言えず、加速が加わり無駄に体力が奪われる。
 こんな馬鹿げた山の上に学校があるのは政府が狂っているからだろう。
 一般民は逃げる足を鍛えれば助かるらしい。
 車より早く移動する怪獣から少々足腰を鍛えたぐらいで逃げられるはずもない。
 そんなことは誰だって判るはずだ。
 それでもこうして地獄の坂を作った。
 なんて愚かなんだろう。
 慌てふためく人々なんて眼中になく、ビルや家々を踏み潰し進む怪獣。
 何処を目指しているのか、蛇行する。
 登るか降りるか更に迷わせる動きをするんだ。
 降りて怪獣が来なかったら、もう一度登るしかなく確実に遅刻だろう。
「馬鹿野郎!
こっちに来てみろよ」
 動く山のような巨体をもつ怪獣がジロッと風太を見た。
 まだ霞んで見える程に遠く声が届くことはない。
 単なる偶然でしか無いが、風太は腰を抜かし尻もちを付く。
「痛たたた……。
なんでこっち見たんだ」
 立ち上がる風太は激しい振動で、また転びそうになる。
 慌てて近くのガードレールにしがみつく。
 なんて情けない格好だろうか。

 空を切り裂く音が通り過ぎる。
 戦闘機である。
 ミサイルを怪獣に向け放つ。

 爆発の光が見えたかと思うと、遅れて爆音が響く。
「なんで来るかな。
武器を使いたいだけのクソ野郎が!」
 怪獣に兵器が通用したことなど無い。
 にも関わらず無駄に攻撃をして、怪獣を怒らせるのだ。
 怪獣の吐く炎が、街を焼いていく。
 何もしなければ、通り過ぎるだけだろう。
 なんで意味のないことを繰り返すのか理解できない。
「消えてなくなれよ」
 
 風太の眼の前が真っ白になる。
 怪獣の放った炎が直撃したのだ。
 一瞬にして灰となり消え去る。
  
 そこに風太が立っていた痕跡が残っている。
 道路に人の形をした焦げ跡が恨めしそうに。


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