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第四幕-4
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そうして読書を再開し、物語は中盤へと進んでいく。
主人公は党を離反し、独裁者に反逆する団体へと入る決意をして。
瞬間、前永のページを進ませる手が止まってしまう。
「……なんか、ヤバいな」
「前永君もそう思った? 私もね、読んでてゾッとしたの。寒気。何だろう……道を外れてる、みたいな?」
「そんな感じだな。これじゃあ、党の代わりに反逆者の団体へ忠誠を誓っただけで……何も、変わらない気がする」
反逆者の団体に入ろうと、主人公は決意を固め。
党の人物を殺すのも、自分自身を生贄に晒すのも了承して。
これなら、党に忠誠を誓った人物と何も変わりないと思ってしまう。
考えを二重にしてまで、党に忠誠を誓った連中と。
誓えなかったのは、ただ一つ。
主人公が愛する人を犠牲にする事だけで。
……どうして、こんな考えになってしまったのだろうか。
それから更に読み進め、遂に物語は最終章へ。
最後の最後まで抗った主人公の最後は、ある意味で絶望的であった。
……名作には違いないけど、何だろう。
どうしても、主人公の考えが気になってしまい。
ふと、これが本町を本の舞台になる場所へ向かわせる原動力なのだろうと思った。
「……どうだった? 凄かったでしょ、最後の最後まで」
「面白かったけど……俺も気になるよ、主人公の考えが。どうして反逆者の団体に忠誠を誓えたのか」
「だよね。本当は党の支配が嫌で、禁止されてる事を行った程なのに」
「……なぁ、主人公が明確に反逆した行為、覚えてるよな? 日記、党が禁止してる行為だったろ?」
「そうだと思うけど、何か気になる?」
「もしかして……日記じゃね?」
日記、それだけでは何の意味もなく。
というか自分で言っておいて何だが、上手く本町に説明出来る自信がない。
……でも、日記をつけるって行為が、物語の本質と関わってきそうで。
「そもそもの話だけど、どうして党が日記を禁止してると思う?」
「自分の意見を言ってはいけないから? 服従。党の言う事に反対してはいけないし」
「それもあるけど……考えてみろよ、党が間違ってる事をどうやって証明出来る? 主人公の様に、過去は破棄されてるのに」
「……そこで日記があれば、証明は出来るかも。主張。誰かに伝えられるし」
「だろ? それにさ、物語に党へ反逆する為に入った組織。主人公はどうやって知ったと思う?」
「それは毎日、党が反逆してる組織を非難してるから……変。まるで、それ以外の組織はないみたい」
「実際、存在はしたかもしれないさ。けど、党は過去を消せる。主人公の様な人物を総動員して。結局、党に反逆するにも、党が発表してる情報に頼るしかなくて……」
話せば話す程、段々と恐ろしく思えてくる。
過去、新聞とか日記とか、昔の事が書いてある物が無いと、こうまで人は脆くなって。
だから熱心に、党は過去を消そうと考えていたのだと思う。
……まぁ、それが作者の言いたかった事かは分からないけど。
「日記……いいかも。ねぇ、日記帳とか近くのコンビニに売ってないかな? 感情。主人公がどんな気持ちで書いていたか、確かめたいし」
「いいと思うけど……流石に売ってないと思うな。ノートならありそうだけど。ほら、授業に使うヤツみたいな」
「……残念」
話の後、本町はそう言ってきて。
普段なら、彼女だけが行動して俺が止めたり向きを変えたりするけど。
今日ばかりは、自分も日記を書きたくなっていて。
過去って、大事なんだなと思えてきた。
本町が物語の舞台と同じ場所に突撃し、高丸先生に怒られた過去も……いや、それは違うか?
まぁ、お陰でこうして楽しく話せてる訳だし……
「取り敢えず、明日は帰るついでに本屋でも寄ってくか。あそこ、文房具とかも売ってあるし」
「……早く欲しい、今すぐ。今日。せめて、明日の朝でも」
「明日は学校もあるし、本屋が開く時間には授業中だよ。流石にサボる訳にもいかないし。というか……俺が本町の母に怒られるし」
「……我慢。でも、明日は走って帰るから」「はいはい、分かったよ」
何だかんだ、こうして会話が出来るのも過去があるからで。
それを誰かに消されたら、確かに最悪だとは思う。
確かに本町の家族関係は最悪で、本人だって嫌だろうけど。
それがあるから、共に本を楽しめると思うと……
「……なぁ、もしもの話だけど……本町の家って、あまり家族の仲が良くなかっただろ?」
「そうだけど、それが?」
「話したくないなら話さなくていいけど、もし、家族との仲が良かったら? 今でも本を読んでいるかな。今の様に、誰かと楽しく」
「……分かんない、けど、一つだけ確実に言えるかな」
「何を?」
「……本を読んでなくても、別の形で前永君と話してるって。一緒。趣味とか、もしくは他の何かで」
そう話す本町の表情は、いつもと違って爽やかで。
眩しい位の笑顔に耐え切れず、「かもな……」と、横を向きながら返事した。
主人公は党を離反し、独裁者に反逆する団体へと入る決意をして。
瞬間、前永のページを進ませる手が止まってしまう。
「……なんか、ヤバいな」
「前永君もそう思った? 私もね、読んでてゾッとしたの。寒気。何だろう……道を外れてる、みたいな?」
「そんな感じだな。これじゃあ、党の代わりに反逆者の団体へ忠誠を誓っただけで……何も、変わらない気がする」
反逆者の団体に入ろうと、主人公は決意を固め。
党の人物を殺すのも、自分自身を生贄に晒すのも了承して。
これなら、党に忠誠を誓った人物と何も変わりないと思ってしまう。
考えを二重にしてまで、党に忠誠を誓った連中と。
誓えなかったのは、ただ一つ。
主人公が愛する人を犠牲にする事だけで。
……どうして、こんな考えになってしまったのだろうか。
それから更に読み進め、遂に物語は最終章へ。
最後の最後まで抗った主人公の最後は、ある意味で絶望的であった。
……名作には違いないけど、何だろう。
どうしても、主人公の考えが気になってしまい。
ふと、これが本町を本の舞台になる場所へ向かわせる原動力なのだろうと思った。
「……どうだった? 凄かったでしょ、最後の最後まで」
「面白かったけど……俺も気になるよ、主人公の考えが。どうして反逆者の団体に忠誠を誓えたのか」
「だよね。本当は党の支配が嫌で、禁止されてる事を行った程なのに」
「……なぁ、主人公が明確に反逆した行為、覚えてるよな? 日記、党が禁止してる行為だったろ?」
「そうだと思うけど、何か気になる?」
「もしかして……日記じゃね?」
日記、それだけでは何の意味もなく。
というか自分で言っておいて何だが、上手く本町に説明出来る自信がない。
……でも、日記をつけるって行為が、物語の本質と関わってきそうで。
「そもそもの話だけど、どうして党が日記を禁止してると思う?」
「自分の意見を言ってはいけないから? 服従。党の言う事に反対してはいけないし」
「それもあるけど……考えてみろよ、党が間違ってる事をどうやって証明出来る? 主人公の様に、過去は破棄されてるのに」
「……そこで日記があれば、証明は出来るかも。主張。誰かに伝えられるし」
「だろ? それにさ、物語に党へ反逆する為に入った組織。主人公はどうやって知ったと思う?」
「それは毎日、党が反逆してる組織を非難してるから……変。まるで、それ以外の組織はないみたい」
「実際、存在はしたかもしれないさ。けど、党は過去を消せる。主人公の様な人物を総動員して。結局、党に反逆するにも、党が発表してる情報に頼るしかなくて……」
話せば話す程、段々と恐ろしく思えてくる。
過去、新聞とか日記とか、昔の事が書いてある物が無いと、こうまで人は脆くなって。
だから熱心に、党は過去を消そうと考えていたのだと思う。
……まぁ、それが作者の言いたかった事かは分からないけど。
「日記……いいかも。ねぇ、日記帳とか近くのコンビニに売ってないかな? 感情。主人公がどんな気持ちで書いていたか、確かめたいし」
「いいと思うけど……流石に売ってないと思うな。ノートならありそうだけど。ほら、授業に使うヤツみたいな」
「……残念」
話の後、本町はそう言ってきて。
普段なら、彼女だけが行動して俺が止めたり向きを変えたりするけど。
今日ばかりは、自分も日記を書きたくなっていて。
過去って、大事なんだなと思えてきた。
本町が物語の舞台と同じ場所に突撃し、高丸先生に怒られた過去も……いや、それは違うか?
まぁ、お陰でこうして楽しく話せてる訳だし……
「取り敢えず、明日は帰るついでに本屋でも寄ってくか。あそこ、文房具とかも売ってあるし」
「……早く欲しい、今すぐ。今日。せめて、明日の朝でも」
「明日は学校もあるし、本屋が開く時間には授業中だよ。流石にサボる訳にもいかないし。というか……俺が本町の母に怒られるし」
「……我慢。でも、明日は走って帰るから」「はいはい、分かったよ」
何だかんだ、こうして会話が出来るのも過去があるからで。
それを誰かに消されたら、確かに最悪だとは思う。
確かに本町の家族関係は最悪で、本人だって嫌だろうけど。
それがあるから、共に本を楽しめると思うと……
「……なぁ、もしもの話だけど……本町の家って、あまり家族の仲が良くなかっただろ?」
「そうだけど、それが?」
「話したくないなら話さなくていいけど、もし、家族との仲が良かったら? 今でも本を読んでいるかな。今の様に、誰かと楽しく」
「……分かんない、けど、一つだけ確実に言えるかな」
「何を?」
「……本を読んでなくても、別の形で前永君と話してるって。一緒。趣味とか、もしくは他の何かで」
そう話す本町の表情は、いつもと違って爽やかで。
眩しい位の笑顔に耐え切れず、「かもな……」と、横を向きながら返事した。
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