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やっぱり平和が一番よね
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そんな事は絶対に有り得ない。我ら魔物はこの国で満足しているし、戦争の計画すら立てた事ない。
聖女・スヨミルも、我の国に逃げて来ただけだ。だからこそ、私は王国が戦争をするという報告を信じられなかった。
国民を騙して戦争などしても、負けるのは己の方だというのに。
~~~~~
門を改良したり、街で怪我してる人を治療したり。魔物の国・ミュトランでの生活は平和だった。
あの噓つき聖女の話を聞くまでは。まぁ、彼女は聖なる力を使えないし、聖女と言えないけど。
兎に角、私を処刑しようとした人達が戦争で負けるのは構わないわ。でも、王国民は違うと思うの。
だって、魔物の事で私を信じてくれて協力した人もいるし。
そういう訳で、私は魔王と一緒にコッソリと王国へ向かっている。あの噓つき聖女とか傲慢な国の偉い人とかを懲らしめる為に。
それにしても、魔王って意外と行動派よね。このままだと噓つき聖女のせいで戦争が起きるから、直接会って止めに行こうだなんて。
普通、王様って部下に指示を出したりとかすると思ってたからビックリしちゃった。
まぁ、何かあっても絶対に護れるとか言ってるし、大丈夫よね。それでも問題は無い訳じゃないけど。
既に私は王国に指名手配されてるから、顔を隠さなきゃいけないし。
それに私を貶めた人達は、既に城に閉じこもって避難完了してるし。逃げ足の速い人達よね、ホント。
だから二人で真夜中に城の中を探索中。ひたすら探して見つけては、縄で縛って一つに集めてる。
「ふぅ。ようやく全員集まってくれたわね。」『ちょっと!何よ!話なさいよ!』『そうだ!これは反逆罪だぞ!』
私を処刑しようとした人達は、そう口々に罵って来た。全く、よく言ってくれるわね。魔王もカンカンよ。
『反逆罪とは面白い事を言うな、人間。才のない、口だけの聖女に騙されてよく言えたものだ。』
「お陰で簡単に侵入できたけどね。何せ、城の門に聖水を掛けただけだもん。」『…何っ!?』
王国のお偉いさんは、初めて疑いの目を噓つき聖女に向けちゃった。不思議よね、今になって私の事を信じるのだもの。
『さて、お前達をどう処罰するべきか。我としては厳罰を与えるつもりだが、スミヨルは血生臭い事を望まないのでな。
…うん?おい、あの聖女は何をしてる?』「マズいわ、逃げて!」あの噓つき聖女、何考えてるのよ!
『全部、全部全部全部!!!アンタのセイよ!!!』狂戦士になって、周りの人を皆殺しにするなんて!
『なるほど。ここで全員殺してしまえば、自身の悪事がバレずに済むと。だが甘いな。我は魔王、滅ぼす者だ。』
私が魔王の手を引いて逃げようとする、その一瞬で彼は勝っていた。
狂戦士の魔法で姿形が巨大になって襲い掛かる腕を、まずは魔法で斬り落としちゃう。
そのままうるさく叫ぶ声を、首ごと斬って倒しちゃった。『スミヨル、終わったぞ。』
「本当に?…確かに終わったみたいね。キシュタン王国の偉い人が王様含めていなくなっちゃったし。」
これからどうしようかな?この国の問題はアッサリ解決しちゃったけど、ここまでする予定はなかったし。
『どうした?何か悩み事か?』「ちょっとね、まさか王様が殺されるとは思わなかったし。」
『それなら我が王となり、この国を導こう。人と魔物が住む国の王としてな。』
「魔王がキシュタン王国の王様ね。それなら私は王妃にでもなろうかしら?ねぇ、ピッタリだと思わない?」
『何?…まぁ、うん、確かにな。』「あっ、照れてる。可愛い。」『照れてなどいない!』
「そうムキになるなんて、もっと可愛いわね。それじゃあミュトランまで帰ろっか、私達の城までね。」
聖女・スヨミルも、我の国に逃げて来ただけだ。だからこそ、私は王国が戦争をするという報告を信じられなかった。
国民を騙して戦争などしても、負けるのは己の方だというのに。
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門を改良したり、街で怪我してる人を治療したり。魔物の国・ミュトランでの生活は平和だった。
あの噓つき聖女の話を聞くまでは。まぁ、彼女は聖なる力を使えないし、聖女と言えないけど。
兎に角、私を処刑しようとした人達が戦争で負けるのは構わないわ。でも、王国民は違うと思うの。
だって、魔物の事で私を信じてくれて協力した人もいるし。
そういう訳で、私は魔王と一緒にコッソリと王国へ向かっている。あの噓つき聖女とか傲慢な国の偉い人とかを懲らしめる為に。
それにしても、魔王って意外と行動派よね。このままだと噓つき聖女のせいで戦争が起きるから、直接会って止めに行こうだなんて。
普通、王様って部下に指示を出したりとかすると思ってたからビックリしちゃった。
まぁ、何かあっても絶対に護れるとか言ってるし、大丈夫よね。それでも問題は無い訳じゃないけど。
既に私は王国に指名手配されてるから、顔を隠さなきゃいけないし。
それに私を貶めた人達は、既に城に閉じこもって避難完了してるし。逃げ足の速い人達よね、ホント。
だから二人で真夜中に城の中を探索中。ひたすら探して見つけては、縄で縛って一つに集めてる。
「ふぅ。ようやく全員集まってくれたわね。」『ちょっと!何よ!話なさいよ!』『そうだ!これは反逆罪だぞ!』
私を処刑しようとした人達は、そう口々に罵って来た。全く、よく言ってくれるわね。魔王もカンカンよ。
『反逆罪とは面白い事を言うな、人間。才のない、口だけの聖女に騙されてよく言えたものだ。』
「お陰で簡単に侵入できたけどね。何せ、城の門に聖水を掛けただけだもん。」『…何っ!?』
王国のお偉いさんは、初めて疑いの目を噓つき聖女に向けちゃった。不思議よね、今になって私の事を信じるのだもの。
『さて、お前達をどう処罰するべきか。我としては厳罰を与えるつもりだが、スミヨルは血生臭い事を望まないのでな。
…うん?おい、あの聖女は何をしてる?』「マズいわ、逃げて!」あの噓つき聖女、何考えてるのよ!
『全部、全部全部全部!!!アンタのセイよ!!!』狂戦士になって、周りの人を皆殺しにするなんて!
『なるほど。ここで全員殺してしまえば、自身の悪事がバレずに済むと。だが甘いな。我は魔王、滅ぼす者だ。』
私が魔王の手を引いて逃げようとする、その一瞬で彼は勝っていた。
狂戦士の魔法で姿形が巨大になって襲い掛かる腕を、まずは魔法で斬り落としちゃう。
そのままうるさく叫ぶ声を、首ごと斬って倒しちゃった。『スミヨル、終わったぞ。』
「本当に?…確かに終わったみたいね。キシュタン王国の偉い人が王様含めていなくなっちゃったし。」
これからどうしようかな?この国の問題はアッサリ解決しちゃったけど、ここまでする予定はなかったし。
『どうした?何か悩み事か?』「ちょっとね、まさか王様が殺されるとは思わなかったし。」
『それなら我が王となり、この国を導こう。人と魔物が住む国の王としてな。』
「魔王がキシュタン王国の王様ね。それなら私は王妃にでもなろうかしら?ねぇ、ピッタリだと思わない?」
『何?…まぁ、うん、確かにな。』「あっ、照れてる。可愛い。」『照れてなどいない!』
「そうムキになるなんて、もっと可愛いわね。それじゃあミュトランまで帰ろっか、私達の城までね。」
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