図書館の魔女と王子様(完結)

アイララ

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婚約破棄されるまでステリックに相応しい女性になろうとしたロザーラは、既に婚期を過ぎた年齢になっている。
今から彼女がステリック以外の婚約相手を探そうとしても、碌な相手は見つからないだろう。
既に姉上は結婚まで終わらせている今、ロザーラを格下の相手と婚約させるよりは追い出し、家の名誉を守った方がいいと親は考えてさえいる。
マルカラン王子と婚約なんて無理に決まってるし……ステリックと婚約するのが一番よね。
私が婚約破棄された時の仕打ちを我慢すれば、全て平和に終わるんだし……。

「……」
「話をしたくない気持ちは分かる。ステリックの野郎はお前を騙して婚約破棄してきたのだからな。それでも、これが最後の機会なのだ」
「……少し、考えさせてください」
「分かった。だが、長くは待たんぞ」

屋敷にある会議室、父が他の貴族や商人と話し合う場所での会話を切り上げ、ロザーラは自室に戻る。
相手は自分の好きな本を、図書館の司書を利用して騙した人、そう簡単に許せる筈がなかった。
理屈では婚約するのが一番と考えても、絶対にはい、と言えない相手、それがステリックだ。
それにもし、私が彼と結婚してしまったら王子様の捜査を邪魔する事になるわよね……。
もしステリックと結婚した後に悪事が全て暴かれたら、私はまた一人になる。
そこから新たな婚約を取り付けるのは歳を考えてもほぼ不可能だし、家がそんな人をいつまでも置いておく訳がないし……。

(……手紙、王子様に手紙を書いて、婚約の事を相談したいな)

王立図書館で、また以前の様に話をすれば、もしかしたら答えが出るかもしれないと考える。
確信がある訳じゃない、ただ、話し聞かないと気が済まなかった。
国一番のオッカムを贈ったのはステリックを動揺させる為だけなのか、私とステリックが結婚しても王子様は自分の役目を果たすのか。
そして、王子様と婚約して許されるのかを。

(王子様と婚約まで出来れば、ステリックとの問題は解決するわ。でも、それが彼の為になるとは思えないし。公爵家や外国にいる王女様の婚約を捨ててまで、彼が私を優先するなんて……有り得ないわね)

ロザーラの家も、彼女の意志を無視してステリックとの婚約を優先した。
王子様と話した所で王家が納得してくれるとは限らないだろう。
けれど、それでも話さなければロザーラの気が済まなかった。
……あの時、舞踏会で見た彼の表情が忘れられないから。
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