1,137 / 1,557
第3章 頼りになる『相棒』
いつもの『月島屋』
しおりを挟む
誠達は本部を出てなじみの焼鳥屋『月島屋』にたどり着いた。
「いらっしゃい……今日は島田君達は?」
女将の家村春子が四人を迎えた。
「ええまあ、技術部の連中はカラオケだってさ」
先頭を肩で風を切って歩くかなめはそのまま春子の横を通り抜けてカウンターの端に座った。
誠はその隣に座り、その隣にカウラとアメリアが腰を掛ける。
「じゃあ、とりあえずビールにする?」
「アタシはキープしてる『レモンハート』で」
春子の問いにかなめはあっさりとそう答えた。
すぐさまかなめの愛飲するラム酒の瓶とグラスが出てくるあたりが、いかに彼女がこの店に通いなれているか誠にもよくわかった。
「でも……焼鳥にラムって合うの?」
ビールの中瓶を受け取りながらアメリアはかなめを見つめつつそう言った。
「それより、神前。貴様は何を頼むんだ?」
無表情なカウラはそう言いながら誠の顔を覗き込んだ。
「え!えーと……とりあえず串盛り合わせで!」
無遠慮に近づけられたカウラの端正な面差しに、誠は思わず頬を赤らめながらそう叫んだ。
「まだ夏は続くんだから……ちゃんと食べたほうがいいわよ。シシトウとポテトフライ。それにカシラとボンジリ!」
アメリアが誠とカウラの間に流れた少しいい雰囲気をぶち壊すべく、そう叫びつつビールの注がれたグラスを誠に渡した。
「はい、運転手のベルガーさんは烏龍茶ね」
春子はそう言って大きめのグラスに注がれた烏龍茶をカウラに差し出した。
「わかってます」
『ハコスカ』を運転してきたカウラはそれを受け取ると静かに一すすりしてそのグラスをカウンターに置いた。
「それじゃあ、串焼き盛り合わせ!」
春子は待っていたかのようにいつも頼む串焼き盛り合わせをカウンターに並べた。
「待ってたんですか?」
「いつものことよ」
誠の問いに春子は笑顔で答える。
「それにしても……かなめちゃん」
串焼き盛り合わせを受け取りながらアメリアは説教口調でそう言った。
「なんだよ」
明らかに不機嫌そうにかなめはそう答えた。
「誠ちゃんを『下僕』扱いは……ちょっとね」
「なんだよ。こいつは東和共和国の『庶民』だろ?!親しみを込めて『下僕』と呼んでるんだから、まだましじゃねえか……ちゃんと人間扱いしてんぞ」
ラム酒を飲みながらかなめはめんどくさそうにつぶやいた。
「さすがに『下僕』扱いは問題だぞ……貴族が嫌いだとか言ってる割りには矛盾している」
烏龍茶を飲みながらカウラがつぶやく。
「そうよ!前の『近藤事件』で、誠ちゃんは大活躍したじゃないの!」
アメリアはそう言ってネギまを口にくわえる。
「増長されたらたまんねえのはアタシとカウラだぞ。オメエには関係ねえだろ?」
かなめは明らかに不服そうにそう言ってレバーを口にくわえた。
「誠ちゃんは『法術師』なの!うちでは貴重な戦力なのよ。ちゃんとした扱いしてあげないと……嫌われるわよ」
「何言ってんだ!上司なんて嫌われてなんぼだ!」
挑発的なアメリアの言葉にかなめはムキになって言い返す。
「ちゃんと『相棒』くらいの扱いにしてあげないと……」
「私はそのつもりだぞ……私や貴様とは違う『力』があるんだ。敬意位持っても罰は当たるまい」
アメリアの提案にカウラは静かにそう答えた。
「『相棒』?なんでこんな『落ちこぼれ』が?拳銃一つまともに撃てねえ役立たずなんだぞ」
かなめはさらに怒りながらそう反論する。
「私は戦場を作る。そして、西園寺が撃ち神前が斬ってその結末をつける。私は西園寺と神前を同等に見ている」
そう言ってカウラはトリ皮串を口にくわえた。
「アタシはスナイパーだ。間合いに入らねえと役に立たねえ格闘オンリーの誰かさんとは違うんだよ」
話題を逸らすようにかなめはそう言った。
「でも、誠ちゃんは跳べるわよ。距離とか関係ないんじゃない?」
アメリアはビールで喉を潤した後そう言って糸目で誠を見つめた。
「跳べるねえ……確かにそうだけどよう……」
串焼きを口にくわえてかなめはそう言った。
「じゃあ、次の出動で誠ちゃんはその状況を作ればいいじゃない!敵のど真ん中に飛び込んで大暴れして時間を稼ぐとか……いろいろあるでしょ?」
アメリアはそう言って誠の顔を覗き見た。
誠は誰も構ってくれないのをいいことに、一人、串焼きを連続して口に運んでいるところだった。
「あの……僕にそんなことできるんでしょうか?」
間抜けな調子でそう言った誠に、アメリアは呆れたような視線を送っていた。
「分かったよ。とりあえず人間扱いしてやる……まあすぐにメッキははげるだろうがな」
かなめはそう言って葉巻をくゆらせる。誠はただ何もできずに笑っていることしかできなかった。
「いらっしゃい……今日は島田君達は?」
女将の家村春子が四人を迎えた。
「ええまあ、技術部の連中はカラオケだってさ」
先頭を肩で風を切って歩くかなめはそのまま春子の横を通り抜けてカウンターの端に座った。
誠はその隣に座り、その隣にカウラとアメリアが腰を掛ける。
「じゃあ、とりあえずビールにする?」
「アタシはキープしてる『レモンハート』で」
春子の問いにかなめはあっさりとそう答えた。
すぐさまかなめの愛飲するラム酒の瓶とグラスが出てくるあたりが、いかに彼女がこの店に通いなれているか誠にもよくわかった。
「でも……焼鳥にラムって合うの?」
ビールの中瓶を受け取りながらアメリアはかなめを見つめつつそう言った。
「それより、神前。貴様は何を頼むんだ?」
無表情なカウラはそう言いながら誠の顔を覗き込んだ。
「え!えーと……とりあえず串盛り合わせで!」
無遠慮に近づけられたカウラの端正な面差しに、誠は思わず頬を赤らめながらそう叫んだ。
「まだ夏は続くんだから……ちゃんと食べたほうがいいわよ。シシトウとポテトフライ。それにカシラとボンジリ!」
アメリアが誠とカウラの間に流れた少しいい雰囲気をぶち壊すべく、そう叫びつつビールの注がれたグラスを誠に渡した。
「はい、運転手のベルガーさんは烏龍茶ね」
春子はそう言って大きめのグラスに注がれた烏龍茶をカウラに差し出した。
「わかってます」
『ハコスカ』を運転してきたカウラはそれを受け取ると静かに一すすりしてそのグラスをカウンターに置いた。
「それじゃあ、串焼き盛り合わせ!」
春子は待っていたかのようにいつも頼む串焼き盛り合わせをカウンターに並べた。
「待ってたんですか?」
「いつものことよ」
誠の問いに春子は笑顔で答える。
「それにしても……かなめちゃん」
串焼き盛り合わせを受け取りながらアメリアは説教口調でそう言った。
「なんだよ」
明らかに不機嫌そうにかなめはそう答えた。
「誠ちゃんを『下僕』扱いは……ちょっとね」
「なんだよ。こいつは東和共和国の『庶民』だろ?!親しみを込めて『下僕』と呼んでるんだから、まだましじゃねえか……ちゃんと人間扱いしてんぞ」
ラム酒を飲みながらかなめはめんどくさそうにつぶやいた。
「さすがに『下僕』扱いは問題だぞ……貴族が嫌いだとか言ってる割りには矛盾している」
烏龍茶を飲みながらカウラがつぶやく。
「そうよ!前の『近藤事件』で、誠ちゃんは大活躍したじゃないの!」
アメリアはそう言ってネギまを口にくわえる。
「増長されたらたまんねえのはアタシとカウラだぞ。オメエには関係ねえだろ?」
かなめは明らかに不服そうにそう言ってレバーを口にくわえた。
「誠ちゃんは『法術師』なの!うちでは貴重な戦力なのよ。ちゃんとした扱いしてあげないと……嫌われるわよ」
「何言ってんだ!上司なんて嫌われてなんぼだ!」
挑発的なアメリアの言葉にかなめはムキになって言い返す。
「ちゃんと『相棒』くらいの扱いにしてあげないと……」
「私はそのつもりだぞ……私や貴様とは違う『力』があるんだ。敬意位持っても罰は当たるまい」
アメリアの提案にカウラは静かにそう答えた。
「『相棒』?なんでこんな『落ちこぼれ』が?拳銃一つまともに撃てねえ役立たずなんだぞ」
かなめはさらに怒りながらそう反論する。
「私は戦場を作る。そして、西園寺が撃ち神前が斬ってその結末をつける。私は西園寺と神前を同等に見ている」
そう言ってカウラはトリ皮串を口にくわえた。
「アタシはスナイパーだ。間合いに入らねえと役に立たねえ格闘オンリーの誰かさんとは違うんだよ」
話題を逸らすようにかなめはそう言った。
「でも、誠ちゃんは跳べるわよ。距離とか関係ないんじゃない?」
アメリアはビールで喉を潤した後そう言って糸目で誠を見つめた。
「跳べるねえ……確かにそうだけどよう……」
串焼きを口にくわえてかなめはそう言った。
「じゃあ、次の出動で誠ちゃんはその状況を作ればいいじゃない!敵のど真ん中に飛び込んで大暴れして時間を稼ぐとか……いろいろあるでしょ?」
アメリアはそう言って誠の顔を覗き見た。
誠は誰も構ってくれないのをいいことに、一人、串焼きを連続して口に運んでいるところだった。
「あの……僕にそんなことできるんでしょうか?」
間抜けな調子でそう言った誠に、アメリアは呆れたような視線を送っていた。
「分かったよ。とりあえず人間扱いしてやる……まあすぐにメッキははげるだろうがな」
かなめはそう言って葉巻をくゆらせる。誠はただ何もできずに笑っていることしかできなかった。
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
時き継幻想フララジカ
日奈 うさぎ
ファンタジー
少年はひたすら逃げた。突如変わり果てた街で、死を振り撒く異形から。そして逃げた先に待っていたのは絶望では無く、一振りの希望――魔剣――だった。 逃げた先で出会った大男からその希望を託された時、特別ではなかった少年の運命は世界の命運を懸ける程に大きくなっていく。
なれば〝ヒト〟よ知れ、少年の掴む世界の運命を。
銘無き少年は今より、現想神話を紡ぐ英雄とならん。
時き継幻想(ときつげんそう)フララジカ―――世界は緩やかに混ざり合う。
【概要】
主人公・藤咲勇が少女・田中茶奈と出会い、更に多くの人々とも心を交わして成長し、世界を救うまでに至る現代ファンタジー群像劇です。
現代を舞台にしながらも出てくる新しい現象や文化を彼等の目を通してご覧ください。
忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?
滝川家の人びと
卯花月影
歴史・時代
勝利のために走るのではない。
生きるために走る者は、
傷を負いながらも、歩みを止めない。
戦国という時代の只中で、
彼らは何を失い、
走り続けたのか。
滝川一益と、その郎党。
これは、勝者の物語ではない。
生き延びた者たちの記録である。
織田信長 -尾州払暁-
藪から犬
歴史・時代
織田信長は、戦国の世における天下統一の先駆者として一般に強くイメージされますが、当然ながら、生まれついてそうであるわけはありません。
守護代・織田大和守家の家来(傍流)である弾正忠家の家督を継承してから、およそ14年間を尾張(現・愛知県西部)の平定に費やしています。そして、そのほとんどが一族間での骨肉の争いであり、一歩踏み外せば死に直結するような、四面楚歌の道のりでした。
織田信長という人間を考えるとき、この彼の青春時代というのは非常に色濃く映ります。
そこで、本作では、天文16年(1547年)~永禄3年(1560年)までの13年間の織田信長の足跡を小説としてじっくりとなぞってみようと思いたった次第です。
毎週の月曜日00:00に次話公開を目指しています。
スローペースの拙稿ではありますが、お付き合いいただければ嬉しいです。
(2022.04.04)
※信長公記を下地としていますが諸出来事の年次比定を含め随所に著者の創作および定説ではない解釈等がありますのでご承知置きください。
※アルファポリスの仕様上、「HOTランキング用ジャンル選択」欄を「男性向け」に設定していますが、区別する意図はとくにありません。
英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜
駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。
しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった───
そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。
前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける!
完結まで毎日投稿!
異世界宇宙SFの建艦記 ――最強の宇宙戦艦を建造せよ――
黒鯛の刺身♪
SF
主人公の飯富晴信(16)はしがない高校生。
ある朝目覚めると、そこは見たことのない工場の中だった。
この工場は宇宙船を作るための設備であり、材料さえあれば巨大な宇宙船を造ることもできた。
未知の世界を開拓しながら、主人公は現地の生物達とも交流。
そして時には、戦乱にも巻き込まれ……。
完結 シシルナ島物語 少年薬師ノルド/ 荷運び人ノルド 蠱惑の魔剣
織部
ファンタジー
ノルドは、古き風の島、正式名称シシルナ・アエリア・エルダで育った。母セラと二人きりで暮らし。
背は低く猫背で、隻眼で、両手は動くものの、左腕は上がらず、左足もほとんど動かない、生まれつき障害を抱えていた。
母セラもまた、頭に毒薬を浴びたような痣がある。彼女はスカーフで頭を覆い、人目を避けてひっそりと暮らしていた。
セラ親子がシシルナ島に渡ってきたのは、ノルドがわずか2歳の時だった。
彼の中で最も古い記憶。船のデッキで、母セラに抱かれながら、この新たな島がゆっくりと近づいてくるのを見つめた瞬間だ。
セラの腕の中で、ぽつりと一言、彼がつぶやく。
「セラ、ウミ」
「ええ、そうよ。海」
ノルドの成長譚と冒険譚の物語が開幕します!
カクヨム様 小説家になろう様でも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる