1,465 / 1,557
行動開始
巡回
しおりを挟む
慣れない事をすれば誰でも疲れるものだった。
「これで何件目……」
「カウラさん……まだ始めたばかりじゃないですか」
いつもの運転席に乗り込むカウラの顔は疲れていた。
初日。すぐに動き出したカウラ、誠、ラーナ。とりあえず防犯の呼びかけのポスターを手に五件のマンションを回ったが、捜査よりも戦闘のために作られた人造人間であるカウラの忍耐力はすでに限界を迎えていた。
「午前中はこんなもんすかねえ。こっからお昼。いかがっすか?」
後部座席で腕組みをしているラーナは静かにそう言うと幼くも見えるようなおかっぱの髪を掻き上げた。
「午前中でたった五件でこれか……と言うか午前中か……」
カウラの声がかすれるのも無理は無かった。すでに三時を過ぎようとしている。住宅街の食べ物屋は多くが準備中になっている時間帯。
「訪問がこんなに疲れるものだとは……」
そう言いながらカウラは赤いスポーツカーを動かす。狭い路地を縫うようにして車は進んだ。
「まあ……こういう地道な積み重ねが大事っすからねえ。それと市民と向かい合う時はいつも笑顔。ベルガー大尉はまだイマイチっすね」
「はあ」
ラーナに駄目だしされて少しばかりカウラは肩を落としながら狭い道を進む。両脇に続く家並みはすべて平屋。二十年前の第二次遼州大戦の時の特需以前の貧しさを感じるような家々が続く。
「でも……もしかしたら僕達が回った家の中にすでに犯人の家もあるんじゃないですか?」
思わず誠はそう言っていた。不機嫌になるだろうと振り向いたラーナ。だが誠をまっすぐに見つめるその顔には別にいつもの落ち着いた物腰のラーナの親切そうな表情が写っている。
「それで良いんすよ」
「え?良いのか?」
カウラはようやく大通りに出る入り口の信号で車を止めながら驚いたように静かにつぶやいた。ラーナは再び助手席で正面を向くと教え諭すような口調で話を始めた。
「もしアタシ等が警戒しているって分かればそれだけで犯罪に対する抑止力になるんすから。確かに犯人逮捕も大事っす。でもこうして未然に犯罪を防ぐことも任務の一つっすから」
警戒感を解くような笑顔を向けるラーナ。いつも茜の助手として付いて回っていると言う印象しかない誠には、そんなラーナの穏やかな表情が非常に新鮮に見えた。カウラも頷きながら大通りに車を走らせる。
「それは分かった。じゃあ西園寺とアメリアは……」
『おいおい、特殊部隊上がりを馬鹿にすんじゃねえぞ』
車の固定端末のスピーカーから響くのはかなめの声だった。彼女の脳には常に通信端末が接続されている。そんな彼女にとってこの車の会話を盗聴することなど手数にも入らないことなのはまことも知っている。
「なんだ聞いていたのか……悪趣味だな」
『陰口を言おうとしていた奴に言われたくねえよ!』
そう言うとしばらく雑音が響く。そしてすぐに車のコントロールパネルの画面に映像が映った。そこではかなめとアメリアが並んで寿司を食っている場面が映し出された。多分端末の一つをカメラのつもりでテーブルの端にでも置いているらしい。
「そちらも今昼飯か。それに寿司か……回転寿司とは考えたな」
『まあしかたねえだろ?今の時間は開いている店が限られるんだから』
満面の笑みでトロを頬張るかなめ。それを見ながら時々画面を見つめつつ、アメリアはかっぱ巻きを続けて口に運んでいる。
「そうだな。カルビナ、寿司でいいか?」
「できれば安いところが良いんすけど……」
いつもの控えめなラーナに戻る姿が滑稽で誠は思わず噴出した。
「じゃあ……この近くならハンバーガーの店があったろ?」
「チェーン店ですか?」
「確かそうだよな」
カウラのいう通りなので誠はうなづいた。
「ならそこで良いっすよ……神前曹長もその方がいいっすよね?」
カウラは誠が頷くのを見ると笑みを浮かべてアクセルを吹かした。
「そう言えば……西園寺はラーナの意見に特に反論しなかったな。それとなにやらラーナの端末にアクセスしていたみたいだが……何か掴んだのか?」
そんなカウラの質問にウニを頬張りながらタレ目のかなめは大きく頷いた。
『当たり前だろ?アタシを誰だと思ってるんだよ。そんな作業でも並行してやっていなきゃなんでこんな奴と……』
『かなめちゃんひどい!こんな奴なんて!』
アメリアの声だけが端末に響く。思わず誠も苦笑しながらラーナを見てみた。彼女はと言えば相変わらず自分の端末を叩いて作業を続けていた。
「で……結果は?」
『焦るなっての。そんなに簡単に行くわけ無いだろ?とりあえずラーナのデータは正確だったってことはよく分かったよ』
「あんがとうございます」
ラーナはついでのように答えた。それが気に入らないと言うようにかなめはかっぱ巻きを口の放り込む。
『アタシも豊川の街をこうして回るのは初めてだが……まあ予想以上に複雑だわ、この国も』
「実のところ本当の意味で東和が大国になったのは先の大戦のあとの復興景気以降だからな。それを考えて見ればこういう地方都市の矛盾と言うものも見えてくる」
『難しいこと言うじゃねえか。まあそんなことはどうでもいいとして……今回の事件。誰が犯人でもおかしくない気がしてきたよ。特に旧市街のアパート住人と旧住人の軋轢は昔から酷いもんだったらしいや。それが今回の法術の存在の発表。火に油を注いだようなもんだ』
そう言いながら再びかなめは回転するベルトから高そうな軍艦巻きを手に取った。
「以前は市民団体やら市役所の担当窓口やらが仲介に入ってなんとか騒ぎにはならないでいたらしいが……すでに何軒かの訴訟が起きてる。ほとんどが法術がらみだ。アタシ等が法術師を探して歩くと言い出すかも知れない以上、豊川署の連中が会議から締め出した理由は読めてきたよ』
「恐らく法術師をめぐるトラブルの話題が会議でも取りざたされるだろうからな。うちが法術師なんてものを世の中に発表する機会が無ければよかったと言うお決まりの愚痴も叩けなくなるだろうからな」
納得したようにカウラはうなづく。誠はすぐにラーナに目を向ける。誠もラーナも法術適正のある法術師である。恐らく同じように部屋を探したりアパートに暮らしたりすれば同じように差別や嫌がらせを受けることはすぐに想像が付く。そしてそんな世の中にした法術の存在の顕現化を行なったのは他でもない『近藤事件』での誠の法術による敵アサルト・モジュールの撃墜だった。
「西園寺。そこらへんは後で話す」
誠の動揺がカウラに見透かされていたようでカウラはすばやく話を変えると端末を消した。
「気にするな……と言っても無理か」
そう言うとカウラはハンバーガーショップの駐車場に車を入れた。そしてそのまま車をドライブスルー
の場所に移動させる。
「食べていかないんですか?」
訪ねてくる誠にカウラは疲れたような笑みを浮かべるだけだった。
「そう……だったな。カルビナはどうする」
駐車場にハンドルを切ろうとしたときに助手席のラーナが思わずカウラの左手を押さえた。
「アタシはどうも……お店で食べるのは慣れないんすよ」
「むしろ人の顔は見たくないか……」
ラーナの言葉を聞くとカウラはそのまま運転席の窓を開ける。
『いらっしゃいませ!ご注文をどうぞ』
明るい店員の女性の声が響く。ラーナはなぜかうつむいたまま自分の端末を呆然と眺めていた。
「全員Aセットでいいな……じゃあAセットを三つ。ドリンクはブレンドコーヒーで」
『かしこまりました。Aセット三つ、お飲み物はブレンドですね』
明るい声だが、誠もなぜか相変わらず違和感を感じていた。
「見ただけじゃ分からないのに……やはり壁は感じますね」
そうつぶやいた誠に情けないと言うような笑顔で答えるラーナ。彼女は遼南難民出身で純血の遼州人だった。誠も名前こそ日本風だが遺伝子検査では地球人との混血はほとんど無いと判定されていた。
「人はそれぞれ違うものだと言うが……あれだけ違うとな」
カウラがそう言ったのは最後のアパートの男子大学生との会話を思い出したからだった。
『迷惑なんですよね……法術適正?そんなの受けなきゃいけない化け物に生まれたつもりはありませんよ』
無精髭が目立つ小太りの男子大学生はそう言うとラーナが差し出したチラシを受け取らずにドアを閉めた。まるで自分は関係なく、地球人の直系の人種だと言うことを特に証拠もなく信じている若者が増えていることは誠も知っていた。だがそれにしてもその死んだように誠達を見つめる目。自分の差別意識に露ほども疑問を感じていないその鈍感な管制に誠は衝撃を受けていた。
「近くに運動公園があるな。そこで食べるか」
そう言いながらカウラは商品の受け取り口のある店の裏手へと車を進めた。誠もラーナもただ何もできずに黙ってカウラの言葉にうなづくだけだった。
「これで何件目……」
「カウラさん……まだ始めたばかりじゃないですか」
いつもの運転席に乗り込むカウラの顔は疲れていた。
初日。すぐに動き出したカウラ、誠、ラーナ。とりあえず防犯の呼びかけのポスターを手に五件のマンションを回ったが、捜査よりも戦闘のために作られた人造人間であるカウラの忍耐力はすでに限界を迎えていた。
「午前中はこんなもんすかねえ。こっからお昼。いかがっすか?」
後部座席で腕組みをしているラーナは静かにそう言うと幼くも見えるようなおかっぱの髪を掻き上げた。
「午前中でたった五件でこれか……と言うか午前中か……」
カウラの声がかすれるのも無理は無かった。すでに三時を過ぎようとしている。住宅街の食べ物屋は多くが準備中になっている時間帯。
「訪問がこんなに疲れるものだとは……」
そう言いながらカウラは赤いスポーツカーを動かす。狭い路地を縫うようにして車は進んだ。
「まあ……こういう地道な積み重ねが大事っすからねえ。それと市民と向かい合う時はいつも笑顔。ベルガー大尉はまだイマイチっすね」
「はあ」
ラーナに駄目だしされて少しばかりカウラは肩を落としながら狭い道を進む。両脇に続く家並みはすべて平屋。二十年前の第二次遼州大戦の時の特需以前の貧しさを感じるような家々が続く。
「でも……もしかしたら僕達が回った家の中にすでに犯人の家もあるんじゃないですか?」
思わず誠はそう言っていた。不機嫌になるだろうと振り向いたラーナ。だが誠をまっすぐに見つめるその顔には別にいつもの落ち着いた物腰のラーナの親切そうな表情が写っている。
「それで良いんすよ」
「え?良いのか?」
カウラはようやく大通りに出る入り口の信号で車を止めながら驚いたように静かにつぶやいた。ラーナは再び助手席で正面を向くと教え諭すような口調で話を始めた。
「もしアタシ等が警戒しているって分かればそれだけで犯罪に対する抑止力になるんすから。確かに犯人逮捕も大事っす。でもこうして未然に犯罪を防ぐことも任務の一つっすから」
警戒感を解くような笑顔を向けるラーナ。いつも茜の助手として付いて回っていると言う印象しかない誠には、そんなラーナの穏やかな表情が非常に新鮮に見えた。カウラも頷きながら大通りに車を走らせる。
「それは分かった。じゃあ西園寺とアメリアは……」
『おいおい、特殊部隊上がりを馬鹿にすんじゃねえぞ』
車の固定端末のスピーカーから響くのはかなめの声だった。彼女の脳には常に通信端末が接続されている。そんな彼女にとってこの車の会話を盗聴することなど手数にも入らないことなのはまことも知っている。
「なんだ聞いていたのか……悪趣味だな」
『陰口を言おうとしていた奴に言われたくねえよ!』
そう言うとしばらく雑音が響く。そしてすぐに車のコントロールパネルの画面に映像が映った。そこではかなめとアメリアが並んで寿司を食っている場面が映し出された。多分端末の一つをカメラのつもりでテーブルの端にでも置いているらしい。
「そちらも今昼飯か。それに寿司か……回転寿司とは考えたな」
『まあしかたねえだろ?今の時間は開いている店が限られるんだから』
満面の笑みでトロを頬張るかなめ。それを見ながら時々画面を見つめつつ、アメリアはかっぱ巻きを続けて口に運んでいる。
「そうだな。カルビナ、寿司でいいか?」
「できれば安いところが良いんすけど……」
いつもの控えめなラーナに戻る姿が滑稽で誠は思わず噴出した。
「じゃあ……この近くならハンバーガーの店があったろ?」
「チェーン店ですか?」
「確かそうだよな」
カウラのいう通りなので誠はうなづいた。
「ならそこで良いっすよ……神前曹長もその方がいいっすよね?」
カウラは誠が頷くのを見ると笑みを浮かべてアクセルを吹かした。
「そう言えば……西園寺はラーナの意見に特に反論しなかったな。それとなにやらラーナの端末にアクセスしていたみたいだが……何か掴んだのか?」
そんなカウラの質問にウニを頬張りながらタレ目のかなめは大きく頷いた。
『当たり前だろ?アタシを誰だと思ってるんだよ。そんな作業でも並行してやっていなきゃなんでこんな奴と……』
『かなめちゃんひどい!こんな奴なんて!』
アメリアの声だけが端末に響く。思わず誠も苦笑しながらラーナを見てみた。彼女はと言えば相変わらず自分の端末を叩いて作業を続けていた。
「で……結果は?」
『焦るなっての。そんなに簡単に行くわけ無いだろ?とりあえずラーナのデータは正確だったってことはよく分かったよ』
「あんがとうございます」
ラーナはついでのように答えた。それが気に入らないと言うようにかなめはかっぱ巻きを口の放り込む。
『アタシも豊川の街をこうして回るのは初めてだが……まあ予想以上に複雑だわ、この国も』
「実のところ本当の意味で東和が大国になったのは先の大戦のあとの復興景気以降だからな。それを考えて見ればこういう地方都市の矛盾と言うものも見えてくる」
『難しいこと言うじゃねえか。まあそんなことはどうでもいいとして……今回の事件。誰が犯人でもおかしくない気がしてきたよ。特に旧市街のアパート住人と旧住人の軋轢は昔から酷いもんだったらしいや。それが今回の法術の存在の発表。火に油を注いだようなもんだ』
そう言いながら再びかなめは回転するベルトから高そうな軍艦巻きを手に取った。
「以前は市民団体やら市役所の担当窓口やらが仲介に入ってなんとか騒ぎにはならないでいたらしいが……すでに何軒かの訴訟が起きてる。ほとんどが法術がらみだ。アタシ等が法術師を探して歩くと言い出すかも知れない以上、豊川署の連中が会議から締め出した理由は読めてきたよ』
「恐らく法術師をめぐるトラブルの話題が会議でも取りざたされるだろうからな。うちが法術師なんてものを世の中に発表する機会が無ければよかったと言うお決まりの愚痴も叩けなくなるだろうからな」
納得したようにカウラはうなづく。誠はすぐにラーナに目を向ける。誠もラーナも法術適正のある法術師である。恐らく同じように部屋を探したりアパートに暮らしたりすれば同じように差別や嫌がらせを受けることはすぐに想像が付く。そしてそんな世の中にした法術の存在の顕現化を行なったのは他でもない『近藤事件』での誠の法術による敵アサルト・モジュールの撃墜だった。
「西園寺。そこらへんは後で話す」
誠の動揺がカウラに見透かされていたようでカウラはすばやく話を変えると端末を消した。
「気にするな……と言っても無理か」
そう言うとカウラはハンバーガーショップの駐車場に車を入れた。そしてそのまま車をドライブスルー
の場所に移動させる。
「食べていかないんですか?」
訪ねてくる誠にカウラは疲れたような笑みを浮かべるだけだった。
「そう……だったな。カルビナはどうする」
駐車場にハンドルを切ろうとしたときに助手席のラーナが思わずカウラの左手を押さえた。
「アタシはどうも……お店で食べるのは慣れないんすよ」
「むしろ人の顔は見たくないか……」
ラーナの言葉を聞くとカウラはそのまま運転席の窓を開ける。
『いらっしゃいませ!ご注文をどうぞ』
明るい店員の女性の声が響く。ラーナはなぜかうつむいたまま自分の端末を呆然と眺めていた。
「全員Aセットでいいな……じゃあAセットを三つ。ドリンクはブレンドコーヒーで」
『かしこまりました。Aセット三つ、お飲み物はブレンドですね』
明るい声だが、誠もなぜか相変わらず違和感を感じていた。
「見ただけじゃ分からないのに……やはり壁は感じますね」
そうつぶやいた誠に情けないと言うような笑顔で答えるラーナ。彼女は遼南難民出身で純血の遼州人だった。誠も名前こそ日本風だが遺伝子検査では地球人との混血はほとんど無いと判定されていた。
「人はそれぞれ違うものだと言うが……あれだけ違うとな」
カウラがそう言ったのは最後のアパートの男子大学生との会話を思い出したからだった。
『迷惑なんですよね……法術適正?そんなの受けなきゃいけない化け物に生まれたつもりはありませんよ』
無精髭が目立つ小太りの男子大学生はそう言うとラーナが差し出したチラシを受け取らずにドアを閉めた。まるで自分は関係なく、地球人の直系の人種だと言うことを特に証拠もなく信じている若者が増えていることは誠も知っていた。だがそれにしてもその死んだように誠達を見つめる目。自分の差別意識に露ほども疑問を感じていないその鈍感な管制に誠は衝撃を受けていた。
「近くに運動公園があるな。そこで食べるか」
そう言いながらカウラは商品の受け取り口のある店の裏手へと車を進めた。誠もラーナもただ何もできずに黙ってカウラの言葉にうなづくだけだった。
10
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?
織田信長 -尾州払暁-
藪から犬
歴史・時代
織田信長は、戦国の世における天下統一の先駆者として一般に強くイメージされますが、当然ながら、生まれついてそうであるわけはありません。
守護代・織田大和守家の家来(傍流)である弾正忠家の家督を継承してから、およそ14年間を尾張(現・愛知県西部)の平定に費やしています。そして、そのほとんどが一族間での骨肉の争いであり、一歩踏み外せば死に直結するような、四面楚歌の道のりでした。
織田信長という人間を考えるとき、この彼の青春時代というのは非常に色濃く映ります。
そこで、本作では、天文16年(1547年)~永禄3年(1560年)までの13年間の織田信長の足跡を小説としてじっくりとなぞってみようと思いたった次第です。
毎週の月曜日00:00に次話公開を目指しています。
スローペースの拙稿ではありますが、お付き合いいただければ嬉しいです。
(2022.04.04)
※信長公記を下地としていますが諸出来事の年次比定を含め随所に著者の創作および定説ではない解釈等がありますのでご承知置きください。
※アルファポリスの仕様上、「HOTランキング用ジャンル選択」欄を「男性向け」に設定していますが、区別する意図はとくにありません。
時き継幻想フララジカ
日奈 うさぎ
ファンタジー
少年はひたすら逃げた。突如変わり果てた街で、死を振り撒く異形から。そして逃げた先に待っていたのは絶望では無く、一振りの希望――魔剣――だった。 逃げた先で出会った大男からその希望を託された時、特別ではなかった少年の運命は世界の命運を懸ける程に大きくなっていく。
なれば〝ヒト〟よ知れ、少年の掴む世界の運命を。
銘無き少年は今より、現想神話を紡ぐ英雄とならん。
時き継幻想(ときつげんそう)フララジカ―――世界は緩やかに混ざり合う。
【概要】
主人公・藤咲勇が少女・田中茶奈と出会い、更に多くの人々とも心を交わして成長し、世界を救うまでに至る現代ファンタジー群像劇です。
現代を舞台にしながらも出てくる新しい現象や文化を彼等の目を通してご覧ください。
滝川家の人びと
卯花月影
歴史・時代
勝利のために走るのではない。
生きるために走る者は、
傷を負いながらも、歩みを止めない。
戦国という時代の只中で、
彼らは何を失い、
走り続けたのか。
滝川一益と、その郎党。
これは、勝者の物語ではない。
生き延びた者たちの記録である。
英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜
駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。
しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった───
そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。
前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける!
完結まで毎日投稿!
蒼穹の裏方
Flight_kj
SF
日本海軍のエンジンを中心とする航空技術開発のやり直し
未来の知識を有する主人公が、海軍機の開発のメッカ、空技廠でエンジンを中心として、武装や防弾にも口出しして航空機の開発をやり直す。性能の良いエンジンができれば、必然的に航空機も優れた機体となる。加えて、日本が遅れていた電子機器も知識を生かして開発を加速してゆく。それらを利用して如何に海軍は戦ってゆくのか?未来の知識を基にして、どのような戦いが可能になるのか?航空機に関連する開発を中心とした物語。カクヨムにも投稿しています。
女神の白刃
玉椿 沢
ファンタジー
どこかの世界の、いつかの時代。
その世界の戦争は、ある遺跡群から出現した剣により、大きく姿を変えた。
女の身体を鞘とする剣は、魔力を収束、発振する兵器。
剣は瞬く間に戦を大戦へ進歩させた。数々の大戦を経た世界は、権威を西の皇帝が、権力を東の大帝が握る世になり、終息した。
大戦より数年後、まだ治まったとはいえない世界で、未だ剣士は剣を求め、奪い合っていた。
魔物が出ようと、町も村も知った事かと剣を求める愚かな世界で、赤茶けた大地を畑や町に、煤けた顔を笑顔に変えたいという脳天気な一団が現れる。
*表紙絵は五月七日ヤマネコさん(@yamanekolynx_2)の作品です*
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる