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♡妃失格?
「そう言えば、セックスでも“後ろ向き”が苦手だったね。ごめん、すっかり忘れてたよ」
「……っ」
ドレスの中ですっかり肌が汗ばんでいる私とは異なり、リシャルドは先程まで公務に出ていたかのような落ち着きぶりである。その顔も、とても涼しげなものであった。
「だいぶ暑そうだけど、喉乾いた?」
「えっと、少しだけ……」
「ん、分かった」
そう言うと、リシャルドはソファの傍らのミニテーブルに置かれたボトルの水を、グラスに注がずそのままあおった。そして口に含んだ水を、私に口移ししたのだった。
「……っ」
冷たい水が喉へと流れ込んでいるはずなのに、彼を求める身体は熱いまま。そんな感覚に陥りながらも、私はただ水を飲み下したのだった。
「ティア、喉は潤った?」
「っ、は、はい」
「ん、それは良かった」
そう言いながら、リシャルドは私のコルセットを緩めた。そしてドレスの肩を落として、胸がみえるギリギリまで布を下げたのだった。
だいぶ涼しくなったものの、脱ぎ乱れたような形になるのはやはり恥ずかしい。私は慌てて胸元を手で隠した。
リシャルドの膝の上で足をもぞつかせていると、左太ももあたりに温かみを感じたのだった。
「ん、まだ完勃ちじゃなくて、あと半分ってところかな」
トラウザーズのベルトに手をかけて、リシャルドは牡茎を引っ張り出した。
彼の言うとおり、ペニスはまだ上向いておらず、柔らかさを残していた。だからといってソレが小さく短いとは思わないものの、皺の見える竿の表面を見ると、萎んだ風船のような「まだ膨らむことができる」という余裕を感じるのだった。
「ね、ティア……ここ、撫でて?」
「っ、そんな……どう触ったら良いか分かりませんから……っ」
情事を始める前にリシャルドが肉筒を手で扱いているところは、何度か見たことはある。しかし、それを自分でするなんて不安を感じるどころの話ではない。力加減を誤って彼の大事な部分を傷つけてしまわないかと思うと、身体が震えるような気分であった。
「大丈夫。ちゃんと加減は教えるから……ね?」
「ひ、あっ……」
リシャルドは、私の左手に柔らかなペニスを握らせた。そしてその上から自らの手のひらを重ねて、上下に動かし始めたのだった。
「っ、リシャルド様、怖いです……!」
「ん、このくらい問題ないよ……っ、もう少し強く握ったっていいくらいだ……っ」
「っ……、そんな……っ!」
手が扱く動作をするにつれて、肉棒は芯をもち、熱を高めていく。手のひらの中で血管が脈打つ感覚は、まるで小さな動物を手中に収めているようにも思えた。
「……っ、は……っ、ぐ」
左手同士を重ねているため、結婚指輪が不意に重なり合うのを感じた。
情事の際は寝る前なので、いつも指輪は外している。それもあり自分の中では、結婚指輪は夜の夫婦生活とは切り離されたものであり、昼の日常生活と深く結びついているものであった。
昼間の私しか知らない指輪という存在が、今はこんな行為を目の当たりにしている。そう思うと、余計に恥ずかしさを感じるのであった。
「……っ、は、ティア、出すよ……っ、ぐ……っ!」
リシャルドは身体を震わせて、手のひらの中に精を放った。初めて触れた精液は生暖かく、彼の体温がまだ残っているようにも思えた。
……リシャルド様も私も達したということは……終わりってことかしら?
肩で息をするリシャルドを見ながら、私はぼんやりとこんなことを考えていた。
しかし彼は、何も言わずボトルの水を一気飲みした。それから、とんでもない一言を言い放ったのである。
「じゃあ、ティア。本番いこっか」
「え……? あっ!」
疑問を口にするより先に、リシャルドは私をさっさとソファに座らせた。
「っ、でも、リシャルド様……さっき、一回シたはずじゃ……」
「ん、大丈夫だよ」
リシャルドが数回扱くと、射精して下を向いていた牡茎は再び硬くなり上向いたのだった。
「う、嘘……」
「もしかして、知らなかった? 何度も戻せるんだよ、男のやつはさ」
そう言ってから向かい合う形で、リシャルドは私を貫いたのだった。
「ひ、あっ、あああっ!」
両脚を担ぎ上げるようにして、リシャルドは挿入を深める。強すぎる快楽から逃げようとするものの、ソファの背もたれがあるせいで腰を引けない。逃げ場を失った私に、リシャルドは容赦なく腰を打ち付けてきたのだった。
「……っ、は……ティア……、一回イッたのに、随分悦さそうだね、じゃあ、おかわり一回ぐらいは、大丈夫そうかな?」
「な、何を言ってるんです? おかわりって……?」
「知らなかった? 夜の夫婦生活が一回で終わらせたくないって……俺はずっと思ってたけど? シたいと思っても、ずっと我慢してたんだよ、ティア……!」
「っな……! そ、んな……っ」
リシャルドの信じられない本音を耳にして、呆気に取られる私。しかし彼はというと、セックスの最中で今まで見たことがないほど幸せそうな表情をしていたのだった。
「っ、は、ティア……もう、出すからね? 奥……しっかり受け止めて、くれよ……ぐっ」
「ひっ、ああああっ!!」
びゅるびゅると熱い白濁で中を射抜かれた刺激で、私も達したのだった。
「ん……」
「は、ティア……」
途切れ途切れに精を吐き出す最中、リシャルドは何度も私に口付けた。
私たちのまぐわいは、もはや子作りという本来のから離れている。彼のキスを受けながら、私は不意に考えた。
……でも、リシャルド様が嬉しそうだから、“良し”と思っておきましょうか。
そんなふうに考える自分は、不真面目であり妃失格だろうか。そんなことを思いながらも、私はただリシャルドの愛情を受け入れたのだった。
+次は18:32更新。お楽しみに♡
「……っ」
ドレスの中ですっかり肌が汗ばんでいる私とは異なり、リシャルドは先程まで公務に出ていたかのような落ち着きぶりである。その顔も、とても涼しげなものであった。
「だいぶ暑そうだけど、喉乾いた?」
「えっと、少しだけ……」
「ん、分かった」
そう言うと、リシャルドはソファの傍らのミニテーブルに置かれたボトルの水を、グラスに注がずそのままあおった。そして口に含んだ水を、私に口移ししたのだった。
「……っ」
冷たい水が喉へと流れ込んでいるはずなのに、彼を求める身体は熱いまま。そんな感覚に陥りながらも、私はただ水を飲み下したのだった。
「ティア、喉は潤った?」
「っ、は、はい」
「ん、それは良かった」
そう言いながら、リシャルドは私のコルセットを緩めた。そしてドレスの肩を落として、胸がみえるギリギリまで布を下げたのだった。
だいぶ涼しくなったものの、脱ぎ乱れたような形になるのはやはり恥ずかしい。私は慌てて胸元を手で隠した。
リシャルドの膝の上で足をもぞつかせていると、左太ももあたりに温かみを感じたのだった。
「ん、まだ完勃ちじゃなくて、あと半分ってところかな」
トラウザーズのベルトに手をかけて、リシャルドは牡茎を引っ張り出した。
彼の言うとおり、ペニスはまだ上向いておらず、柔らかさを残していた。だからといってソレが小さく短いとは思わないものの、皺の見える竿の表面を見ると、萎んだ風船のような「まだ膨らむことができる」という余裕を感じるのだった。
「ね、ティア……ここ、撫でて?」
「っ、そんな……どう触ったら良いか分かりませんから……っ」
情事を始める前にリシャルドが肉筒を手で扱いているところは、何度か見たことはある。しかし、それを自分でするなんて不安を感じるどころの話ではない。力加減を誤って彼の大事な部分を傷つけてしまわないかと思うと、身体が震えるような気分であった。
「大丈夫。ちゃんと加減は教えるから……ね?」
「ひ、あっ……」
リシャルドは、私の左手に柔らかなペニスを握らせた。そしてその上から自らの手のひらを重ねて、上下に動かし始めたのだった。
「っ、リシャルド様、怖いです……!」
「ん、このくらい問題ないよ……っ、もう少し強く握ったっていいくらいだ……っ」
「っ……、そんな……っ!」
手が扱く動作をするにつれて、肉棒は芯をもち、熱を高めていく。手のひらの中で血管が脈打つ感覚は、まるで小さな動物を手中に収めているようにも思えた。
「……っ、は……っ、ぐ」
左手同士を重ねているため、結婚指輪が不意に重なり合うのを感じた。
情事の際は寝る前なので、いつも指輪は外している。それもあり自分の中では、結婚指輪は夜の夫婦生活とは切り離されたものであり、昼の日常生活と深く結びついているものであった。
昼間の私しか知らない指輪という存在が、今はこんな行為を目の当たりにしている。そう思うと、余計に恥ずかしさを感じるのであった。
「……っ、は、ティア、出すよ……っ、ぐ……っ!」
リシャルドは身体を震わせて、手のひらの中に精を放った。初めて触れた精液は生暖かく、彼の体温がまだ残っているようにも思えた。
……リシャルド様も私も達したということは……終わりってことかしら?
肩で息をするリシャルドを見ながら、私はぼんやりとこんなことを考えていた。
しかし彼は、何も言わずボトルの水を一気飲みした。それから、とんでもない一言を言い放ったのである。
「じゃあ、ティア。本番いこっか」
「え……? あっ!」
疑問を口にするより先に、リシャルドは私をさっさとソファに座らせた。
「っ、でも、リシャルド様……さっき、一回シたはずじゃ……」
「ん、大丈夫だよ」
リシャルドが数回扱くと、射精して下を向いていた牡茎は再び硬くなり上向いたのだった。
「う、嘘……」
「もしかして、知らなかった? 何度も戻せるんだよ、男のやつはさ」
そう言ってから向かい合う形で、リシャルドは私を貫いたのだった。
「ひ、あっ、あああっ!」
両脚を担ぎ上げるようにして、リシャルドは挿入を深める。強すぎる快楽から逃げようとするものの、ソファの背もたれがあるせいで腰を引けない。逃げ場を失った私に、リシャルドは容赦なく腰を打ち付けてきたのだった。
「……っ、は……ティア……、一回イッたのに、随分悦さそうだね、じゃあ、おかわり一回ぐらいは、大丈夫そうかな?」
「な、何を言ってるんです? おかわりって……?」
「知らなかった? 夜の夫婦生活が一回で終わらせたくないって……俺はずっと思ってたけど? シたいと思っても、ずっと我慢してたんだよ、ティア……!」
「っな……! そ、んな……っ」
リシャルドの信じられない本音を耳にして、呆気に取られる私。しかし彼はというと、セックスの最中で今まで見たことがないほど幸せそうな表情をしていたのだった。
「っ、は、ティア……もう、出すからね? 奥……しっかり受け止めて、くれよ……ぐっ」
「ひっ、ああああっ!!」
びゅるびゅると熱い白濁で中を射抜かれた刺激で、私も達したのだった。
「ん……」
「は、ティア……」
途切れ途切れに精を吐き出す最中、リシャルドは何度も私に口付けた。
私たちのまぐわいは、もはや子作りという本来のから離れている。彼のキスを受けながら、私は不意に考えた。
……でも、リシャルド様が嬉しそうだから、“良し”と思っておきましょうか。
そんなふうに考える自分は、不真面目であり妃失格だろうか。そんなことを思いながらも、私はただリシャルドの愛情を受け入れたのだった。
+次は18:32更新。お楽しみに♡
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