可愛げのないチート巫女とその下僕たち

鵺紅深

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第1章 接触編

巻き込まれ

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side白

 もしも神様ってのがいるとしたら恨む。俺が一体何したって言うんだ…。
 目の前の光景に思わず頭を抱えた。

 ことの始まりは数時間前。暇だからって理由で使わせてもらった部屋を出て…色々と見て回ってたらちっこいのに囲まれてた。どうやら上手くできない事があるらしくて聞かれ、ざっと教えて顔を上げたら子供が並んでた。
 八家での教え方ってのが専門用語バリバリらしいから、ついていけなかった外部からの入門者だろう。子供なのに大変だよな、なんて呑気に思う。あ、ちなみに俺にあるのは専門用語の知識だけで、あとは教科書らしき本に書いてある文を要約してるだけ。俺に術とかそういう知識は、ない。

 ある程度子供たちに付き合ってから、俺は南嫗みなみおうなの奥へと進む。姫さんから聞いていた道を歩いて行と時々何となく嫌な感じを感じる。多分結界のたぐいで俺を、というより嫌なものを寄せ付けない為なんだろう。今は用がないから放置する。こういうのって大体が探知機みたいなのついてるから、気にするだけ疲れる。…ここまで来てるのバレたら煩そうだし、創作できなくなるし。
 奥まで歩いていくと目の前に、やっぱり結界。ただし今までのものとは系統が違う。何と言えばいいのか、外のモノを中に入れない為ではなく…選んで中に呼び込む、様な。勿論感覚の問題で本当かどうかは分からない。……俺、そういう知識ないし。
 手を伸ばして結界に触れ、自分が拒絶されない事を確認する。問題無さそうだ、と判断した瞬間、結界内に引き込まれる。腕を掴まれて引っ張られた、と思った時は中だった。もう1度結界に触れると、指先にチリチリとした痛みが走る。あー、出れないなこれ。だとしたら進むしかない。人間諦めが肝心だってことは姫さんと出逢ってから嫌という程学んだ。人遣い荒いし、一々腹立てても疲れるだけ。…うん、姫さんに毒されてるな、俺。出来れば平凡な人生が良かったんだけどな。
「お前は何を選ぶのかぇ?」
 不意にかけられた声に顔を上げると目の前に映るのは小さな女の子。楽しそうに笑う姿に頭を抱えると反射的に手を上げる。突き飛ばし、距離をとる。
「おい、人外。そういう人間相手の対応は止めとけ。遊んで欲しいなら遊んでやるから」
 目の前の女の子はその瞬間にやりと歪んだ笑みを浮かべる、瞬間。目の前から消えて感じる衝撃。恐らく腹部だろうって思う前に、床に手をついて足払いをかける。
 単純な攻防であるが多分姫さんなら一瞬で勝負が着くだろう。…面倒がってやらないだろうけど。
 単純に直線的に迫ってきた少女に僅かに本気を出してその喉元を掴む。眼をむく少女に小さく笑うと目を細めて睨む。
「おい、人外。俺を見誤るな」
「ああそうか、主は人でなく禍物まがものか。それなら今のわらわでは勝てぬのぉ」
「…本気出しても姫さんには勝てないだろうけどな。俺より強いぜ、姫さんは」
「それはそれは…面白い女子おなごよのぉ」
 クスクスと笑う少女にしか見えないソレに、腕を引かれ無言で連れていけと促される。…絶対ごめん被る!面倒事を増やして何になる!
 俺の本気の叫びがその場に響いた。
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