あの時の気持ち

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里菜の秘密(シークレットブレイブ)

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 私は、好きな人から告白された。しかし、断った。何故なら私は誰にも言えない秘密があるからだ。
「ただいま…」
「あら、早かったわね」
 私のお母さんがそう言った。
「…うん、部活してこなかったから」
「元気ないけどなにかあったの?」
 お母さんは私が元気がないことを見抜いたようだ。
「…ううん、てか元気だし!」
「はいはい」
 バタンッ!
 私はあの場から逃げるように自分の部屋に入った。
「…私何やってんだろう」
 私は好きな人から告られた。とても嬉しかった。その一方とても悲しかった。私には家族以外には話せない秘密がある。

―それは今から一ヶ月前だった。
父「里菜…ちょっといいか?」
里「うん、いいけど?」
父「お母さんも…」
母「はいはい」
父「…実はな、俺の会社の社長いるだろ」
里「うん」
父「…でな、その社長には息子がいるそうで、そいつと結婚することになった。」
母「誰とですか?」
父「…里菜とだ」
里「…え、は!?冗談だよ、ね?」
母「お父さん、本当なんですか?」
父「…あぁ、本当だ」
 そしてお父さんは自分のスマホを取り出して私たちに写真を見せた。
父「これが相手の写真だ…」
 そこに写っていたのは、スタイルも良く顔も爽やかで清楚系のタイプだった。
母「あら、結構いい男じゃない」
里「…」
父「…まぁ、決まってしまったんだ。ごめんな里菜…」
里「謝まっ…たっ…て…もう…遅い…よ」
 私は泣いていた。何故だかはわからないけどとにかく私は泣いた。今思えば、好きな人がいたからだったと思う。
「あ~あ、一生クロには言う気なかったのになぁ」
 これからどうしよう?明日クロと話しできるかな?
 でも今日は話せなかったし…
 明日は勇気持って頑張ろうかな…
 私は明日クロと話すことを決意した。

 私はいつもクロに会うためにわざと遅く出て会うことを狙っていた。しかし、それに慣れてきて、体が自然とその時刻に合うように動けるようになった。でも、会いたくない時も会ってしまう。結婚が決まった次の日の朝はクロの顔を見て泣きそうになった。
「今日も…会いたくないけど…話さないとな…」
 私は絶対クロと会える時刻に家を出た。しかし、今までは必ず会えていたのに今日はクロを見ないまま学校に着いた。教室にもいなかった。遅刻かな?と思ったが結局この日クロが来ることはなかった。

 風の噂で聞いたのだが颯人も休んだらしい。二人とも風邪をひいたんだろうと思った。
 しかし、翌日もクロは来なかった。どうやら颯人も来ていなかったらしい。
 その次の日も来なかったので心配になり、クロの家にお見舞いすることにした。
 クロの家久し振りだな~
 私が小さかった頃はよくクロの家で遊んでいたのだが大きくなるうちに遊ばなくなっていた。だからクロの家に寄るのは最後に入ったのは10歳だったから7年振りだ。
 ピンポーン♪
「は~い」
 するとクロのお母さんが出てきた。
「まぁ、里菜ちゃんじゃないの!」
 久し振りに会ったクロのお母さんは私よりも身長が低かった。
「久し振りです。お母さん」
「こんなに大きくなっちゃって~」
 クロのお母さんはなんか嬉しそうだ。
「ありがとうございます。ところで、今クロいますか?」
 私はさっそく本題に入った。
「それがね…」
 お母さんは困った顔で話し始めた。
「今週帰って来ないらしいの…」
「え!?そうなんですか!?」
 私は驚いた。かなり大きい声を出していた。
「うん…クロ学校どうしてる?」
 お母さんは心配そうに聞いてきた。
「いえ…クロ学校に来てないんですよ…」
「やっぱりか…家出なのかしら?」
 お母さんはさらに心配した表情になった。
「安心して下さい。多分颯人の家に居ると思うので今から私が行きます。」
 お母さん必ず帰らせますから。私は心の中で誓った。
「ごめんね…ありがとね…」
 そう言ったお母さんは少し涙ぐんでいた。

 さぁ、颯人の家に行きますか。
 颯人の家とクロの家は大体10分ぐらいだ。近いと言えば近いが遠いと言うと遠く感じる。なんとも微妙な距離だ。そう思っていたら颯人の家に着いた。
 ピンポーン
「はい?」
 扉を開けたのは若く綺麗な女の人だった。
 あれ?この綺麗な人誰?
「里菜やん!久し振り!」
 う~ん、颯人の家にいて、私が知ってる人と言えば…お母さん?いや、こんなに若くないだろ…じゃあお父さん?…いやいや男だし…颯人?…なわけないよね…他に誰かいたっけ?颯人って姉弟いるっけ?あー!いた!確か颯人にはお姉ちゃんがいたんだった!
「もしかして地味姉?」
「そのあだ名懐かしいな~」
 え!!あの地味姉!?私が知ってる颯人のお姉さんはもっと地味な格好して暗かったのに!てか、地味姉ホントはこんなに綺麗だったのか!
「あー!今里菜、私がなんでこんな派手な格好してるって思ったでしょ!」
 そりゃあ思うでしょ!こんなに綺麗になってたら!
「そんなことないですよ~」
「ホントかな?…まぁいいや、で家に来たってことはなんか用でもあるんでしょ?」
 バレそうになりちょっと冷や汗をかいた。
「あ!はい!颯人君いますか?」
「あ~颯人ね、今週帰って来ないってよ」
 え?颯人も帰らないってどういうこと?
「颯人君もですか…」
「君もってことは渉も?」
 なんであなたはクロがいないってわかってるんですか!
「はい…そうなんですよ…」
「でも、心配ないわよ」
「え?」
 颯人のお姉さんはそう言った。
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