無名の三流テイマーは王都のはずれでのんびり暮らす~でも、国家の要職に就く弟子たちがなぜか頼ってきます~

鈴木竜一

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第155話 見えてこない黒幕

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 黒幕をつきとめるためにトラビスから情報を求めたが……かえって混乱を招くような事態になってしまったな。

 国の未来を担うために集められた王聖六将。
 だが、その中には逆にセラノスを陥れようと企む悪党が紛れ込んでいるかもしれない。

 つまり……俺の元弟子であるアリアーヌ、ロザリン、そして未だ再会を果たせていないダリアスにも疑惑の目が向けられている。

「バーツさんはどうお考えになりますか?」
「俺は――」

 トラビスからの問いかけに対し、俺は自分の気持ちを正直に話した。

「弟子たちを信じている」
「そ、それって……例のスパイ疑惑にあなたの弟子である三人は関与していない、と?」
「何もかも確証がない状況ではこちらも断言できる内容は少ない――が、それだけはハッキリと言える」

 明確にこちらの意志を伝えると、トラビスと秘書のエリカは揃って目を丸くする。
 
「やっぱり、あなたならそう言うと思いました」
「そ、そうなのか?」
「えぇ。あなたたちの関係性を遠くから眺めていても、それが強く伝わってきましたから」

 トラビスは微笑みながらそう語り、さらに続けた。

「バーツさんの言うように、本件に関しては情報が錯綜していて断言できる部分がかなり少ないです――が、僕はこれが意図的に仕掛けれられたものではないかと睨んでいます」
「意図的に仕掛けられた? なんのために?」
「国内の混乱を狙ってのことでしょう。王聖六将として集められたのはそれぞれの分野で名を知られた者たち……互いに譲れない部分やプライドがあるでしょうから、疑惑を向けられること自体を心外に感じ、不協和音が出てくるのを待っているのではないでしょうか」

 なるほどね。
 セラノスは大国だから、純粋な軍事力同士の衝突では勝てないと見込んでそういった内部破壊工作へと切り替えたってわけか。

 戦術としては納得できる。
 だが、腑に落ちないのは実行している者たちの最終的な目的だ。

「セラノスを混乱に陥れて何をするつもりなんだ?」
「そこまでは何とも言えませんが……間違いなく僕たちにとっては脅威になる存在と言えるでしょうね」
「だな」

 本来なら情報が出揃ってから動くべきなのだろうが……あまり悠長に構えている時間はなさそうだ。

「こちらも動いてみるか」

 せっかくの同窓会をぶち壊されたんだ。
 黒幕にはキッチリと責任を取ってもらわないとな。

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