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精霊王
しおりを挟む妖精王は、シルビアとユージンが自分のものにならず、がっかりしていたが今までと違い気分はとても良い、ユリアスとシルビアがもう時期、結婚式を挙げると招待状が届いたのだ。
妖精王は人間から招待状を貰うのは初めてで嬉しくて執事ドルガーに何度も読み上げてもらい喜んで感動もしていた。
「ドルガー人間から結婚式の招待状を貰ったのは初めてだぞ」
妖精王は何度も読み返し部下達に聞かせていたのだ。
仕方ないか、人間の願いを叶えたのは初めてだしな前は確か失敗していた。
あの時は可哀想だった。父親が病気で伏せっている子供を助けたくて妖精王に願って失敗し愛していた者達を殺め全て思い出し後悔しながら自決していた。
今回成功したのは妖精王が助けていたからだ。
前は一切、干渉しなかった!
暇つぶしから始めた。人間には不利な条件でも私利私欲でやって来る者ばかりだったからだ。
だがあの男は違った。
病気で伏せっている子供を助けたくて妖精王の俺に願って失敗したのだ。あの男の名前は何だった?
アルクだ家族思いの良い奴だった。俺は初めて後悔したのだ。
教会の鐘が鳴るたび、私は子供たちの手を引いて祈りの部屋へ向かった。
伯爵令嬢としての務めではなく、ただ人として、誰かのために時間を捧げたかった。
その日、見慣れない青年がいた。
黒い外套に身を包み、顔の半分を覆う仮面。
子供たちの輪に加わり、静かに微笑んでいた。
「あなたも、ボランティアですか?」
声をかけると、彼は少し驚いたように頷いた。
「ええ、子供たちの笑顔が好きで」
その声は澄んでいて、どこか懐かしさを感じさせた。
彼は名前を名乗らなかった。
ただ「ユリ」とだけ。
仮面の下の瞳は、深い湖のように静かだった。
数日後も、彼は教会に現れた。
子供たちと遊び、祈りを捧げ、私の焼いたパンを「美味しい」と言ってくれた。
その言葉が、なぜか胸に残った。
「ユリさんは、どこから来たのですか?」
「遠くから。少し、逃げてきたんです」
彼の言葉には、重さがあった。
私はそれ以上訊ねなかった。
ある日、子供たちが彼の仮面を外そうとした。
「ダメだよ、ユリさんは秘密の人なんだって」
そう言って、彼は優しく子供の手を包んだ。
その仕草に、私は心を奪われていた。
身分も素性も知らないのに、彼の存在が私の中に根を張っていた。
「シルビアさん、あなたはとても優しい」
「そうですか?私はただ、ここにいるだけです」
「それが、僕には救いなんです」
その言葉を聞いた瞬間、私は彼を愛してしまったのだと思う。
仮面の青年。
名前も、過去も、未来も知らない人。
でも、心だけは確かに通じていた。
その日、彼は少し長く教会に残った。
夕暮れの光の中、仮面の下の瞳が揺れていた。
「また、来ます」
そう言って去っていった背中を、私はずっと見送っていた。
その時はまだ知らなかった。
彼が王太子殿下であることも。
この出会いが運命を変える始まりだったことも。
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